2011年11月7日月曜日

脱原発だと「貧富の差広がる」 ダライ・ラマが記者会見で述べる―【私の論評】ダライ・ラマの言葉の意味をかみしめよ!!

脱原発だと「貧富の差広がる」 ダライ・ラマが記者会見で述べる

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(76)が2011年11月7日、都内で記者会見を開いた。

ダライ・ラマは10月末に来日。大阪・高野山で講演した後、11月3日から6日にかけて仙台、石巻、郡山など東日本大震災の被災地を訪問した。被災地訪問後に記者会見を開くのは初めて。

「常に物事は全体を見るべき」


放置された牛
会見では、東京電力福島第1原発から20キロ圏内に放置された動物の写真をダライ・ラマに見せる記者もいた。さらに、記者は

「人間にも動物にも、放射能におびえずに生きる権利があるのではないか」

と問いかけた。ダライ・ラマは20キロ圏内の惨状に顔をしかめながらも、

「常に物事は全体を見るべきで、一面だけを見て決めるべきではない。破壊的な目的で使うものは、破壊的なものしか産まない」

として、広島を訪問した時のエピソードを披露。

広島を訪れたダライ・ラマ
「原子力が兵器として使われるのであれば決して望ましくない」

一方で、「平和目的ならば別問題」と、当面は原子力をエネルギーと活用すべきだとの考えを示した。

代替エネルギーでは、将来の電力需要を満たすのは困難

原子力以外の発電手段については

「ダムは自然を破壊するなどの悪影響がある。風力、太陽エネルギーもあるが、十分ではないかもしれない。十分というのは、『先進国にとって十分』ということではく、これから発展を遂げる国にとっても十分ではなければならない。そうでなければ、貧富の差が広がってしまう」


と、現時点で開発されている代替エネルギーでは、将来の電力需要を満たすのは困難だとの見方を示した。ただ、

「安全には万全を期すことが大事。あなた方が『原発はいらない』とお決めになるのなら、それはそれでいいと思う」

と、国内で広がっている「脱原発」への動きに対する批判は避けた。

また、パレスチナや尖閣諸島、TPPの問題については、

「大きな、複雑な問題」
「日本の問題」(Japanese Business)
「TPPについて勉強していない」

として、コメントを避けた。

【私の論評】ダライ・ラマの言葉の意味をかみしめよ!!


さて、この言葉、反原発の方々には、良く噛みしめていただきたいです。物事は、一面だけみていては、正しい判断も何もできなくなると思います。このダライ・ラマの言葉の重みを知っていいただきたいと思います。

当面は原子力をエネルギーと活用すべきというこの言葉は、一体何を意味しているのか。特に、ダライ・ラマは、世界各地を訪問しておられますから、多くの国々の固有の事情など十分知った上での、発言であり、けっして思いつきなどで語っておられるということではありません。

実際に、以下の動画をご覧になって下さい。



この動画では地球の気候は常に変動しており、現在の地球の状況はなんの変哲もないことや、人為的か否かに関わらず、気候が二酸化炭素により変動するという見解を否定する科学的証拠を紹介しています。一時間少々の番組ではありますが、"環境利権"に群がる者たちが多数いるということを知ってもらえれば幸いです。

特に上の動画の部分は、アフリカを題材としていて、まさに、電力などのエネルギーは、これから発展を遂げる国にとっても十分ではなければならない。そうでなければ、貧富の差が広がってしまうという言葉を実証しているように思えます。

そうして、私はこの状況は、何も発展途上国だけで、深刻になるとは限らないということを言いたいです。たとえばアフリカ諸国などに比較すれば、経済発展しているあの韓国ですらも、つい最近停電事故がありました。


実際韓国の各地で9月、「強制停電」措置が予告なしにとられ、全土で約162万戸に影響が出ました。各地で信号機が消え交通渋滞が起きたほか、金融機関のATM(現金自動預払機)が停止しました。エレベーターに人が5時間以上も閉じ込められるなど、大混乱に陥りました。崔重卿(チェ・ジュンギョン)知識経済相は引責辞任に追い込まれました
直接的な原因は残暑による電力需要の急増にありますが、構造的な要因が背景にあります。韓国は補助金によって電力料金が低く抑えられているため、電力の過剰消費をあおる傾向がみられます。
韓国・朝鮮日報によると、韓国の電気料金を100とした場合、米国は138、日本は242てす。また、韓国・中央日報によると、韓国の「エネルギー源単位(商品1000ドル分を生産するのに必要とするエネルギー)」は日本の3倍を超えています。日本では電力需要全体に占める産業用比率は30%ほどだが、韓国では54%に上っているということです。
電気がなくても生活できると日本人は思うかもしれません。江戸時代­以前にそうしていたように。でも、アフリカやほとんどの地域は日­本のように恵まれている土地や水があるわけではありません。

水があり、森があり、海があり、山があり、良質の土壌がある日本­のような環境は世界から見ればまさに奇跡的と言えるほどの好条件­なのであり、電気がないからといって生活できると思うのは想像力­の欠如というものだと思います。

特に、電力が不足するようになれば、いわゆる、日本国内の弱者といわれるかたがたにかなりの影響がでてくるものと思います。

さて、韓国の電力の話といえば、あのソフトバンクの孫さんの言葉を思い出します。
「日本は犯罪者になってしまった」
今年6月下旬、韓国・ソウル市内で開催されたグローバル・グリーン成長サミットの席上で、ソフトバンクの孫正義社長は、原発事故で周辺の国々に迷惑をかけたことを謝罪、冒頭の言葉を述べました。国際会議の場で、生まれ育った国を"犯罪者"とまで言わせたのは、信念である「脱原発」への思いがきわまったせいに違いないはずです。

この訪韓で、孫社長は李明博大統領への表敬訪問も果たしました。このとき「脱原発は日本の話。韓国の原発は高く評価している」という発言もしています。日本では脱原発を主張しながら、韓国では礼賛しています。これこそ典型的な二枚舌です。孫社長の矛盾した言動を、ネット上でエネルギー問題を論じ、多くのファンがいる金融トレーダーの藤沢数希氏が解説しています。
「ソフトバンクは電気を大量に使うデータサーバーを韓国に移しはじめていますが、そこから孫さんの本当の狙いが見えてきます」
韓国では電力の4割以上を原発で作っています。一方、補助金がないと回らない再生可能エネルギーは現状でゼロです。このため、韓国の電気代は日本のおよそ4割ほどの値段なのです。
「原発を止めることで日本の電気代は大幅に上がります。孫さんは菅首相に働きかけてソーラー発電の全量買取り法案を推し進め、さらに電気代を上げようとしている。それで、自らは電気代の安い韓国へ施設を移転させるわけです。韓国で電気を安く買い、日本では自然エネルギーへの補助金をせしめる。非常に賢いやり方です」
孫社長は自らを龍馬に見立て、「脱原発こそ使命」と主張するが、なんのことはない、単なるビジネスの1つなのです。もちろん、ビジネスマンであれば商売を優先させるのは当然て゜すが、経済ジャーナリストの町田徹氏は、孫社長の商法を"濡れ手で粟"と批判しています。
上の動画の解説文で、『"環境利権"に群がる者』という言葉がでてきましたが、まさに、孫さんは、"環境利権"に群がる者』ということです。

