【720p】増刊!たかじんのそこまで言って委員会 武田邦彦 原発の正体
こちら、北海道でも、2011年3月19日に放送された「増刊!たかじんのそこまで言って委員会」より武田教授による原発行政の杜撰な実態体験談を抜粋したものです。
【私の論評】日本の原発の安全性は、地球温暖化の虚偽と同程度に危ないらしい?やはり、コンプライアンスが重要か?
上で紹介した動画は、関西ローカルの番組「たかじんのそこまで言って委員会」による、中部大学教授で物理化学的手法を用いた原子力、材料、環境などの研究をしている武田邦彦氏のインタビューです。原発の危険性の原因は「技術」じゃない、と武田氏は言います。原因は人間の安全よりも自分の責任逃れの方を重視している「人の心」だと。そういう人間が原発を管理している限り、事故はなくならない、と武田氏は言います。
それに、放射能に関しては、風向きが最も重要ということを言われています。20~30kmなど何の意味もなく、風下にいれば、遠近などあまり問題ではないようです。そうして、原発は、戦艦大和である。戦艦大和のように、日本の国民のために使おうという考えで運用すべきであると語っています。非常に解りやすいたとえだと思います。
原子力に関しては、従来から危険性について言われきましたが、武田氏は、技術的な問題ではないといっています。結局人の問題だということです。特に、原子力安全・保安院の問題について、指摘していました。
内容に関しては、上の動画をご覧になっていただければ、良くわかります。
このブログでは、過去に、武田氏の地球温暖化CO2説の虚偽、地球温暖化災厄説の虚偽などについて何回か掲載したことがあります。これに関して、武田氏に限らず、他のエビデンスなどから、ほとんど虚偽というのが真相です。
原発に関しては、先日は、大前研一氏の見解を述べましたが、武田氏のほうが、二歩も三歩も踏み込んでいると思います。私は、地球温暖化二酸化炭素説が、あたかも真実のように多数の国でいわれていたのは、結局は、原発を推進するための論拠とするためだと思っています。
ご存じのように原発は、確かに二酸化炭素を放出しません。ただし、原発そのものをつくるのは、工業生産ですから、製造するときには無論発生しますが、原子力発電そのものは発生しません。だから、こそ、有力な根拠になっています。
今回、このような原発の事故が起こったことをきっかけに、地球温暖化などとは全く関係なく、その安全性や可能性などについて、正しい論議が始まると良いと思っています。ちなみに、武田氏自身は、今の形の原発には反対のようですが、安全な原発は、推進派だとしています。
武田氏は、結局は、原発はスーパーマンではないと運営できないということを語っています。しかし、スーパーマンを待って原発を推進することはできないと思います。であれは、原発はあきらめるしかないと思います。しかし、この問題は本当にスーパーマンが現れれば、解消するのでしょうか?
原発という巨大技術に幻惑されがちですが、これも、原発という巨大施設とそれを運用する組織も含めたシステムの問題であると思います。ドラッカーは、組織において頻々として似たような問題が起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題であるとしています。原発の問題にしても結局はそうなのだと思います。
ところで、この状況何かに似ているとは思いませんか。そうです。金融システムの問題です。あの巨額の不良債権の問題です。日本の金融システムは、2000年あたりで健全性を取り戻しました。健全性を取り戻す過程での銀行マンなどの合言葉は、「コンプライアンス(法律遵守)}でした。
もっと話を判りやすくするために、かつて北海道に存在した唯一の都市銀行である破綻した北海道拓殖銀行の例をだしましょう。
ここでは、あまり詳細は述べません。詳細は他のサイトなど調べてください。たくぎん破綻の背景となったのは、1989年から構想され1990年に策定された「たくぎん21世紀ビジョン」です。これは、当初は「道内でのリーディングバンク」「本州でのニューリテール(富裕層向け資産運用)」「アジアでの海外戦略」を三本柱とするものでしたが、拓銀幹部の提案により「企業成長・不動産開発支援(インキュベーター)」が最終案に付け加えられました。
