2015年10月20日火曜日

【中国GDP発表】偽りのGDP異様に巨大化 乖離した“成長率”こそリスク―【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!


李克強指数ではかなりの下げが見られる中国経済

 中国政府は7~9月期の実質経済成長率を6・9%と発表した。経済教科書からすれば、この成長率水準は好景気そのものだが、経済実体を示す各種のデータはマイナス成長を指し示し、世界の専門家の大半が中国GDPを信用しない。米国に次ぐ経済規模を裏付けるはずの数値が偽装同然というのだ。

 実は、中国のGDP統計は党幹部ですら信用していなかった。李克強首相は遼寧省の党書記時代の2007年、米国の駐中国大使に向かって、「GDPは人為的操作が加えられるが、鉄道貨物輸送量は運賃収入を基にしているので、ごまかしがきかない」と打ち明けたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」によって暴露されている。

 李氏は鉄道貨物のほか銀行融資、電力使用量も参考にしていると語ったことから、最近では英国のコンサルタント会社などがこれら3つの経済指標をもとに「李克強指数」を作成して、現実に近い成長率を推計している。

 グラフは鉄道貨物輸送量と輸入動向をGDP伸び率と対比した。12年後半以降、鉄道貨物と輸入はともに伸びが鈍化し続け、14年初めから急激に落ち込んでいる。

 中国GDPの伸び率は経済の実勢ではなく、党の政治意思で決まる。中国は毎年秋に党中央が翌年の経済成長率を決めて政府に提示し、その年の3月に開かれる全国人民代表大会が政府案を採択する。全国各地の党書記は目標値通りの成長率を党中央に報告する。達成できないと出世に関わるので、「人為的」な成長率が生まれやすい。

 もちろん、党中央は成長目標達成のプログラムを考える。手っ取り早いのはGDPの最大項目である固定資産投資で、08年9月のリーマン・ショック後は不動産開発投資に資金を集中投入させて2ケタ成長を実現したが、12年には不動産バブルが崩壊して、投資主導型成長モデルはついえた。投資がだめなら、個人消費を増やすしかない。そこで習近平政権は株価をつり上げ、株式ブームを演出したが、この6月に上海市場が暴落した。

 現実には需要が減退しているのに、国有企業などが党指令通り生産を増やすなら、過剰生産、過剰在庫が膨れ上がる。その多くは投棄され、燃やされる。大気や水の汚染、工場爆発と環境破壊が止まらないはずである。

 党中央が高い成長率を決め、需要を無視して投資、生産の増加を指令する。民間主導の市場経済とは似て非なる中国式経済が異様に巨大化する。世界の市場を混乱させ、地球環境問題を深刻化させている。経済実体から大きく乖離した虚偽の成長率が今や世界にとってのリスクなのだ。

【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!

李克強指数を元にすると、中国のGDPの真の値はどの程度であるのかを以下に掲載しておきます。残念ながら、最新のものは手に入らなかったのですが、2001年〜2013年の推計値は入手できましたので、以下に掲載します。


これは、当時精華大学准教授のパトリック・ショバネック氏の推計です。赤の線が李克強指数で、青の線がいわゆる「本当の」成長率です。

これをご覧いただけるとおわかりのように、2013年当時の成長率は2%ということです。この推計が正しいものとすれば、13年当時と比較すると、本年はかなり経済が落ち込んでいますから、おそらくはマイナス成長になっていると考えるのが妥当でしょう。

実際、そのようになっているということをブログ冒頭の記事は主張しているわけです。これは、本当に妥当なものと思います。中国政府が発表した、6.9%はファンタジーに過ぎないです。

さて、このような中国の経済の落ち込み具合が話題になると、すぐにでてくるのが、日本経済危機論です。

実際、中国の7~9月期国内総生産(GDP)の発表を10月19日(月)が近づい今月16日には、ロイター通信が、金融市場の一部では中国発の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」が警戒されているとの報道をしていました。28年前の10月19日は、米株式市場が20%超も急落し、世界的な株価暴落を引き起こしたブラックマンデーのまさにその日でした。

米国の景気が落ち込めば、日本も落ち込みリーマン・ショックの再来となるかもしれないと心配する人も大勢います。

しかし、実際には、本日に至るもアメリカの株価がブラック・マンデーのように下落したなどという報道はなされていません。

しかし、私の見方はたとえ中国の景気がかなり落ち込んだととしても、全く日本に影響はないということはないにしても、"本来"はその影響は軽微だということです。

そもそも、日本におけるリーマン・ショックなどファンタジーです。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!
景気刺激策は取らないと強調する李克強首相

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、リーマン・ショックに関する記述のみ以下にコピペさせていただきます。
しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。 
その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。 
本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。
日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった クリックすると拡大
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。

このように、私はリーマン・ショックそれも、こと日本におけるそれに関しては、本来サブプライムローンの影響など日本にはほんどとなく、本来は悪影響はあまりなかったはでした。日本においては、そんなことよりも、他国が大規模な金融緩和を行う中、日銀が何もしなかったことが、その後の日本経済に甚大な悪影響をおよばしました。

だから、日本経済は、酷い低迷からなかなか抜け出せなかったのです。まさに、「日銀大ショック」とも呼ぶべき、日銀の怠慢により、リーマン・ショックからの立ち直りが世界でも最も遅く、サブプライムローンの震源地であるアメリカや、それを大量に運用したEUよりも、被害が大きくなってしまったのです。

あのリーマン・ショックは、"本来"は日銀がまともな金融政策さえ行っていれば、あそこまで酷いことになるはずのないものでした。

これは、今回の中国の不況に関しても同じようなことがいえます。そもそも、このブログでも何度か掲載したように、日本から中国向けの輸出は、GDPの2%程度に過ぎません。そもそも、日本はGDPに占める輸出の割合は、15%程度に過ぎません。日本を貿易大国であるとのファンタジーを抱く人がいますが、それは明らかに間違いで、日本は内需大国です。

さらに、中国投資もかなり少なく、最近では中国投資は先細りですし、日本企業は中国投資は控えるどころか引きあげに転じています。撤退する企業も多いです。この程度ならば、 中国の経済の破綻は、"本来"はさほど影響はないと言って差し支えないです。