さて、ここまで、書けば、私の言わんとすることもおわかりになると思います。

ダライラマは、原発を当面は原子力をエネルギーと活用すべきとしている一方で、「安全には万全を期すことが大事。あなた方が『原発はいらない』とお決めになるのなら、それはそれでいいと思う」とも語っておられます。

まさに、私たちは、日本国内で、自ら、エネルギー政策を選んでいかなければならないということです。そうして、常に物事は全体を見るべきというダライ・ラマの言葉を忘れてはならないと思います。

私自身も、何も、原発に関して諸手をあげて賛成というわけではありません。できるだけ、安全で代替可能で安定性のあるエネルギーがあれば、それを使うにこしたことはないと思います。

しかし、総合的に物事を考えた場合、当面は、原発エネルギーを使い続けていき、いずれ、代替エネルギーを開発して、それにかえていくということが一番まともだと思います。ましてや、今すぐ、原発を全面的にストップするなどという考えには、賛成できかねます。
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2011年11月6日日曜日

[字幕付き] Japanese Bread! 日本のパンは美味しいです♥―【私の論評】確かに、ここ10年で日本のベーカリーは相当進んだ?!

[字幕付き] Japanese Bread! 日本のパンは美味しいです♥ 


上は、九州在住のミカエラさんの動画です。私は、常々最近の日本のパンは格段に美味しくなったと思っていたので、本日は、これを掲載します。

以下は、この動画に関する、本人のコメントです。

 I really like Japanese Bread! Have you tried Japanese Bread? What's your favorite kind of Japanese Bread! 

日本のパンが大好きです。美味しいです。あーちょっとお腹減って来たわ! おすすめな日本の食パンはなんですか?是非コメントの形でご意見教えてください!

フェースブックあります! http://www.facebook.com/ciaela
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ブログもあります! http://ciaela.wordpress.com

【私の論評】確かに、ここ10年で日本のベーカリーは相当進んだ?!
最近、日本のいわゆるベーカリーという業態かなり美味しくなったように思います。だからこそ、上のように、おそらく、バンをもともと食べていた国の人がこのような動画を掲載するのだと思います。この方は、これ以外にも、食に関する動画をたびたびYouTubeに掲載しています。

神戸の老舗ベーカリーケルン
さて、日本のベーカリー業界に関しては、神戸などのよにう本当に戦前からあるような老舗もありますが、実は、20年ほど前にかなりいろいろな地域にできた時期があります。その時代には、スーパーやコンビニで販売されていたパンなどは、あまり美味しいものではありませんでした。サンドイッチなども、コンビニのものは、パサパサしてあまり美味しくなかったことを覚えています。

その頃は、私の会社の近くにも、結構古くからやっているベーカリーがあり、サンドイッチというと、その店で購入したもののほうが、コンビニよりもはるかに美味しかったことを覚えています。そうして、そのころ、いわゆる、各地にできたお洒落な新しいベーカリーなど、みなそんな感じでした。私の記憶では、その頃は、いわゆる、惣菜パンというのか、サラダが入っていたり、ソーセージや、ハムとかチーズとかいろいろ入っているものが結構あったと思います。札幌にも駅地下にあって、良く昼ごはんに食べていたと思います。

そんな時代が少しつついたころに、今から10年少しまえでしょうか、セブンイレブンで、焼きたてパンなどを導入するようになりました。それを期にそれまであったサンドイッチなども随分変わりました。それまで、いわゆる菓子パンの域を出ていないパンが、要するに非常に美味しくなったのです。当時も販売されて、今でも販売されているものとして、下の写真のようなものがあります。



それに、サンドイッチも随分変わりました、その頃食べたもので、クラブハウスサンドイッチは、今でも販売されているのですが、当時の平均的なベーカリーなどで販売しているものより美味しく感じました。今でも、これは、販売されていますが、数年前にはは、アメリカンスパイシークラブハウスサンドイッチというもの販売されいてこれも非常に美味しかったです。


コンビニで美味しいサンドイッチや、パンなども販売されたせいでしょうか、最近では、あまりベーカリーに行かなくなりました。本当に、その頃は、コンビニのパンが普通のベーカリー並になったように感じました。

しかし、最近、またベーカリーに行く機会がありました。近くに20年前からあった、ベーカリーの支店ができたこともありましたり、先程述べた近所のベーカリーも未だに健在です。それで、両方に本当にしばらくぶりで行った見たのですが、やはり、随分変わっていました。

従来から比較すると、いわゆる惣菜パンの類は随分減ったように感じました。そのかわり、焼き菓子のようなパンや、パンそのものの美味しいものがいろいろと置いてあるという感じでした。そうして、両方から買って食べてみましたが、両方共とても美味しかったです。この10年くらい、私が足をあまり運ばなかったうちに、コンビニとの競争もあって、既存のベーカリーもかなり努力したのだと思います。

だからこそ、昔からやっているところも、そのまま生き残り、もう一方は新たに支店を出す言ができたのだと思います。

このような競争があったからこそ、今の日本のベーカリーのパンは、外国の人が称賛するまでに成長したのだと思います。確かに、日本独自のパンもたくさんありますし、さらに、最近では、米粉パンも普通になり、あのモチモチ感はとても小麦では出せない日本独自のものだと思います。

さて、こうした、競争これからどうなるのでしょうか?これは、日本ではないですが、外国の事例で、参考になるものがあります。

それは、いま洪水で、さかんに報道されているタイのセブンイレブンです。






実は、セブンイレブンの店内でパンの生地をこね、パンを焼き、そして焼きたてのパンを店内で販売しているのをご存知だろうか? セブンイレブン店内に小さいパン焼きオーブンを設置されており、店員がコネコネした生地をそこで焼いているのです。しかもこれ、メチャウマなんです!

セブンイレブンが店内でパンを焼いているのは、微笑みの国・タイ。すべての店舗ではありませんが、店内で焼いたパンを販売しているセブンイレブンがいくつかあり、低価格で焼きたてのパンを食べることができるのです。日本でも店内でお弁当を作っているコンビニエンスストアがりますが、パン生地をコネたり焼いたりしているコンビニは、まだごく少数だと思います。ただし、最近は、実際に焼いて販売しているところがあります。

パンの美味しさ、これも、競争すれば、行き着く先はこのようになるのでしょうか?しかし、日本などは、タイと違い、人件費がかなり低いからこのようなことができるのかもしれません。しかし、この問題を何とかして解決すれば、日本でもかなりできるようになるかもしれません。それに、パンということであれば、日糧とか、ロバパンとか、いわゆるメーカーが大量に製造販売しているパンも、従来から比較すれば、ずいぶん美味しくなったと思います。昔、アメリカで食べたトーストが随分美味しいように感じましたが、今では、かえって、日本のほうが美味しいです。ただし、私は、日本で良く売られている厚切りのは、駄目です。しかし、日本でも、薄いものでもカリカリ焼いても十分に風味があり美味しいです。

既存のベーカリーも油断していられませんね。しかし、日本のこうした競争によって、日本のパンは、いつの間にか、欧米などの水準を超えてしまったかもしれません。最近では、かなり高級なベーカリーは別として、普通のベーカリーなら、すでに欧米よりも美味しいように思いませんか?私は、昔美味しいと思って食べたドイツの伝統的なパン(パンの名称は忘れました。それにドイツのパンがすべて不味いというつもりはありません)など、今は不味くて食べられません。

本当に世の中変わっていきますね。昔は、パンといえば、若者が食べるものであり、高齢者はあまり食べないと思われていたのが、最近では、高齢者のほうが食べるというアンケート調査もあります。これは、やはり、パンが従来と比較すれば、格段に美味しくなってきたということとも関係していると思います。

いずれ、パンも日本が世界を制する日も近いかもしれません。そう思うのは、私だけでしょうか?