「21世紀ビジョン」で付け足しに過ぎなかったはずのインキュベーター戦略は、北海道へのバブル到達とともに主役と見なされるようになり、これを担う「総合開発部」が拓銀に新設されました。総合開発部には渉外・契約を担当する業務推進グループと、融資の適正を検査する審査グループがありました。しかし人員配置は業務推進8名に対し審査2名と、審査機能が極めて軽視されていました。
また、総合開発部は第1部と第2部に分かれ、それぞれ札幌と東京を受け持っていました。既に当時は政府から総量規制の通達が出され、地価も日経平均株価も下落に転じており、東京の第2部は肌身にバブルの終焉を感じていました。第2部は不動産融資の凍結を決定したましたが、第1部には危機感が通じず、第2部は1991年10月に設置1年で廃止。一方の第1部は、ますます勢いに乗って乱脈融資を広げました。特に、カブトデコムとソフィアの2社への融資は、その後大きく不良債権へと変貌しました。そうして、皆さんご存知のように拓銀の破綻です。これは、当時の拓銀以外の破綻した銀行でも多かれ少なかれ似たような構図です。
銀行に限らず、他の業種の民間企業でも、いわゆる不良債権が、山積しており、しかも、大企業の中で、社長などの経営者も知らないような、各部門のそれが、ひた隠しに隠されてきたというのが実態でした。これらが、1990年代の終わりに隠しおおせないほどに顕在化してきたということです。
この動き、なにやら、武田氏が述べている、現内閣府の原子力委員会、原子力安全委員会それにあとから経済産業相に付け足された、原子力保安院に似ています。
北海道拓殖銀行には、もともと、営業部と、審査部というものがありました。それをさしおいて、総合開発部という組織が設定されて、拓銀は、破綻への道をひた走り、結局は破綻してしまいました。
原子力行政も、これとすっかり同じような構図です。ただし、原子力行政の組織は、民間ではなく、政府の組織であることから、拓銀のように組織そのものがなくなるという破綻のしかたはしませんが、今回の原発事故のような破綻をしてしまったということだと思います。
上記のようなことは、ほとんど報道もされず、多くの国民も知らないことではありますが、今のままでは、さらに、破綻する原発もでてくることが危惧されます。これは、たまたま、原子力行政という分野での破綻であり、原発事故というかたちで、そのほころびが白日のもとに晒されることとなりました。
しかし、行政組織には、このような問題がいたるところで山積しているのだと思います。2000年前後で、銀行をはじめとする民間企業のこの種の問題がかなり解消されました。銀行に限らず、大企業においては、様々な改革が行われました。皆さんの会社にも、おそらく、監査役会とは全く異なる、内部監査室という組織がつくられたことと思います。
これは、主に内部統制などを監査する社長直轄の組織してして構築されています。この組織に関しては、いまでは、企業が上場する際の審査基準として、なくてはならない組織とされていますし、ほとんどの上場企業には、名称は異なる場合もありますが、必ず設置されているものです。
民間企業に関しては、こうした改革が進んで、現在のようになりましたが、行政機関には、そのまま昔からの負の体質が温存されてしまったということです。こうしたことを本当に解決するためには、やはり、国政レベルでまともな法律をつくり、法律をつくるだけではなく、それをかつての銀行マンたちがやったように「コンプライアンス」を合言葉に厳格に守る体制を一刻もはやくつくる必要があります。
いずれにせよ、いまのままでは、日本の原発の安全性神話は、地球温暖化の虚偽と同程度に危ないらししいということです。それも、技術的な側面ではなく、組織的に、人為的に危ないということで、地球温暖化二酸化炭素説とも似通っていると思います。
なお、武田氏し、ご自分のサイトでも、原発に関して説明をしています。下にそのURLと、特に直近で重要だと思われるものをコピペしておきました。是非ご覧になってください。
http://takedanet.com/
原発、緊急情報(1)
(このシリーズで被曝とするべきところ、変換ミスで被爆になっているところがあります。修正の時間がとれず失礼しました。)福島の原発が危機に陥っています。
日本は地震国で、今度の地震が相当大きいと言っても震度6程度の地震は普通に起こることです。「普通に起こる地震で原子力発電所が破損する」と思っている国民はいるでしょうか?
