2011年1月9日日曜日

中国は軍事力過大評価か=ウィキリークス―【私の論評】中国の海軍力は日本にとっては、でくのぼう水準だが・・・・・!!

中国は軍事力過大評価か=ウィキリークス




【大紀元日本1月8日】中国当局は自己の実力を過大評価している可能性がある。そして、小さな事件を衝突に拡大させ、地域の安定を脅かす可能性がある。ウィキリークスが最近公開した米外交公電にこう記されていた。

同外交公電は、豪州の情報機関の戦略評価報告書の内容を引用して、中国2006年度の軍事支出は700億ドルに達し、当局の公表数値の倍であると指摘した。

豪州の最有力紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」は7日、ウィキリークスから入手したという同米外交公電の内容を公表した。

豪州国家評価機関、国防情報機関、国防省および外務省が共同で制作した同戦略評価報告書は、中国当局の軍事力拡張の動きは、台湾を対象とする国防戦略の域を超えている、と指摘した。

同報告書は一部の見方として、中国は地域内の関連国家に軍事的な脅威をもたらしていると記し、中国軍の近代化に伴い、その軍事力は地域にとってさらなる巨大な不安要素になると指摘した。

また、中国の軍事力の拡張や、その軍事計画の不透明性は、アジアの勢力バランスを変えつつあり、不安定を引き起こす可能性がある、と同報告書は記している。

中国の軍事力は、持続的に強化されているが、実戦経験が乏しい。一方、民族主義が日々強まり、国の国際地位の上昇へ国民の期待感が高まっている。これらの状況にいる中国当局は、自身の軍事力を過大評価して衝突を起こしかねない、と同報告書は分析している。

「このような勘違いは誤った判断を引き起こしたり、危機をもたらしかねない。そして、本来ならばささやかな事件を大きくしてしまう」と同報告書は記している。

【私の論評】中国の海軍力は日本にとっては、でくのぼう水準だが・・・・・!!

中国潜水艦
軍隊というものは、軍事力だけでは推し量れないものがあります。たとえば、軍人の士気とか、訓練度合い、優れた兵站、さらには、軍事技術、兵器の優劣、軍隊の運用方式などが異なれば、同じ軍事力であっても、雲泥の差ということになります。中国はこのあたりを勘違いしている可能性もあります。

このブログには、以前日本の軍事能力(軍事力とすると総合的になるのでここでは、能力とした)について掲載したことがあります。これは、結論からいえば、日本の潜水艦の対潜能力、さらに、P3C対潜哨戒機の並外れた能力からいって、中国の海軍力はいまのところ日本にとっては、無きに等しいものというものでした。

その詳細は、以下の記事をご覧いただくものとして、本日は、このような日本の自衛隊の装備が、いざというとに役にたたないこともありうること、それに対する対処方法など掲載します。

自衛隊「最新装備」実は世界最高レベルで中国軍丸裸にできる―【私の論評】いろいろな意味で中国幻想は捨て去ろう!!


さて、実際に戦争や、戦闘になりそうになった場合などに関連する自衛隊法をかかげておきます。

第82条  には、 「領空侵犯に対する措置」

というのがあり、防衛大臣が必要な処置をとることができると、定めています。これは簡単に言ってしまえば、自衛隊の判断でスクランブル発進して警告しなさいということです。

ところが、実は、自衛隊法には肝心の「領海侵犯に対する措置」、「領土侵犯に対する措置」といものが存在しません。

「領海」に関するものがありますが、それは以下のようなものです。

第82条  にある 「海上における警備行動」

これには、「内閣総理大臣の承認を得て」とあって、防衛大臣の判断だけではできないことになっています。ひらたくいいますと、とても長い手続きを経ないとできないし、「手遅れ」ということにも十分なる、ということなのです。だからこそ、北朝鮮不審船撃沈のときまで、一度も発動されなかったのです。

今のままでは、中国が日本領海内で何か事をおこしても、せっかくの優秀な装備が活かされず、手遅れということになってしまいかねません。

第82条の2  に新設された 「海賊対処行動」

というのがあり、一見、防衛大臣の判断で動けそうだが、関連法「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」をよく読むと、

第7条  には  「内閣総理大臣の承認を得て」

とあり、そこからひたすら長い手続きが延々と書かれています。やはり、肝心要のときには「間にあわない」ということになりかねません。

これでは、せっかくの優秀な自衛隊の哨戒能力や、潜水艦の対潜能力が活かされないということになりかねません。

私の考えでは、憲法改正などということになれば、時間がかかってどうしようもありませんから、それは、それで進めて、現行の憲法の範囲内で、領海内で有事の際には、はっきりと定義をして、その定義内であれば、現場の指揮官でも程度に応じて威嚇・攻撃・反撃できるように法律を改めるべきと思います。

そんなことをしたら、戦争になるなどと考える人もいるかもしれませんが、他国が領海と宣言している海域に入って、他国のいうこともきかずに行動した場合には、撃沈されてもやむなしというのは世界の常識であり、そうなったからといって、それだけで戦争になるということはありません。日本においても、過去に北朝鮮の工作船を結果として撃沈したこともありましたが、あれで戦争になったでしょうか?あるいは、なりそうな気配があったでしょうか?

事実世界各地でそのようなことは、過去においてもたくさん事例がありますが、それだけで戦争になったなどという歴史的事実はありません。私はは、要するに世界の常識を日本の常識にしようと言っているだけです。

それから、最近中国のステルス戦闘機が話題を呼んでいますが、おそらくステルス性はかなり低いものと思われます。

実は、アメリカのステルス戦闘機には、日本の塗装技術が用いられています。さらに、機体のカーボン一体成型技術も日本のものが用いられています。これに関して、中国の技術は及ぶべくもありません。中国がステルス機なるものを導入したとしても、あまり、深刻な事態になることはないでしょう。

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2011年1月8日土曜日

『Mac App Store』に早くも海賊行為の懸念―【私の論評】これからのアプリ提供はこの方式が定番となる!!

『Mac App Store』に早くも海賊行為の懸念



約1か月前に公言していた通り、Apple は6日に『Mac App Store』をオープンし、ネット上では熱狂的な歓迎をもって迎えられた。

Apple は7日付の声明で、オープン初日のダウンロード数が100万件を超えたと発表した。この新オンライン ストアはすでに1000本以上の有料または無料アプリケーションを取り揃えているという。

ところがオープンから数時間のうちに、ある論争が表面化した。一部の観測筋が、Mac App Store の海賊行為対策は不十分だと指摘したのだ。

『Pastebin.com』や『Daring Fireball』などいくつかの Blog サイトは、一部の有料アプリにおけるレシートの有効性確認を回避するテクニックについて論じている。

ただし、Daring Fireball の創設者 John Gruber 氏は同 Blog において、海賊行為を許しかねない問題については、開発者の側に少なくとも一部の責任があるとして、次のように述べている。

「App Store が発行するレシートの確認について Apple の勧告に従っているアプリでは、この単純なテクニックは通用しない。しかし残念ながら、多くのアプリはそもそも何の確認も行なっていないか、正しい確認を行なっていないかのどちらかだ」

Apple の広報担当者は、海賊行為に関する問題についてコメントを拒否した。

【私の論評】実は、Google Web Storeもすでに開店していた!!これからのアプリ提供はこの方式が定番となる!!



Chrome Web Store

Mac App Storeでは、すでに百万本以上のアプリがダウンロードされたそうですが、すごいですね。やはり、ユーザーの立場からすると、この方式が使い勝手がいろいろな面で良いという事なのだと思います。上記のような海賊行為の懸念があったとしても、この流れは止められないでしょう。

実は、私自身は、オープンしてからしばらくしてから、気がついて使い始めたのですが、Googleでも、Chrome Web storeを先月の8日より開店して、Appなどの提供を始めています。しかし、これに関しては、まだ英語版しかないためもあり、日本では゛ほとんど話題になりませんでした。

Chrome Web Store が扱うのはウェブアプリに加えてChromeで動くエクステンション、テーマなど。有料アプリの場合は Google の決済手段を提供することで、「有料であることよりも、よく分からない会社や個人に支払い情報を教えたり改めて会員登録するのがイヤ」というジレンマを解決することも意義のひとつです。販売されているアプリはウェブアプリだけあって別のブラウザで動く(ものもある)はずですが、利用ライセンスは Google のログインと連動します。

ストアのトップはアプリ / エクステンション / テーマに分かれたジャンル分類や特集アプリ、おすすめ、売れ筋ランキングなど、一般的なオンラインストアの構成です。アプリは有名どころの Twitter クライアントやSNS、メッセンジャー、 Amazon、New York Times や NPR、ゲーム、音楽、プロダクティビティ系や画像編集などひととおりのジャンルが揃っており、ちょうど iPad の App Store をキーボード・マウス対応版にしたような感覚。購入して「インストール」したアプリは Chrome の「新しいタブ」ページに、最近閉じたタブやよく開くページなどと並んでアイコンで表示されます。