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2011年11月5日土曜日

受け入れ反対には「『黙れ』って言えばいい」 石原都知事のがれき問題発言に賛否両論―【私の論評】なぜ、否定論がでてくるのか理解出来ない?!

受け入れ反対には「『黙れ』って言えばいい」 石原都知事のがれき問題発言に賛否両論


  東日本大震災で発生した岩手県のがれき受け入れ始めた東京都に対し、都民らから反発の声が出ていることについて、石原慎太郎都知事が「『黙れ』って言えばいい」と発言し、ネットで賛否両論出ている。

   2011年11月3日、都は岩手県のがれき約30トンを受け入れ、処理を始めた。東北以外の自治体が震災がれきを受け入れるのは全国初だという。

「みんな自分のことしか考えない」

   一方で、報道によると受け入れを表明した9月末から11月4日までに都に3000件以上の意見が都民らから寄せられ、そのうち9割が反対や苦情だったという。

   石原都知事は4日の定例会見でこうした状況に触れ、「力があるところが手伝わなかったら仕様がない。みんな自分のことしか考えない。日本人がダメになった証拠の一つ」と、発言。いつもの石原節を炸裂させ、さらに、

「何も放射能ガンガン出ているものを持ってくる訳じゃないんだから。測ってなんでもないから持ってくる。東京だってバカじゃありません。『黙れ』って言えばいいんだ」
と言った。


【私の論評】なぜ、否定論がでてくるのか理解出来ない?!

石原都知事
私は、この石原都知事の言うことは、もっともなことであり、なぜ、反対論がでてくるのかよく理解できません。昨日も、テレビでみていて、反対派の主婦が「やっぱり放射能のこともあるので、子供のことも考えると反対です」と答えていたのを見て、奇異に思いました。

私の感覚であると、多少放射能があったとしても、どこかに遮蔽物のあるところに保管するものとして、安全に保管するのであれば、問題はないとさえ思っています。それに、都では、現地でも放射能を測定し、都内でも再度測定して安全性を確認してから、保管するものとしています。それであれば、とくに反対する理由はないと思います。

まさか、都内の人住んでいるところの、道路や空き地などに無秩序に捨てるというわけではないでしょう。無論東京だって、広いですから、保管するところは、いくらでもあります。まさか、街のど真ん中に捨てるように放置するなどのことはあり得ないと思います。

考えてみれば、都内からも、おそらく、蛍光塗料として使われていたのと思しきものが発見されたこともあります。あの事件では、確か、かなり高い放射能が計測されたはずです。その近くを大勢の人が日々通っていたわけですから、そんなことから比較すれば、よほど、瓦礫のほうが安心です。

それに、メッキ工場などがあれば、青酸カリもあるはずですし。病院だって、放射性物質はありますし、化学工場にだって、危険な物質はいくらでもあります。大学だって、科学実験や、薬学の研究をするところでは、危険な物質が蓄積されているところもあります。

最近工場ウォッチングで脚光を浴びている
化学工場は、危険物質の集積場でもある
それに、環境省では、1990年代に起きた「ダイオキシン汚染騒動」により、国内の焼却炉の能力は改善したので、放射性セシウムはフィルターで99・99%が削減できるとしています。また、放射性物質濃度が1キロ・グラム当たり240ベクレル以下なら、焼却灰でも埋め立て可能で、岩手県のがれき汚染の最大値は、陸前高田市の同104ベクレルだといいます。同省は「安全性を説明し、自治体に協力を要請していきたいとしています。それに、あのダイオキシン騒動も今からみれば、滑稽で、さほどの危険もないことがわかっています。

被災地の瓦礫
はっきり、危険だとわかっているなら、反対するのもわからなくはないですが、これでは、単なる風評被害と似た様なことで、反対しているだけと受け取られても仕方ないと思います。私なら、自分の住む函館市が瓦礫を受け入れたとしても、反対するなどということは思いも浮かばず、函館市は良いことをしたと誇らしく思うだけだと思います。

今は、こうした瓦礫も受け入れて、震災地の人々を助ける側に回るのが、震災を受けなかった地域の人々の義務でもあると思うのは、私だけでしょうか?東日本震災では、震災直後の被災地の日本人の人々の忍耐強さ、我慢強さ、整然として秩序を崩さない姿勢が海外からも高く評価されました。

被災地のコンビニで列をつくって待つ秩序正しい日本人
このブログでも、そのことについては、何回か書いています。でも、それは、たまたま、東北地方や地方などに限ったことであり、都内では、そのような助けあい精神のない人も多数でてきたということなのでしょうか?  賛成派、是認派の方々の多くは、わざわざ、電話をかけたり、メールを発信したりはしていないのかもしれませんが、9月末から11月4日までに都に3000件以上の意見が都民らから寄せられ、そのうち9割が反対や苦情だっとは、驚きです。  この現象あの日航の企業年金問題でも、同じような傾向が見られました。日航がつぶれかけているというのに、ある女性の日航OBが、「企業年金を減額されることは、絶対に嫌だと」テレビの取材に堂々と答えていました。日本にもいわゆる恥じを感じるとか、惻隠の情というものが薄れているニッポン人が多くなっているのだと感じました。

これが、私の素直な感想なのですが、皆さんは、どうお考えになりますか?

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2011年11月4日金曜日

新卒初任給が年収1000万円に(DeNA)―【私の論評】馬鹿な顧客むけに、馬鹿が喜びそうな商品やサービスを提供するという発想は長続きするのか?

新卒初任給が年収1000万円に(DeNA)

プロ野球横浜ベイスターズの譲渡を受け、日本野球機構の
下田邦夫事務局長(左)に加盟申請書を手渡すディー・エヌ・エー
(DeNA)の春田真会長=4日午後、東京都千代田区
ソーシャルゲーム最大手DeNAの2012年度新卒初任給がついに1000万円となり、話題を呼んでいる。

DeNAの求人によると、これは「新卒エンジニアスペシャリスト採用」というもので、「飛びぬけた能力を持った技術系学生については通常の総合職採用とは異なる採用フローで選考します」としている。

このコースで内定を得ると、エンジニア配属確定、年棒600~1000万円を提示。技術研修あり。1000万円というのは成果が含まれるために絶対ではないが、初年度から可能という点は魅力的でもある。

2年目から毎年2回(4月、10月)見直しがあるそうだ。人材獲得競争になりふり構わない様子を見て取ることができる。

一方、もうひとつの雄であるグリーだが、同社の求人によると、学部卒400万円、院卒425万円、短卒・専卒300万円とある(2011年度予定)。

両者の求人案内だけを見れば、差があるように感じられる。

【私の論評】馬鹿な顧客むけに、馬鹿が喜びそうな商品やサービスを提供するという発想は長続きするのか?