しかしながら、もしも中国不況が本格化し、今後も続くとなると、それなりの影響は必ずあります。それを克服するために、日本以外の他の多くの国々が積極財政や、金融緩和を実行することになったとします。

それでも、日銀はそのまま追加金融緩和を実施せず、財務省が10%増税を強行すれば、これはもう完璧に第二のリーマン・ショックになる可能性が大です。この場合"本来"中国の経済停滞は日本にとっては軽微であるにもかかわらず、日本の金融政策や、財政政策のまずさで本家本元の中国の景気が回復しない限り、なかなか回復できないことになります。

しかし日銀が追加金融緩和に転じ、財務省が増税をしないか、それどころか減税をした場合は、日本はデフレから完全脱却して、中国の経済停滞の影響は軽微どころか、中国の経済とは無関係に日本の経済は大成長します。

アメリカは、リーマン・ショックのときには、震源地であったにもかかわらず、すぐに大胆な金融緩和を踏み切ったため、日本よりはるかにはやく、リーマン・ショックから立ち直りました。EUもサブ・ブライム・ローンの影響をもろに受けたのですが、それでも日本よりははるかに立ち直りがはやかったでした。

現在の日銀は、少なくとも当時のように金融引き締め的な金融政策はとっていませんから、もし中国の経済停滞で日本が甚大な影響を被ることになるとすれば、それはほとんどが10%増税による国内需要の落ち込みによるものになることでしょう。

中国の経済の停滞は、構造的なものですから、現体制が崩壊しないかぎり、継続します。そうなると、日本は長期間にわたりとんでもない不況に見舞われることになり、失われた20年どころか、失われた40年にもなりかねません。

これは、私自身が、当時はリーマン・ショックの本当の原因は日銀ショックであったことを見抜けなかったことの反省の上にたった分析です。これが理解できたのは、リーマン・ショックの二三年後のことでした。今になって思い返すと、真にお恥ずかしい限りです。

日本のマスコミ、官僚、識者の中には媚中派が多いですから、以上のような見解を述べる人は、ほとんどいません。今後、財務省の10%増税によって、日本の景気が大規模落ち込んだ場合、こういう愚かな人々は「それみたことか、中国様が風邪をひくと、日本は肺炎になるんだ。日本はダメなんだ。中国様次第なんだ。思い知ったか!」というファンタジーを、したり顔で語り始めることになります。

そんな光景が、妙にリアルに頭に思い浮かびます。

そんなことにならないためにも、10%増税は絶対に阻止すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

いよいよ、中国経済の破綻は秒読み段階となりました。そうして、いよいよ中国自体の壊滅の序曲が始まりそうです。それを予感させる書籍三冊を以下に掲載させていただきました。

これから始まる中国の本当の悪夢: 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱

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2015年10月19日月曜日

米艦艇、南シナ海へ派遣 フィリピンなど関係国に通達 中国は猛反発 ―【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!


艦艇が派遣される南シナ海のスプラトリー
(中国名・南沙)諸島

オバマ米政権がついに腹を固めた。中国が南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化していることに対抗し、米海軍の艦艇を近く、中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内に派遣する方針を、東南アジアの関係国に伝達していたのだ。中国は猛反発しており、南シナ海が緊迫化してきた。

米艦艇が派遣されるのは、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島。共同通信が18日、複数の外交筋の話として配信した。具体的な派遣時期は不明。関係国には、フィリピンなどが含まれるとみられる。

派遣方針はすでに複数の米政府高官が示唆しているが、関係国に意向を伝えたことは、オバマ政権の強い決意を物語る。人工島を中国の領土と認めない米国の立場を行動で示し、海洋覇権を強める中国を牽制する狙いがある。

こうした動きに対し、中国は猛反発している。

習近平国家主席は英国訪問(19~23日)を前に、ロイター通信の取材を受け、「中国が行っている活動は、領土主権を守るための正当なものだ」と、一切妥協しない考えを表明。南シナ海の島々は「昔から中国の領土だ」と強調した。

中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報」は、さらに過激だ。15日の社説で、米艦艇が派遣された場合、「中国は海空軍の準備を整え、米軍の挑発の程度に応じて必ず報復する」「中国の核心的利益である地域に(米軍が)入った場合は、人民解放軍が必ず出撃する」と警告した。

「米中新冷戦」時代が指摘されるなか、この時期の米艦艇派遣の背景は何か? 中国はどう動くのか?

国際政治学者の藤井厳喜氏は「習氏の訪英はかなり前から決まっていた。英国は、習氏をバッキンガム宮殿に宿泊させるなど、経済的に中国に取り込まれつつある。もし、米艦艇が習氏の訪英に合わせて派遣されれば、単に中国へのけん制だけでなく、英国に対する『伝統的な米英関係を壊すつもりか』というメッセージもあるだろう。中国は強気の発言を続けているが、本音では米中衝突は避けたい。ただ、習氏不在時に、反習近平派が突発的衝突を演出する可能性もある。そうなれば一大事だ。習氏が急きょ帰国することもあり得る」と分析している。

【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!

米国のスプラトリー諸島に米国が艦艇を派遣することは、前から決まっていました。それに関しては、このブログにも掲載しました。そのリンクを以下に掲載します。 
米海軍の艦艇、南シナ海の中国人工島に急派へ 英紙FT「大きな衝突に発展も」―【私の論評】衝突してもすぐ決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけ(゚д゚)!
米国が南シナ海に派遣するイージス艦
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国が、これには全く対抗できない旨を掲載しました。その部分のみ以下に抜粋します。 
イージス艦を数隻派遣すれば、中国は海洋進出の野望を諦めることになると思います。なぜなら、アメリカの最新鋭のイージス艦には、中国は何をもってしても全くかなわず、歯がたたないことを彼ら自身が知っているからです。 
そもそも、中国と米国の軍事技術には赤ん坊と、大学院生くらいの差異があます。中国の最新鋭の艦船でも、米国の数十年前の技術水準に過ぎません。最初から勝負にも何にもなりません。勝負をするというのなら、ある程度の水準になっていなければ、できません。 
しかし、中国の艦船の建造技術は、アメリカの数十年前の水準です。航空機も、アメリカが第五世代戦闘機を導入しつつあるというのに、中国の最新鋭戦闘機「殲20」は第三世代の技術水神のものです。その他、ミサイルやレーダーなどの技術もアメリカの数十年前の水準です。
 中国の最新鋭戦闘機「殲20」
中国が何らかの軍事行動を起こした場合、米国の思う壺です。ほとんど何もしないうちから、艦艇は即座に海の藻屑と消えます。航空機も、あっという間に撃ち落とされ、全く勝負にならないことでしょう。 
ブログ冒頭で、英紙FT「大きな衝突に発展も」と懸念を表明していますが、米軍と中国軍との軍事能力にはあまり開きが大きいため、中国はいくら頑張っても大きな衝突はできません。あっという間に、決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけです。 
そもそも、中国は最初から完膚なきまでに負けることがわかっている、戦いに挑むことはないでしょう。そんなことをすれば、弱い中国軍のイメージがついてしまい、他国に侮られそれこそ、中国の核心的利益に反することになります。何が何でも避けることでしょう。
私がこの記事を掲載したときには、英国のフィナンシャルタイムスの報道のみでしたので、実際にオバマ政権がそこまでするかどうかは、半信半疑でした。そもそも、オバマはいつも及び腰で、そんな決断などできるとは思えなかったからです。