ウェブアプリストアが用意された理由のひとつは、HTML5のローカルデータベースやドラッグ&ドロップ、リッチメディア対応といったウェブ技術のおかげでネイティブ同様の本格的なアプリが実現できるようになり、またサービスとアプリがますます融合しているなかで、ユーザーにとっては必要なアプリを見つけやすく、開発者にとってはウェブをプラットフォームに商売をしやすくするため。もちろん来るべき Chrome OS で動くアプリを整備するという意味もあります。

私のパソコンは、残念ながらアップルではないので、Mac App Storeは利用したことがないですし、これかも利用することはないと思います。しかし、iPhoneを持ってるので、iPhone用のアプリはよく利用します。有料のものもいくつか購入しています。

これに慣れてしまったので、ブラウザで使用できるアプリなど探すのが面倒でしたし、今までは、有料のものは購入したことはありません。しかし、Google Web Storeが充実してくれば、有料のものでも、自分にとって良いものがあれば、購入する可能性もあると思います。やはり、この方式だと安心して購入できるからです。

考えてみると、ここ5年くらい、パソコンに関しては、ソフトウェアなど購入したことがありません。最初からパソコンにバンドルしているもののみとか、表計算なども、バンドルされていないほうが、パソコンの価格自体が安いので、購入してから、後から、Open officeを入れました。最近では、Open Officeもあまり利用していません。大抵は、Google Docs & SpreadSheetで済ましてしまいます。

たまに、なにかソフトが欲しいと思うときもあるのですが、探すのが面倒ですし、わざわざ、そのためにパソコンショップに足を運ぶのも面倒なので、購入していません。そういわれてみれば、最近では、パソコン自体も、3台ともすべてネットで購入しています。

これが、一昔前だと、結構パソコンショップなどにも足を運んだこともあり、そんなときにソフトも購入することもありました。しかし、最近ではさっぱりです。大抵の人は私と同じようなものなのではないでしょうか。そうなると、ソフトなども従来から比較すれば、かなり売れなくなっているのだと思います。

そうした、私のような人間が、iPhoneを購入してから、しばらくすると有料のものでもいくつかAppを購入しているわけですから、App Storeは、有力なマーケティング手法でもあるのだと思います。だから、こそ、Mac App Storeもオープンして間もないというのに、100万ダウンロードもあったのだと思います。

それと、最後にApp Storeの弱点も掲載しておきたいと思います。実際に、iPhoneでStoreを使用した経験からいうと、意外と目当てのAppが探しにくいということです。この方式だと、毎日のように世界中から無数のAppが提供されるので、Appは本当に星の数ほどあります。そのためでしょうか、どこかで見たうろおぼえのAppなど探してみてもなかなか見つからない場合が何度かありました。

App Storeでは、無論カテゴリー分けなどしているのですが、目当てのAppがどのカテゴリーに入るのか良くわからない場合もあり、そんな場合には、結局あきらめてしまうこともありました。それと、現在のところ個人使用のものばかりでさして問題はないのですが、将来的に業務用を使うということも考えられますが、業務用のApp専用のStoreもほしいところです。ひょっとしたらもうすでにあるのに、私が気がつかないだけかもしれませんが、今のところ実際にiPhoneのStoreなど見ていても、業務用のカテゴリーなどないようですし、やはり、それ専門の業者さんに頼むしかないのかと思ったりします。

これだけ、Appの数が星の数ほど増えてくると、App Storeだけでは、検索するのが大変です。やはり、それぞれ得意な分野を持ついくつかの提供先があったほうが良いと思います。たとえば、業務用などで特定の分野を探すユーザーにとっては、すべてを網羅するStoreではわずらわしいばかりで、探しにくい事と思います。現在iPhone用のApp StoreのAppの解説は、あっさりしたものです。しかし、業務用ということになれば、もっと詳しい説明が必要だと思います。

以前にテレビコマーシャルで、お客さんがどこかの店で、確かベビーカーを購入しようとしたときに、かなり多くの種類があると戸惑っていたのに、7種類くらいだとあっさり選択できるというコマーシャルがあったように思います。書籍あたりだと、種類が豊富なほうが良いですが、Appだとあまりに種類がありすぎるとわずらわしいです。


それから、立花岳志という方が管理人をなされている、"No Second Life"というブログでは、同Appでも、Mac App Storeで購入したほうが他で購入するよりも、高かったり、安かったりするという、いわゆる価格差問題を指摘していました。
Mac App Storeで買ったほうがお得なアプリ、要は価格が安くなっているアプリと、App Storeで買うと高くて損をしてしまうアプリが混在しているということ。
iPhone/iPad向けApp Storeの場合は、アプリは原則App Store経由でしか販売できないので、購入する場所によって価格が違うという現象は起こらない。
だが、Mac App Storeの場合、もともとApp Storeがない状態で各アプリは自由に販売されていたわけで、App Storeができたからといって、急に他の販売ルートがなくなるわけではないので、このような価格差が生じたりする。http://goo.gl/iVHCp

これなど、いずれ平準化されていくとは思いますが、生みの苦しみというところでしょうか?これに対して、Chrome Web Storeではおそらくこのような価格差はないのではないかと思います。なぜなら、Googleとしては、多少の手数料をとるにしても、Web Storeで儲けるというよりは、以前にもこのブログに掲載したように、いろいろなサービスを提供することにより、集客をして、そこで広告を打って儲けようとしているからです。いわゆる、プラットフォームを構築する一環としてのWeb Storeだからです。いずれにしても、これに関しては、今後調査をして真偽を確かめて見たいと思います。

Google Web Storeでは、実際に無料のものはいくつか購入してみました。無料とも思えないような高機能のものもあります。今のところ、こちらでは、フォルダなど使えないようですが、沢山購入することにでもなれば、やはり、iPhoneなどのようにフォルダが使えると便利だと思います。それに、まだ、日本語化されていないこと、さらには、現状では、せっかくWeb Storeのアイコンが表示されても、それをクリックすると、日本向けのクロムの拡張機能の画面に飛ぶだけなのが残念です。それと、最近設置されたばかりだからでしょうか、iPhone用のApp Storeと比較すれば、まだまだ、Appの数自体が少ないです。もっと充実させて欲しいです。

なお、Google Web Storeには以下のURLから入ることができます。まだ、ご覧になっていない方は、是非お試しください!!

https://chrome.google.com/webstore

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2011年1月7日金曜日

行政に対する満足度調査、「満足度」が絶対に50%を切らないカラクリとは?―中国紙―【私の論評】この体制は長く維持できると思えないのは私だけだろうか?

行政に対する満足度調査、「満足度」が絶対に50%を切らないカラクリとは?―中国紙




2011年1月5日、中国・重慶市開県の地方政府がウェブ上で行った「行政に対する満足度調査」で採用された奇妙な“カラクリ”がネット上で話題を集めている。光明日報が伝えた。

記事によると、開県政府が説明する満足度の算出方法は、「非常に満足」×100%+「満足」×90%+「まあまあ満足」×70%+「不満」×50%。つまり、アンケートの回答者全員が「不満」と答えても、満足度が50%を切ることはないというカラクリになっている。結局、同県の満足度調査の結果は「非常に満足」が76票、「満足」が2票、「まあまあ満足」が2票、「不満」が85票だったが、“公式”に従って算出した満足度は70%を超えていた。

同様のケースは昨年11月、吉林省吉林市永吉県でも起きている。同県人民政府がウェブサイトで行った民意調査には回答欄が「非常に満足」と「満足」しか設定されていなかった。このほか、福建省ホ田市政府は12月、市環境保全局や市農業局など計20部門を「満足」「普通」「不満」で評価するアンケートを実施したが、「設問の半数以上に『不満』を選んではならない」とこれまた奇妙な注意事項を発表し、関心を集めた。

中国では学生の就職率を稼ぎたい大学が、本人も知らぬ間に就職をでっち上げる不正が後を絶たず、学生の間で「就職していることになっていた(被就業)」という流行語まで生まれたが、今回のケースはまさに「満足していることになっていた(被満足)」だと記事は皮肉っている。(Record China)

【私の論評】この体制は長く維持できると思えないのは私だけだろうか?
しかし、この手国民を騙すには、なかなか良い手口ですね。日本の民主党政権も真似してみてはいかがでしょうか?でも、日本では無理ですね。日本の場合は、数は減ってきたとはいいながら、学者など全部が御用学者というわけではありません。それに、マスコミだって、偏向報道で問題がありすぎですが、さすがに、このような単純な手口では、政府に協力して報道するなどのこともしないでしょう。でも、中国では、従来からこのような幼稚な手口は、日常茶飯事のことです。やはり、あのコピー文化などみていれば、国民特性なのかもしれません。