東証一部上場企業の中でいま最も成長著しいのがソーシャルゲームの二大巨頭だグリーとモバゲーです。

しかも海外進出やら、球団買収やらで連日のようにその名前を聞く機会があります。もちろん世間の評価としては賛否両論ありますが、どちらかの(ブログ管理人注:というより文面から、DeNAであることは明らか)就職説明会に参加したとおぼわしき人物が、「就活の説明会にて」と題して次のような書き込みを行っていました。
@super_naomixさんが紹介した内容は以下のようなものです。(▼▼=DeNAと考えられる)
「▼▼の説明員『この中でわが社のゲームをやったことがある方はいますか?』誰も手を挙げず説明員『そうですよねー。うちのゲームは高学歴の方はほとんどやりませんから』」 
単に面倒だから挙げなかっただけなのか、あるいは本当にやったことがないのかは判断できない。しかし、説明員のヤケクソ気味な対応は、何とかならないものだろうか?
会場のそうした雰囲気を踏まえて、書き込みした人物が続ける。 
「多分▼▼の社員も同じような認識 少し頭の回る人間はやらないことを分かっているし、彼ら自身はそういう人間だろう。でも馬鹿から十分すぎるほど利益を吸い取れる事を良くわかっている自分が、やって面白いゲームを作ろうとしてきた既存のゲーム会社には無かった発想。世の中には案外馬鹿が多いという事を頭に入れて商売やるべきだわ」
では、参加者に聞きたいが、ソーシャルゲームが行き詰って儲からなくなった時は、どうするのだろうか。ちなみに、グリーの田中良和社長は、5年後、10年後を考えろと言っているよ。
この話、真偽の程は確かではありませんが、いかにもありそうな話ではあります。このような話題の豊富な会社で、また上記のような新卒初任給が話題となっています。そこまでしなければならないということは、この筆者の言葉を借りて言えば、馬鹿向けのゲームでは、やはり、普通の賃金では、優秀な人材はこないということなんでしょうか。

いずれにせよ、私はモバゲーとか、グリーとかのゲームは、結局ただの一回もやったことがありません。何か、時間が無駄なような気がして、テレビでも相当コマーシャルなどが流されて、一回やってみたいと思いつつも、結局ただの一回もやっていません。

上の文章にも書かれていたように、いわゆる高学歴の人もあまりやらないんでしょうね。そうして、高学歴の人がDeNAの面接に行くと上のようになるのでしょうか?

そう言われてみれば、グリーとモバゲーに関しては、CMにも違いがみられます。


Greeでは、あの、岸部シローさんの「金はない。時間はある」というコピーのCM。かなりインパクトがありました。これは、2008年頃のものですから、かれこれ、3年も前のものですが、それでもはっきり覚えています。当時は、小泉政権後、ますます格差社会が広がるなかで、多くの視聴者の心境を代弁した秀逸のコピーだと思いました。

そもそもSNSは、仕事を失い将来に不安を抱え、自分の存在意義さえも疑問に持ち始めた人たちから広がったサービスだと聞いたことがあります。そんな彼らの現状を的確に表現することで、既存ユーザーにも更なるブランドロイヤリティをもたらしているはずだと思います。不景気、雇用の悪化などで、期せずして馬鹿にならざるを得ない人に、寄り添っていこうという気持ちが見事に表現されていたと思います。根底には、ユーザーの実情を理解し、ユーザーのアイデンティティーに関与しようとする姿勢がはっきり見てとれます。


一方、モバゲーのほうは、あまり印象に残るCMはないようです。これらを見ている限り、グリーのほうは、岸部シローさんのような、ある意味では、馬鹿っぽい人にも、寄り添う姿勢があると思います。というより、過去20年間ものデフレで、高学歴の人でも、一歩間違うと、とんでもない深みにハマることを思い起こさせるようなCMは、やはり、ユーザーによりそっていこうという姿勢がみられます。

このブログで以前、日本は高学歴社会ではないことを掲載しました。実際、日本では、博士課程まで進むと、とたんに就職口が狭くなります。しかも、大学の教員への道も狭く、博士課程に進んだ多くの人が、なかなか就職が決まらないということで、いわゆるポスドク問題となっています。これでは、高学歴社会とはいえません。

アメリカなどでは、大学を卒業たとしても、高学歴とは見なされません。どこの大学を卒業していても、大卒は大卒です。大学院を卒業してはじめて学歴のあるものとみなされます。大学院は、有名なところ、それも、どの先生に師事したかということで、その後のコースが変わってきます。だから、本当は、上記の説明員のいう高学歴とは、有名大学のことを言うのだと思います。要するに、大学間格差のことです。要するに、上の説明員の言っていることは、「1流大学出身の人は、当社のゲームはやらない」ということだと思います。そうして、グリーのほうは、1流大学出身者以外の人にも寄り添ってく姿勢がみられます。一方、モバゲーには、そのような意識は希薄なような気がします。

さて、この差これから先、どうなっていくのでしょうか?私自身、やはり、グリーのほうが伸びていくように思わます。これから先、景気はいずれは、回復します。そうなったときが、本当の勝負の時になるかもしれません。

両者とも、このどうしようもない、金は、ないのに、時間は、たっぷりある人が増えたデフレの時代に生まれてきた、社会に適合したサービスだと思います。積極的ではないですが、消極的でありながら、社会を変えたのです。職もない、金もない、時間だけがたっぷりある人にとっては、ほんどお金のかからない、暇つぶしにはもってこいだったと思います。パチンコなどにはまるよりは、ずっとましです。

どちら会社も、このデフレ時代にマッチして、伸ばしてきたのですが、グリーの社長のほうが、社会のことをより知っているように思われます。

DeNAに関しては、とにかくこの路線を、新卒に多大な投資をしても、伸ばすだけ伸ばして、そうして、他の商売にも手を出して、次の時代に備えようとしていますが、あまり明確な方針などないのだと思います。

一方、グリーのほうは、社会の変化に対応することを戦略に据えているように見受けられます。であれば、何か、デフレが解消するなどの社会の変化があった場合、グリーのほうが素早く対応できると思います。DeNAのほうは、野球チームを手に入れるとか、間口を増やすそようなことをして、次世代に備えているのだと思います。

グリーのほうは、何か、社会の変化にあわせた、隠し玉が最初からあると思います。スティーブ・ジョブスのやり方にも、似た、社会への対応、社会変革に結びつくような、次の隠し玉を用意していると思います。とにかく、ジョブズは、ものづくりにこだわっていました。その根底には、お客はすぐに見透かすという考えがあったと思います。その意味では、これから、やはり、グリーのほうが伸びていくような気がします。それとも、意外と両方とも、ポシャッてしまうかもしれません。

しかし、両者ともこれだけの規模で、クラウドを活用して、会員を集めているわけですから、これを、単純なゲームだけで終わらせるのではなく、他に転用することができれば、十分に商機があると思います。

さて、このあたり、また何か新しい動きがあれば、このブログにも掲載していきますので、よろしくお願いします。

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2011年11月3日木曜日

デモが語らない真実をハーバード大教授が言ってしまった―【私の論評】このままでは、オバマの大統領戦の勝利は遠のくばかり!?

