横浜アリーナで本日開催された、10回目となる『東京ガールズコレクション』(以下、TGC)。佐々木希や西山茉希、山田優などの人気モデルが勢揃いすることで話題となったファッションショーである。「日本のリアル・クローズ(現実性のある服)を世界へ」をテーマにしているため、外務省や国土交通省が後援、NHK BS放送でも当日午後8時から3時間半に渡って放送したという、単なるファッションショーとは異なる趣向が、このTGCの最大のウリである。今回は、約2万5000人の観客が春のファッションショーを楽しんだ。
「もうひとつのウリとして、会場やインターネットでショーの様子を常に配信していて、その場でモデルが身に着けていた洋服などを携帯サイトやインターネットサイトを通して買うことができるんです」(ファッション誌関係者)
いわゆる、"リアル通販"なのだが、これには少々問題があるようだ。参加するブランドのプレスが声を潜めて話した。
「実は、あの携帯サイトって、ブランド側はほとんど儲かってないんですよ。というか、ほとんど使用してる人がいないんです。もちろん、見てる人がいないって訳じゃないんですが、次々と有名モデルが登場してくると、みんなモデルばっかり見て、服には注目しないんですよ。後日、店頭で『TGCに出た服です』って看板を掲げたいがために、高い協賛金を払って出ているんです。正直、TGCに出るだけだったら大赤字ですよ。その後の売上でトントンになるか、ちょい赤くらいですかね。これ以上、協賛金が上がるなら参加を考えないといけないですね」
回を重ねるにつれ、来場者もTGCに出るブランドの数も年々増加している。
「来場者は、第1回が延べ1万2,600人だったのに対し、前回は2万3,100人と、ほぼ2倍になっているんです。ただ、協賛金が1億5,000万円や6,000万円とかなり高額ですし、チケット代も5,000~7,500円と高めに設定されています。ファッションショーというよりは、ビジネスですね」(スタイリスト)
さらには、こんな話も関係者から聞こえた。
「実は、ショーに参加するモデルたちは、朝6時くらいに全員同じ場所に集合させられるんです。普通のファッション誌の撮影のときは、各自がタクシーでスタジオまで来て、それを出版社に請求する形ですが、TGCはそれすらケチって、全員で1台の大型バスで会場まで行くんです。みんな、『どれだけケチるんだ!』って文句を言ってますよ」(芸能プロ関係者)
チケットはプレミア化し、ダフ屋まで出る始末。単なるファッションショーではないところが魅力のTGCだが、その路線の先にあるものはショービジネスなのだろうか。
デフレ下でこれだけの盛り上がりをみせたリアル・ファッションにドラッカーは何を見るか?!
さて、デフレ下においても、昨年の動員数を上回る観客を集客したTGCをどう見るべきなのでしょう?参加ブランドには、いろいろと不満出てきているが、結局ショー当日などは別にして、その後の売上げにも十分つながっているので出品するのだと思います。それに、このデフレ下で、デパートなどで軒並み売上げを落として最中で、これだけ集客でき、これだけ話題になるには、それだけの理由があると思います。
このブログにも以前掲載したように、リアル・ファッションは、既存のファッションのやり方を完全に覆して、イノベーションをしたものです。フアッションといえば、大昔は、本当にお金持ちの人だけのものでした。それが、1960年代になって、それこそ、いろいろな人の努力で、パリコレに代表されるような、プレタポルテができあがり、普通の人でも手がでるものとなりました。ただし、プレタポルテでさえ、デザイナーが最初にデザインしてから、一般の人が着ることができるまで、1年もの時間を要しました。リアル・フアッションはこの常識を覆しました。リアル・フアッションでは、デザイナーが考えてから、普通の人が着られるようになるまで、1、2ヶ月です。さらに、価格もかなり安くなり、さらに多くの、特に若い人達でも着ることができるようになりました。私は、このリアル・ファッションの興隆について、もっと、基本的な見方も重要ではないか思っています。
このブログでも、よく掲載する経営学の大家ドラッカーは、その著書「マネジメント」の中で、以下のようなことを言っています。
「企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業は、二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」(マネジメント エッセンシャル版 16ページ)