政府やNHKなどのマスコミは「原子力発電所は安全に作られている」という幻想を国民に与えてきたのです
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わたくしは4年程前、「日本の原子力発電所は地震によって倒れるようにて設計されている」と発言しましたが、ほとんど相手にされませんでした。でも、私は現実に原子力安全委員会で基準を確認し、それに対して発言を繰り返してきたのです。
でも、自主公開の原則を持つ原子力なのに、そんな議論はまったく伝わらず、まさか日本の原子力発電所が地震によって損害を受けることはあり得ないと、日本人は素直に信じていたのです。
さらに、原子力発電所を抱えている自治体の首長や知事も「原子力発電所は大丈夫だ」といい、通産省の保安院も絶対に大丈夫だと繰り返してきました
しかし、原子力発電所の地震基準を見ればわかるように地震が起きた時には「残余のリスク」という表現でもともと原子力発電所が壊れる可能性を強く意識しているのです。
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これについてわたくしは原子力安全委員会でたびたび発言をし、原子力発電所が地震で壊れるという基準を作るなら、
1) まず地震で壊れるということを国民に知らせること、
2) 付近住民に逃げるためのオートバイと、ヨウ素剤を配ること、
3) このような地震基準を認める我々(委員)が原発の周辺の住民と同じだけ被爆するべきだ
とまで言ったのです。
安全委員会には常にマスコミが隣にいて NHK や朝日新聞はそのことをよく知っていますが報道しません。そして事故が起こると「原発は何をやっているのだ」というようなことを言うのです。
しかし、テレビを見てそのことに気が付いた人がいます。つまり、福島原発があんなに酷い状態になっているのに原子力保安院や先生方が冷静に対応しているからです。
冷静なのは「想定の範囲内」だからです。
つまり関係者は「地震で原子力発電所が壊れる」ということは承知の上なので、原子炉が壊れてもさほど驚かないということを意味しているわけです。
しかし国民には全く違うこと言ってきました。だから国民の中には震度6ぐらいの地震で原子力発電所は壊れるということは想像もしていなかったでしょう。
現実的には、チェルノブイリなどと違い軽水炉というのは、それほど危険ではないのですが、今回のように水位が下がったり、炉にヒビが入ったりすれば、相当大きな事故に発展する可能性があるのです。
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まず、風上に逃げることです.被爆は風によって変わります。風下が危険です. また子供は甲状腺のガンの可能性がでますのでヨウ素剤が必要ですが、これはすぐには手に入らないと思います
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政府の言うことは当てになりません。
人間のやることですから想定外のことが起こることは当然です。まして今度のように地震で壊れることが想定の範囲内で行われている原子力発電所では、想定の範囲内で壊れたときに、周辺の住民がヨウ素剤を飲めるようにしなければなりません。
今回の原子力発電所の事故について、まず第一回として緊急に書かなければならないこと書きました。
(平成23年3月12日 執筆)
原発 緊急情報(2)
原子力発電所の緊急情報の第2弾として少し踏み込んだ解説をしておきます。
このブログの目的は「原子力発電所の近くに住んでおられる方、もしくはその風下にあたる人が、本当に安全か」ということです。
・・・・・・・・・
まず第1に重要なのは、福島の原子力発電所が「核分裂反応」が止まっているかどうかということです。
もし核分裂反応が止まっていなければ極めて危険で、避難する地域も20キロとか10キロというのではなく、福島県全体というような範囲です
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もしも核分裂反応が止まっていれば、炉の中に残っている放射性物質の熱だけが出ているわけですから、これは自然になくなってしまうということを意味しています。
政府や原子力保安院からはまだ核分裂反応が停止しているかどうかについての説明がありません。もっとも肝心なことが発表されていないのです
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普通に考えると核分裂反応は止まっていると考えられますが、地震が起こって緊急に挿入する制御棒が入ったのか、それが心配です
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核分裂反応が少しでも継続しているとすると、炉内の水が少なくなっていくと核分裂反応が進んでチェルノブイリのようなことになるからです。
繰り返しますが、政府はまず制御棒が順調に入り核分裂反応が止まっているのかとを発表すべきです。