これは、オバマの決断というよりは、アメリカ議会などの圧力によるものではないかと思います。オバマの任期は、1年以上もあります。その任期内に中国が増長して、やりたい放題をやられては、アメリカの利益に反するという考えがあったものと思います。

このような騒動になったのには、米中両国の誤算があります。中国の誤算としては、及び腰オバマは、中国が何をやっても、よもや軍事衝突の危険をおかして、艦艇など派遣するなどということはないだろうという判断をしたことです。

オバマが及び腰であっても、アメリカ議会はそうではありません。もう、限界点まで達していたものと思います。

習近平はかつて「太平洋は米中の両国が共生するのを受け入れるだけの広さがある」と言いましたが、その見方こそ中国の誤算です。これは、胡錦濤時代の末期に解放軍将校が、米国防長官に対し、米中はハワイを起点にして、太平洋の東側を米国が、西側を中国が分割して管理してはどうか、と述べたことと軌を一にしています。この途方もない、虚妄に習近平は取り憑かれてしまったようです。
 
中国が「新型の大国関係」という時、何よりも、それは米国が中国の「勢力範囲」を容認することを狙っていると見るべきです。例えば、まず第一に、東シナ海、南シナ海、さらには自らが規定する「第一列島線」内を自らの内海のように扱うことを意図しているに違いありません。しかし、そもそも、これが誤算です。

もともと、太平洋は、日米が死闘を繰り返し、米国がなんとか勝利したので、米国を主体とした秩序ができあがっていました。この秩序を中国が一方的に乱すのは、米国としては全く容認できるはずがありません。 

さらに重要なことは、中国が自称する「核心的利益」の対象である台湾、チベット、ウイグルについては米国がそれらを中国の内政問題として干渉しないことを意図しているものと思われます。この三者の中では、実質的に中国の統治下にない台湾の扱いは格段に重要です。 

外交能力が極端に低い及び腰のオバマ政権が過去の米中首脳会談で、「新型の大国間関係」論を全面的に拒否しなかったことは、米中関係に中国のスローガンを持ち込む余地を与え、大きな失敗でした。しかし、だからといって、中国が南シナ海や、東シナ海で傍若無人な振る舞いをしても、及び腰オバマでは、何もできないだろうと考えたのが、中国の大誤算です。

しかし、そのオバマが今年の一般教書演説で、「世界で最も繁栄しているアジアにおいて、中国にルールを決めさせてよいのか」と述べています。中国が力をもって新しい国際規範を構築しようとすればするほど、現状維持勢力として米国は強い態度で臨むべきであると、オバマですら考えるようになっていたのです。

この現実を見抜けなかった中国、今頃大慌てでしょう。これによって、習近平はさらなる窮地に立たされることになりました。

米国側の誤算としては、中国幻想がその最たるものです。中国がいずれ米国の経済を追い抜くかもしれないなどという、途方も無い幻想が支配し、米国内に多数の親中派・媚中派を生み出しました。

しかし、これは、中国の経済の構造を知ってしまえば、幻想に過ぎないことが理解できます。中国のこれまでの経済発展のほとんどは、国内のインフラ投資によるよるものでした。とにかく、国内外の巨額の資金を集め、それでインフラ投資をするということで、経済が発展してきました。

インフラがほとんど整備されていない国で、インフラを整備すれば、そのインフラを活用して、様々な経済活動がおこり、それで経済発展をすることが可能になります。

しかし、インフラ整備だけで国の経済が伸び続けることは不可能です。その次の段階では、個人消費が経済を牽引します。

しかし、このブログで何度か掲載してきましたが、中国のGDPに占める個人消費の割合は35%にすぎません。これでは、大規模なインフラ整備が一巡してしまえば、中国の経済は伸びるどころか、縮小することになります。

では、個人消費を伸ばせば良いということになりますが、そのためには、経済的な中間層を増やし、その中間層が活発な社会・経済活動をできるようにしなければなりません。

しかし、中国はそのようなことは全く不可能です。なぜなら、中間層を増やし、それらが活発に社会・経済活動ができるようにするためには、民主化、政治と経済の分離、法治国家が必要不可欠だからです。

しかし、現中国の共産党中央政府はそのような考えは全くありません。そもそも、中国には憲法がありますが、それは中国共産党の下に位置しています。そうです、今でも、中国は中国共産党一党独裁国家なのです。この体制が崩れない限り、中間層を増やし、それらに活発な社会・経済活動などさせることはできません。

であれば、現体制が崩壊しない限り、中国の経済は破滅するだけです。こんな中国の構造を知っていれば、中国がアメリカのGDPをいずれ越すなどという途方も無い妄想はでてくるはずもありません。

さて、オバマの評判はアメリカでは地に堕ちましたが、習近平の評判も中国内で地に堕ちることになります。なぜなら、今回の艦艇派遣により、中国がこれに対抗すれば、完膚なきまでに負かされて、習近平の評判は地に堕ちます、かといって、逃げても国内の評判が地に堕ちます。いずれにしても、習近平の評判は必ず地に堕ちるわけです。

習近平にとっては、思いもよらなかったこでしょぅ。この習近平の蹉跌は、中国内でとんでもない混乱を生み出すことになります。

そうして、この混乱は、中国の現体制の壊滅につながる可能性は十分にあります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月18日日曜日

フザけるな!公務員だけが「幸福」になっている~下流社会化が進む中、「上流役人」が急増中だと!?―【私の論評】怨嗟の声をあげる先を間違えるな!その先はまずは財務省・日銀の高級官僚だ(゚д゚)!