デモが語らない真実をハーバード大教授が言ってしまった
グレゴリー・マンキュー教授
今のところ収拾がつきそうにないウォール街のデモ。しかし、そこでは決して語られていない真実がある、として発言したハーバード大教授がたいへんなことになっている。

著書や論文を多数発表し政府の諮問委員も務めるなどした経歴を持つ、ハーバード大経済学部のグレゴリー・マンキュー教授が自身が受け持つ講義を受ける学生たちに、電子メールを送信したのだった。そのタイトルが「金持ちは貧しくなっている」。

教授は米国歳入庁のデータを紹介。データによると、07年~09年の間に、人口の上位0.1%の所得は約215万ドルから、約143万ドルに下がっている。また、また、上位1%の所得は約41万ドルから、約34万9000ドルに下がっているのだ。

ところが、一般中間層は3万2879ドルから、3万2396ドルと微減だった。富裕層の方が割りを食っているという主張である。こうした事実は、このデモの間に誰もが語ることはなかった。

ただ、この発言に一部の学生が怒ったようなのだ。フェースブックにわざわざアカウントを作成して、教授の講義をボイコットしようと呼びかけている。

【私の論評】このままでは、オバマの大統領戦の勝利は遠のくばかり!?
上の経済学者の意見は、事実に基づくものです。上の数字は正しいものです。ただし、デモをしている側の学生達の主張も正しいものです。では、デモをしている人たちの主張はといえば、"We are the 99%"です。


これがウォール街占拠デモの合言葉です。1%の富裕層が富の大半を保有し残りの世界を仕切っていることに対するアンチテーゼです。米中間層には従来から、没落感が強まっていました。米議会予算局が25日発表した調査結果(10/26 WSJ)が状況を的確に表しています。

記事によると2007年までの30年間の所得推移が、所得最高位の1%に入る家庭が275%伸びたのに対し、60%の中間層が40%足らず、再下位層の20%はわずか18%でした。言い換えるとこの30年間富裕層のみが劇的に所得を増やしたということです。

ところが、上の記事の数値では、07年~09年の間に、人口の上位0.1%の所得は約215万ドルから、約143万ドルに下がっている。また、また、上位1%の所得は約41万ドルから、約34万9000ドルに下がっているのだ。しかし、一般中間層は3万2879ドルから、3万2396ドルと微減でした。

アメリカの富の象徴、ウォール街
しかし、デモをしている側は、国民が納めた巨額の税金を使って救ったウォール街の連中が、チョット経済が回復したといって又もや高額の報酬を得始めた一方で、米国の失業率は9.1%であり25歳以下に限ると27.7%にもなる。このままでは格差が更に進行する、もう黙ってはおられないと立ち上がったのです。

このウォール街占拠デモには「共通する概念」が見えないと言われています。いずれのデモも「経済政策の見直しや格差是正」を声高に叫んで現状に不満を表明する「複合集積体」です。しかし、ニューヨークに始まったデモは1ヶ月以上も続き、フェイスブックやツィッターを通じて全米から世界に広がりを見せています。しかし、共通する概念がないまま、これほどまでに、大きな動きになるものでしょうか?

茶会は共和党に取り込まれた
それを考える上で、このデモは、茶会(Tea Party)運動とよく比較されています。茶会は中西部シカゴの白人中産階級から始まりました。運動の主体は、地方都市の自営業者と非労組組合員の高卒白人労働者たちで、毎日曜日に教会に行く福音主義プロテスタント教徒、「働かざる者食うべからず」が信条だそうです。

Tea Partyのデモ
ウォール街占拠デモと同じく茶会の主体も実は残りの99%だが納税者であり、抗議の対象は政府であり健康保険制度改革や弱者優先のバラマキ財政といった無駄使いに強い反発があるとされています。米国では自主独立・自助精神は人物評価の基準であり共感を得やすかったこともあり広がりを見せたと考えられます。

その身近な憤りが、「小さな連邦政府・州政府の権限拡大」とか「合衆国憲法への回帰」を要求する抽象的なスローガンにすり代わり、共和党に巧みに取り込まれて反オバマ大統領運動の推進力にもなったとされています。

引き裂かれている民主党
オバマ大統領はこれまでにデモに対して一定の理解を示す発言をしています。しかし、オバマ大統領は、金融システムのあり方に対するより広範囲な不満を代弁と、持って回った慎重な発言をしています。来年の大統領選挙を控え選挙資金の大口寄付者である金融機関を簡単に敵に回す訳にはいかないようです。

一方、08年に初の黒人大統領誕生に導いた若いボランティアや組合、市民団体といった支持者達はウォール街選挙デモ支援に回っています。米キニピアック大学がニューヨーク市の有権者1068人を対象にした調査では、67%がウォール街選挙デモを支持すると回答。来年の大統領選挙に向けて民主・共和両党にとって無視できない有権者の動向になる可能性があるといわれています。


ウォール街選挙デモの動機は経済格差にあり、グローバルな問題である経済格差をターゲットにしたからこそ、政治に無関心な若者層・失業者など主義主張を超えて共感し運動が急拡大しました。政策云々よりも、遅い経済回復や、失業率が改善の見込みのなさに対する不満が鬱積しているようです。。

大胆に色分けすると、茶会の構成メンバーが自営業者・非組合労働者であるのに対し、ウオールストリート街選挙デモのそれは失業者の負け組であるといえると思います。抗議の対象は前者が政府、後者が富裕層です。

今のアメリカには、経済の復元力がない
さて、アメリカの景気、おそらく、経済の復元力からいって、アメリカは内需主導で、景気回復することは無理だと思います。この10年間のアメリカは、景気が悪くなれば、その都度政府が大規模な財政出動をして、場合によっては、民間企業や銀行にまで、巨大な公的資金を投下することまで、して、その都度無理矢理景気を回復させ続けききました。

この政府による民間企業への公的資金の大量のつぎ込みが、茶会グループの反感をかい、さらに、公的資金をつぎ込まれた側の、投資銀行など幹部などが、経済が回復したといって又もや高額の報酬を得始めたことがウォール街占拠デモ派の反感をかっているというわけです。

そうはいいながらも、こうした対策が功を奏して07年~09年の間に、一般中間層の賃金は、3万2879ドルから、3万2396ドルと微減ですんできたといえます。この期間には、確かにオバマ大統領も、あのGMに大量の公的資金を投入するなどで、一定の効果をあげてきたわけです。さらに、リーマンショックによる信用不安にも対処してきたというわけです。

しかし、10年から今年入ってきてからは、様相が変わっています。過去においては、大量の公的資金をつぎ込むことで何とかなってきたアメリカ経済ですが、公的資金をつぎ込むこと自体にも限界がありますし、それに経済の復元力という問題が顕著になってきているのだと考えられます。

経済の復元力に関しては、このブログにも幾度か掲載してきましたが、経済の復元力とは、たとえば、かなり長い間景気の良い状況が続いた場合は、さしたる理由もないのに、経済が下向いたり(今のアメリカの状況)、逆にかなり長い間景気の悪い状況が続いた場合(まさに今の日本)場合は、さしたる理由もないのに景気が上向いたりする状況のことをいいます。

国民生活に深くかかわる、実体経済に関しは、いくら、投資銀行や、政府や、FDR(日本の場合は日銀)人為的に、良くしようとか、一時悪くしようと努力しても、できないところがあります。政府や、日銀ができるのは、せいぜい、経済が良くなったり、悪くなったりするのは、急激にではなくソフトランディングさせることです。

