海兵隊不要論/米議会で高まる機運 好機生かし普天間返還を(この内容すでにご存じの方は、この項は読み飛ばしてください)
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米国内で、在沖海兵隊の不要論が急浮上している。
米下院民主党の有力議員バーニー・フランク氏が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物で時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と主張し、大きな波紋を広げている。
米国内での不要論の広がりは沖縄にとって好機到来である。日本側から在沖海兵隊の撤退や普天間飛行場の県内移設なき返還を要求すれば、許容する米国内の空気が醸成される可能性が出てきた。
軍事費と覇権に異議
過重な基地負担の連鎖を断つことを求める沖縄の民意を反映することは民主主義の王道だ。海兵隊撤退の流れが米国内で強まることを期待したい。
これまで、米上下院議員の中で在沖米軍基地の大幅縮小を求める議員はいたものの、下院歳出委員長を務めるフランク氏の影響力は別格だ。連邦議員を30年務め、政策立案能力が高く評価されている。
オバマ大統領が最重要懸案の一つと位置付ける米金融規制改革法案が上院で歴史的可決に至ったが、上下両院の一本化作業を担った。その重鎮が放った海兵隊不要論は、瞬く間に主要メディアがこぞって取り上げる事態となった。
同氏の主張は二点で注目される。一点目は、米国の厳しい財政赤字を踏まえて膨張の一途にある軍事費に果敢にメスを入れる考えを示し、二点目は米国の覇権主義と決別すべきだと唱えている。
フランク氏は共和党下院議員と共同で、オンライン政治誌に論文を寄せ、国防費削減を提唱した。大きな反響を呼び、大手メディアの番組に相次いで出演した際、真っ先に閉鎖すべき基地として普天間飛行場を挙げ、こう語った。
「海兵隊がいまだに沖縄にいる意味が分からない。台湾と対じする中国を野放しにしたくはないが、沖縄にいる1万5千人の海兵隊員が何百万人もの中国軍と戦うなどとだれも思わない。海兵隊は65年前にあった戦争の遺物だ。沖縄の海兵隊は要らない。将来的にも活用する機会はない」
軍事費を増大させる中国と核開発を進める北朝鮮をにらみ、日米両政府は、沖縄の地理的優位性や疑問だらけの抑止力を振りかざし、沖縄に海兵隊を置く根拠にしてきた。フランク氏の問題提起はその矛盾を端的に突いている。
米政府は6月に「軍事費を2012会計年度から5年間で1兆ドル削減する」という方針を出した。イラク、アフガンの戦争で膨らんだ戦費を大幅削減しないと、財政が立ちいかなくなっていることを示す。
軍事による平和構築には限界があり、国家財政を破たんさせかねないことを自覚した対処方針であり、海外で大規模展開する米軍基地を縮小する流れは、押しとどめることはできないだろう。
日本政府が提起を
東アジアを見ると、米国と中国の経済的結び付きがどんどん深まっている。
2009年の米側統計によると、米中間の貿易額は約3660億ドルとなり、日米間の約1470億ドルの2・5倍となった。昨年来日した米国人は70万人だが、訪中した米国人は171万人だった。
米中間の緊密さが日米よりずっと強まる中、日米同盟と在沖米軍の抑止力によって、中国ににらみを利かす軍事優先的な思考はもはや時代にそぐわなくなっている。
米国の安全保障政策が大きな分岐点を迎える中、日本との関係で考えると警戒が必要な面がある。
米軍の駐留経費を「思いやり予算」の名目で、世界一気前よく負担しているのが日本である。米軍の駐留経費の約7割も負担しているのは日本だけで、ドイツや韓国などに比べその突出ぶりが際立っている。
財政に窮する米国にとってみれば、日本に基地を置き続けることほど楽なことはないだろう。
海外の米軍基地縮小の必要性と一線を画し、在日米軍基地だけは維持する選択をしかねないだけに、日本側の姿勢が問われる。
普天間飛行場の県内移設は、沖縄の大多数の反対世論と先の参議院選の民主党惨敗で、菅政権の“推進力”が乏しくなった。
過重負担にあえぐ沖縄がとげとなり、日米安保が不安定化することを避けたいのであれば、日本政府は戦略的に米国と向き合い、県内移設なき在沖海兵隊の撤収を堂々と提起すべきである。(琉球新聞より)
海兵隊不要論は設立以来何回もあったこと、学ぶとすれば自己変革力だ!!
