数時間後にTPP参加表明をする野田総理はTPPを良く理解していない
野田佳ô22;首相は11日夜、首相官邸で記者会見し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に参加する方針を表明した。首相は「交渉参加に向けて関係国と協議に入ることにした」と述べた。正式参加の前段階にあたる「関係国との協議開始」との表現にとどめることで、民主党内の慎重意見に配慮した。12日からハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に、オバマ米大統領ら関係国との会談で表明する考えを示した。
首相は会見で、党内の慎重派が農業・医療など多数の分野で懸念を示していることを踏まえ、「世界に誇る日本の医療制度、伝統文化、美しい農村は断固として守り抜く決意だ」と強調。一方で「貿易立国として繁栄を築いた我が国の発展には、アジア太平洋地域の成長力を取り入れなければならない」とTPP交渉参加の必要性を訴えた。さらに「情報収集と十分な国民的議論を経て、国益に立ってTPPの結論を得る」とし、次の段階も党内外で十分に議論した上で判断する考えを示した。
民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の提言が「慎重に判断する」と求めたことを受け、首相は10日に予定した決定を1日先送りしていた。今回の判断について首相は「まさに熟慮した結果だ」と強調。ただ「交渉参加」と明言しなかった理由については、昨秋に菅政権がまとめた基本方針から「歩みを前に出す位置づけになっている」などと述べるにとどめた。
【私の論評】マイケル・ムーアは予言していた!!「社会を優先してきた日本のシステムの破壊が最も懸念すべき事項」
TPPに関しては、多くの人々が、通商条約のように考えているようです。それは、野田総理も例外ではありません。上の動画では、医療問題を中心に語られていましたが、医療などは、本来通商すなわち、経済に関する事柄ではありません。これは、社会システムに属するものです。経済的なものとみなして、論議したり、何かを変えては必ず失敗します。
以前あのマイケルムーア氏が日本に来日したときに、アメリカの医療の欠陥について語っていました。アメリカでは、非常に医療費が高いので、病気になった人が破産することが良くあるそうです。
2009年に初来日したマイケル・ムーア監督(55)は、東京証券取引所で新作「キャピタリズム~マネーは踊る~」のPR会見に臨みました。この記者会見で、大好きな日本が高額な医療費を払えずに身を滅ぼす国民であふれた母国・米国と同じ道をたどらないよう警鐘を鳴らしました。
マイケル・ムーア監督のこの時の発言は、期せずして、日本への警告になっていたと思います。経済ばかり優先するアメリカのような社会は決して良いものではありません。ブッシュが大統領だった頃のアメリカである組織が、アンケートをとったところ、何と9割ものアメリカ人が「自分は負け犬_である」と感じていたという驚くべき結果を示していました。9割もの人々が負け犬と感じる社会は、決して良い社会ではありません
アメリカが主導で、実施されるTPPの条項には、通商だけではなく、医療をも含む広範な社会システムの変更そのもの、あるいは、TPPを実施するために、システムの変更をせまられる条項が山のようにあります。これらは、アメリカという国の価値観を大きく反映された条項であることは言うまでもありません。
アメリカが主導で、実施されるTPPの条項には、通商だけではなく、医療をも含む広範な社会システムの変更そのもの、あるいは、TPPを実施するために、システムの変更をせまられる条項が山のようにあります。これらは、アメリカという国の価値観を大きく反映された条項であることは言うまでもありません。
また、かつて、ドラッカー氏は、アメリカは、経済を優先するが、日本は、社会を優先するとしていました。ムーア監督は、医療の問題を中心に語っていましたが、これが、最も判りやすい例であったのだと思います。ムーア監督が言っていることや、映画で表現していることも、本質はドラッカー氏のいうことと同じことだと思います。ドラッカー氏は、経済とは人間の一側面に過ぎないとして、アメリカの金融経済の暴走に警鐘を鳴らしていました。
私は、アメリカと日本とを比較して、日本のほうが、社会的には、はるかに良い状況にあると思います。これに関しては、いろいろ異論もあるかもしれませんが、少なくとも、お金もちでない人々にとっては、日本のほうが、アメリカよりもはるかに住みやすい良い国であると思います。
このような国が、TPPによって、アメリカの意向がかなり反映されているTPPにより、社会システムの変更を余儀なくされることは、絶対にあってはいけないことだと思います。
TPPのようなものは、すでに、失敗していることは皆さんご存知だと思います。そうです。EUです。EUは、形としては、TPPとは異なりますが、その中身は似たり寄ったりであって、しかも、かなり規模が大きいです。ただし、経済だけで見ると、日本、アメリカのを含めたTPPは、EUよりもはるかに経済規模が大きいです。