しかし、今の政府にそれを要求しても無理でしょうから、わたくしが推察するところ、「核分裂反応は停止している」ように見えます。ただわたくしはテレビの報道を見て推定をしているだけなので、できれば政府が直接的に核分裂反応が停止していることを発表するのが一番いいと思います。
政府の発表は遅れるようでしたら、東京電力自体が核分裂反応について詳細に説明をしたほうがいいでしょう(データの発表が良い)。
・・・・・・・・・
仮に核分裂反応が停止しているとすると、後はそれほど難しいことありません。残っている放射性物質が過熱の原因になりますがそれは徐々に少なくなっていきます。
放射性物質で強い熱を出すものは半減期の短いものですが、半減期の短いものは1日もたつと減っていきます。従って少しずつ待っていればだんだん安全になっていくということを示しています。
東京電力はホウ素の注入を始めたようです。このことは東京電力が「お金より安全」を採ったということでとても良いことでした。
つまり、ホウ素を原子炉に入れるということは、福島の原子力発電所をあきらめるという意味があり、東京電力の幹部は原子力発電所を運転する事の経済性よりも、付近住民のことを考えていると思います
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従って、その点では国民は東京電力の対応を評価するべきだとわたくしは思っています。
・・・・・・・・・放射線・・・
原子力発電所から漏れている放射性は協会でだいたい1ミリシーベルトから0.1ミリぐらいとされています
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放射線としてはわずかな量なので、このくらいの変化が生じても別段、問題はありません。記者会見では変化が問題になっていますが、それは放射線と健康の関係を知らないからです
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人間が放射線によって障害を受ける最低の放射線は200ミリシーベルト付近ですから。現在の200倍ぐらいに相当しますので、人間に直接的に影響が及ぶということはありません。
さらに放射線で死ぬということを考えますと、1シーベルとぐらいですから、その点ではまだ1000倍程度の余裕があります。ちなみに、4シーベルトぐらいになると半分ぐらいの人が放射線で死にます
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現在の状態では、原子力発電所の横に1時間ぐらいいても大丈夫でしょう
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・・・・・・・・・
それでも心配な人は福島の原子力発電所付近の風向きをに注目すべきです。
10キロとか20キロという避難地域はあまり意味がありません。まずは風向きだけです。それは、放射性物質というのが気体だったりもしくはミストといって非常に細かい粒子なので、すべてが風で運ばれると考えて構いません。
子供さんをお持ちの人は、甲状腺が痛む可能性があるのでヨー素剤を服用するのが良いでしょう。本来は原子力発電所のそばに住んでおられる方は普段からヨー素剤を用意しておくのが良いのですが、すでに事故が起こっていますので、国の方で準備してもらうしかありません。
また、40才以上の男性は少々の放射線を浴びてもほぼ大丈夫です
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・・・・・・・・・
いずれにしても、福島の原子力発電所の核分裂反応が停止していることが確かでしたら、東京電力が海水を注入し、ホウ素を用いたということで「経済的よりも安全を重視した」ということで、まずは一段落です
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付近の人は、あまり部屋の換気等はせず、外からの空気が家の中に入らないようにするということも必要でしょう。
・・・・・・・・・
最後にテレビで盛んに言っている炉の溶融をいうということについて解説をしときます。
「炉芯溶融」が危険なのは、核分裂反応が起こっている時に限られます。もし核分裂反応が起こっていなければ、炉心が溶融していても別にどうということはありません。
またセシウムが観測されたので、炉心が溶融していると言っていますが、燃料棒に亀裂が入っても同じですから、現時点では炉心が融けたかどうかはあまり問題ではありません。
事態が深刻なだけに、センセーショナルな表現は控えるべきです.それより炉内の温度、圧力、漏れた放射性物質の量などのデータが欲しいのです
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私も原子力の専門家ですが、データが無ければ判断が難しいのです.単にマスコミ的に炉心溶融などと言わずに、冷静にデータを出してもらい、それで安全性や危険の回避を考えたいと思います
.
