2011年11月24日木曜日

日本のネット社会は実名化するのか―【私の論評】いつまでも、匿名を前提としていては、身の丈にあった情報からは断絶されるだけ!!

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『facebook』の利用者が世界で8億人を超え、世界で3番目の人口を誇る“国家”となったことは記憶に新しい。

海外では「孫と会う為にfacebookが必要」と言われるほど、生活ツールの一部として根付いている同SNSは、日本での登録者数も1000万人を超えさらなる増加が確実視されている。

しかしながら『facebook』が日本ナンバー1のSNSとして今後君臨するのか否かについては否... 続きを読む

■著者データ

ガジェ通ウェブライター

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【私の論評】いつまでも、匿名を前提としていては、身の丈にあった情報からは断絶されるだけ!!
上の記事での結論は以下のようなものです。


「日本のネット社会は実名化するのか、その答えは「Yes」である。

日本の“右にならえ”文化が、自分だけ実名化していない事に対する後ろめたさに繋げるからである。

しかし、日本の“匿名ネット文化”も決して廃れることはないだろう」

匿名ネット文化の象徴「2ch」
私もこの意見には概ね賛成です。ただし、上の記事では、「匿名ネット文化」も決して廃れることはないだろうとしていまが、ここは完璧には賛成しかねます。私は、廃れながらも、必要悪としして細々と存続し続けると見ています。右にならえというのもおかしな言い方だと思います。

それは、現実世界の、いわゆる闇の世界があるのと同じことだと思います。経済でいえば、アングラ経済があるのと同じだと思います。世の中には、さまざまな理由から、自分の素性を明かしたくない人が少なからず存在すると思います。現実世界でもそういう人たちは、全く名を名乗らないか、一部にしか明かしていないと思います。そういう人たちは、ネットであろうと、なかろうといつでも、匿名だと思います。

過去においては、たとえば、パソコン通信とか、インターネットも黎明期の時には、ネットなど一部の人のもので、何をするのも、ほんど実名でした。それで、別に不都合も何もありませんでした。それが、ネットの人口が中途半端に増えてくるに従い、日本では、なぜか匿名が当たり前のようになってきました。

しかし、これだけSNSが発達したり、当たり前に多くの人が使うようなれば、また、事情も異なってくると思います。そうです。ネットや、SNSが実社会と変わらないように使われくるようになれば、ネットでの書き込みも、また、自然の流れで、実名になるのが当然の成り行きのように思います。

実社会ではまずみなくなったOLの土下座
特に、ネットのみでの付き合いというのも、実社会の付き合いと同じどころか、こちらの方が多いくらいになってくれば、実名が前提になってくるのは当然のことと思います。その頃になれば、匿名サイトなど、実社会ではまずみなくなったOLの土下座のように稀有な存在になるかもしれません。

ちなみ、ネットでの匿名性について、このブログに以前も書いたことがありますので、それを以下に掲載しておきます。

どんな世界でも、それが、現実世界であろうと、バーチャルの世界であろうと、まともな付き合いをするのであれば、自分の素性や、考えや、嗜好など表にださなければ、できない事だと思います。それが、表に出ると困るというのなら、ソーシャルメディアは一切使うべきではありません。 
人とと関わっていく中で、自分と他の人との考えや趣味・嗜好が異なったり、相反するのは当たり前であって、それを避けて通っていては、もともと人間関係など構築できません。その違いを乗り越えて、妥協点を見出すというのが、人間関係というものです。どうしても、自己を偽らないと他者との付き合いが出来ない人は、すでに自分の精神が崩壊しているとみなすべきです。 
そうして、インターネットの匿名性が、日本で新たなイノベーションが起こらないことの背景にあるのではないかということも掲載しました。その内容を以下にコピペします。 
 日本のように、あまりに匿名性ばかりにこだわっていては、まともな付き合いもできないし、有用な情報も入ってこないということになります。それに、Facebookの中で行われているようなビジネスチャンスをつかむこともできないと思います。ビジネスチャンスまでいかなくても、SNSのなかにいろいろと転がっている機会など、受けることも提供することもできなくなります。そうして、ただのバーチャルワールドの中で時間つぶしにすぎなくなると思います。 
日本では、いわゆる技術的なイノベーションは世界トップクラスですが、社会的イノベーションについては今一歩というところがあります。だからこそ、最近では、日本ではアップルがひきおこしたようなな社会的イノベーションもあまり見かけなくなったのだと思います。私は、その原因の一つとして、上記のような匿名性による弊害もあるのではないかと危惧しています。
   