それにしても、中国では、地方都市でも、このようなことをするのはもう前から知れ渡っていることです。さらに、それに輪をかけて、さらに、中央政府も嘘を平気でつくということは、以前にも、このブログに掲載したことがあります。そうです。それは、たとえば、GDPの数値です。以前のこのブログに掲載したように、各省のGDP成長が、全国平均を上回るなどのこともありました。

さらに、過去においては、中央政府が四半期のGDPが飛躍的に伸びているにもかかわらず、鉱工業における電気使用量が減少しているなどという、あり得ない奇妙奇天烈な現象もありました。そうして、それから間もなく、中国政府が電気の使用量の公表を控えるなどのことがありました。

そうです。中国のGDPの発表など完璧に出鱈目です。もし、世界第二となっていれば、大学生の就職難などあるはずがありません。中国で、雇用を完全に吸収するためには、少なくとも9%の経済成長が必要であるとの調査もあります。とすれば、ここ数年中国の経済成長率は9%を切っていたということです。であれば、理屈として、世界第二の経済大国にはなっていません。

中国が第二の経済大国となったという幻想を多くの日本人が信用しているようですが、それは全くの虚偽です。もし、それが事実であれば、オリンピックや、万博であれほど派手に国威発揚をする国柄ですから、中国は昨年暮れあたりから、さらに、今年の年初なども、世界第二の経済大国になったことを誇らしげに報道したり、なんらかの行事を行って国威発揚をしているはずです。

それをしないということは、やはり、完全に中国のGDPの発表も出鱈目で、あまり騒ぎたてると、多くの他国の経済学者が先の電気使用量のように、様々な矛盾点をあげることになるからです。それに、この事実は、中国について、客観的に調べている人なら、誰もがわかることです。日本以外の国の政府など、このことは全部わかっている事だと思います。

現実の中国は、それどころではありません。中国では、小さなものも含めると建国以来年平均二万件ほども暴動が起こっています。これは、崩壊したソビエトでも似たようなものでした。

中国では、少し前までは、反日サイトのたちあげや、反日デモに対して寛容でした。多少のことをしても、見逃しているのがほとんどでした。しかし、昨年の後半あたりから、中国政府もこれは不味いということに気がつきだし、最近では、自粛させるようにしています。それは、昨年あたりから、反日デモがいつの間にか反政府でもになって閉まっている例が多発したからです。

なぜ、こんなことになってしまうのでしょうか?それは、実は先ほど述べたように、今でも毎年2万件ほど暴動がありますが、これは、今でも減るどころか、全く変わりがありません。このような傾向を抑えようとして、今から十数年前から、体系的な反日教育を国策として実施し始めました。要するに、人民の関心を自国政府ではなくて、日本に対して向けるためです。要するに外に敵を人為的につくりあげるということです。

そのため中国で、特に反日的なのは若い世代です。今から、30年前、40年前までは、多少のことはありましたが、今日のように苛烈な反日的な傾向はありませんでした。

尖閣列島の問題もこの文脈で考えれば、理解できます。要するに、尖閣であのような問題をおこして、中国人民の関心を日本に向けさせることが主目的だったのです。その手に、日本政府はまんまと乗ってしまったというわけです。馬鹿な中国共産党中央政府ですが、自国の政府がそれよりも馬鹿だったとは、ほんとうに情けない限りです。おそらく、民主党政権は、上記で示したような、中国に対する正しい認識などないのだと思います。

何でも、不味いことがあれば、内容を隠蔽したり、糊塗したり、すり替えたり、それで切り抜けてきた中国。しかし、私は、この体制これからも、そのままで維持することはほとんど困難だと思います。そう思うのは私だけでしょうか?

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2011年1月6日木曜日

3Dで超かっこいい! グーグルの新タブレットOS「Android 3.0」が全貌公開(動画)―【私の論評】今年の春は新型iPadと、Andoroid3搭載新型タブレットとの一騎打ち?

3Dで超かっこいい! グーグルの新タブレットOS「Android 3.0」が全貌公開(動画)


うぉぉ、これはiPadも危うし!

昨年は大躍進を果たしたAndroidがタブレット専用バージョンの「Honeycomb」として再進化を遂げるという情報が流れていましたが、その正式版となる「Android 3.0」のユーザーインターフェース(UI)を示す初の公式動画が、AndroidのオフィシャルディベロッパーのアカウントからYouTubeへとアップロードされました。

このUIを見て驚くのは、これまでのスマートフォン向けのAndroidとは打って変わって、完全にタブレット向けにイチから再設計されたOSに仕上がっている点でしょうか。昨年、グーグルが買収したカナダのBump Technologiesが手がけていた3Dデスクトップソフト「BumpTop」の美しさを取り込み、まるでパソコンの画面上で動いているかのようなスムーズなマルチタスクが、タブレットの広いスクリーンを全面に使って展開していきます。GmailのUIも全くこれまでとは一新されて、なんだかウィジェットもいい感じですね。Google Talkのビデオチャットなんて、FaceTimeに対抗する勢い満々でしょうかね~

ちなみに今回のAndroid 3.0のリリース確定によって、次なるスマートフォンOSは「Android 2.4」として登場してくることが確実になったようでもありますよ。今年もAndroidからは目が離せませんね...

AndroidPolice] 【GIZMODEより

【私の論評】今年の春は新型iPadと、Andoroid3搭載新型タブレットとの一騎打ち?
私は、1月4日に、以下のタイトルの記事を書きました。

【大前健一VS堀江貴文】大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測―【私の論評】ある条件が満たされれば、満たされる可能性が高いので大前氏の予測はあたる確率が高い!?

そうして、結論として、最終的にはGoogleのほうが、アップルよりもはるかに大きなシェアを占めるようになり、それは、現在全世界のOSのアップルのシェアが5%に過ぎないのと似たようなものになることを書きました。そのため、大前氏の予測があたる確率が高いだろとう書きました。

しかし、この時点では、Androidと、ChromeOSの役割分担については、あまり意識していませんでした。しかし、本日上の記事や動画を見ていて、このあたりの役割分担について見えてきましたので、本日はそのことについて掲載します。

ChomeOSについては、やはり、基本にこだわり、ノートパソコンやデスク・トップパソコンなど、とにかく、Googleのクラウドに到達するために、なるべく操作が簡単で、しかも、コストパフォーマン高くできるようにすることを意図しているのだと思います。

こうしたことから、やはり、上のブログ記事にも書いたように、世界にゴマンと存在する、パソコンを所有していないBOP(低所得層)もしくは、子供などはじめて端末に触れる人をかなり意識しているのだと思います。これらの人たちにとって、別に3Dとか、便利な機能よりも、まずは、低価格であることが第一で、低価格であっても、操作しやすいということが第一です。それに、他の入力装置が未だ現れていない現状では、やはり、キーボードが必要であり、キーボードがついていることを前提とした端末向けという事なのだと思います。

これに対して、Android特に、「Honeycomb」は、すでにパソコンを所有している人向けだと考えます。よって、これは、先進国や、新興国などのすでにパソコンを持っている大人向けを意識しているという事です。これらの人たちにとっては、ChromeOSは、さして、興味の対象ではないかもしれません。それよりも、タブレット型で軽くて使いやすく、機能も豊富であることが望ましいのです。

だからこそ、Google自身も、ChormeOSについて、iPadなどと競合するものではないとアナウンスしていたのだと思います。私も、実際にまだ触れてはいないので詳細まではわかりませんが、きっとそうなる事と思います。

こうなると、iPadの真の競合は、Android3を搭載した、タブレットPCということになると思います。

さて、新たなiPadのうわさもチラホラでています。今年の、春には、新型iPadと、Android3を搭載した新型タブレットPCの一騎打ちなんてことになるかもしれません。新型iPadでは、無論、iAdがみられるようになることでしょう。アンドロイドでは、上記のような高機能が利用でますし、いままで、パソコンで使ってきたGoogleの資産をすべて継承できます。どちらも甲乙付けがたいという状況です。そうなったら、どちらを購入したら良いのか迷ってしまいそうですね。

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2011年1月5日水曜日

米マスコミおせち料理問題を大々的に報じる「まあ、来年はいいことあると思うよ」―【私の論評】来年ではなく、今年いいことがあると思うよ!?