アメリカに関してはもはや、経済の復元力からして、ここ数年は、景気が良くなることはないと考えられます。だから、オバマ大統領ができることは、せいぜい、悪くなるにしても、急激に悪くなることなく、ソフトランディングさせることだけです。これでは、アメリカは八方塞がりのようです。

このままTPPを推進して日本がそれにのればオバマの敗北はより一層色濃くなる
しかしながら、そんな中に一つだけ、アメリカの景気を多少とでも、良くさせる方法はありました。そうして、それをオバマ大統領が推進しようとしてます。そうです。それは、アメリカの輸出を増やすというこです。実は、オバマ大統領は、輸出を増やすことを昨年あたりから言っていました。

オバマ大統領は、当然のことながら、アメリカの経済の復元力はほとんどないことは理解していると思います。であれば、外需主導でアメリカの景気を良くすることを考えるのが当然の成り行きです。そうなると、経済の復元力がある日本に輸出できれば、それこそ、オバマ大統領にとっては、願ったり叶ったりということだと思います。

そうした動きは、今年も随所にみられました。たとえば、アメリカのデフォルト騒ぎです。私は、アメリカ側がデフォルト騒ぎを演出するのは、ドルを一時でも、相対的に安くし、アメリカの貿易の振興を図り、一時的に外需主導で、アメリカの景気を良くしようという企てがあるのだと思います。 これは、以前のブログにも掲載しました。要するに、アメリカの債務限度引き上げなどは、年中行事であるにもかかわらず、今回はやたらと手間取りました。それをアメリカが、日本のねじれ国会と同じような状況にあるからとする人もいますが、私はそれだけではなく、根底には、ドル安を導く狙いがあったものと思っています。


そうして、その目論見は、的中しています。まさに、日々日本では、円高が報道されるようになりました。まさに、アメリカから日本に対して、輸出がしやすい状況になったわけです。しかし、これだけではまだ不十分です。そうです、日本が内需主導型でかなり経済を伸ばすことができれば、アメリカの目論見は大成功ということになります。

そうして、ここで、オバマ大統領が、さらに、まともな経済学者なども動員して、日本に圧をかけ、増税なんぞは、愚の骨頂、まずは、デフレを克服するために、自分かかつてやったように、大規模な財政出動をやるべきであり、無論日銀は増刷拒否の姿勢を崩すべきであり、デフレの時期に増税するなどとはトンデモないなどと語たり、日本の政府にそれを強く働きかければ、日本のデフレも解消され、さらに、内需拡大で、アメリカの貿易もかなり伸びる可能性があったと思います。そうすれば、アメリカの景気も若干ですが、上向き、オバマは、アメリカ国内でこの成果を高らかに宣言して、またまた、"Yes, We Can"のスローガンで、大統領戦に勝利を収めることができたかもしれません。

ところが、オバマがやっていることといえば、例の"TPP"です。私自身は、TPPには反対ですが、その理由などここには、他のサイトなど見ていただくものとして、ここでは、本題とは直接関係なので詳細は述べません。

ただし、TPPということになれば、海外から安いものが日本に入ってくるわけですから、日本はデフレ傾向になるということです。今は、デフレの最中にあり、震災の復興需要とか、日本経済の復元力からいって、増税などしなければ、デフレから脱却できたかもしれません。

にもかかわらず、日本政府が増税をしたり、TPPに加入したりすれば、せっかくの日本の景気浮揚、デフレ脱却に水をさし、日本がデフレ状況から脱却できなくなります。そうなれば、アメリカから日本への輸出も伸びることはなく、せいぜい、農産物くらいでお茶を濁す程度で、結局オバマの目論見も失敗し、アメリカの外需主導による景気回復の道は絶たれるわけです。日本の農産物の自給率は、世界に類を見ないカロリーベースで計算されていますから、実際には、自給率は高く、アメリカの市場の牧畜関係者が潤うだけで、結局は、ウォール街占拠派や、茶会のメンバーが潤うはずもなく、かえって、反感を招く結果になります。

さて、この上の記事の経済学者は、最近の傾向だけ述べて、学生からさらに反感をかってしまったようです。オバマもせっかくのチャンスがありながら、そのチャンスを活かせずに、このままでは、敗北することが濃厚になってきたと思います。ちなみに、ウォール街占拠デモ派は、TPPに反対です。そりゃそうですね、単純に考えれば、関税障壁なしに、輸出できるということは、アメリカの数少ない輸出産業(GDPの6%にすぎない)にとっては良いかもしれませんが、それ以外の人には、外国から安いものがどんどん入ってくることになれば、国内内需には打撃で、さらに、職が減ることになるでしょう。

それに、TPPの構成国で、GDPの大半を占めるのは、アメリカと日本ですから、その肝心の日本が、デフレ状況から脱することができないなら、いかに、円高であっても、日本国内の消費が上向くことなく、アメリカからの輸入も伸びる余地はなくなります。また、TPPのアメリカ、日本以外のメンバーは、どれも、経済的には、小国です。これらの国のGDPをあわせても、日本の半分以下です。これらの国への貿易が伸びたとしても、ほんどアメリカには関係ありません。これでは、農産物などの一次産品の輸出だけにとどまり、高付加価値の工業製品や金融商品などは売ることができなくなります。

さらに、外需主導の景気回復がどのようなものか、日本人なら多くの人がすでに体感しているはずです。そうです、金融危機の直前まで、日本の景気は緩やかに回復していました。しかし、これは、外需主導型であり、国内はあいかわらずデフレ傾向でした。この景気回復は、日本の輸出産業によるものであり、これは少数派(GDPに占める輸出の割合は16%)にすぎませんから、これに関しては、多数の人々が認識できなくて、「実感なき経済成長」とも呼ばれていました。これは、アメリカではもっと顕著であり、輸出がGDPに占める割合は、6%に過ぎません。日本より、圧倒的に少ないわけですから、さらに多くの人々が実感できないということになります。


景気が多少良くなっても、輸出産業ばかりで、他の多数派の人々には、ほとんど関係ないわけですから、また、茶会や、ウォール街占拠派からかえって、非難されるかもしれません。それに、景気が良くなるにしても、一次産品のみ良くなるということで、これでは、付加価値があまりなく、雇用に及ぼす影響は限られています。これではは、さらに国内両派から反感を買い、日本のデフレ脱却に水を指し、オバマは、選挙どころではなくなると思います。"Yes We Can"、"Change"のスローガンなど今はむなしい響きがするばかりです。このブログでは、日本の政治家の愚かさを掲載してきましたが、アメリカの政治家も負けず劣らずという感じてす。最近では、オバマを見て愚かに見えるのは、私だけでしょうか?


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2011年11月2日水曜日

お~い、ローソンの500円お買い物券が100円で売ってるぞ~!―【私の論評】やはり世の中まだまだデフレなのか?それとも?

お~い、ローソンの500円お買い物券が100円で売ってるぞ~!



とってもオトクな激安情報をお知らせするぞ。なんと、大手コンビニ「ローソン」で使える500円分のお買い物券が100円で売られているのだ!