私は、もともと、EUは失敗するだろとうと考えていました。なぜなら、EUに加盟している国々の経済や、社会があまりにも異なるからです。ポルトガルと、フランスやドイツの経済は全く異なります。似てもいません。社会もかなり異なります。ヨーロッパの人々には、ローマ帝国への憧憬が今でもいきづいています。この憧憬がもととなり、ヨーロッパでは、昔のローマ帝国のように、統一して強大になろうという気持ちが大昔からありました。
そうして、過去には、それを実現しようとしては失敗してきしまた。古くは、神聖ローマ帝国から、その後、ナポレオンによるもの、そうして、ヒトラーによる試みもことごとく挫折してきました。にも、かかわらず、ヨーロッパは、EUを結成しました。この体制は一見強固なようにみえましたが、それが最近は、ギリシャの問題などで、かなり顕著になってきました。
もともと、経済がかなりことなるのに、通貨統合をしたために、経済対策としては、EU統一の枠内で行わなければならないという大きな矛盾があります。これでは、うまくいくはずがありません。
もともと、このような広範囲の統合など、ローマ帝国時代のローマように、圧倒的な軍事力により、全地域を統治することができない現在にあっては不可能なことだと思います。実際、ヨーロッパは、それを夢見た人々が何回もそれを実行しようとして、結局失敗しています。私自身は、最初から、EUの命脈は、短くて、30年、長くて、50年と思っていました。
TPPも前途多難であると考えます。アメリカは、自国に有利と考えて、進めているのでしょうが、いずれ、EUのドイツのような立場に追い込まれることと思います。日本にとっても良いことはないでしょう。
日本では、いわゆる、輸出産業の人々がいかにも自分たちが、日本経済の中心であるような言葉と行動で、TPPを参加を後押ししているようですが、このブログでは何回も述べてきたように、実は、日本は、輸出立国をしているわけではありません。日本のGDPに占める、輸出の割合は、16%程度に過ぎません。これより、少ないのは、世界ではアメリカだけで、6%内外です。アメリカも、日本も、内需で伸びきた国です。これが、中国や、ドイツなどの国々は、40%を超えています。これらのような国を文字通り、輸出立国です。
そうなると、アメリカでも、日本でも輸出業者は、少数派です。そうして、日本は長い間デフレです。アメリカは、最近経済が良くないです。そうして、おそらく、ここしばらく、5年くらいは悪い時期が続きそうです。
さて、日本の少数派である、輸出依存産業は、1980年代にいおいて明らかに誤りを犯しています。1980年代の輸出依存産業といえば、GDPに占める割合が8%と今の半分で、今よりもさらに少数派でした。
日本は、1980年代においては、他の国ならば、不況とはみなされないような程度の景気の雇用の減速を経験しました。そこへ変動相場制移行によるドルの下落が重なり、輸出依存産業がパニックに陥りました。官僚は圧力に抗しきれず、欧米流の行動をとりました。景気回復のため予算を投入しました。しかし、結果は惨憺たるものでした。先進国では、最大規模の財政赤字を出しました。株式市場は暴騰し株価収益率は50倍以上になりました。都市部の地価はさらに上昇しました。借り手不足の銀行は憑かれたように投機家に融資しました。
もちろんバブルははじけました。こうして、金融危機が始まりました。銀行、保険会社、その他の金融機関が、株と土地の評価損と不良債権を抱え込むことになりました。そこから後は、今日失われた20年と呼ばれた、デフレが続くことになりました。
今回も、少数派の輸出依存産業は、TPP加入に積極的ですが、彼らには、上のような前科があるわけですから、これらの声だけを聴くのではなく、やはり、多数はの内需産業の人々も声も十分聴く必要があります。
日本と、アメリカが急に貿易を増やそうとしても無理があります。TPPにおいて、経済の基盤が大きいのは、日本とアメリカだけです。他の国々のものは、全部あわせても数パーセントに過ぎません。だとすれば、アメリカの標的は当然日本ということになります。
だから、アメリカにとっては、日本のTPP加入は願ったりかなったりのようにも見えますが、本当にそうなるでしょうか?日本が、TPPに加入して、経済や社会構造を変えてしまえば、アメリカから日本に向けてシステムとしては、確かに輸出しやすくなることでしょう。
ただし、これは、システムがそうなったということであり、現実にそうなるかどうかは、別問題です。おそらく、TPPは、関税障壁の撤廃が原則となりますから、日本には、価格の安い農産物や工業製品などが多く入ってきます。そうなれば、どうなるかといえば、もうはっきりしています。そうです。デフレにますます拍車をかけることになります。そうなると、消費はさらに冷え込みます。こんなデフレ真っ只中の日本のさらにデフレが強化されれば、人々はますますモノを買わなくなってしまいます。そうなれば、アメリカは日本に思ったほど輸出できなくなります。
これは、両国にとって、良いことではないと思います。両国の大統領も、首相も全く愚かだと思います。このTPPいずれ、両国にとってよいことはないことが明らかになると思います。いずれ、オバマ氏も、野田氏も政権の座からは比較的早く、去ることでしょうから、そのときになって、新たな大統領と、総理大臣の間で、協議にはいり、互いに傷が深くならないうちに、早期撤廃するのが良いと思います。