米マスコミおせち料理問題を大々的に報じる「まあ、来年はいいことあると思うよ」

海を越えてアメリカでも報じられたというわけだ(screenshot:blogs.wsj.com)
    

アメリカの大手マスメディア「お粗末すぎるおせち料理」問題を大々的に報じている。クーポンサイトで飲食店のおせち料理(10500円)を500人がインターネット購入したものの、届いたおせち料理の中身が極端に少なかったり、腐っていたという騒動である。

当初はインターネットニュースサイトだけが報じていたこの騒動だが、次に大手新聞社が伝え、そして最終的にテレビ局各社のワイドショーが報じ、大きな問題として国民に知れ渡ることになった。この問題に対してホリエモンこと堀江貴文さんまでもが言及し、販売したクーポンサイトや飲食店に対して、多くの批判の声があがっている。

そんな騒動が海を越えてアメリカでも報じられたというわけだ。『Wall Street Journal 』はおせち料理が日本人にとって大切な正月行事の料理である事を伝えつつ、お粗末過ぎる内容のおせち料理を写真つきで紹介していた。

『Wall Street Journal 』の記者は記事の最後に「まあ、来年はいいことあると思うよ?」とコメントし、この騒動を伝えている。こんな散々なおせち料理が届いたのだから、来年こそはいつもの数倍くらい幸せでめでたい正月をおくってほしいものだ。

【私の論評】来年ではなく、今年いいことがあると思うよ!?
良い、悪いは別にして、おせちに関して、これほど年初に話題になったことは、いまだかつてなかったのではないでしょうか?

おせちに関しては、今でも、あまりその語源など掲載されていないので、以前もこのブログに掲載したことがありますが、ここに改めて掲載しておきます。


先ず、小学館発行の大辞泉という辞典で「御節」を調べてみると、次のような説明が書いてありました。

[1] 節(せつ)の日に特につくる料理やお供えの餅。
[2] 正月や五節句などの節日(せちにち)の事。

このことからもわかる通り、元々は『御節』=『正月料理』の意味ではありません。
では、「おせち」という言葉が、私たちの中で、特にお正月に食べる料理を指す標準語のようになったのは、いつ頃からなのでしょう? 食の文化史(著:大 塚滋/中公新書)によれば、御節が重箱に詰めた正月料理を指すようになったのは、第二次世界大戦後の話しなのだそうです。なんでも、デパートでお正月料理 の箱詰めを売り出す際に、「おせち」という言葉を使ったため、日本中に「御節」=「正月料理」というイメージが広まったのだそうです。

さらに、語源を調べていくと、以下のようなことがわかりました。

そう考えてお節の語源を調べた所、「おせち」とは、古代より朝廷で使われている「御節供」(おせちく)の略だという事がわかりました。 
「御節供」(おせちく)とは、朝廷の節日に行われる宴‥‥節会(せちえ)の席で振舞われる御馳走の事で、平安時代には、1月1日に元日節会(がんじつの せちえ)、1月7日に白馬節会(あおうまのせちえ)、3月3日に上巳祓(じょうしのはらえ)、5月5日に端午節会(たんごのせちえ)、6月晦日に六月祓 (みなづきはらえ)、7月7日に乞巧奠(きっこうてん)などの節日がありました。この節日に神に供えたり、お客さまに出された「御節供」(おせちく)が、 「おせち」と略され、主に正月料理を意味するようになり、又、「お節句」と文字を変えて、3月3日のひな祭りと、5月5日の端午の節句をあらわすように なったのだそうです。
いずれにせよ、多くの人たちが、現在伝統的で、昔からあると思い込んでいる現在の形のおせち料理は、 戦後にデパートが売り出したのが初めということで、歴史の短いものであるということです。そういわれてみれば、私も、昔、祖父母の家でいただいた正月料理は、お節などという呼び方などしていませんでした。それに、お重にも詰めておらず、御善に盛られていました。父母の家でも、今でも、お節などという呼び方しません。お重にもつめていません。

ライフスタイルが変わっていくのですから、正月料理も時代にあわせてかわっていくのは当たり前の事と思います。

そういうこともあり、私の家でも、今回ははじめて、ネットで注文してみました。注文したのは、12月18日でした。この時期だと、すでにかなりの商品が50%引きになっていました。配達日は、30日で、冷蔵庫の中に入れてゆっくり解凍して、ちょうど1日に食べごろということになっていました。下が、その写真です。





4重でしたが、小さめなので、通常なら2重というかんじです。小さく、いろいろなものが少しづつ入っていて、良かったです。現物と、ネットでみたものとの差異もほとんどありませんでした。おそらく、それなりに、定評のあるネットで注文すれば、今回報じられたようなことはないと思います。グルーポンも、今回の出来事を反省して、商品管理を厳重にして欲しいものです。

お節に限らず、正月料理や、日本人が四季折々に食べる食材には、いろいろと験担ぎをしたものが多いです。また、日本人は、運の尽きなどとい観念を持ち合わせています。そうです。どんな人にも、平等に運があるものと信じています。だから、悪いことが続きすぎても、良いことが続きすぎても、運の尽きで、悪いことも、良いことも何時までもつづくことはないと信じています。

だから、今回グルーポン被害にあわれた方も、日本人がこのような観念を持っていることを知らない海外メディアでは「来年は良いことあるとおもうよ」としていますが、私は、これは、「今年は良いことがあると思うよ」になると思います。なぜなら、年の始めに運の悪いことが起こってしまったので、年内にはきっと良いことが起こると思うからです。


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2011年1月4日火曜日

【大前健一VS堀江貴文】大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測―【私の論評】ある条件が満たされれば、満たされる可能性が高いので大前氏の予測はあたる確率が高い!?

大前氏 アップルは失敗繰り返しアンドロイドに負けると予測


グーグルの携帯電話向けOS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」を搭載したタッチパネル方式のスマートフォン(高機能携帯電話)が続々と登場し、アップルの「iPhone」を追撃している。大前研一氏は、そんな状況を以下のように分析する。

大前研一氏
* * *
アップルのCEOのスティーブ・ジョブズは、今まさにパソコンのMac(マッキントッシュ)と同じ失敗を繰り返そうとしているように見える。“Macの失敗”とは、OSを他の企業には売らず、ハードとワンセットで自分で売ろうとしたことである。

その結果、マイクロソフトがIBMと組んでMS/DOS(のちのウィンドウズ)を発売すると、アメリカ、日本、台湾など世界中のパソコンメーカーが雪崩を打ってこれを採用したため、Macは洗練度で高い評価を得ながら、シェア争いで一敗地に塗れ、ジョブズは一時期アップルを追い出された。要するに、OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つのである。

なぜ未だにジョブズがOSとハードをセット販売し、さらにコンテンツのダウンロードでも儲けるという偏狭な垂直統合モデルに固執するのか理解に苦しむが、おそらく彼は心の奥底ではアップルを“メーカー”と認識しているのだろう。

メーカーだから(実際に製造しているのは世界最大のEMS企業・鴻海精密工業だが)OSとハードをワンセットで設計・製造・販売するのが当たり前と考えているのだと思う。そして彼は商品について非常に強いこだわりがあるので、OSだけでなく細かいハードの見てくれや使い勝手の良さをとことん追求する。

その手法はMacでは失敗したが、iPodとiTunes Store(アップルが運営している音楽、動画、映画などの有料コンテンツ配信サービス)が大成功したことで、ハードで儲けてコンテンツでも儲けるという新しいモデルを構築した、と勘違いしたのではないか。

だからiPhoneではAT&Tやソフトバンクモバイルとだけ組み、そこにハードやコンテンツを乗っけて自分でコントロールしているのだろう。つまり、通信会社の運命さえも支配できる、と考えているに違いない。

だが、そういう強欲な“覇権主義”はスマートフォンでも命取りになる。いま中国では、iPhoneの海賊版がたくさん売られている。通常、iPhoneはSIMカード(電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたICカード)がロックされているうえ、筐体を開けることさえできないため、ユーザーは自分でバッテリーも交換できない。…

かたや中国のiPhoneもどきはSIMフリー(どのキャリアのSIMカードでも入れ替えて使える)になっている。もちろんバッテリーは自分で交換でき、なかにはSIMカードを3連装できる機種もある。一番安い商品は15ドルくらいだ。しかし、この使われ方こそが「正解」なのである。

つまり、ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである。

だが、ジョブズは絶対に自分の主張を曲げないので、今回もその頑固さが災いするかもしれない。言い換えれば、まだジョブズには「プラットフォーム」という概念がないと思われるので、そこが彼の死角であり、限界かもしれない。

※週刊ポスト2011年1月7日号

【私の論評】ある条件が満たされれば、満たされる可能性が高いので大前氏の予測はあたる確率が高い!?
さて、昨年年末にこの記事を読んで、ブログにとりあげようと思ったのですが、さしたる、他の情報源も特にはなかったので、とりあげるのをやめていました。

堀江貴文
しかし、上の記事に関して、あの堀江さんが、ご自身のブログにとりあげていたり、その他の新たな情報も入つてきたので、本日とりあげることにしました。

さて、堀江さんがご自身のブログに取り上げていた内容を以下に掲載しておきます。


dankogaiの大前研一氏のコラムへの反論が面白い。iPhone関連。

2010年のAppleから学ぶべき3つ不等式 - 404 Blog Not Found.