ローソンのサイトによると、この激安キャンペーンは「ローソンセレクトリニューアル記念」として行なわれているとのことだ。販売期間は11月30日までとのことなので、急がなくても大丈夫。

500円券を100円で入手する方法は、クーポンサイト「ポンパレ」にアクセスし、500円券を100円で購入。その後、発券コードをローソン店舗にあるLoppiに入力し、お買い物券を発券。あとはお買い物をしたとき、その500円券をレジ精算前に店員さんに渡すだけだけだ。

ちなみにひとつ注意すべき点がある。それは、たばこや切手、印紙やハガキなど、一部サービスには使用できないということである。注意書きをよく読んでから、有効活用していただきたい。


【私の論評】コンビニ販促で頑張る?!
上の記事を見て、やはり、今日本はデフレなんだと感じました。実際に、ポンバレにアクセスしたところ、何と、購入金額上限は100円、購入回数上限は1回ということでした。それに時限セールのようで、私が、アクセスしたときは、あと663時間と数分という具合でした。

これは、新たな販促手法ということだと思います。今までのように、何かを買うと何かが付くとか、もらえるというより、余程良い企画かもしれません。今のようなデフレの時代には、100円で、500円のものが購入できるということは、かなり魅力のように感じます。何かを買って何かの特典が得られるというより、よほど多くの人の目につく企画だと思います。

私も、まだ時間的に余裕のある企画ですから、是非試してみようと思います。現在コンビニはかなりの過当競争になっている上に、今年は大手がこぞって、かなり出店しています。だからこそ、このような企画も必要なのかもしれません。

そういわれてみれば、他のコンビニでもいろいろと販促をやっていますが、たとえば、セブンイレブンでもやっていました。


上は、セブンイレブンで展開されているグリコの店頭販促です。しかし、商品が販促物の文字とかノベルティのワンピースのイラストにかぶっていてどんな販促なんだかよくわからない状態になっています。実際の商品並べてちゃんと実験したのか!!と思わず言いたくなってしまう陳列です。これにグリコは数千万かけているはずです。

それから、下の写真は、今から1週間くらい前に会社の近くのローソンで撮影したものです。ローソンの入り口ですが、「な~んも、食べればいっしょ、焼きパスタ」と布製の看板がかかっています。写真は、クリックすると、拡大します。このような看板がかかっていたのは、以前から知っていましたが、いわゆる、北海道弁で書かれているのは、あまり記憶にないので、敢えて撮影してみました。


ローソンでは、今年の春あたりから、焼きパスタに力を入れているようでした。私も、以前購入してたべてみましたが、まあまあの味でした。これって、ローソンとしてはかなり力を入れているのでしょうか、サイトを見てみたら、山形では、以下のような看板になっていました。


おそらく、各地で、このような「方言」の看板を出しているのだと思います。
さて、肝心の「焼きパスタ」とは、以下のようなものです。これは、ナポリタンです。


このような地域的なイベントは、セブンイレブンでもやっているようです。サイトでみつたけのですが、10月25日、山梨県内のセブンイレブンにて、ヴァンフォーレ甲府応援弁当「勝ち鶏3点弁当」が発売になり、本日26日セブンイレブン甲府平和通店で柏好文選手のサイン会が行われました。


上が、「勝ち鶏3点弁当」の写真です。このイベントに関しては、詳細は、以下のURLを御覧ください。

ローソンでは、しばらく前から、店の商品に「ブランド」を導入していますが、以下に、これを掲載しておきます。こうしたブランドを設定するのも、販売促進の一つだと思います。

ウチカフェスイーツ
Uchi Cafe’ SWEETS(ウチカフェスイーツ)は、「いつでもおうちがカフェになる」をコンセプトに、近くで手軽に本格的なデザートをお求めいただける“マチの洋菓子専門店”を目指したローソンのオリジナルデザートブランドです。 多くの女性のお客様からご支持をいただき、代表作の「プレミアムロールケーキ」の累計販売個数は、発売から約19ヶ月で1億個を突破しました。 また、ヨーロッパで開催された世界的な食品コンテスト2011年度「モンドセレクション」製菓部門において、「プレミアムロールケーキ」「プレミアムティラミス」「プレミアム純生クリームチョコレート」の3品が金賞を受賞しました。

パスタ屋
パスタ屋は、真空押し出し製法による“もっちもち”の自家製生パスタに、厳選した素材をふんだんに使い、手間ひまかけた本格ソースで、1品1品こだわりぬいたメニューを提供します。 パスタ屋開店当初からの生パスタカルボナーラをはじめ、女性のランチやお酒のおつまみにピッタリの食べきりサイズがうれしい、濃く旨ソースの「ショート生パスタ」シリーズ、 上品な和風のおだしで、あとのせシャキシャキ野菜と細・生パスタをお箸で食べる「和ぱすた」シリーズ等、さまざまな生パスタメニューを取り揃えております。 ひげおじさんがシンボルマークです。

からあげくん
からあげクンはローソンの看板商品として、おかげさまをもちまして2011年25周年を迎えることとなりました。 やわらかくてジューシーな胸肉を使用し、「誰にでも親しまれるテイスト」をモットーに幅広いお客様のニーズに対応 すべく鶏くんでおります。 代表商品としましては、定番のレギュラー、ピリリと辛いレッド、マイルドなチーズの3種類がありますが、 さらに、期間・数量限定商品としてお客様に様々なフレーバーを楽しんで頂けるよう日々メニュー開発に チャレンジしています!

ローソン亭
ろーそん亭は「マチの、あったかい、本格的なごはん屋さん」をコンセプトにしたお弁当シリーズです。 女性の方に「わたしが選んで食べたいごはん」「こころまであったかくなるごはん」と思っていただけるよう、 味・食感・見た目を工夫して作っています。 お弁当の作り方を一から見直して、「素材本来の旨み」「野菜の彩り」「野菜やスパイスの香り」を引き出し、 専門店の味を追求して作っています。掛け紙をかけたパッケージで、見た目にもの品の良いお弁当です。 看板商品の「とろぉり仕上げた親子丼」、本格的なスパイスを効かせたカレー、五穀米を使用した 野菜たっぷりメニューなど、個性豊かなメニューを展開しています。

おにぎり亭
おにぎり屋 2002年の開始以来、“米、海苔、塩、具材、製法”にこだわり、本格的な美味しさをお届けしています。お米は、新潟産コシヒカリ(白飯のもの)。塩は、瀬戸備前のにがり塩。海苔は瀬戸内産、有明産焼き海苔を使用。季節ごとに新米や新海苔を使い、旬の美味しさもお届けしています。新潟コシヒカリをふっくらつつんだ「新コシシリーズ」、良い食材をふんだんに使った「贅沢」シリーズ、混ぜ・炊込みご飯を使用した「直巻シリーズ」(一部商品を除く)、手軽におにぎりを楽しめる「手巻シリーズ」などのラインナップがあります。

今年に関しては、以前もこのブログにも掲載したように、コンビニ大手が、かなり出店します。こんな、デフレの時代にも、いろいろな工夫を重ねつつ、このようなことを実施しています。デフレだからといって、諦めていてはいけないということですね。

こうした、コンビニの出店攻勢は、ある意味で勇気づけられます。とにかく、コンビニは、よくよく注意してみてみると、日々、色々変わっていって面白いです。どんな商売でも、変化に対応しているということが、コンビニにくると良く理解できます。皆さんも、意図して、意識して観察してみてはいかがでしょうか?いろいろな、発見がありますし、それに、全く関係ないと思えるような商売の方にも、いろいろと参考になると思います。
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2011年11月1日火曜日

【中国】毛沢東の車にはバックミラーがついていなかったことが判明 / 理由 「社会主義は前進あるのみだから」―【私の論評】だからこそ、中国で社会主義は死んだが、その後継の国家資本主義も行き詰まりをみせている!!

