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プロ野球横浜ベイスターズの譲渡を受け、日本野球機構の 下田邦夫事務局長(左)に加盟申請書を手渡すディー・エヌ・エー (DeNA)の春田真会長=4日午後、東京都千代田区 |
DeNAの求人によると、これは「新卒エンジニアスペシャリスト採用」というもので、「飛びぬけた能力を持った技術系学生については通常の総合職採用とは異なる採用フローで選考します」としている。
このコースで内定を得ると、エンジニア配属確定、年棒600~1000万円を提示。技術研修あり。1000万円というのは成果が含まれるために絶対ではないが、初年度から可能という点は魅力的でもある。
2年目から毎年2回(4月、10月)見直しがあるそうだ。人材獲得競争になりふり構わない様子を見て取ることができる。
一方、もうひとつの雄であるグリーだが、同社の求人によると、学部卒400万円、院卒425万円、短卒・専卒300万円とある(2011年度予定)。
両者の求人案内だけを見れば、差があるように感じられる。
【私の論評】馬鹿な顧客むけに、馬鹿が喜びそうな商品やサービスを提供するという発想は長続きするのか?
東証一部上場企業の中でいま最も成長著しいのがソーシャルゲームの二大巨頭だグリーとモバゲーです。
しかも海外進出やら、球団買収やらで連日のようにその名前を聞く機会があります。もちろん世間の評価としては賛否両論ありますが、どちらかの(ブログ管理人注:というより文面から、DeNAであることは明らか)就職説明会に参加したとおぼわしき人物が、「就活の説明会にて」と題して次のような書き込みを行っていました。
@super_naomixさんが紹介した内容は以下のようなものです。(▼▼=DeNAと考えられる)
「▼▼の説明員『この中でわが社のゲームをやったことがある方はいますか?』誰も手を挙げず説明員『そうですよねー。うちのゲームは高学歴の方はほとんどやりませんから』」
単に面倒だから挙げなかっただけなのか、あるいは本当にやったことがないのかは判断できない。しかし、説明員のヤケクソ気味な対応は、何とかならないものだろうか?
会場のそうした雰囲気を踏まえて、書き込みした人物が続ける。
「多分▼▼の社員も同じような認識 少し頭の回る人間はやらないことを分かっているし、彼ら自身はそういう人間だろう。でも馬鹿から十分すぎるほど利益を吸い取れる事を良くわかっている自分が、やって面白いゲームを作ろうとしてきた既存のゲーム会社には無かった発想。世の中には案外馬鹿が多いという事を頭に入れて商売やるべきだわ」
では、参加者に聞きたいが、ソーシャルゲームが行き詰って儲からなくなった時は、どうするのだろうか。ちなみに、グリーの田中良和社長は、5年後、10年後を考えろと言っているよ。この話、真偽の程は確かではありませんが、いかにもありそうな話ではあります。このような話題の豊富な会社で、また上記のような新卒初任給が話題となっています。そこまでしなければならないということは、この筆者の言葉を借りて言えば、馬鹿向けのゲームでは、やはり、普通の賃金では、優秀な人材はこないということなんでしょうか。
いずれにせよ、私はモバゲーとか、グリーとかのゲームは、結局ただの一回もやったことがありません。何か、時間が無駄なような気がして、テレビでも相当コマーシャルなどが流されて、一回やってみたいと思いつつも、結局ただの一回もやっていません。
上の文章にも書かれていたように、いわゆる高学歴の人もあまりやらないんでしょうね。そうして、高学歴の人がDeNAの面接に行くと上のようになるのでしょうか?