dankogai(ブログ管理者注:上のURLのブログの筆者のこと)の見立ては正しい。というか大前研一氏はメディアとかITの未来予測とか現状分析は不得意のようだ。彼は私がニッポン放送の買収、すなわちフジテレビグループの買収挑戦への批判として、ネットはY!のように各テレビ局からコンテンツを供給してもらう必要があるため、単一の放送局を保有することの愚を説いていた。が、私が注目していたのはテレビ局のコンテンツではない。コンテンツを作っているのは実は放送局ではなく、制作会社でありテレビ局が既存のコンテンツの著作権は押さえているだけで、そんなものに大して価値はない。実際にニコニコ動画などのネット系動画サイトは少しずつではあるが、良質なコンテンツを供給できている。制作会社との連携が上手く行っているからだ。 
私が重要だと思っていたのはテレビ局の圧倒的なリーチ力であり、それを利用して広告モデルでしか収益と立てられていないテレビ局の収益構造をニコ動やNHKのような個人からの会費収入モデルに構造転換することだった。
ま、どっちにしてもappleの強烈な収益力はgoogleに無い物だ。googleはほとんど広告モデルでしか実は収益を得られていない。 
さて、Gayoの失敗、Youtubeの成功が明確化した現在、上の堀江氏の論評は、あまり説得力がないと思います。それに、dankokai氏の論評に関しても、論評の大きな部分が、株価の比較によるものが大きいです。確かに、アップル株価は最近はうなぎのぼりであり、Googleはそうでもありません。

しかし、株価というものは、決してその会社の真の価値を示しているかといえば、そうであるとは限らず、単なる、投資家、投機家の期待感の表れに過ぎないことが多いです。その期待感が必ずしも現実と一致していないことは、私たちは、つい最近の金融危機、リーマンショックで学んだばかりのはずです。サブプライム・ローン、GMのローンの正体を、私たちはいやというほど、見せつけられたはずです。

それに、Gayoの失敗は、収益モデルがはっきりしていなかったことであることは、このブログに掲載しました。無論、堀江さんが、Gayoのようなビジネスモデルを構築しようとしていたのではないことはわかります。しかし、上では、ニコニコ動画の例をあげていますが、YouTubeの成功には触れていません。それに、ニコニコ動画だって、プラットフォームを構築しています。未だに、無料で利用するユーザーも多いです。


私は、このブログで、AppleTVを購入したことをこのブログで掲載したことがあります。実は、AppleTVは第一世代では大失敗しています。しかし、アップルには、この分野に対して相当の思い入れがあるもと見えて、第二世代の新しいAppleTVをだしたわけです。ここで詳細は述べませんが、テレビの世界もこれからは、AppleTVやGoogleTVのようなものが前提となっていくに違いありません。


既存のTVは、従来のTVが、確かに広告を提供するビジネスモデルではありながら、インターネットに比較すれば、プラットフォームを構築できていなかったことに問題があったのだと思います。堀江氏は、既存TVの圧倒的なリーチ力を強調していますが、現在では、テレビの視聴率は年々減少はつつあります。若い世代では、日々テレビをほんど見ないという人も増えてきました。このリーチ力もいつまで続くのかわかったものではありません。このリーチ力は、インターネットがない時代に、いち早く、動画を提供できたのが、TVであったため、それ以外になかっので、獲得できたというだけであって、それ以上でも、それ以下でもありません。私は、堀江氏がテレビ業界に参入できていたとしたら、大きな話題となって、Gayoの宇野氏のように脚光を浴びることはできたかもしれませんが、おそらく失敗したと思います。

YouTubeを含む、Googleの収益の柱は、確かに、堀江氏の言うように、今でもそのほとんどが、広告モデルによるものです。確かに、Googleはいろいろいなことに手をだしていますが、今でも、この事実には変わりがありません。

しかし、私がこのブログで盛んに強調してきたことは、結局eコマースの本質は今でも、広告であり、これを欠いてしまえば、なかなか成り立たないということです。アップルも、この事実に気がついており、だからこそ、iAdをはじめることを、このブログにも掲載しています。


大前氏が盛んに強調しているプラットフォームも、結局は、いくら集客しても、広告がなければ、収益にむすびつけることはできません。ただし、大前氏は、これは当然のこととして、敢えて強調してはいないだけです。大前さんの考えでは、広告とは単なる手法に過ぎず、プラットフォームを構築する事自体が本筋だと考えているのだと思います。それに、集客した人々をビジネスに惹きつける手法が、広告ばかりであるとは言えない面もありますが、それにしても、広告を全くしないということであれば、成功はおぼつかないとは思います。

これに関して、堀江氏は、「googleはほとんど広告モデルでしか実は収益を得られていない」としてかなり軽視しています。しかし、私が以前のこのブログに掲載したように、多くのIT企業が、eコマースの本質は、広告であるという事実を見誤り、敗退していっています。Gayoの宇野氏もまさにそうだったのだと思います。この事実から、私は、すべての、eコマースは、広告を軽視すれば、失敗すると思います。

広告ということになれば、確かに、メーカーと異なり、確かに収益力はどうしても低くなると思います。それは、メーカーなどと比較すれば、当然、小売業などの収益力が低くなるのと同じ事と思います。しかし、収益力が高いからといって、メーカーのほうが、小売業よりも成長性が高いなどということは、誰もいいません。なぜなら、それは、成長性の問題ではなく、業種特性によるものだからです。

大前さんは、上の記事で、「かたや中国のiPhoneもどきはSIMフリー(どのキャリアのSIMカードでも入れ替えて使える)になっている。もちろんバッテリーは自分で交換でき、なかにはSIMカードを3連装できる機種もある。一番安い商品は15ドルくらいだ。しかし、この使われ方こそが「正解」なのである」と書いておられます。


私も、今は見えにくいだけであって、この大前氏の見解は、いずれ5年以内には必ずはっきりと誰にも認識できるようになると考えています。


たとえば、最近衝撃的なニュースが入って来ています。それを以下にコピペします。
iPadの成功を追ってタブレット端末が次々に登場する中、「35ドル」という破格の低価格タブレットが名乗りを上げた。インド人的資源開発省は7月22日、タッチ画面を持った安価なコンピューター端末を発表した。高価なパソコンを買うことができない学生や子供たちの利用を想定したもので、2011年から教育機関などで導入を開始する計画だ。このニュースは“世界最安のコンピューター”として世界中に伝えられたが、あまりの安さに実現をいぶかる声も出ている。
詳細は、以下のURLをみていただくとして、これが現実になったとしたらどうでしょうか。
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/20100802_385076.html

現在は円高ですが、この円高だって、いつまで続くかなどわからないので、目見当をつけるため、かなり高めの1ドル=100円で換算してみても、3500円です。中国の、スマートフォンは、一番安くて1500円ということです。


アップルも、これからは、無論製品をどんどん安くするでしょうが、iOSを搭載した、アップルのハードを売るということであれば、ここまで、安くはできないでしょう。

それに、最近、Google Chorm OSを搭載した、ノートパソコンの試用モデルが、応募者に無料で配布され試験に入っています。この試用機、実際販売されるときには、日本円で1万7千円は超えないだろうと言われています。

そうして、私は、このようなことをする、Googleの狙いは何かについて、このブログに掲載したことがあります。それを以下にコピペします。
なぜそんなことをするかといえば、もうすでに先進国などの豊な国では、かなり多くの人々が日々インターネットを使用するようになっています。もう、これらの国では、さらに、Googleのクラウドを訪れるユーザーを増やすことは困難です。 
しかし、世界に目を転ずれば、まだまだ、Googleのクラウドを訪れていない人々はたくさんいます。それは、いわゆる貧困層と呼ばれる人々です。 
世界には、1日2ドル未満で生活する貧困層が40億人います。先進国では経済が成熟化していますが、経済ピラミッドの底辺に位置するこの貧困層(Bottom of the Pyramid=BOP)こそ、今後急速に成長する魅力的な市場になることでしょう。現在、企業は彼らを、慈善や援助の相手としてはなく、ビジネスの対象として重視すべきです。
貧困層を「顧客」や「消費者」に変えるには、先進国向けの製品・サービスに少し手を加えるといった対応では不十分。技術、製品・サービス、ビジネスモデルそのもののイノベーションが欠かせなのです。 
BOP市場の基本となるのは、「パッケージ単位が小さく、1単位当たりの利潤も低い。市場規模は大きいが、少ない運転資本でも利益を出せる」ビジネス。例えば、米P&Gは低収入で現金不足のBOPに消費力を作り出すため、「使い切りパック」のシャンプーを販売しました。ブラジルの家電チェーンは無理のない利子とカウンセリングで、BOPにも高品質な家電が買えるようにしました。その他、にもいろいろあります。 
まさに、Googleは世界に多数存在するBPOの人々を自分たちのクラウドに呼び寄せるために、新たなマシンを提供しようとしているのだと思います。そうして、このような人達にも広告を見てもらい、このBPOビジネスを活発化させることを視野に入れているのだと思います。 
いままで、全くインターネットの恩恵にあずかることのなかった人たちにも、その機会を提供して、自分たちのクラウドを訪れるユーザーを幾何級数的に増やすことが目的なのです。
さて、Googleは着実のこの戦略を実施すると思います。確かに、堀江さんがいうように、このようなビジネスは収益は低いです。しかし、収益性の低い事業がすべからく、成長性や将来性がないといえるのでしょうか?先進国では、確かに少子高齢化ですが、全体では世界の人口は増え続けています。こうしたことから、Googleはさらに爆発的に多数の人々を集客できるでしょうし、さらに、安定したビジネスになることは間違いありません。