【中国】毛沢東の車にはバックミラーがついていなかったことが判明 / 理由 「社会主義は前進あるのみだから」


現地時間10月30日、中国マカオで行われていた国際自動車博覧会が盛況のなか無事に閉幕した。フォルムの美しさを誇るものから世界最速のものまで様々な自動車が展示されていたが、中でも目を引いたのが毛沢東専用車だ。なんとこの車にはバックミラーがついておらず、しかもその理由は「社会主義は前進あるのみだから」というのだ。

毛沢東専用車は1950年代、旧ソ連の自動車メーカー・スターリン社のものだ。当時、旧ソ連から中国に贈られた車のうちの1台だという。装甲やガラス全てが防弾仕様となっており、全方向すべてから要人を守ることのできる車だ。

毛沢東
だがその完璧であるはずの専用車にバックミラーがない。この件に関して展示説明は「この車にはバックミラーがありません。1950~60年代の『社会主義は前進あるのみ、後退することはない』」というイデオロギーが色濃く出ているためです」とあったそうだ。

なお、実際に使用の際は、護衛車がつき毛沢東の乗った車がバックする必要がないよう警護していたとのことである。運転手の緊張を考えるとこちらまで冷や汗をかきそうだ。

さて、続きと、この記事に対する中国のネットユーザーらの反応はこちらから!!

【私の論評】だからこそ、中国で社会主義は死んだが、その後継の国家資本主義も行き詰まりをみせている!!
毛沢東とはいっても、今や知らない人も多いので、その略歴など掲載しておきます。
毛 沢東(もう たくとう、マオ・ツォートン、1893年12月26日 - 1976年9月9日)は、中華人民共和国の 919;治家、軍事戦略家、思想家。字は詠芝、潤芝、潤之。筆名は子任。初代中華人民共和国主席。中国共産党の創立党員の1人で、長征、日中戦争を経て党内の指導権を獲得し、1945年より中国共産党中央委員会主席を務めた。日中戦争後の国共内戦では蒋介石率いる中華民国を台湾に追いやり、中華人民共和国を建国した。以後、1976年に死去するまで同国の最高指導者の地位にあった。 
現代世界史において大きな業績を遺した人物とみなされており、タイム誌の「20世紀の重要人物(Time 100: The Most Important People of the Century)」の1人に名を連ねている。毛は、思想家、戦略家として評価されており、詩人としても名高い。 
一方、毛の政策については現在でも議論の対象となっている。研究者は、毛の引き起こした大躍進政策と文化大革命のような、文化、社会、経済、外交に重大な損害をもたらした問題について非難するとともに、彼の政策による犠牲者を数千万と推定する。そして、マルクス主義・ソ連型社会主義を中国社会に導入しようとした毛の政策は、産業の面において、結局失敗に終わったと論じる。
大躍進の時の中国のブロパガンダ
文化大革命の時のプロパガンダ
さて、中国の1960年代の事実上の国歌は、「東方紅」ですが、毛沢東の名前がでてきます。以下にその歌詞を掲載します。
东方红,太阳升,
中国出了个毛泽东。
他为人民谋幸福,
呼儿咳呀,他是人民大救星。 
毛主席,爱人民,
他是我们的带路人。
为了建设新中国,
呼儿咳呀,领导我们向前进。 
共产党,像太阳,
照到哪里哪里亮。
哪里有了共产党,
呼儿咳呀,哪里人民得解放。
以下に日本語の歌詞を掲載しておきます。
東方は紅、太陽が昇った、
中国には毛沢東が現れた。
彼は人民の幸福を謀った。 
(掛け声・呼児咳呀≒フーアルハイヨー)、
彼は人民の大いなる救いの星!
毛主席は人民を愛する。
彼は私たちの進路を示す人。
新中国を建設するために、
(掛け声・呼児咳呀)、
私たちに前進を指導する!
共産党は太陽、
どこの地でもどこの地でも照らす。
どこの地にでも共産党はある、
(掛け声・呼児咳呀)、
どこの地の人民も解放された!
以下に、この歌の動画を掲載しておきます。


プロパガンダなるもの、すぐに色褪せますね。こんなのは、今では通用しません。このブログには、中国では、建国の父であるはずの毛沢東を国家の英雄として祀り上げることがてできない旨を掲載したことがあります。それは、当然といえば、当然です。なぜなら、大躍進で、犠牲者を数千万も出しています。数千万といえば、いくら中国の人口が多いとはいえ、日本でいえば、大東亜戦争のときの戦死者に匹敵するほどです。

日本でも、大東亜戦争で亡くなった人の数は多く、どの家でも、親戚か知人などで、戦争でなくなれた方がいらっしやると思います。小さな村では、当時の若い人達が、出征して、全員が戻らぬの人になったなどというところもありました。それと同じように、中国でも、大躍進で亡くなった方が、親戚か、知人では誰もがいるとか、小さな村では、ほとんどの人が飢餓亡くなったなどというところもあります。戦争というのならまだしも、平時にこれだけの死者を出したのは、異常事態以外の何者でもありません。

それだけではなく、文化大革命で、中国を混乱の巷に陥れた張本本人ですから、これによって、苦い経験を持っているとか、親兄弟がひどい目にあった人がたくさんいます。さらに悪いことには、中国では、日本とは異なり、死者に鞭打つようなところがありますから、大躍進や、文化大革命の中に、何の悪さもせずに犠牲になり、さらには、名誉を回復されていない方々もかなりの数にのぼります。表には、出さないものの、腹わたが煮えくり返るような思いをしている人々も多数存在するはずです。


こんな悪人をいくら建国の父だからといって、英雄に祀り上げることなどとてもじゃないですができません。

自分が歩いた足跡もみないという人物であったからこそ、このような悪行、大罪を平然と遂行できたのだと思います。どんな人だって、どんな組織であれ、過去があるから現在があるのであり、現在があるから未来があるわけです。

にも関わらず、過去を精査も反省もしないで、現在や未来を生きていこうなどということはできるはずがありません。できるとすれば、それは、人なら悪人か、組織ならブラック企業だけです。しかし、これらは、いつまでもは続きません。いつか、滅びの日がきます。日本においては、島原の乱があっていらい、幕府は、それまでの武家のやり方をあらため、それまで強圧的であった体制をあらためある程度の民主化、政治と経済の分離と、法治国家化をすすめました。それでも、なが続きせず、300年しか続かず、明治維新によってこの体制は崩壊しました。

そうして、現代中国はどうかといえば、やはり、毛沢東とあまり変わりないようです。バックミラーのない車に乗っているかのごとく、全く過去の反省もなく、いまだに、民主化、政治経済の分離、法治国家化などをする気は、全くありません。まるで、島原の乱の前の幕藩体制のような中国。

こんな国に未来はないと思います。皆さんは、どう思われますか?
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