さらに、こうも言っています。
「マーティングだけでは、企業としての成功はない。静的な経済には、企業は存在し得ない。そこに存在しうるものは、手数料をもらうだけのブローカーか、何の価値も生まない投機家である。企業が存在しうるのは、成長する経済のみである。あるいは少なくとも、変化を当然とする経済においてのみである。そうして企業こそ、この成長と変化のための機関である。
したがって企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである。経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない。企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければならない」(マネジメント エッセンシャル版 17~18頁)
なお、最近ドラッカーのマネジメントという著作をもとにした、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(通称:もしドラ)という本が大当たりのようですが、このような本がまた出版されるということは、やはりドラッカーの考え方は多くの人々の支援されているとい査証なのだと思います。私は、最近この本を購入したものですから、TGCのことを書いているうちに、ドラッカーの言葉を思い出し、少し突飛だとは思いましたが、このような記事を書いてみようと思い立ちました。
まさに、渋谷などのファッションブランドはこれを行ったのであり、これを基本として、全く新しいファッションシーが生まれたが、それがTGCなのです。この基本に忠実に従ったので、ここまで興隆することができたのです。
ところが一方、従来のファッションは、最近あまり元気がありません。さらに、デパートやスーパーなどの衣料品売り場も全く活気がありません。これは、どうしたことでしょうか?
そうです。上の二つのドラッカーの至言を良く読めばわかります。リアル・ファッションや、TGCはマーケティングをすることは無論のこと、それに加えてイノベーションを行っています。しかしながら、現在業績の悪い、デパートやスーパーなどは、マーケティングは一生懸命行っても,結局は商品の仕入れや、顧客への提供の仕方は旧態依然としています。ここに、イノベーションを起こすべきでしたが、それが,行わていません。だから、こそ業績が良くないのです。最近では、「消費者ニーズ、消費者ニーズ」などとばかり言っている企業は大抵業績が悪いです。これは、マーケティングばかりして、イノベーションをしていないからでしょう。
しかし、リアルフアッションだって、油断はしていられません。TGCもこれで10年を迎えたということです。このまま、マーケティングだけして、イノベーションを怠れば、いずれ、百貨店のような限界的な存在になってしまうでしょう。その兆候はすでに現れています。
それは、いくつもありますが、ブランド側の以下の言葉が気になります。「実は、あの携帯サイトって、ブランド側はほとんど儲かってないんですよ。というか、ほとんど使用してる人がいないんです。もちろん、見てる人がいないって訳じゃないんですが、次々と有名モデルが登場してくると、みんなモデルばっかり見て、服には注目しないんですよ。後日、店頭で『TGCに出た服です』って看板を掲げたいがために、高い協賛金を払って出ているんです。正直、TGCに出るだけだったら大赤字ですよ。その後の売上でトントンになるか、ちょい赤くらいですかね。これ以上、協賛金が上がるなら参加を考えないといけないですね」
もう、ショーとして成功していても、販売という面では、時代遅れになりつつあるのかもしれません。しかし、この分野にも斬新なイノベーションが可能かもしれません。たとえば、TGCに世界カメラを適用したらどうなるでしょぅか?世界カメラとは「TechCrunch 50で、日本企業のTonchidot(頓智・)がプレゼンテーションして絶賛されたという、新サービス。iPhoneのカメラとネット情報、タギング、GPS、加速度センサーなどを連動させたものです。ある意味AR。iPhoneのカメラでみている映像に、位置にタグ付けされた情報をオーバーレイさせる仕組みです。
言葉だけだと理解しにくいと思いますので、下にその動画を貼りつけておきます。