さて上の記事では、米下院民主党の有力議員バーニー・フランク氏が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物で時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と主張したことをあげている。そうして、それを論拠として、普天間基地の変換させるべきことを説いている。
ことの是非は、ここでは述べないが、琉球新聞が掲載しない事実を掲載しておきます。そもそも、海兵隊不要論は、アメリカではいままでも、数えきれないほど言われてきたことです。これに、関してはアメリカ海兵隊の創立の頃からの歴史を振り返ってみる必要があります。
1775年に英国を模して創設されたアメリカ合衆国海兵隊は、独立戦争以来、2度の世界大戦、朝鮮・ベトナム・湾岸戦争などで重要な任務を遂行し、遂にはアメリカの国家意志を示威するエリート集団へと成長しまた。はじめは海軍内でとるに足りなかったならず者たちが自らの存立を懸けて新たな戦術を考案し、組織の自己革新をなしとげたのです。
海兵隊は設立当初は、海軍艦艇の警護を行っていました。艦艇の警護というと、不思議な感じをうけますが、当時は、今と違って、艦艇には軍隊とともに、金で雇われている水夫が多数乗艦していました。当時の水夫というと、いわゆる荒くれ者の集まりで、しかも、金で雇われているということから忠誠心も低く、長い航海などで反乱をおこすものも現れるということもあったくらいです。だから、海兵隊がこの警備を一手にひきうけていたわけです。
この設立のときの役割だけを担うだけだったら、海兵隊などとっくに姿を消していたことでしょう。海兵隊に関しては、無論設立の頃から、毎年のように不要論がいわていました。海兵隊は、設立の当初から存立の危機にさらされ続けていたのです。
アメリカ海兵隊といえば、我々にとっては「太平洋戦争当時にガダルカナルや硫黄島で日本軍と激闘を交えた米軍の水陸両用戦部隊」というイメージが強いです。でも太平洋戦争開始前に米海兵隊がどういった存在なのか。彼らがどのような歴史的経緯を経て現在の姿になったのか。それらについては意外と知られていません。
先程述べたように、艦上における警察官としての役割からその歴史が始まった米海兵隊は、やがて前進基地防御という新しい任務を獲得し、さらに日本の脅威が顕在化してくると「水陸両用作戦」という新しい任務を創出していきました。そして太平洋戦争における日本軍との激闘は、その概念をより発展させることになりました。 アメリカ海兵隊は、南の島で、日本と一回交戦するたびに、その内容を反省し、現場にフィードバックをしたり、武器の改良・改善を行いました。特に上陸用舟艇の改変は特筆すべきものがあります。興味のあるかたは、調べてみてください。
当時の米国に関しては、日本では物量ばかり強調され、こうした地道な活動など顧みられるはありません。しかし、1回交戦するごとに、日本軍を研究し、組織や武器、軍事オペレーションを改善したため、そんなことをしない日本軍とは、戦争末期には圧倒的な差異となり、完璧な勝利という形になりました。
その後朝鮮、ベトナムの戦いを経た米海兵隊は「海兵・空・陸機動部隊」(MAGTF)という概念を生み出し、それを具現化するためにV/STOL攻撃機、海上事前集積艦(MPS)、揚陸戦強襲艦(LHA)等を開発していきました。そして今日、米海兵隊は緊急展開部隊の中核として、戦場に真っ先に投入されて敵と戦う役割を担っています。
海兵隊の中核的能力は、独自の集中的な機能配置という考え方に象徴されます。これは、武器や軍隊を組織の使命の遂行にもっとも適合するようにすべての機能が相互に影響しあって全体として統一体のように行動できる関係を構築する配置であり、その際、あらゆる要素を平等に扱うのではなく、中心的機能を明確にして、ダイナミックな集中が生れるように有機的な関係を形成するという考え方です。
海兵隊の中心機能は歩兵(ライフルマン)です。海兵隊の全ての機能は「歩兵」を支援することに徹しています。
たとえば、海兵隊の航空パイロットは飛行任務に志願できるまでの2年間、陸上士官として陸上部隊について働きながら学びます。その後も現役期間を通じ、陸上勤務者と同じ技術学校で学ぶことになります。歩兵の動きがわかるから、どこに爆弾を投下すれば味方が傷つかないかもわかるのです。