(平成23年3月13日 執筆)
原発 緊急情報(3)
福島の原発事故で、今、一番の問題は「核爆発するか」ということだ。
一昨日から東京電力は「ホウ素」を原子炉に投入し始めた。情報が不足しているので、正確な判断ができないが、原理原則から言えば次の通りである.
現在の状態で「原子炉が爆発する」可能性は3つある。
1) 水素爆発: 露出した燃料に水が接触して水素を発生し、炉の外にでて酸素と結合して爆発する(化学反応)、
2) 水蒸気爆発:高温の物体に水が接して急速に水蒸気になり、その体積膨張で爆発する(物理的爆発)、
3) 核爆発 :燃料が溶けて固まり臨界状態に達して原爆のようなことになる、
水素爆発はすでに福島第一の1号炉で起こっている.水素爆発すると建屋が吹き飛ぶので、周辺の人はビックリするし、若干の放射線が漏れる可能性がある。
水蒸気爆発は炉の内部で起こる可能性が高いので、水素爆発よりやや危険側にある。
核爆発は原爆と同じだから、付近の人は大量に被爆するだろう.
・・・・・・・・・
福島原発は地震直後に連鎖反応は止まっていると考えられる.そして現在の発熱は核反応ではなく、放射性物質の崩壊熱と考えられる.
もし崩壊熱だけなら中性子の吸収は関係がないので、ホウ素はなんの役にも立たない。つまりホウ素は中性子を吸収するもので、崩壊を止めたりゆるめたりはできないからだ。
核爆発や原発はウランが核分裂する時にでる2.4ヶの中性子の連鎖反応を利用している.だから、ホウ素を加えるということはウランの核分裂を止めるためのものだからだ。
東電は、炉が使えなくなる危険を冒してホウ素を投入しているのだから、なぜホウ素を投入するかを保安院に報告して了解を取っているはずだ.
もしその了解が「核爆発を止めるため」というなら、それを真っ先に国民に知らせなければならない。そして国民は広範囲に避難をする必要がある。
・・・・・・・・・
このようなことを判断するときには「炉が溶融していることを政府が認めたか」などではなく、科学的な判断が可能なデータを直ちに公表することだ。
すでに福島の原発は事故を起こし、現在の状態をそのまま報告するのは東電と国の責任である.自分たちのメンツより国民の安全を考えて欲しい!!
テレビの解説者はホウ素の役割を知っているのに、理由を説明していない.原子力の専門家の方、勇気を持ってください。
(平成23年3月14日 執筆)
原発 緊急情報(4)
福島の東京電力の原発は非常に難しい段階に入り、付近の人はとても不安なことと思います。
福島第1発電所は1号炉が水素爆発を起こし、続いて本日、三号炉が水素爆発、続いて2号炉も冷却水が回らなくなったようです。
3号炉の爆発で10人程の方が負傷したようですが、どのような作業をしておられたか、すぐにでも発表が必要でしょう。
ところで、原子力発電所で起こる爆発として水素爆発、水蒸気爆発、核爆発の三つを上げました。
水素爆発や水蒸気爆発は原発でなくても起こることですので、比較的理解しやすいのですが核爆発は特別なもの等で、ご心配と思いますので、少し解説を加えておきます。
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ウラン同位体のうち、ウラン235と言われる元素は不安定で、ある状態で連続的に核反応し、爆発します。
核爆発のタイプは二つあります。一つは広島の原爆のように金属の塊が一度に爆発する形です。これは爆弾に使われます。
もう一つは、原子力事故として知られているのですが、水などに溶けたり混じったりしているウランが連鎖反応を起こし爆発するケースです。
金属の塊を爆発させるときには、純度の高いウラン235が必要で、普通では90%以上のウラン235が使用されます。これを兵器用ウランということがあります。
これに対して原子力発電所等で使われるウランはウラン235が3%から5%くらいで濃度が低く、そのままでは核爆発を起こしません。
ただ、このようなウランでも水の中にあると臨界に達します。これが逆に原発の原理ですが、原発は爆発しないように慎重に運転します。