特に、最近では、このブログでもたびたび掲載してきた、ドラッカーの言葉でもある、「新しい技術は、自ら属する産業の外からやってくる」ということが、顕著になってきています。そうなると、SNSから入ってくる情報は、さらに重要性を増してくると思います。実社会や、SNSで親しくつきあっているさまざまな分野の人から、自分の身の丈にあった情報が入ってくる可能性が従来にも増して高まっています。

たとえば、自らが製薬業界に属していたとして、一昔前までは、製薬業界では、化学、生化学、薬学のことを知っていれば、知識としては十分でした、しかし、すでにこの分野での大きな成果が生物学特にバイオテクノロジーの分野からあがってくるようになりました。

これは、単にバイオテクノロジーに限らず、宇宙工学、医学、公衆衛生学の分野からも、製薬業に寄与する何か革新的な技術ができあがっててくるかもしれません。しかし製薬会社の役員や管理者がの、いつ製薬業に寄与する新技術がでてくるかもしないとして、すべての分野を学ぶわけにはいかないと思います。特に、全く専門外の分野に関しては、その分野の基本的なテキストなど読んでも、何も意味を持たないかもしれません。

そんなときに、SNSの中にそのような分野に詳しい人がいて、しかも、その人が自分のことを良く知っていて、自分にあわせた形で、新技術のことをわかりやすく解説して、しかも、自分の仕事とどうかかわりあってくるのかを教えてくれたら、これは、すばらしいことだと思います。また、自分の専門分野のことに関しては、SNSの中でも、同じ専門の人が専門家の立場で情報を交換できたら、その分野に関する一般の素人の人と話すよりは、よほど良いと思います。私は、このような情報を従来から身の丈にあった情報と呼んでいます。

今の世の中、新聞、テレビ、雑誌、書籍、インターネットと情報は、氾濫しています。しかし、いわゆる身の丈にあった情報は、意外に少ないです。自分の専門外のことを基本からさかのぼって、学べるような情報、あるいは、自分の専門分野の最先端の情報などは少ないです。そのような情報が入ってくる確率が高いのが、SNSです。
現代では、「身の丈にあった情報」が重要
今のところは、まだまだ黎明期の状態ではありますが、いずれ、SNSは、社会の中で重要な役割を担っていくと思います。私は、そうした中にあって、いつまでも完全匿名性を前提としていては、こうした身の丈にあった情報には出会えません。

そうして、このことを裏付けるような研究結果があります。

ミラノ大学の研究者と共同で行われた『Facebook』の調査で、これまで人々は「六次の隔たり」でつながっているとされてきたのに対し、Facebookユーザーの場合は「四次の隔たり」であることがわかった。 
「六次の隔たり」とは、人は自分の知り合いを6人以上介すると世界中の人々と間接的な知り合いになれるという仮説で、「多くの人数からなる世界」が「比較的少ない人数」を介して繋がるスモール・ワールド(世間は狭い)現象の一例とされる]Facebookがイタリアのミラノ大学の学術研究者と共同で行った調査で、一般の人々は「六次の隔たり」でつながっているとされてきたが、Facebookユーザーの場合は「四次の隔たり」でつながっていることがわかったのだ。
六次の隔たり
 これに関する詳細は、Wired.jpの『Facebookで「狭くなった」世界を実証』をご覧になってください。要するに、たとえば、オバマ大統領に何か直接伝えたいと思った場合、友達の友達の友達などをたどっていけは、6人目でオバマ大統領に到達するというものです。これが、facebookでは、4人で到達するというわけです。他のサイトで調べたところ、本当には4人より若干少なめの、正確には3.9人だそうです。

ちなみに、この調査を実施した時期には、Google+はあまり広まっていなかったそうです。無論、Google+でも、このような効果はすでにある程度あるだろうし、これからユーザーが増えるに従い、このような効果もfacebookと同じようにでてくると思います。

この結果、まさしく、私のいう「身の丈にあった情報」の交換に、SNSは効果があることを実証していると思います。いつまでも、匿名にこだわっている人は、このような「身の丈にあった情報」を交換する機会みすみすを失っているのではないかと思います。匿名ネット文化では、4次どころか、6次の隔たりよりも、さらに隔たりは大きいと思います。皆さんは、どう思われますか?

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