自分たちは上流だ

「正直なところ、ここまで日本の下流社会化が進行しているとは思ってもみませんでした。

'05年に『下流社会新たな階層集団の出現』という本を書いたときに、一億総中流といわれていた日本社会の均質性はもはや存在しないということを指摘しました。それから10年経って、日本社会の格差が拡大し、下流意識を持つ人がさらに増え続けているのです」

こう語るのは、社会デザイン研究家の三浦展氏だ。今回、三浦氏は三菱総合研究所の「生活者市場予測システム」という毎年3万人を対象に行われる調査をベースに、日本人の階層意識について調査を行った。

その結果を読み解くと、ある事実が明らかになったという。

「一見すると、日本社会全体で下流化が起こっていると思われるかもしれません。しかし驚くべきことに、このような一億総下流化に見える状況において、『自分の階層が上がった』という意識を持つ人たちがいることがわかりました。

それが公務員です」

世間全体が暮らしぶりが悪くなっていると感じる中で、公務員だけが「自分たちは上流だ」と思えるような幸福な暮らしをしているというのだ。

一体どういうことなのか。今回の調査結果をまとめた、三浦氏の著書『格差固定』(光文社)を詳しく見ていこう。

自分が「下流」だと考える日本人は全体の43%で、上流の14%と中流の36%を大きく上回った(残りの7%は「わからない」と回答)。

さらに、職業別に見てみると「会社員(正社員)・団体職員」の階層意識は「上」が16%、「中」が41%、「下」が38%だが、一方で「公務員」の意識は、「上」が29%もおり、「中」が46%、「下」は25%しかいなかった。

現代の日本社会においては、一部の会社経営者、役員、医師などを除けば、一番強く上流階層意識を持っているのが公務員ということだ。

とりわけ30代男性に限ってみると、正社員の45%が「下」の意識を持っているのに対して、公務員では21%と、その差は歴然としている。

「たとえば、六大学を出て新卒採用で東京都庁に入ったような男性なら、35歳くらいでパナソニックのような大企業並みの給料がもらえます。同じ庁内の女性と結婚すれば、安定した高収入が2つになり、都内にマンションを持つことだってできるでしょう。

入社以来、長い不景気を経験し、将来への不安を抱えてきた民間の会社員と比べれば、公務員がいかに安定し、恵まれた立場なのかがわかります」

雇用形態の変化により、この10年で正社員は大きく減り、非正規雇用の数が増えた。新たに下流意識を持つようになった人の中には、リストラに遭って職を失った人や、出世競争に敗北して年収が大きくダウンした人もいるだろう。

だが、公務員ではそういう経験をする人が少ない。そんな環境だからか、この10年で暮らしぶりが良くなったと感じる公務員も少なくないという。

「『階層意識がこの10年でどう変化したか』ということをみてみると、男性正社員は『上』が5ポイント減り、『下』が3ポイント増加。その一方で、男性公務員は『上』が19ポイントも増えて、『下』が10ポイント減少しました。

また、10年前に『上』の意識を持っていた公務員で現在も『上』の意識を持ち続けている人はなんと100%。正社員ではたった41%の人しかいなかったことを考えると驚くべき数字です。

公務員は自分たちの給料が民間企業に比べて下がっていないために、社会全体での格差が拡大しているという意識が少ない。実際、所得に関して格差が拡大したと感じる公務員の割合は学生と並ぶ低さでした」

三浦氏によると、民間企業サラリーマンの平均年間給与は、'97年の467万円から'08年以降は410万円前後に落ち込んでいる。しかし、例えば国家公務員の平均給与は月額約41万円(平均年齢43・3歳)で、年収でほぼ500万円と、かなり高水準だ。加えて、公務員は確実に年金をもらえるし、リストラもない。

「こんなにオイシイ条件がそろっているのですから、公務員が時代劇に登場する不遜な『お代官様』のように上流意識を持つのも当然のことかもしれません。

今回の調査を通して、公務員の上流化があまりに顕著だったため、初めはこの著書のタイトルを『役人天国』としようかと思ったほどです」

世間とずれた金銭感覚

消費に関するデータにおいても、公務員は「お代官」を通り越して「お大尽」になっている。

「最近消費を減らした項目」について見てみると、「家での食費」「外食」「普段着」「家電」「映画、音楽、演劇」など、ほとんどの項目で、公務員は正社員より消費を減らしていなかった。

たとえば、公務員は1回の飲み会での平均費用が5000円程度と答えた人が6割にも及び、正社員の約2倍。昼食代も800円程度かける人が正社員よりも8%も多い。

加えて、安定した生活と高収入のため、結婚している数も公務員が多い。公務員の既婚率は70・6%で正社員の60・4%を10ポイントも引き離し、同様に持ち家率も公務員が9ポイント上回っている。

また、旅行に行く頻度も、公務員は会社・団体の役員に次いで多いという。

「結婚、マイホーム、家族旅行といった従来型の幸せな暮らしを実現しようと思ったら、公務員になるのがいいということになります」

だが、三浦氏はこの状況に対して疑問を投げかける。

「公務員の経済的ゆとりは明らかですが、これは由々しき問題だと私は考えています。公務員というのは、基本的に経済活動によって付加価値を生み出す仕事ではありません。

そういう人たちが上流化していき、新しいビジネスや価値観を創造する民間企業の社員が下流化していくような社会に発展性があるとは思えないからです。

優秀な人材が安定を求めて公務員ばかりを目指すようになっては、日本の未来は暗いものになるに違いありません」

役人ばかりが良い思いをしているような国は、やがて崩壊する。これは歴史が証明している。

【私の論評】怨嗟の声をあげる先を間違えるな!その先はまずは財務省・日銀の高級官僚だ(゚д゚)!