つまり「原発」とは「緩やかな核爆発を起こすように制御している」と言っても良いのです.また、私自身は金属の場合や溶液の場合にどのぐらいの量のウランがあると爆発するか知っていますが、これは今回の原発事故と直接関係がない原爆を作る知識ですので、ここでは書かないことにします.ただ、溶液の時の方が数分の1で爆発することと、原発の中はそれを遙かに上回る量のウランがあることは確かです。
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ところで、福島原発の中には発電用のウランが入っていますから原爆とまったく同じ爆発が起こるということはありません。しかし、ウラン235の濃度の低いもの臨界に達しますと高熱になり圧力が上がり、強い放射能を持った溶液が大量に発生します。
かつて東海村で起こったウランの臨界事故はこのタイプ(溶液の爆発)です。
もしも、プールのようなところで起これば、沸騰して飛びちり、近くにいる人は瞬時に全員死亡し、飛散した放射能を浴びた人も順次死ぬでしょう。
また、原子炉のように圧力容器中に入っていて制御できない形で臨界に達した時に、どのように爆発するかということについては私も今まで論文等を見たことがありません。
私は、第2次世界大戦の時代から冷戦の時代にかけてアメリカで起こった臨海事故を勉強したのですが、発電用のウラン程度の低い235の場合でも相当程度の犠牲者を出している場合があります。
福島の原子力発電所の場合、地震と同時に制御棒が入って有効に働いていると思いますが、電気が使えない状態でどのように処理されたのかデータの発表はありません。
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そこで、今では「東京電力がホウ素を使った」ということが唯一の情報ですが、これは原子炉内で何らかの中性子の発生に異常があったということを示しています。
炉内で臨海が制御できなくなったときに、全体としてどのぐらい危険かまだ何もわかっていない段階ではないかと心配しています。
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もう一つは原子炉内にあると思われるプルトニウムの問題です。
プルトニウムの特性については、一般的には猛毒であると知られています。本当にどのくらいの毒性があるかはなかなかわかりにくく、わたくしもプルトニウムの毒性について調査しても一般に言われていることと違うデータもありました。
ただ、一般的にはプルトニウムは猛毒だと言われていますし、また、核反応をする量も少ないので、もしかすると、福島の原発の中に飛散すると危険な程のプルトニウムや核反応に寄与する量がある可能性があります。
ただこれもデータを見てみなければわかりません。
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いずれにしても、原発の爆発事故では、水素爆発、水蒸気爆発、核爆発の三つがあるということは間違いありませんし、核爆発と言っても、金属の塊が爆発する場合と液状のウランが臨界に達する場合とでは様子は違います。
なにしろ、現在の福島原子力発電所では3号炉が水蒸気爆発して10名程度の方が負傷しても説明がないので、一体どういう作業をしているのかということすらはっきりしません。
おそらく、現在の福島原発の内部はかなりの放射能があるでしょうから、作業員の人も可哀想です.もう少し状況を説明して欲しいものです。
(平成23年3月14日午後 執筆)
原発 緊急情報(5)
本日午前4時頃、東京電力から福島第二原発2号機に水を入れても炉内の水が増えないとの発表があり、その終わりに、
「すぐに、何か、その、危機的な状態に陥ることはないのではないかと考えている」
と言った。これでだいたいの事は分かった。
続いて午前6時頃、爆発によって2号機の格納器の下が破れたとの発表があったが、予定通りである.