さて、今はまだまだ、そのような次元には達していませんから、上記の堀江氏や、dankogai氏の言っていることは一見もっともらしく、聞こえますが、Googleが実際にAndroidや、Google Chrome OSを多くの企業に開放して、インドや、台湾、中国などで、徹底的に廉価なマシンをつくり、どんどん提供し、5000万台以上も行きわたった場合にはどうなるでしょうか?それに、最近では、Adroid内蔵のタブレットPCもどんどんでてきています。Chromeと、Androidの棲み分けなどどうなるかは、わかりませんが、両方ともオープンで、どのマシンにも無料で搭載することができます。


それに、日本ではまだですが、Googleでは、Google Chrome(Googleのブラウザ)で、独自にGoogle Web Storeでアプリを提供しています。Google Chromeの新しいタブをたちあげると、少しまえまでは、良くアクセスするページと、最近閉じたタブなどが表示されるだけだったのが、最近では、Web Storeのアイコンや、ストアで購入した、アプリのアイコンが表示されるようになっています。まだまだ、実数は少なく英語版のみですが、様々なものが提供されています。私も、もうすでに、すべて無料のものばかりですが、9個のアプリを購入しました。どのアプリも無料とは思えないような、高機能なものです。


これらは、無論、無料で提供するだけでは、収益源にも何にもなりません。多くの人々がGoogleのクラウドを訪れる機会を増やすことを目的としていることは明らかです。これを全世界レベルで、いままでは、対象外であった、BOPも巻き込んで展開したとしたらどうなるのでしょうか?


やはり、大筋では大前氏の言っていることの方が、妥当性が高いと思うのは、私だけでしょうか?


ただし、私自身も、iPhoneを使っていますし、AppleTVも所有しています。おそらく、大前氏のいいたいことは、現在でも、全世界で使われているOSのうち、アップルが占めているのは5%未満です。iPhoneなども、将来そのような存在になるといいたいのであって、iPhoneがなくなってしまうとか、アップルがなくなるとか、衰退するなどと言っているのではないと思います。あくまで、シェアのことを言っているのだと思います。


だから、別にアップルが勝とうが負けまいが、将来にわたっても、先進国や、新興国の熱烈なアップルフリークに使われ続けていくことまで否定しているわけではないと思いますし、無論、私もそうです。


iT関連であろうと、他のビジネスであろうと、BOPの存在は大きいです、これから、これらをどのうよに自らのビジネスの顧客とてして取り込んでいいくかが大きな課題になります。そうして、BOPにノウハウ・情報など提供しつつ、BOPが豊になり、自分たちの事業も成功し、成長するという認識の企業はこれからも飛躍的に成長を続けていくと思います。


スマートフォンも、タブレットPCも、それにプラットフォームについても、まだまだ過渡期にあると思います。これに関しては、これからも追跡を続けていきます。そうして、何か変化があれば、再度このブログに掲載していきます。


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2011年1月3日月曜日

イタリア、全土でレジ袋が配布禁止に―【私の論評】地球温暖化詐欺にあっているのは日本だけではない?

イタリア、全土でレジ袋が配布禁止に

イタリアのコープのレジ袋

 イタリア全土の小売店やスーパーマーケットで、1日からビニール製レジ袋の配布が禁止された。買い物客は今後、布バッグや紙袋の持参を求められる。

イタリア人のレジ袋使用は欧州でもずば抜けて高く、1人あたり年間300枚を超えていた。これは、中国やタイ、マレーシアから輸入され欧州全土で使用されている1000億枚近いレジ袋の約4分の1に相当する。

ステファニア・プレスティジャコモ(Stefania Prestigiacomo)環境相は、自然素材やリサイクル製のバッグの使用を奨励するキャンペーンを政府主導で行っていくと述べ、こうしたエコバッグの使用について「実用的なだけでなく、環境に優しいうえに、おしゃれなことだ」と強調した。

【私の論評】地球温暖化詐欺にあっているのは日本だけではない?
このブログでも、2年ほど前までは、環境問題についていろいろと掲載してきました。勿論、地球温暖化二酸化炭素説は虚偽であることと、地球温暖化災厄説は虚偽であることの両方です。

現在全世界的なエコブーム離れの傾向から、これに関するあまりにおかしげとか、奇妙奇天烈な話、明らかにどの方向から誰がみても、間違っているような事柄を声高かに叫びまくるひとはいなくなりました。本当に良いことだと思っていました。

そんなところに、上の記事が飛び込んできました。そうして、何とそれは、イタリアということで、驚きました。中国あたりなら、何も驚かないのですが・・・・・・(笑)確かに、経済的な面ではあまり、ふるわない国ですが、昔から市民運動(共産系でない)も盛んで、公衆感覚の強いイタリアで、これが今頃話題になるとは考えられませんでした。

レジ袋については、このブログにもかれこれ3年以上も前に、掲載し、その後、多くの人が、レジ袋のことや、それこそ、エコバッグの欺瞞性などについていたるとこで、説いたり、書いたりしているので、今では、多くの人が無邪気に信じこむということはなくなったはずです。

しかし、上の記事などみていても、何の注釈もなく、ただ事実を掲載しているだけですので、また、レジ袋を使わないことが、何も、co2削減につながらないことを掲載しておきます。
多くの人は”レジ袋は、石油から作られるプラスチック製品です。レジ袋を使わなければ、その分の石油が節約できます。”と信じているようです。イタリアの、ステファニア・プレスティジャコモ環境相も含めて。 
しかし、レジ袋の原料となっているナフサは、石油を生成する最に発生する2次産物です。この文章で
レジ袋=オカラ
石油=大豆
プラスチック製品=大豆製品
に置き換えて読んでください。 
次のような文章になるはずです。”オカラは、大豆から作られる大豆製品です。オカラを使わなければ、その分の大豆が節約できます。。” 
私はどう考えても、”豆腐をやめないと、大豆の節約につながらない。”と思いますよ。つまり、”石油をやめないと、石油の節約につながらない”ということです。 
「1年間に1人220枚(日本でレジ袋が廃止された当時の実数)、日本中でなんと約280億枚のレジ袋が使用されている」
らしいです。 
「日本の原油輸入量の「1日分の約8割」にも相当」
だそうです。
1日分の約8割って・・・ 
計算式で書くと0.8×1/365=0.0021917…です。レジ袋を仮に100%無くせたとしても0.2%の節約です。 
普段の生活に例えると、年間1000万円も赤字を出している会社に、必死に2万円分の無駄を削減させて満足しているようなものです。(1日あたり54.8円)
当時は書きませんでしたが、レジ袋を廃して、エコバッグを用いることは、レジ袋ばかりつかっているよりも、はるかに環境に負荷を与えるのはあきらかです。なぜなら、石油消費量があまり変りないということを前提とすれば、レジ袋のナフサは、たとえ、レジ袋をつくらなかったとしても、他のものなどに転用されます。にもかかわらず、エコバッグを余分に作るということになれば、明らかに環境に負荷をさらにかけてしまいます。

民主党が、政権をとる直前に、二酸化炭素削減目標を30%を公言していました。あの頃から、民主党はできもしないことを言うものだと思っていましたが、最近では、そのことが明白になっています。政権交代した後も、鳩山首相が25%削減を全世界に向かって公表していました。全く愚かなことです。

最近では、全世界的にエコブームは去ってしまいました。所詮、環境詐欺グループによる、ブームに過ぎなかったということです。

アメリカのオバマ大統領は、もう、エコに関してはあまり関心がなく、雇用問題に積極的に取り組んで、12年の大統領選挙の準備をしています。今、エコを力説すれば、大統領選は危うくなるでしょう。アメリカといえば、あのゴア氏については、彼の主張は、かなり間違いがあることが明らかになっています。最近では、エコは、もうすでに世界の関心事ではありまん。あのエコ先進国といわれたドイツでさえも、環境投資を大幅に制限することと、現在稼働中の原発の廃止を撤廃し、長期間にわたる使用を決めたばかりです。環境推進派の、オーストラリアの環境推進はのアラン・ラッドは、選挙に負けて失脚しました。