この世界カメラをTGCにおいても使えるようにするのです。携帯電話でモノを購入できるようになってから久しいです。TGCでも、最初にサイトが導入された頃には、物珍しさもあって、購入する人もかなりいました。しかし、これも、陳腐化してしまいしまた。確かに、フアッションショーを見ながら、携帯電話で注文するというのはわずらわしいです。だから、わざわざ、会場で見なくなるのは当たり前です。目の前に、モデルがいるのに、携帯で注文するというのは、興ざめです。
だからこそ、iPhoneの世界カメラのようなAPPを導入して、現場でiPhoneの画面に、モデルが着ている服に関してタグをつけて、それに反応して画面にいろいろ情報が表示されるようにするのです。価格とか、どんなシーンに着ると良いのかとか、体格はどんな感じの人が着るといいとか。誰が着ているとか・・・・。
iPhoneは通常の携帯電話よりも画面が大きいですから、まずは見やすいし、サイトを表示するのではなくて、フアッションショーのその場の風景を映し、そこに情報を提供するのです。さらに、ここで購入も可能ということにすれば、かなり買ってもらえるようになると思います。これだけだと、世界カメラのただの焼き直しなので、フアッションに相応しい機能を付け加えるといいと思います。たとえば、予め自分の写真を登録さえしておけば、その場で見た、フアッションを自分が着用したらどうなるかなどの画面も表示できるようにしておくのです。無論同時に写真や動画も撮影できるようにしておきます。
もう、そのようなものが開発されているに違いないと思い、iPhoneアプリを検索してみましたが、残念ながらそのようなものはありませんでした。こんな、アプリ開発して、無料で提供すればまた、現場で相当売れると思います。それから、こうしたアプリ、ブランドが出しているブティックにいけば、そこに置いてある商品など情報もiPhoneの画面で見るとか、その商品に関連した自分の写真、動画もすぐに検索できるなどのことができるようにしておけばなお良いですね。
これは、ほんの思いつきですが、ITを活用するだけでなく、他にもいろいろなイノベーションがたくさんあると思います。毎年毎年同じようなことをするのではなく、このようなイノベーションを少しづつくわていって、10年もたてば、10年前とは全く別物のなっているくらいのことをすべきと思います。
さて、いろいろと長く書いてきましたが、ここまで読んでいただき有難うございます。最終結論は、デフレと言われている現在でも、こうしたファスト・ファションが興隆したり、集客ができるということは、結局多くの企業が、マーケティングばかりして、イノベーションをしていないということも関係しているのではないかという気持ちなってきました。既存の枠組みのなかだけで、顧客ニーズやウォンツだけれ探っていては、売れないのが当たり前ですね.。やはり、イノベーションが重要です。多くの企業がイノベーションを実施すれば、このデフレも克服できると思います。なんといっても、日本は、お金がないわけではなく、有り余っている国ですから。それが、市場に流通しないことが、不況、デフレの原因となっています。だから、お金を持ったお客様は、至るところにいらっしゃるはずなのです。
さて、今年も盛況だったTGC、もう終わってしまいましたが、テレビではこれからも報道されます。見逃した方は、下にそのスケジュールを入れておきますので、是非ご覧になってください!!YouTubeなどにも、動画が掲載されていますが、やはり、まとめて見るには、テレビが一番です!!
オシャレが大好きな女性のためのファッションサイト「ファッションウォーカー」とのコラボ番組! 今回は「東京ガールズコレクション編」と題し、ショーに登場した人気4ブランドの新作アイテムをご紹介します。 TGC出演モデルも登場予定、ご期待ください!
※ショップチャンネルはショップチャンネルPCサイト、テレビ では24時間365日生放送中!
[ケーブルTV(※一部地域を除く)・デジタルテレビCS055ch ・ ス カパー!220ch・スカパー!光220ch・IPTV(ブロードバン ドテレビ)]
3月6日の「東京ガールズコレクション」に向けて、一つのものを作り上げていく過程や、現場の様子を紹介しながら、出演者やスタッフの皆様の声を50人紹介。秘密のおしゃれポイント、幸せな瞬間など、TGCを彩る人々の生の声をまるっとお届け。
とびっきりのおしゃれをした女のコたちが全国各地から集まる場所、TGC。
2万人の女の子が集まるこのファッション祭の会場に番組のストスナ隊が出動!最新のカワイイ★カルチャーを大追跡します。
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