・・・・・・・・・今後・・・
原子炉内の放射性物質が漏洩するのを防ぐことができなくなった。だから、周辺の放射線は上昇を続けるだろう。
ただ、これまでのように発電所側が必死になって「絶対に放射線を漏らさない」という切迫した状態では無く、「すでに漏れを止めることはできない」ということになり、判断は正常になるだろう。
その結果、放射線漏れは「かなり酷いが、破滅的ではない」という状態になったと私は考えている。
原発、経産省保安院、政府、専門家の中で交わされた会話は次のようなものだろう。
・・・・・・・・・
A「今、午前2時ですが、2号機に水を注入しても炉内の水位が上がらない」
B「まだ燃料の温度が高く、投入した水がすべて蒸発したのではないか?」
A「いえ、投入した水がすべて蒸発したとすると、圧力は700キロパスカルしか言っていないので、計算が合わない」
B「投入量は分かっているのか?」
A「水量は計算できます.だから、どこからか漏れていると思います」
C「現場では分かっていますよ。炉の下部から水が出ています。強い放射線ですので、炉からでた蒸気がサプレッション・プールで水になってそれが漏れています」
D「そうか、それでは放射線漏れは防ぐことができないな」
C「はい」
D「どうやって発表するか?」
B「最初から漏れているというのも何ですから、まず概略を発表して、2時間経った頃、損傷を発表することにしよう」
・・・・・・・・・
つまり、今日の未明に福島原発は「原子炉内部の放射性物質が外部に漏れることを防ぐことができなくなった。」ということだ。
また、おそらく現場の判断は冷静になるだろうから、核反応は抑制できる状態になり、後は崩壊を待つことになる。
放射線は徐々に福島から広く拡がっていくが、まず第一に風向きだ。鹿児島の新燃岳が噴火したとき、その灰は宮崎の方に「すじ」のように流れた。その写真を思い出して、風に注意することだ。
仙台、福島、東京などの放射線は上がるが、通常の人に放射線障害が出るところまでは行かないか、あるいは1週間ぐらいはかかると考えられる。
いずれにしても、「通常の放射線漏れの酷い状態」になったので、国民は対応をとりやすくなった。
私は本日、大阪から東京へ向かう.大丈夫だからだ。
(平成23年3月15日10時 執筆)
原発 少し落ち着いたので・・・「保安院という化け物」
原発は2号機の格納器が破壊されたことで一段落した。周辺の放射線は徐々に上がっていくだろうが、福島県民をはじめ、付近の方が逃げることもできる状態になった。
その意味ではやや私も気持ちがおさまった。
そこで、政府やマスコミなどからの情報をより正しく理解するために関連のことを書いておきたいと思う.
・・・・・・・・・
【なぜ、保安院の人は謝らずに威張っているのか?】
日本の原子力行政は、原子力委員会が推進、原子力安全委員会が抑制ということになっていたが、政府がいつの間にか、原子力安全・保安院というのを作り、「抑制機関無しの原子力行政」を始めた。
そのため、安全を考えて抑制する立場だった「原子力安全委員会」は国民に代わって、直接、原子力の安全を守ることができなくなった。
原子力安全・保安院は全権を持ち、電力会社や原子力安全委員会などに強い影響を持つようになった。これがテレビで見た保安院の人の傲慢な態度にあらわれていた。
保安院は常に原発に口を出し、俺の言うことを聞かなければ認可しないぞと言い、そして現場を知らないという状態で推移していた。
このことが「地震で破壊する原発」を作ってきた原因であり、さらに「震度6など想定していなかった」とか「地震対策はしてきたが、津波が起こるとは知らなかった」などという奇妙な言い訳を作り出す原因にもなっている.
・・・・・・・・・
テレビにでた保安院の人は謝りもせず、傲慢な態度に終始した.これは「事故は俺が起こしたのではない」ということだが、「原発の安全に責任を持つ」という気持ちが無い人が、「原発の安全規制の権力を持っている」ということだからだ。
彼らは規制について強い権限を持っている.だから電力会社は認可をもらうためにペコペコしなければならない。でも事故が起こったら知らない顔をする・・・役人が入るとこのようになる。
今、事故が進行中だが、保安院は登場しても混乱するだけだ。東京電力と政府だけで進めてもらいたい。
また気象庁は全力を挙げて風向と、原子炉からのガスがどのように流れるか、コンピュータを使用して早く全力で計算して欲しい。
気象庁はこのような時にこそコンピュータを国民の安全のために使い、何時、どこに放射線物質が移動するのか、ハッキリして欲しい。
(平成23年3月15日 執筆)
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