2011年11月18日金曜日

意表を突くジャン・レノの「ぼくドラえもん」―トヨタ新CM第2弾―【私の論評】あのトヨタがなぜ今このようなCMを流すのか、それにはそれなりの背景がある!!




トヨタ自動車のドラえもん実写化CMの第二弾が今日からオンエアになり、番組も大々的に取り上げた。

30歳ののび太はクルマを持ってないせいで、ジャイアンやスネ夫に出し抜かれ、しずかちゃんともうまくいかない。のび太はいまだに情けなくもドラえもんにクルマを出してくれとお願いする――。子供時代のアニメなのび太がドラえもんに解決してほしかった問題は、学力や腕力、臆病さなどだったが、大人のリアルな世界では、どうやらクルマがそれらに取って代わったようである。

CMからはクルマメーカーのいつもの古いメッセージ(クルマは勝者のトロフィーであり、かつ便利であり、モテるための必須アイテムだ)が見て取れる。クルマのCMって往々にしてそういうもんだが、ぜひ「オリジナル」で勝負してほしいものだ。メッセンジャー役に国民的アニメ子供キャラ(の将来)を借りてきて、彼らにクルマの宣伝芝居を演じさせるというのは、ちょっと節度がなく、キャラ濫用な感じがしなくもない。

【私の論評】あのトヨタがなぜ今このようなCMを流すのか、それにはそれなりの背景がある!!


さて、上の記事では、「メッセンジャー役に国民的アニメ子供キャラ(の将来)を借りてきて、彼らにクルマの宣伝芝居を演じさせるというのは、ちょっと節度がなく、キャラ濫用な感じがしなくもない」としていますが、上の記事を書いた人は、大事な背景を見逃していると思います。

このCMに関しては、あのトヨタがなぜこのような従来にはないCMを作成するにいたったかを良く考える必要があります。このCM無論、日本でも、それなりに名の通った俳優・女優を起用し、さらに、世界的スターであるジャン・レノを起用して、さらに、人気アニメのキャラクターということで、著作権利用もかなりかかっているものと思います。

トヨタといえば、最近のCMでは、キムタクと、タケシというキャラクターを用いた、ReBORNのコマーシャルもありましたが、今回のCMは、これよりもさらに金のかかったCMになっていると思います。


そこまでして、なぜCMを作成し、日本国内で流すのには、やはり、世界経済の現状が背景にあると考えざるを得ないです。その背景とは、まずは、アメリカの経済の低迷が明白になってきたことがあります。このブログでは、何回も掲載してきたことですが、経済の復元力から言って、アメリカの景気は、短くて3年くらい、長ければ、5年くらいは上向きそうもありません。

米国勢調査局は17日、貧困状態にある子供が2010年に1575万人と、前年から110万人以上増えたと発表しました。子供全体に占める比率は21.6%(前年は20.0%)で、集計を開始した01年以来最悪です。景気低迷や深刻な失業の影響が子供にも及んでいることが改めて確認されました。

同局では今回、4人家族の場合、年収が2万2314ドル(約170万円)以下の世帯を貧困層と定義。この世帯に属する0~17歳の子供が貧困に分類されました。 

それに、従来あてにできた中国市場もここしばらくは、低迷思想な気配です。そうです、中国は、輸出立国ですが、主な輸出先であったヨーロッパがギリシャ債権問題もあって、低迷しそうですし、それにもともと、中国では、インフレが収束せず、バブルが崩壊しそうな傾向が顕著になっていました。

上海の不動産市場では、竜湖集団、中海地産、緑地集団などの開発業者が物件を大幅に値下げし、値下げ前に該当物件を購入したオーナーがこれに抗議する事態に陥っていますが、それでも不動産価格の下落に歯止めがかかりません。多くの開発業者が資金を回収しようと値下げ戦略を打ち出している状態です。売り手側と不動産オーナーとの衝突を教訓に公に値下げを発表せず、仲介販売業者を通じて購入希望者と暗に値下げを約束する業者が多いようです。その値下げ幅は2~3割が普通となっています。

それに、ヨーロッパは、ギリシャはもとより、スペインや、イタリアも財政が良くないということがあり、これが、EU諸国の経済の足を引っ張っています。

世界経済は、従来とは全く異なる段階を迎えているのです。従来は、アメリカの経済が落ち込んでも、ヨーロッパは何とかなっているとか、アメリカと、ヨーロッパの両方が駄目でも、中国をはじめとする新興国か日の出の勢いで伸びているとかのことがあり、たとえ、どこかが駄目になっても、どこかにシフトすればそれでどうにかなるということがありました。