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このような国が、TPPによって、アメリカの意向がかなり反映されているTPPにより、社会システムの変更を余儀なくされることは、絶対にあってはいけないことだと思います。
TPPのようなものは、すでに、失敗していることは皆さんご存知だと思います。そうです。EUです。EUは、形としては、TPPとは異なりますが、その中身は似たり寄ったりであって、しかも、かなり規模が大きいです。ただし、経済だけで見ると、日本、アメリカのを含めたTPPは、EUよりもはるかに経済規模が大きいです。
私は、もともと、EUは失敗するだろとうと考えていました。なぜなら、EUに加盟している国々の経済や、社会があまりにも異なるからです。ポルトガルと、フランスやドイツの経済は全く異なります。似てもいません。社会もかなり異なります。ヨーロッパの人々には、ローマ帝国への憧憬が今でもいきづいています。この憧憬がもととなり、ヨーロッパでは、昔のローマ帝国のように、統一して強大になろうという気持ちが大昔からありました。
ヒトラーとナポレオン |
神聖ローマ帝国紋章 |
もともと、このような広範囲の統合など、ローマ帝国時代のローマように、圧倒的な軍事力により、全地域を統治することができない現在にあっては不可能なことだと思います。実際、ヨーロッパは、それを夢見た人々が何回もそれを実行しようとして、結局失敗しています。私自身は、最初から、EUの命脈は、短くて、30年、長くて、50年と思っていました。
TPPも前途多難であると考えます。アメリカは、自国に有利と考えて、進めているのでしょうが、いずれ、EUのドイツのような立場に追い込まれることと思います。日本にとっても良いことはないでしょう。
日本では、いわゆる、輸出産業の人々がいかにも自分たちが、日本経済の中心であるような言葉と行動で、TPPを参加を後押ししているようですが、このブログでは何回も述べてきたように、実は、日本は、輸出立国をしているわけではありません。日本のGDPに占める、輸出の割合は、16%程度に過ぎません。これより、少ないのは、世界ではアメリカだけで、6%内外です。アメリカも、日本も、内需で伸びきた国です。これが、中国や、ドイツなどの国々は、40%を超えています。これらのような国を文字通り、輸出立国です。
そうなると、アメリカでも、日本でも輸出業者は、少数派です。そうして、日本は長い間デフレです。アメリカは、最近経済が良くないです。そうして、おそらく、ここしばらく、5年くらいは悪い時期が続きそうです。
さて、日本の少数派である、輸出依存産業は、1980年代にいおいて明らかに誤りを犯しています。1980年代の輸出依存産業といえば、GDPに占める割合が8%と今の半分で、今よりもさらに少数派でした。
日本は、1980年代においては、他の国ならば、不況とはみなされないような程度の景気の雇用の減速を経験しました。そこへ変動相場制移行によるドルの下落が重なり、輸出依存産業がパニックに陥りました。官僚は圧力に抗しきれず、欧米流の行動をとりました。景気回復のため予算を投入しました。しかし、結果は惨憺たるものでした。先進国では、最大規模の財政赤字を出しました。株式市場は暴騰し株価収益率は50倍以上になりました。都市部の地価はさらに上昇しました。借り手不足の銀行は憑かれたように投機家に融資しました。
もちろんバブルははじけました。こうして、金融危機が始まりました。銀行、保険会社、その他の金融機関が、株と土地の評価損と不良債権を抱え込むことになりました。そこから後は、今日失われた20年と呼ばれた、デフレが続くことになりました。
バブル期の喧騒 |
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だから、アメリカにとっては、日本のTPP加入は願ったりかなったりのようにも見えますが、本当にそうなるでしょうか?日本が、TPPに加入して、経済や社会構造を変えてしまえば、アメリカから日本に向けてシステムとしては、確かに輸出しやすくなることでしょう。
ただし、これは、システムがそうなったということであり、現実にそうなるかどうかは、別問題です。おそらく、TPPは、関税障壁の撤廃が原則となりますから、日本には、価格の安い農産物や工業製品などが多く入ってきます。そうなれば、どうなるかといえば、もうはっきりしています。そうです。デフレにますます拍車をかけることになります。そうなると、消費はさらに冷え込みます。こんなデフレ真っ只中の日本のさらにデフレが強化されれば、人々はますますモノを買わなくなってしまいます。そうなれば、アメリカは日本に思ったほど輸出できなくなります。
これは、両国にとって、良いことではないと思います。両国の大統領も、首相も全く愚かだと思います。このTPPいずれ、両国にとってよいことはないことが明らかになると思います。いずれ、オバマ氏も、野田氏も政権の座からは比較的早く、去ることでしょうから、そのときになって、新たな大統領と、総理大臣の間で、協議にはいり、互いに傷が深くならないうちに、早期撤廃するのが良いと思います。
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