このような記事を読むと、頭にくる人は大勢いると思います。そもそも、公務員とは公僕であり、そいつらが自分たちよりも優雅な生活をするなんて許せないというのが本音というものです。

公務員の給与はなぜ民間より高いのか

公務員の給与水準は、100人以上の資本金10億円規模の会社を基準にしています。これでは、民間の平均よりももともと高くなってしまうのが当たり前です。

公務員の給与がこのように高くなってしまったのは田中角栄が総理大臣のときに、公立の教職員給与を一般公務員より引き上げる「人材確保法案」を施行してしまったことがきっかけとなっています。その当時教員の給与が基本給で12%、諸手当を含めれば一気に約25%引き上げられました。

田中角栄氏

地方公務員給与も、田中角栄時代に、国家公務員連動に変更しました。国家公務員は主要な民間企業の平均給与との比較で決まります。つまりは、地方公務員の給与は地元の経済環境と連動してない(同程度規模の他自治体とは比較するが)ので、非正規雇用も拡大する昨今、高給取りになるのは当然の構造になっています。

これは、田中角栄の時代には、デフレではなく、インフレ傾向だったし、その後のバブルの時代も含めて、民間の給料が良かった時代には、あまり反発をくらうこともありませんでしたし、当時はデモシカ教師といわれて、教師にでもなるか、教師にしかなれないような人が教師になっていたものを、優秀な人材も教師になるようになったこと、さらには、教員組合の組織率がかなり減ったということで、一定の効果はありました。

しかし、過去20年近く、デフレが継続したため、民間よりも公務員のほうが給料が良いという状況になりました。田舎などでは学校教師が高給取りなどというなにやら、少しおかしな状況になっていました。もう、田中角栄の頃とは、時代が違います。

とはいいなが、2013年は日銀が金融緩和策に転じてから、経済指標がどんどん良くなり、いずれデフレは完璧に解消されるはずでしたが、平成14年度4月から8%増税を実施し、せっかくの金融緩和が腰折れになり、経済が停滞してしまいました。

そのため、結局のところ、今でも公務員の給料のほうが良いという異常な常態が続いています。

公務員の給与を単純にカットすれば良いというものではない

まだまだ、現実は厳しいです。今の日本は、デフレから脱却していないので、公務員が民間よりも優雅な生活をしているからといって、公務員の賃金を機械的に大幅カットすると、政府支出が減って、さらにデフレ脱却を妨げることになります。

公務員の大幅賃金カットは、増税と同じことで、緊縮財政の一貫です。デフレからぬけ出す最中に、緊縮財政は絶対にすべきではありません。実施すべきは、積極財政です。

そんなことはわかっているのですが、さすがにこのような記事を読むと私もかなり憤りを感じます。しかし、このような現実をみれば、新卒の人たちが民間よりも公務員志望をするようになるのは当然のことです。そうして、優秀な学生の多くが公務員を目指すようになり、現実にも優秀な人材が公務員になる率も高まっていると思います。

都道府県別、地方公務員(都道府県)の給料と賞与金額トップ10(単位:円)。
地方公務員の1年間の給料、手当と賞与相当(期末手当、勤勉手当)の総額より
上位10を抜き出したもの/総務省 「平成25年 地方公務員給与の実態」より筆者編集
これをまともにするには、公務員の賃金をただ機械的に下げるだけでは、何の解決にもなりません。これを正すには、まずは何が何でも、デフレを克服する必要があります。それだけではなく、よほどのことがない限り、デフレが長期間継続するようなことをなくす必要があります。

そのために、何が必要かといえば、まずは旧日銀が金融政策を誤り、本来金融緩和をすべきときに、金融引き締めを繰り返し、日本をデフレ・スパイラルのどん底に沈めて、超円高にしたということを肝に銘ずるべきです。今の日銀は、金融緩和策に転じていますが、今のままでは、いつ金融引き締めにもどらないとも限りません。

これを正すには、日銀法の改正が必要不可欠です。日銀の独立性を見直す必要があります。日銀法における、現在の日銀法では、日銀の独立性とは、日本の金融政策を日銀の政策決定員会が定めるということになっていますが、これがそもそも間違いです。

世界の常識では、一国の金融政策は、その国の政府が定めるのが当然のことであり、中央銀行は、政府が定めた金融政策に従い、専門家的立場から、その手段を選択できるというのが、中央銀行の独立性の意味であり、日本のように、日銀の政策決定委員会のような組織が定めるものではありません。

中央銀行は、日本国の金融政策の方向性を考え、それを政府に提案することはできますが、方向性を最終決定するのは政府の役割です。そんなことは、当たり前のことです、なぜなら、日銀や、日銀の政策決定委員会のメンバーは選挙という手続きで選ばれたメンバーではありません。やはり、選挙で選ばれた議員による政府がこれを最終的に定めるというのが、正しいあり方です。

日銀法を改正して、政府が金融政策を責任をとることとし、その最終責任は選挙において国民に信を問うというのが、自然な姿であり、民主的です。

そうして、何かといえば、増税ということで、過去三回にわたる増税が全部大失敗しているにもかかわらず、さらに10%増税を強力に推進する財務省に関しても、なんとかしなければなりません。

この財務省なる組織は、もともとは大蔵省で、大蔵省から日銀が分離独立して、今の財務省になりました。この組織は、 分割すると10年くらいかけて植民地を拡大する手段に使うので、まずは1)公的金融部門の廃止(第一次安倍政権の挫折の原因)、2)財務省官僚が目下においてる官庁の下部組織に財務省を分割の上で編入するなどのことをすれば、大蔵省や財務省が過去に行ってきたような、デフレの時に増税するなどというバカ真似はできなくなります。

このようにして、長期デフレに至ることがない状況をつくりだせば、民間よりも公務員のほうがはるかに給料が良いという状況は打開されるはずです。その後に、公務員の給料の改革をすべきです。

公務員の給料の改革

適正な財政をするということから、民間の給料が良すぎて、加熱気味のときには、財政制作の一貫として、公務員の給料少なめにする、逆に民間の給料が低くなれば、これは財政政策の一環として高めにする、ただし、どちらも極端に高い、低いということではなく、大体民間全体の中間くらいを少し上下する程度にすれば良いと思います。

無論、賃金の水準は100人以上の資本金10億円規模の会社を水準とするのではなく、もっと民間全体の平均に近い水準に近づけるべきと思います。ただし、ブラック企業とか、零細企業の水準まで加味すべきではないことはいうまでもありません。