アメリカ国内をみまわしてみますと、従来だと、軽乗用車といえば、日本が独壇場でしたが、2年で息を吹き返したGMが軽自動車に力を入れています。それだけではなく、韓国の現代自動車もなりふりかまわず、低価格の軽乗用車でアメリカ市場に殴りこみをかけている状況です。

GM
Hyundai
また、トヨタにとって、悪いことには、タイの工場が例の洪水で、稼動できないという弱り目にたたり目という状況になっています。

タイ洪水
とはいいながら、ご存知のように日本は、ここ20年デフレの状況が続いています。そうして、若者の自動車離れが顕著になっています。通常の方法で、車を販売していても、限りがあります。そうした環境にあっても、国内の需要を本格的に掘り起こす必要がでてきたのであり、しかも確実に投資にみあった効果をあげる必要があります。だからこそ上記のようなCMをつくったのだと思います。

さて、このCMが出来上がった背景など説明してきましたが、ここで、ドラえもんそのもを振り返っておきます。ドラえもんは、最初は、小学館の雑誌『よいこ』に1970年の1月に販売されたのが最初のようです。初めてテレビアニメ化されたのは、1973年日本テレビ系で半年間放送しまた。放送期間延長の話が出るほどの人気を博していましたが、制作会社の社長の突然の辞任により打ち切りとなりました。1979年にテレビ朝日系でテレビアニメ化され、同局の看板番組までに発展を遂げました。2005年に制作スタッフを一新し、放送を続けています。


さて、CMでは、現在の、のび太は、30歳という設定だそうですが、となると、1981年生まれということになります。とすれば、1970年代にこの漫画に初めて触れた人々は、もっと上ということになりますが、この年代も30歳代の範疇に入ると思います。そうして、こうした年代を含めて、35歳~40歳くらいまでの年代は、人生で最も消費の多いステージと言われています。

これらの年代の人々にとっては、30歳といえば、自分たちの少し前ということで、客観的に見ることができるのではないかと思います。今回CMはやはり、実際には、35歳から40歳くらいの人々をメインターゲットとしているのではないかと思います。30歳は、サブターゲットだと思います。

そうして、どうしてドラえもんにしたかといえば、やはり、日本国内での需要を喚起するため、最も失敗のないキャラクターとして採用したのだと思います。他のものでは、なかなか、上記のターゲットには、受けが良くないのだと思います。サザエさんでも、クレヨン真ちゃんでもなく、やはり、ドラえもんが良かったのだと思います。

そうして、ドラえもんに関しては、アニメの中でも、親しみはあるものの、異質存在であることには変わり長く、それを外国人であっても、日本人にも親しみがあり、やさしいキャラクターでもあるジャン・レノに決めたのだと思います。



さて、このCMおそらくシリーズものとなり、さまざまなストーリーがこれから展開されていくと思います。そうして、トヨタもただたんに、CMを流すだけではなく、当然いろいろな戦略があると思います。CMと呼応して、さまざまなキャンペーンなど打っていくと思います。このブログでは、今後トヨタがどのような手を打っていくのか注目して行きたいと思います。そうして、何か新しい動きがありましたら、また掲載していきますので、よろしくお願いします。

それにしても、日本の歴代の政府、ずっとデフレ推進政策を加速するばかりです。過去20年間にわたって、デフレであったにもかかわらず、デフレ対策の常道としての財政出動をしたのは、小渕内閣と、麻生内閣のみで、他の政権は、すべて緊縮財政をしてきました。現政権は、さらに、マクロ経済学の立場がいえば、禁じ手である、デフレの最中での増税を行おうとしています。

世界経済が停滞しつある現在にあっては、まずは、日本のデフレを克服することが重要です。他のTPPがどうのこうのなどは、本来デフレ克服に比較すれば、優先順位はかなり低いはずです。トヨタは一民間起業ですから、日本の経済自体に大きな影響力を及ぼすことまではできませんが、企業として何とか需要を開拓しようとして努力しています。現在政府の最優先課題は、デフレ克服なのですが、今の政権は、全くそんなことに頓着がありません。本当に困ったものです。

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