そう言われてみれば、グリーとモバゲーに関しては、CMにも違いがみられます。
Greeでは、あの、岸部シローさんの「金はない。時間はある」というコピーのCM。かなりインパクトがありました。これは、2008年頃のものですから、かれこれ、3年も前のものですが、それでもはっきり覚えています。当時は、小泉政権後、ますます格差社会が広がるなかで、多くの視聴者の心境を代弁した秀逸のコピーだと思いました。
そもそもSNSは、仕事を失い将来に不安を抱え、自分の存在意義さえも疑問に持ち始めた人たちから広がったサービスだと聞いたことがあります。そんな彼らの現状を的確に表現することで、既存ユーザーにも更なるブランドロイヤリティをもたらしているはずだと思います。不景気、雇用の悪化などで、期せずして馬鹿にならざるを得ない人に、寄り添っていこうという気持ちが見事に表現されていたと思います。根底には、ユーザーの実情を理解し、ユーザーのアイデンティティーに関与しようとする姿勢がはっきり見てとれます。
このブログで以前、日本は高学歴社会ではないことを掲載しました。実際、日本では、博士課程まで進むと、とたんに就職口が狭くなります。しかも、大学の教員への道も狭く、博士課程に進んだ多くの人が、なかなか就職が決まらないということで、いわゆるポスドク問題となっています。これでは、高学歴社会とはいえません。
アメリカなどでは、大学を卒業たとしても、高学歴とは見なされません。どこの大学を卒業していても、大卒は大卒です。大学院を卒業してはじめて学歴のあるものとみなされます。大学院は、有名なところ、それも、どの先生に師事したかということで、その後のコースが変わってきます。だから、本当は、上記の説明員のいう高学歴とは、有名大学のことを言うのだと思います。要するに、大学間格差のことです。要するに、上の説明員の言っていることは、「1流大学出身の人は、当社のゲームはやらない」ということだと思います。そうして、グリーのほうは、1流大学出身者以外の人にも寄り添ってく姿勢がみられます。一方、モバゲーには、そのような意識は希薄なような気がします。
さて、この差これから先、どうなっていくのでしょうか?私自身、やはり、グリーのほうが伸びていくように思わます。これから先、景気はいずれは、回復します。そうなったときが、本当の勝負の時になるかもしれません。
両者とも、このどうしようもない、金は、ないのに、時間は、たっぷりある人が増えたデフレの時代に生まれてきた、社会に適合したサービスだと思います。積極的ではないですが、消極的でありながら、社会を変えたのです。職もない、金もない、時間だけがたっぷりある人にとっては、ほんどお金のかからない、暇つぶしにはもってこいだったと思います。パチンコなどにはまるよりは、ずっとましです。
どちら会社も、このデフレ時代にマッチして、伸ばしてきたのですが、グリーの社長のほうが、社会のことをより知っているように思われます。
DeNAに関しては、とにかくこの路線を、新卒に多大な投資をしても、伸ばすだけ伸ばして、そうして、他の商売にも手を出して、次の時代に備えようとしていますが、あまり明確な方針などないのだと思います。
一方、グリーのほうは、社会の変化に対応することを戦略に据えているように見受けられます。であれば、何か、デフレが解消するなどの社会の変化があった場合、グリーのほうが素早く対応できると思います。DeNAのほうは、野球チームを手に入れるとか、間口を増やすそようなことをして、次世代に備えているのだと思います。
グリーのほうは、何か、社会の変化にあわせた、隠し玉が最初からあると思います。スティーブ・ジョブスのやり方にも、似た、社会への対応、社会変革に結びつくような、次の隠し玉を用意していると思います。とにかく、ジョブズは、ものづくりにこだわっていました。その根底には、お客はすぐに見透かすという考えがあったと思います。その意味では、これから、やはり、グリーのほうが伸びていくような気がします。それとも、意外と両方とも、ポシャッてしまうかもしれません。
しかし、両者ともこれだけの規模で、クラウドを活用して、会員を集めているわけですから、これを、単純なゲームだけで終わらせるのではなく、他に転用することができれば、十分に商機があると思います。
さて、このあたり、また何か新しい動きがあれば、このブログにも掲載していきますので、よろしくお願いします。
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