こうするこにより、何が期待できるかといえば、公務員の給料は民間給料次第だということで、現状のように民間の給料が著しく下がった状態では、公務員の給与水準も著しくさがるため、それを回避しなけれぱならないということになり、官僚もそちらに向けて、必死に努力することになるからです。

今のまま、民間が悪くなっても、公務員はあまり関係ないということでは、役人も全く努力しないのが当たり前です。ただし、現状のまま、ただ公務員の賃金を下げても、何も良い結果はうみません。まずは、日銀法改正、財務省解体を視野にいれるべきです。

それも、加味せずに、ただただ公務員の給料を減らすというのであれば、とんでもないことになります。これは、デフレ傾向に拍車をかけることになります。

役人ばかりが良い思いをすれば果ては中国のようになる

ブログ冒頭の記事では、著者が「役人ばかりが良い思いをしているような国は、やがて崩壊する。これは歴史が証明している」と結論を述べています。

これはまさに正鵠を射ています。ただし、歴史だけではなく現実も証明しています。それは、今の中国を見ていれば良くわかります。

財務省の省益という自分たちの都合で国民生活や経済におかまいなしに何度も増税されたり、旧日銀のように何がなんでも、金融引き締めというように、自分たちの都合や趣味で、長期デフレ・超円高状況を好き勝手にできるような状況を放置しておけば、日本もいずれ中国のようになります。

中国のGDPはデタラメ、電力消費量からみれば
すでにマイナス成長に入っているという観測も・・・

中国は、幹部たちの都合で政治・経済が運営されています。そのため、ここしばらくブログで、批判してきたように、個人消費がGDPのわずか35%しかないというとんでもない状況になっており、これでは、インフラ投資が一巡して、めぼしい大規模投資がなくなってしまえば、経済はどん底まで落ち込んでしまいます。

というより、そもそも中国の経済はいびつで、インフラ投資で、官僚や官僚につながる民間業者などが、富裕層になり一般人民は、全く関係なく、いつまでも賃金が低く、地べたを這いずりまわるような生活しかできないというのが実情です。

日本もここまで酷くなるとは考えられませんが、それでも、財務省をこのまま放置しておき、10%増税が実行されたり、日銀がとち狂ってまた金融引き締め一辺倒になれば、日本経済は坂道を転がり落ちるように崩壊して、中国のように抜き差しならぬ状況に追い込まれることも十分考えらます。

だからこそ、公務員の賃金が割高なこの異常な状況に怨嗟の声をあげるなら、まずは財務省や日銀に対してあげるべきですし、怨嗟の声をあげるだけではなく、実際に来年参院選挙などで、増税阻止、日銀法改正を主張する候補者に票を投じるべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

日本経済は、マスコミや財務官僚、識者などが歪めて伝えていまうので、誤りをそのまま信じてしまうことも多いです。それを防ぐための、用語集ならびに、まともな経済運営がされることを前提とした地方の活性化に関する書籍を以下に掲載させていただきます。

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2015年10月17日土曜日

【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!


16日、ホワイトハウスで記者会見する韓国の朴槿恵大統領(左)とオバマ米大統領

韓国の朴槿恵大統領は16日、オバマ米大統領との首脳会談後の記者会見で、交渉が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)への韓国の参加問題について「(米韓は)今後緊密に協力していくことにした」と述べた。ただ、オバマ氏は記者会見で韓国の参加問題には言及しなかった。

韓国では日本との輸出競争上の危機感から、5日の大筋合意直後から参加を急ぐべきだとの論調が目立ち、政府も積極姿勢を示してきた。一方で韓国メディアは、議会での批准手続きが残っていることを理由に、米国がすぐには韓国と本格的な論議に入れないとの姿勢を見せていると報じている。

朴氏は米韓が「既に高い水準の自由貿易協定(FTA)を締結している」と述べ、TPPでも米韓が「自然にパートナーになれる」と主張した。

【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!

米国は、韓国だけではなく、中国に関してもTPPに加入させるつもりは全くありません。それは、下の記事をご覧いただければ、お分かりいただけるものと思います。
中国のTPP参加「基準達成に長い道のり」「時期尚早」 フロマン米通商代表
内閣府でフロマン米通商代表部代表(左)を迎える甘利明内閣府特命担当大臣
 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は15日の電話会見で、交渉が大筋合意に達した環太平洋連携協定(TPP)に中国が参加するのは時期尚早との認識を示した。「TPPが求める貿易や投資の高い自由化水準を中国が満たすには長い道のりが必要だ」と述べた。 
 フロマン氏は「TPP参加を望む国は、高い水準を受け入れることができると証明しなければならない」と強調。米中で交渉中の投資協定の成否が、中国のTPP参加資格の有無を測る「絶好の試金石になる」と述べた。米国は投資協定交渉で、TPPに匹敵する自由化を迫っているが、中国が難色を示し、協議は難航している。 
 フロマン氏は、TPPはオバマ政権が掲げる「アジア重視戦略」の要だと説明。「米議会のメンバーもTPPの重要性をよく分かっている」と述べ、協定発効に必要な議会の承認獲得に自信を示した。(共同)
米国は、なぜ中韓をTPPに入れなかったのか、そうして時期尚早としたのでしょうか。それに対するはっきりとした声明などありませんが、私のわかる範囲で分析してみます。

おそらく、以下の二点において、アメリカは中韓はふさわしくないと考えているのだと思います。

中国はなぜ加入できないのか

まずは、中国の個人消費がGDPに占める割合は、35%に過ぎないということです。これは異常に低いです。日本などの先進国では60%前後というのが普通です。アメリカは、70%台です。個人消費が低いということは、本来の意味ではそれだけ経済があまり発展していないことを意味します。

中国のGDPのほとんどは、インフラ投資によるものであり、個人消費は、2000年くらいまでは、もともと低いものの40%くらいはあったのが、GDPが伸びても消費は伸びなかったので、35%程度にまで落ちています。

中国では大規模インフラ投資案件がなくなれば、GDPもかなり小さくなるということです。実際、昨年あたりから不動産バブルが崩壊し、実体経済がかなり悪くなっています。政府は、7%成長を新常態として、これを守るといっていますが、中国の経済統計はそもそもデタラメなので、イギリスのある調査会社では、マイナス成長だったのではという推計をだしているくらいです。