また、海兵隊員の中核技能(コアスキル)である「ワン ショット・ワン キル(一発一殺)」の射撃技術を「訓練で汗を流せば、それだけ戦場で流す血が少なくてすむ」という哲学にしたがって、みっちりたたき込まれます。11週間にわたる新兵訓練「ブーツ・キャンプ」は、厳しい訓練だからこそ海兵隊の中核価値と中核技能が何かを徹底的に体感でき、しかも同期生同士あるいは全隊員が共有できる経験なのです。経理だろうとパイロットだろうと、皆が「ブーツ・キャンプ」など厳しい歩兵訓練を共体験した仲間となります。また、海兵隊では、どんなに戦況が厳しかろうと、仲間を置き去りするということはしません。多少の犠牲は厭わず、救出することが慣例となっています。たとえ、死亡したとしても、遺体でも、原則として必ず回収して、遺族のもとに届けます。
こうしたことが、強い今日の強い海兵隊を築く基となっているのです。
さて、こうしたアメリカ海兵隊が、さしたる理由もなく、沖縄に基地を配置するでしょうか、鳩山さんや、菅さんなどは思いつきで基地を配置するかもしれませんが、海兵隊、特に自己変革、組織変革を推進してきた上層部は絶対にそんなことはありません。
上の記事では、フランク氏は「沖縄にいる1万5千人の海兵隊員が何百万人もの中国軍と戦うなどとだれも思わない」などとしていますが、私もそう思います。ただし、フランク氏や上の記事を書いた、琉球新聞の思っているような意味においてではないと思います。
彼らは、海兵隊の任務が何であるかをすっかり忘れています。海兵隊の主要な任務は、もともと敵の軍隊と本格的に戦ったり戦線を長期間にわたって維持することではありません。それであれば、わずか1万5千人の軍隊では何の役にもたちません。しかし、その任務は、太平洋戦争の頃から変わらず、橋頭堡をつくり、それを陸軍などに引き継ぐことです。橋頭堡を築くということであれば、何も、膨大な数の軍隊は必要ありません。それよりも、少数精鋭のほうが役にたちます。
敵の手の届かぬところ、弱いところに集中的に短期的に攻めこみ、制圧し、後続部隊を待つというのであれば、かえって、大部隊ではやりずらいです。そうして、まさにこのために海兵隊が沖縄に駐屯しているのです。地図で沖縄の位置を良くみていただきたいものです。南北を入れ替えてみると、わかると思いますが、沖縄は
地政学的にいって絶好の位置にあることがはつきりみてとれます。
沖縄がなければ、中国は何の障壁もなく、太平洋に出てくることがありますが、その前に、沖縄列島が立ちはだかっています。さらに、コンパスを持っている方、沖縄にコンパスの針をおいて、いくつかの円を描いてみてください。台湾にも近いし、いざというときには、中国本土にもヘリコプターで橋頭堡を築くことができることに気づくに違いありません。ちなみにヘリコプターの航続距離は、長いもので1000km程度です。生き帰りも想定すると、500kmくらいです。これを知って良く地図をみれば、沖縄なら何とかなりますが、社民党などか提唱しているテニアンでは到底無理なことがわかります。
それと、中国とアメリカの関係最近必ずしも良好とはいえませんね、それから、最近非常に気になることがあります。それは、尖閣列島の危機です。
来年6月17日に中国人(在外華僑)が100隻余の漁船で大挙して尖閣諸島侵略を計画している模様です。そのための決起集会とも考えられる 「2010年9月18日ロサンゼルス全世界華人釣魚台回復旗揚げ大会」 をアメリカで挙行するそうです。同時に尖閣を自国のものとアピールするための文化宣伝活動の一環としてドキュメンタリー映画を作成し全世界に配信するそうです。
要は、アメリカや世界は中国人の行動に干渉するなということでしょう。ちなみに、尖閣の領有権についてアメリカ国防総省のセドニー次官補代理は米は中立の立場をとると言明しているので、安保は発動されない可能性もあります。では、自力でといっても、海保も自衛隊も政治決断がはっきりしなければ動けません。
しかし、その政府は謂わば盗賊の引き込み役そのものですよ。だから、あっという間に尖閣は取られる可能性が大です。そうなると、さすがの日本国国民も覚醒してデモだの何だので全国的規模で騒ぎだすでしょうが、その時は尖閣諸島は中国人だらけになっているはずです。もう遅い。あの北京五輪聖火リレーの長野騒乱以上の大規模なシナ人暴動が待っていたとばかりに一斉に火を噴いて、日本人は排斥されるでしょう。
とは、いいながら、アメリカの海兵隊がすぐ近くの沖縄に常駐しているということは、華人たちにもかなり大きなプレッシャーになっていると考えられます。だからこそ、わざわざアメリカで華人大会など開催してアピールするのだと思います。
アメリカの海兵隊は、戦争だけではなく、反乱などの鎮圧なども実施します。大量に押し寄せてきた、華人など、蹴散らすことはもとより、正規軍との交戦でも、はるかに優位にたつことができるでしょう。
このような、動きから沖縄のアメリカ海兵隊は、鳩山さんのように学ぶまでもなく、ますます、重要になってきているのは明らかです。
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