おそらく、少し前に現在のような状況になっていたら、ゴア氏の受賞などなかったかもしれません。

日本でも、最近では、菅直人首相が28日の地球温暖化問題に関する閣僚委員会で、1人当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を各国の目標に位置付けるよう国際社会に働きかけていく方針を明らかにしています。新しい目標を示すことで気候変動をめぐる国際的な議論がこう着した現状の打開を図る構えです。同日の会合では国内の排出量取引制度について、検討の凍結を確認、2013年度の導入を事実上見送ることを決めました。結局は、官僚主導によるものだと思います。

こうなることは、最初から判っていたことです。なにせ、二酸化炭素排出を削減したからといって、地球温暖化や大気汚染とは何も関係ないからです。

はっきりいって、サブプライムローンよりはるに、低劣なデリバティブ商品である排出権取引などやってしまったら、日本は、それこそ中国やハンガリーなどに対して、いわれもない金を払うというハメに陥っていた事と思います。相手いわれのない金づるをプレゼントしてしまうことになっていたと思います。

そんなところに、このイタリアの話題です。イタリアにも、日本に劣らずの愚かな人がいるのだと思いました。しかも、レジ袋の廃止といえば、日本では、スーパーやコンビニが自主的に進めたものです。私としては、レジ袋賛成派ではありますが、これらの企業が自主的に廃止したというのではあれば、それはそれで良いことだと思います。なぜなら、確かにその分はわずかではありますが、節約になるからです。最近は、流通業の不況もありますから、致し方なしというところもあります。でも、イタリアでは、国家的規模でやってしまったということです。愚かなことです。

それにしても、しばらく振りに、環境問題に対するお馬鹿な話題をみてしまったので、ついつい長くなってしまいました。いずれにせよ、皆さんも、環境詐欺グループには十分お気をつけください。彼らは、政治家や、市民運動家、学者、放送局などの口を借りて、巧妙に何度でも、詐欺を繰り返しています。どこの国にも、これを取り締まる国内法も存在せず、無論、国際法も存在しないということが、この問題を複雑化しています。

まあ、少なとくとも、今やアメリカやヨーロッパに行って、地球温暖化二酸化炭素説や、地球温暖化災厄説などを、したり顔で話したりすれば、相当知的水準の低い人と見られることは間違いありません。

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2011年1月2日日曜日

「いらない習慣」のもっている2つの問題―【私の論評】時間の使い方が最大の問題だ!!

「いらない習慣」のもっている2つの問題



「予想通りに不合理」「不合理だからすべてがうまくいく」のダン・アリエリー教授が新年にお金の使い方と習慣に関する記事を書かれています。

たとえば街で喉が乾いているときにコーヒーを売っている店を二軒をみつけたとします。片方はドーナツ屋さんの出す安い珈琲で、もう片方は手作りのスペシャリティ珈琲です。値段は後者のほうが $1.75 = 140円だけ高価だとして、どちらに行くでしょうか?

こうした場合、本来なら差額の 140 円で何を購入できるか? 140円にどのような価値があるか? をすべて総合したうえで、2つのどちらを選ぶかを決断するのが「正しい」ことになります。

しかしこうした判断は非常に複雑ですので多くの場合は過去の経験から私たちは判断をすることになります。つまり、以前にどちらのコーヒーショップを利用したことがあるか? いぜん似たような状況で「高い・低い」値段のものを選んだか? といった履歴です。

こうした経験による判断は、二つの問題があります。一つ目は、その判断が実際には価値判断なのではなくて、単なる惰性である点です。スペシャリティーコーヒーを常に選ぶのは値段に対する価値を常に意識しているからではなく、そうすることが習慣になっているからというわけです。

二つ目の問題は、こうした判断が変化に対して脆弱だという点です。たとえばコーヒーの値段が少しずつ高くなっていたり、給料が少なくなったとしても、「コーヒー = スペシャリティコーヒー」という判断が先行しているとなかなか行動は変えられません。

こうした難点は、お金というものが額面だけではすぐに判断できない複雑な価値をもっていることに起因しています。アリエリー教授は「安いものを選ぶようにしよう」というだけではなかなか習慣は変えられないので、難しくても購買におけるクセを探すことで全体をゆるやかに変える視点をもとうということを論じています。

お金だけではない、「いらない習慣」

しかしこの話、お金だけではありません。メールをチェックするのに使う時間を測定してみたら毎日1時間がかかっているとして、それははたして適正なのでしょうか?

あるいは仕事に割り当てている時間、引き受けている責任の数、朝おきる時間、時間の使い方に応用してもいいですし、読んでいる本・読まない本という判断でも同じことがいえそうです。

新年、新しい習慣を作ると同時に、すでに存在している「いらない習慣」、「不必要な惰性」を洗いだしてみるのもよさそうです。

【私の論評】時間の使い方が最大の問題だ!!
上の例では、メールチェックの時間について語っていましたが、いまの中学生はそれどころではないです。実に、中学生の2割が一日にやりとりするメールの数が50通以上だそうで、中には100通を超えるものもいるそうです。これは、完全に時間の無駄遣いですね。こうなると、ただのメール馬鹿で、勉強もできないでしょうし、体力を養う時間もないでしょうね。メール代は昨今、非常に安くなりましたし、スマートフォンとwifi(おどろくことに最近は一体型もでてきましたが)を使えば、いくら使っても定額ですから、昔のようにお金の問題はほとんどなくなりましたが、これって、本当にお金だけではない、「いらない習慣」ですね。

しかし、大人もそんな中学生に対して批判はできないでしょう。それは、恒常的な残業の多い人が存在するということです。一日8時間を大幅に超えて残業する、それも時々ということではなく恒常的といえば、これはもうどこか狂っているとしかいいようがないです。

これは、かつて、昔イトーヨーカドーで調査した結果なのですが、店で働いている人の実働時間が実際には手待ち時間や、準備時間などにほとんどが費やされており、実際に仕事をしている時間はとんでもなく短かったそうです。その当時の記録では、かなり実働時間の高い人でも、本当の仕事の時間というと5時間台だったという信じられないものでした。

これに関しては、無論現在のセブン&アイでは、このような極端なことはありません。無論、ずっと以前から時間管理について徹底的に改善されて、作業割り当てなどが適正に行われるようになったからです。

ちなみに、どうして、そのようになっていたの解りやすい極端な事例をあげておきます。ある数人くらいの人が関わっている売り場では、とにかく、売り場の設定のために、最初に机上で綿密な計画を立てておかずに、中途半端な計画のみで、現場で売り場づくりをはじめてしまうので、とてつもなく時間がかかっていたのです。

現場に行って、中途半端な計画のまま、作業をするので、はなはだしい時には、まずは、最初の計画はご破算になって、最初からやり直すとか、最初からやり直すにしても、また中途半端な計画なので、売り場をつくっている最中に、あれも必要だ、これも必要だ、あれも、これもということになり、そのたびに作業が中断されたり、はなはだしくは、途中で大掛かりな工事が必要になることがわかり、何日が無駄になるとか・・・・・。もし、計画がはっきりしていれば、工事の間に出来ることを平行して進めておくことができたはずです。

そうです。前準備と段取りが徹底的に欠けていたため、このようなことが日々繰り返され、先のような状況になっていたのです。

小売業などもともと、利幅がかなり少ない商売でしたから、上記のようなことを放置して、改善・改革などしていなかったら、今日のセブン&アイなどとうに存続できていなかったかもしれません。

これは、小売業の例ですが、知的労働が主な部署や企業ではもっと酷いことになっているかもしれません。なにせ、人の頭の中のことですから、外部から目立って無駄か、無駄でないかはさっぱりわかりません。しかし、確実に無駄はあるようです。知的労働の最たるものとも考えられていた、ゲームの世界のキャラクターづくりにも、最近で、時間管理が取り入れられ、しかも、請負制として、効率、効果を上げている会社もあるそうです。

いろいろ、仕事の内容を細分化してたり、出来栄えの判断を格付けすることによりこのようなことも可能になるようです。しかし、それにも限界があるものと思います。

しかし、私は、いつも思うのですが、本来知識労働に関しては、たとえば、一時毎日のように残業が続いたとしても、それは一時であり、それが終了すれば、しばらくは早めに帰れたり、休みがいつもよりかなり多くあたるという方式にすべきものと思います。毎日夜遅くまで、知識労働をしていれば、本人たちは、自己満足ができるかもしれませんが、決して良くないことだと思いす。