中国は、個人消費をなおざりにして、インフラ投資ばかり繰り返し、それがおしまいになると、経済は悪化するばかりです。

韓国も中国ほど低くはないですが、これもかなり低いです。50%台です。これは、ロシアと同程度です。

この程度では、あまりに他国と水準が異なり過ぎます。これでは、TPP加入はかなり無理であるといわざるをえません。

韓国はなぜTPPに加入できないのか

さらに、輸出がGDPに占める割合を平成14年度の数字でみてみると、韓国は43.87%、中国は韓国ほどではないですが、22.28%です。興味のあるかたは、世界の輸出依存国別ランキングをご覧になってください。

これに比較すると、米国は9.32%です。日本は、15.24%です。日本より、輸出の低い国は米国くらいなものです。

個人消費が少ない、輸出が多いということは何を示すかといえば、経済の脆弱であるということです。個人消費が少なければ、実体経済もかなり問題があることは容易におわかりになると思います。

輸出に関しては、何やら輸出が多ければ良いことのようにとらえている人もいますが、実体はそうではありません。GDPに占める輸出の割合が多いということは、外国の情勢に大きく左右されるということです。個人消費が多くて、内需が大きいということは、外国経済に左右されにくいということです。

まさに、韓国は輸出にあまりにも大きく頼りすぎていて、外国で何かあれば、途端にとんでもないことになります。実際、日本が2013年から金融緩和に踏み切ったところ、それまで、ウォン安、円高だったのですが、今や逆転してしまい、韓国の経済はすっかりおかしくなってしまいました。

韓国といえば、とにかくグローバル化戦略などとして、輸出を振興してきましたが、内需を高める努力は怠りました。それがアダとなって、今では経済が悪化しています。

結局中韓は個人消費をないがしろにしている

韓国も、個人消費はなおざりにして、インフラ整備やグローバル化ばかり繰り返し、外国の影響をもろにかぶる体質になってしまい、今や元は本来高くしなければならないのですが、それをしないため中国はインフレ、韓国はウォン高で苦しんでいます。

TPP 加盟国のうち、経済があまり良くない国もありますが、経済の規模にもよりますが、いずれにしても中韓のようにこれだけ、個人消費を犠牲にして偏った経済の国はありません。

そんなことから、中韓のTPP加入はまだまだ時期尚早です。

中韓の経済を良くする処方箋はあるのだが・・・・・

中韓の経済をまともにする処方箋は決まりきっています。両国とも、中間層をもっと増やしそれらが、社会・経済活動を活発にできるようにすれば良いのです。

中国であれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めれば、中間層が増えて、社会経済活動も活発化します。今までが、今までだったので、少しでもこの方向に進めば、実体経済は必ず良くなります。

韓国の場合は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関しては、中国よりは進んでいますが、それでも先進国から比較すれば、遅れているので、それを推進すべきです。それとともに、グローバル化の推進一辺倒から、内需を拡大する方向に舵を切り直すべきです。

サムスンなどのグローバル企業ばかり育成しようとしても、結局は脆弱な経済になるだけです。まずは、内需を拡大させるべきです。そのための方策はいくらでもあるはずです。

しかし、両国の首脳も、政府もこのようなことは、わかりきったことなのに、この方向に向かっての動きはまったくしようとしません。習近平は、反日とインフラ投資、朴槿恵は反日とグローバル化とりわけ、中国接近を馬鹿の一つ覚えのように繰り返すばかりです。愚かとしか言いようがありません。

であれば、中韓がTPPに参加すれば、とにかく韓国は、自国民を犠牲にしても、安い製品で他国から儲けることばかり考え、中国は外国へのインフラ投資をすることで儲けようとし、それを繰り返し、結局中韓もダメになり、他の国も悪影響を及ぼしてしまいます。

結局、両国ともその方向性は異なりますが、結局のところ個人消費をなおざりにしています。両国とも、一般国民の社会・経済活動はなおざりにして、経済がひどく偏り、今や破綻の一歩手前です。であれば、米国が中国や韓国をTPPに受け入れないのは当然のことです。

中韓をみていれば、内需をなおざりにする国は、一時経済が良くなったようにみえても、いずれ萎んでしまいます。

米国のように、個人消費を煽りに煽って、サブプライム・ローン問題のような過ちを犯すこともありますが、それにしても、こういう過ちさえ防ぐことができれば、強力な経済を維持することができます。

日本も、過去の酷いデフレなどもありますから、偉そうなこともいえないですが、それでも個人消費はGDPの60%前後をずっと維持してきていますから、中韓とは根本的に経済の構造が異なります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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中韓のTPP加入などあり得ません。それどころか、中韓の経済はもう瀬戸際です。崩壊するのは予定帳場となりました。もう、秒読み段階です。今後、日本が気をつけなければならないのは、経済だけではなく、中韓からの偽装難民です。以下に、それらを納得していただける書籍を掲載しました。

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2015年10月16日金曜日

「隙間風」吹く米韓、朴大統領が国防総省へ初訪問 「強固な関係」演出に腐心―【私の論評】最早韓国の役割は日米にとって、単なる対中国・北朝鮮の防波堤くらいのものでしかない(゚д゚)!


米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターを訪問した
韓国の朴槿恵大統領(左)=14日、米メリーランド州
訪米中の韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領と米政府は、「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の配備問題などをめぐり、“隙間風”が吹く米韓関係の強固さを演出することに傾注している。

朴大統領は15日、国防総省での歓迎式典に臨み、同行している韓民求国防相はカーター国防長官と会談。朴大統領の国防総省訪問は初めてで、それ自体に米韓同盟の強固さを印象づける狙いがうかがえる。

カーター国防長官(左)と朴槿恵
 THAADについてラッセル国務次官補は14日の記者会見で、16日の首脳会談で「取り上げられる可能性は低い」と述べた。国防相会談では協議されるとみられるが、配備に反対する中国の圧力を受ける韓国側の立場に配慮し、内容が公表されない可能性もある。

 朴大統領が9月、中国で行われた軍事パレードに出席したことに先立ち、米政府は出席を見合わせるよう働きかけた経緯がある。だが、14日の記者会見に同席したリッパート駐韓米大使は「中国との建設的な関係を構築することは、共通の利益だ」と配慮を見せた。

一方で、ラッセル次官補は「日韓の協力は米国にとり戦略的な優先事項だ」と語り、首脳会談でオバマ大統領が日本との関係改善を改めて促すと説明した。

朴大統領は14日、ワシントンの朝鮮戦争戦没者慰霊碑を訪れ、ケリー国務長官らが顔をそろえた米韓友好のイベントでは、同盟のさらなる発展を強調した。

また、メリーランド州にある米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターでは、米韓の協力を、宇宙開発などの「ニューフロンティア」(新天地)に拡大させたいと表明した。

その一環で首脳会談では、北朝鮮によるハッカー攻撃への対処を主眼に、サイバー・セキュリティー分野での協力も合意される。

【私の論評】最早韓国の役割は日米にとって、単なる対中国・北朝鮮用の防波堤くらいのものでしかない(゚д゚)!

