ターミネーターが出現する日は、意外と近いかもしれませんよ?
先日、ホンダが開発している二足歩行のロボット「ASIMO(アシモ)」が、最新型を4年ぶりに発表して話題をよびました。
さらにこの度、「リアルタイム人間シミュレータ」と「ロボット」を開発しているBoston Dynamics社が、現在開発中の二足歩行ロボット「PETMAN」の、人間と変わらないレベルの動きをする驚きの動画を公開しました。
Boston Dynamics社はMIT(マサチューセッツ工科大学)のレッグラボラトリーで、ホッピングロボットの研究していたMarc Reibert氏が設立した会社。過去に、ソニーデジタルクリーチャーラボと共同で「RunningAIBO」を開発した会社です。
このヒューマノイド・タイプのロボット「 PETMAN」は 、かかとで着地して爪先で蹴るという、より人間に近い歩行方式を採用し、その上で安定走行を可能としている、すごいロボットなんです。
なんと、蹴られても転ばずに立ち直るという、素晴らしいバランス性能を搭載していています。
以前のプロトタイプ(試作品)は、箱から足が生えただけの感があり、ちょっと気持ち悪い感じ(失礼?)がありましたが(上画像):
この「PETMAN」は、もちろん(今のところは……)ターミネーターのような戦闘用のロボットではなく、アメリカの陸軍で用いられる化学防護服のテストに用いられるとのこと。
この記事のつづきはこちらから。 http://getnews.jp/archives/151419
【私の論評】新しい技術は、外からやってくる!!軍事用技術も自ら蓄えるべき時がやってきた?!
PETMANを作った会社では、以前馬のような、ロボットも作っていました。歩行中に、人間が蹴とばしても、バランスを崩さずに歩いていました。これもすごいです。震災地のような、瓦礫の多くあるような、ところでは、こちらのほうが安定していて良いかもしれません。
日本でもASIMOの他にもいろいろなロボットが作られています。とくに日本の独壇場ともいえる、女子型ロボットや表情が豊かなものがあります。
このようなロボットが開発されるようになった現在いずれ、本当にターミネーターのようなロボットが開発されるのも、間近ではないかと思います。そのようなものが一般的になった社会では、人々は、知識労働ばかりして、肉体労働のほとんどはロボットが肩代わりするのでしょうか。そうして、人が体を動かすのは仕事以外の日常の行動とスポーツだけということになるのでしょうか。
ところで、上の記事のロボットは、軍事目的のためにつくられているいます。ターミネーターもそうでした。しかし、日本のロボットはすべて民生技術から生まれています。そこが、日本の強みというところもあると思います。
とは、いいなが、PETMANの動きは、かなり人間に近く、見ている限りではすでに、日本のASIMOなどかなり上回っているてのではないかと思います。
この差はどこから生まれてくるのか少し考えてみたところ、ドラッカーの言葉を思い出しました。それは、「現在では、新しい技術は自ら属する産業からやってくるのではなく、新しいところからやってくる」というものでした。この言葉の意味するところは、たとえば、新しい技術は、製薬会社の従来の技術である、化学、生化学、薬学からきているのでなく、バイオテクノロジーからきているということです。また、現代の新しい通信に用いられている、グラスファイバーは、従来の金属線ではなく、ガラス会社から来ているということです。実際、世界最大のグラスファイバーメーカーであるこーニング社のもともとは、ガラス製造会社でした。
そうして、上のロボットPETMANは、軍事産業によって作られているということです。アメリカでは、軍事産業の歴史は長いです。軍事用の技術には、さまざまなものがあります。これから、派生してきた、PETMANの動きが人間にかなり近いということに注目すべきと思います。日本では、戦争放棄という条文が憲法にありますから、軍事産業はあまり発展せず、アメリカのように軍事産業に行くような優秀な技術者が民生用技術者として民間企業に行くから、すばらしい製品ができあがるので、それが強みであるという考えがありました。
しかし、上のような例をみたり、日本で自衛隊の使う武器を購入することなどを考えてみれば、そうばかり言ってはいられないような現実があります。
日本では、武器輸出三原則があり、しかも、それが拡大解釈されていて、現在では、武器製造そのものも、実質この原則に抵触するというような考え方があります。
武器輸出三原則は、1967年4月に佐藤栄作首相は衆議院決算委員会で、(1)共産圏、(2)国連決議で武器禁輸になっている国、(3)国際紛争の当事国あるいはその恐れのある国に対する武器輸出は輸出貿易管理令で承認しない、と答弁したのが最初です。
その後、76年2月、三木武夫首相は、衆議院予算委員会で、(1)三原則地域への輸出を認めない、(2)それ以外の地域への輸出も慎む、(3)武器製造関連設備の輸出も武器に準じて扱う、との方針を表明しました。ここで「武器」とは、軍隊が直接戦闘用に使うもの、人を殺傷、物を破壊する機械、器具、装置と定義しており、日本製トラック、四輪駆動車、無線機などは「武器」ではないため、多くの軍隊で実戦にも使われています。
2004年、政府はミサイル防衛(MD)に関する米国との共同開発・生産を三原則の例外としました。
このような、武器三原則をめぐる解釈については、 368;近改めようという機運があります。藤村修官房長官は4日の記者会見で、武器輸出三原則の緩和について「関係省庁会合を開く」と述べ、官房副長官が座長を務める副大臣級の会合で具体的な検討に着手する考えを示しました。結論を出す時期については明言を避けた。三原則緩和をめぐっては民主党の前原誠司政調会長が10月、野田佳彦首相に検討を始めるよう求めています。
なぜ、このようなことになっているのかといえば、たとえば、自衛隊の主力戦闘機など、海外から購入するととてつも莫大な経費がかかることと、武器輸出三原則があるため、海外と共同研究もできず、日本国内の軍事技術が遅れてしまうという危惧があるからです。また、海外の武器など、結局日本の技術が転用されているものも数多くあり、それ日本国内で開発すれば、さほど、経費がかからないにもかかわらず、開発費も含めて、その10倍もの価格で購入しなければならないというような、ばかげたことがあるからです。
時宜主力戦闘機の候補F35 |
このままだと、日本の軍事技術は、かなり遅れて、たとえば、ロボットなどの民生技術などには長けていても、軍事用ロボットは、アメリカなどからとてつもない莫大な経費を使って導入するということになりかねません。
そろそろ、日本も、自衛隊で使う武器など、自前で、製造できるようにして、無駄な投資や経費を防ぐときだと思います。
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