知識労働とはいっても、純然たる研究職でもないかぎり、世の中と関係することで働いているはずです。全く今の世の中とかけ離れたことで働いているわけではないと思います。だから、毎日夜遅くまで働いていれば、世の中のことを知る機会も減り、まともな人のまともな生活や、考え方、気持ちなどがわからなくなり、まともな仕事はできないと思います。これは、役人などの場合は、まだ許されるかもしれません。しかし、役人の世界とて、それは良くないことだと思います。なぜなら、税金の無駄遣いになるからです。

私の知る限りでは、あまりに夜遅くまで度々残業する人に限って、さほど成果をあげられないというのが真実です。

まずは、前準備と段取りを徹底的に良くして、そうして、不必要な業務は徹底的に削っていくべきでしょう。今の日本、そうすることにより、次の段階が見えるくるような気がします。何も考えずに、ただ遅くまで、残業するという習慣の付いている人、会社に明日はないと思います。しかし、この現実も多少は変わってきているようではあります。今は、特に不況ですから、仕事が減っているからです。しかし、わずか、数年ほど前までは、東京のお父さんの平均帰宅時間が夜11時だと新聞にも報道されていました。それに、最近でも、たまには過労死のことも未だに報道されています。過労死などもっての他だと思います。

ちなみ、あの経営学ドラッカー氏も、「優れたマネジャーは、計画からスタートしない。まずは、自分の時間が実際にどのように使われているかからスタート」するとしています。そうして、誰もが自分がどのような時間の使い方をしているかの、時々1週間単位くらいで、測定し記録に残すことをすすめています。そうすると、多くの人が自分の時間の遣いかたの酷さに初めて気がつくそうです。

また、ドラッカー氏は「恒常的に同じようなトラブルが頻々と起こる場合、それは、最早システムの問題であり、すみやかにシステムを改善すべき」としています。多くの会社や部署で恒常的な残業がどうしても出てしまうという現行のシステムは間違いであると認識すべきです。

これからの時代、景気が良くなったとしても、すべてが過去に戻るわけではありません。その一つに、われわれの社会はすでに、知識社会に突入していることがあげられます。知識社会においては、「いらない習慣」はもっとも忌むべきものであると考えます。


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2011年1月1日土曜日

人口自然減、初の10万人台突破、22年人口推計―【私の論評】本格的に、規模の経済だけではやっていけなくなる時代がやってきた!!

人口自然減、初の10万人台突破、22年人口推計


厚生労働省は31日、平成22年の人口動態統計の年間推計を発表した。日本在住の日本人の人口は、自然減が12万3000人となる見通しで、初めて自然減が10万人台を突破する。出生数は微増したが、死亡数が昭和22年の統計開始以来最多の119万4000人を記録したため。自然減は4年連続で、人口減少に歯止めがかからなくなっている。

人口動態統計の年間推計は、1月から10月までの速報値を基に1年分を推計している。

出生数は前年比965人増の107万1000人。厚労省では出生数の増加について「推計値なので誤差の範囲内。前年を下回ることもあり得る」と説明している。ただ、出産適齢期の女性が減少する中で出生数が横ばいとなっているため、22年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値)は前年(1.37)を上回る見通しだ。

死亡数は高齢化が進み前年比5万2000人増となり、8年連続で100万人を超えることになる。婚姻数は70万6000組(前年比約2000組減)で2年連続の減少。離婚数は25万1000組(同約2000組減)で2年ぶりに減少に転じた。

【私の論評】本格的に、規模の経済だけではやっていけなくなる時代がやってきた!!
皆さん明けましておめでとうございます。新年そうそうのブログとして何を書こうかと思いましだか、やはり、上の内容など避けて通れないものなので、本日はこれについての論評を掲載していこうと思いす。

今までは、まだまだ、少子高齢化の影響は少なかったのですが、いよいよ本格的にその影響がやってきそうです。

これを機会に事業をやっている方々は、規模の経済ばかり追いかけるのではなく、範囲の経済も追求していく必要がありそうです。

規模の経済とは、生産量の増大につれて平均費用が減少する結果、利益率が高まる傾向をいいます。同じ意味で、規模に関する収穫逓増、費用逓減といわれることもあります。要するに、同じ事業で、お客さんの数が多くなれば、ますます利益が上がりやすくなることです。

過去の日本では、人口は右肩上がりが当たり前だったので、規模の経済を追求しやすい状況にありました。というより、20年以上前までは、すべての企業が規模の経済で成り立ち、成長してきたということです。

これに対して、範囲の経済とは、企業が複数の事業活動を持つことにより、より経済的な事業運営が可能になることを意味します。

「範囲の経済」は、単一事業において規模が拡大することによる効果ではありません。多様性が増すことにより経済性が高まるのは、何らかの経営資源を共有することで、それを有効に利用できるからである。自社が既存事業において有する販売チャネル、ブランド、固有技術、生産設備などの経営資源やノウハウを複数事業に共用できれば、それだけ経済的です。例えば、ビール会社の医薬品事業への展開は、バイオ事業を共有資源として活用することにより多角化を図る、範囲の経済の典型といえます。

なお注意点として、ある経営資源を有効活用できたとしても、それが複数事業を持つことで生じるマイナスの効果を補えるのかといったことがある。例えば、家庭や職場に飲料を毎朝配る女性配達員を大量に抱える飲料メーカー(ヤクルト)が、彼女らの強力な販売力を活用すべく、化粧品販売に乗り出したことがありました。しかし企業側の期待に反して、顧客は化粧品と飲料を同じ人から買うことに抵抗を示し、成功しませんでした。これは、事業の選択を誤れば、範囲の経済が働かないことを示しています。

平たくいえば、規模の経済では、一度でも買っていただけるお客をとにかく数を増やすということでしたが、範囲の経済では、個々のお客と長い間にわたってお付き合いいただき、なるべく多くの商品やサービスを購入していたたこうというものです。

このヤクルトの失敗は、まだ良いほうです。1980年代においては、闇雲にいわゆる多角化を実施して、既存事業とは全く関係のない事業を展開して、結局は大失敗して、新規事業を手放すという企業が後をたちませんでした。範囲の経済とはいっても、このようなやり方はなかなかうまくいかないということが多くの企業の失敗によって明らかになりました。

しかしながら、1990年代から、eコマースがだんだんと興隆してきて、現在では、いわゆる小売で業績を伸ばしているのは、eコマースだけという状況になっています。eコマースは、どのサイトでも、特に一つのカテゴリーにだけこだわるということはなく、様々なカテゴリーを扱っているいるというのが普通です。これは、範囲の経済によるものと考えて良いと思います。

いずれにせよ、少子高齢化については、かれこれ10年近くも言われ続けてきたのですが、多くの人は、実感があまりなかったかもしれません。しかし、それは、少子高齢化傾向になっても、今までは、その傾向が徐々に強まってきただけであって、それによって人口そのものが激減するという状況ではなかったからです。

これからは、この傾向がますます強くなっていきます。とすれば、規模の経済だけてはなかなか難しい局面を迎えたことは確かです。だからこそ、これからは、範囲経済も考えていかなければ、日本国内ではなかなか難しくなります。こうした範囲の経済を実現するノウハウとしての、ビジネス・部゜ラットフォームを築いていく必要もあります。

しかしながら、日本の人口は、それでも、1億人以上もあることから、規模の経済を追求しつつも、範囲の経済にも配慮する姿勢が必要になってくると私は考えます。

お隣りの韓国では、もともと人口が少なかったものが、日本よりも深刻な少子高齢化、さらに、年間8万ににも及ぶ脱南者と呼ばれる若者を中心とした海外移住者のため、8月末現在の韓国の住民登録人口は4997万6963人で、5000万人に2万3037人足りない状況です。韓国では、これからもますますこの傾向が加速します。こうした、韓国では、企業の海外進出などは当然の成り行きだと思います。

日本の場合は、このような状況から比較すれば、まだまだ、余裕があります。ただし、今年から、しばらくは人口が減り続ける時代がくることか確かです。しかし、こうした人口が減りつつある時代に対処しつつ、規模の経済と、範囲の経済の両方を追求しつつ、その社会に根付いた、商品・サービスなどは必然的に優れたものになるに違いありません。こういった社会にどのように対応していくのか、それを真剣に考えるとともに、社会の変革も必須となることでしょう。日本は、不得手であるとされる社会事業の改革も行われるべきです。

そういった意味で2011年は節目の年になると思います。そうして、これは決して後ろ向きなものではなく、前向きの挑戦になると思います。なぜなら、今日の少子高齢化は、どの国でも、一定以上の経済発展をした国では、起こっていることだからです。決して、後退ではなく前進だからです。私にとっても、皆様にとっても、今年は大きなチャレンジの元年となると思います。

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