2011年11月29日火曜日

Apple Storeが、あなたがいつお店に来たかがわかるシステムを導入&試験運用中―【私の論評】今後増えていくサービスだが、買い物の主人公はあくまでユーザーである!!

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Apple Storeが、あなたがいつお店に来たかがわかるシステムを導入&試験運用中:



お出迎えでもしてくれるのかな?

Appleが販売店舗で使う新しいシステムを導入し、ただ今試験運用中。システムの中身は、あなたがApple Storeに来たら店側が把握できるというもの。iPhoneユーザーがApple Storeアプリをダウンロードし、店舗に行く前にそのアプリ経由でお買い物をした場合に力を発揮するシステム。アプリ経由で購入したものを店舗で受け取れるという仕組みなのですが、Apple Storeに入店するとアプリのロケーション機能によって、店舗スタッフが持っているIPod Touchに通知がいきます。よって、スムーズに品物を受け取れるそうです。

現在まだまだテスト運用の段階で、全世界のApple Storeに導入されるのはかなり先のこととなりそうです。が、今のところ米国のパロアルト店で11月25日に16人がこのシステムを使って品物を購入・受け取りしました。パロアルト店のディエゴ・アギーレ(Diego Aguirre)さんが元ネタのニューヨークタイムズ紙にこう語りました「お客さんのApple Storeでの体験をいいものにしてほしい。お客さんを急かしているとは思って欲しくはないですね。ただ、くつろいで欲しいんですよ。」

ブログ管理人挿入画像。家で、注文、店ですぐ受け取り?

確かに米国のブラック・フライデーのこんな様子を聞いてしまえば、Apple Storeのシステムは素晴らしいと思います。しかし一方で自分のロケーションが店に知られているなんてなんか嫌という人がいてもそれは理解できます。

どう思いますか? 快適な買い物の代わりに自分の位置がお店に知られるのはOKですか?


[The New York Times]
Image: Shutterstock

そうこ(Jamie Condliffe 米版)

【私の論評】今後増えていくサービスだが、買い物の主人公はあくまでユーザーである!!
このサービス、ファストフードなどでも良いかもしれません。特にテイクアウトで効力を発揮するかもしれません。ハンバーガーなど持ち帰りしようとしたときに、このようなシステムにオーダーを入力すれば、出来上がりの時間を調整して、丁度お客がきた頃に絶妙のタイミングでお渡しできるとか・・・・・。

この手のサービス嫌がる人もいるようですが、考えてみれば、たとえば、床屋さんなんて、ある程度必ず情報が蓄積されてしまうものです。私の行っていいる床屋さんは、私の住所はもとより、どのような髪型にするか、髪の長さはどの程度にするのか、頭に何をつけるのか、髪を洗うのか、髭をそるのか、眉毛の下は、剃るのか剃らないのか、その他こまごまし情報がすべて登録されているので、ここの床屋さんにいけば、何もいわずとも、普段どおりにやってくれて非常に便利です。

一度この便利さを味わってしまえば、なかなか他へはいけなくなります。このアップルのこのシステムもiPhoneなど使用するから、特殊なものに感じてしまいますが、結局は、この床屋さんと同じことだと思います。

ポーランドにあるセクシーすぎる床屋さん
床屋にもいろいろあって、上の画像のようなところもあるそうですが、こういう床屋さんにいってしまえば、他の床屋さんには行きたくなくなるのでしょうか?これは、Hootersの床屋版と考えればよいのでしょうか?私自身は、やはり、いま行っているところが良いです。

最近東京にも進出してきたレストランHootersのスタッフ
このようなサービスを利用する人は、気に入ったらやはり、しょっちゅう行くようになるのでしょうか?少し話しの本質を外れたようですが、考えてみてください。上の床屋さんや、Hootersにしょっちゅう行く人は、これらの店の上得意となるはずです。そうなれば、それだけで、こうした店が好きな人間として、お店の人に情報を提供しているのと同じことです。

私がいいたいのは、ITがなくても、昔からいわゆるお店というものは、必ずといって良いほど、顧客の情報を集めているとという事実です。特に、日本では、その伝統があります。

明治期の前までは、普通の商家が、「大福帳」といういまでいえば、顧客データベースをつけていたものです。そうして、お客一人一人のことを良く知っていました。それが、西欧から複式簿記が導入されてから、カネの流れだけの記録になっていたのが、最近また、"one to one marketing"ということで、顧客情報を集めるようになっていました。ただし、一部のお店や、企業などは、複式簿記を導入した後でも、顧客情報を熱心に集めていました。特に、御用聞きなどの商売は、この顧客情報を集めることが商売の本質だったといっても過言ではないです。

そうして、大昔の大福帳をつけている商店だって、お客には、そこにしか売っていないなどの特殊な条件がない限り、気に食わなければ行かないとか、注文しないいう選択肢がありました。無論、気に入ったらしょっちゅう行ったり注文して、深い付き合いをすればよいわけです。

昔の大福町、顧客の細かい情報が記されていた
そうして、そういう深い付き合いをするかどうかは、無論ユーザーが決めれば良いことです。そうして、ユーザーはその店が信用できるかどうかで決めれば良いことです。そう考えれば、相手が信用できる限りにおいては、店に情報を提供するという行為もそんなに気になるほどのことでもないと思います。

今は、上記のような、iPhoneを使ったシステムどころか、その上をいくものもあります。たとえば、ショッピングセンターや商店街の至る所に設置された監視装置を利用し、携帯電話が発する信号の強さから三角測量で客の動きを感知する『Footpath』というシステムもあります。現在米国2カ所のモールに設置されています。このシステムでは、特定の顧客がショッピング・モールのどこにいるのかを特定することができます。

顧客の情報を獲得するシステム、いまでは、Amazonのようなネットショップでは当たり前になってしまいました。次の段階では、顧客の位置情報なども獲得される時代となりました。これを活用して、さまざまなサービスが展開されていくことでしょう。

ただし、一つだけはっきりいえることがあります。買い物の主人公はあくまでユーザーである消費者であるということです。どんなに、ITを駆使して、お客様の情報を収集したとしても、お客との間に信頼関係を築けなければ、商売はできないということです。

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