米国側からすれば、朴槿恵は数年前から、中国に接近をはかり、さらに米国をはじめほとんどの欧米諸国が参加をみあわせた9月の中国における中国の対日戦勝70年軍事パレードにも出席したということで、今更何をしにやってきやがったというのが正直な感想だと思います。

これに呼応するように、ブログ冒頭の記事に掲載されている以外にも、朴槿恵の訪問に関して厳しい対応の数々がありました。

まずは、ベトナム戦争時における韓国軍によるベトナム人女性に対する性的暴行に関するものです。これに関しては、産経新聞の他の記事で以下の様な記事が掲載されていました。
【朴槿恵大統領訪米】ベトナム戦争時に韓国軍兵士から性的暴行 被害女性らが朴大統領に謝罪求める
 在米ベトナム人の団体が15日、ワシントンで記者会見し、ベトナム戦争当時、韓国軍兵士から性的暴行を受けたというベトナム人女性らが、訪米中の朴槿恵(パク・クネ)大統領に謝罪を求めた。記者会見にはベトナム人女性4人が、テレビ電話で参加した。 
 このうち66歳の女性は、「薪を集めていたときに兵士に襲われた。その後妊娠し1970年に出産した。働くこともできず、子供に教育を受けさせることもできなかった」と訴えた。 
 また、60歳の女性は「家族でお茶やバナナなどを売る店を営んでいた。韓国兵士が来て母親が暴行され妊娠し、69年に男の子を産んだ。その後、私も暴行を受け71年に息子を出産した」と証言した。 
 被害者を支援するノーム・コールマン元上院議員は被害者の数を「数千人」と見積もり、このうち生存しているのは「約800人」だと説明している。 
 団体と被害者の女性らは朴大統領の訪米の機会をとらえ声を上げたもので、15日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに、被害者に対する公式な謝罪を朴大統領に求める広告も掲載した。
韓国軍は、女性に対する性的暴行に及ばずベトナム各地で虐殺事件もおこしています。それに関する図を以下に掲載します。

クリックすると拡大します

中国との関係を強化し、日本には反日を繰り返す浅ましい韓国は、さすがに米国にみはなされつつあるようです。朴槿恵をはじめ、過去に韓国の大統領は何度もアメリカを訪れていましたが、今回のようにベトナム系住民が大統領に謝罪を求めるなどのことははじめてのことだと思います。

ベトナム系アメリカ市民は、機会を狙っていたのだと思います。かつての韓国が反共の防波堤を自認して、朝鮮戦争を戦い、さらにベトナムにも派兵していたときには、この問題もアメリカではあまり大きな扱いを受けませんでした。

しかし、韓国が1990年代より、組織的な反日活動に突っ走り、それだけではなく、最近で中国に急接近したこの時期は、まさにこのような問題を訴えるのに時宜を得ていたのだと思います。

その他にも、韓国に対する冷たい仕打ちがありました。それは、米、戦闘機技術の韓国への提供拒否です。

これも、産経新聞に掲載されていましたので、その記事を引用します。
米、戦闘機技術の提供拒否 韓国に通告 国防相会談
F35
 韓国が独自開発中の戦闘機(KFX)に必要な先端技術について、韓国に提供を求められた米国が国防上の理由から拒んでいる。15日にワシントンで韓国の韓民求国防相がカーター米国防長官と会談し、あらためて協力を要請したがカーター氏は「難しい」と応じず、開発のつまずきが確実になった。韓国国防省が明らかにした。 
 米国防総省は15日、訪米中の朴槿恵大統領の訪問を栄誉パレードで歓迎し米韓同盟が強固だとアピールしたが、朴氏に同行した韓氏の求めは聞き入れなかった。 
 韓国は2014年9月に次期主力戦闘機としてロッキード・マーチンからF35を約7兆3千億ウォン(約7700億円)で40機購入する契約を交わした。その際、KFX開発に必要な25の技術の提供を韓国が受ける約束をしたとされる。

しかしことし4月、米政府が、従来のレーダーより広範囲、遠距離の標的探知が可能なレーダーなど四つの技術の提供を許可しない決定を出した。

米国がこのような対応をするのは、当たり前ですね。中国と接近している韓国です。韓国に戦闘機技術を提供すれば、韓国経由でその技術が中国に移転されてしまうことなど十分に考えられます。 ブログ冒頭の記事にあった、「高高度防衛ミサイル」(THAAD)だって同じことです。これを韓国に配備すれば、それこそ、中国にコピーされかねません。

朴槿恵は、韓国が中国と接近することの意味をわかっているのでしょうか。そんなことは理解してはいないようです。

ブログ冒頭の記事で、ラッセル次官補は「日韓の協力は米国にとり戦略的な優先事項だ」と語っていることが掲載されていました。これは、わかりやすくいえば、「いい加減、『告げ口外交』や『反日政策』はヤメロ。日本と仲良くしろ!」ということでしょうしかし、「反日」をライフワークとする朴氏は、米国の忠告に素直に従うことはないでしょう。

ラッセル次官補

日米としては、このやっかいな韓国は、単なる防波堤くらいに考えて、そうして中国・北朝鮮との緩衝地帯になればそれで良いと考えるべきと思います。

韓国への援助などは、一切断ち切るものとして、ただし防波堤の役割がありますから、防波堤が崩れた場合には、それを修理するだけであとは何もしないというのが最も良いやり方だと思います。防波堤は、韓国という国でも、韓国人でもありません、中国と北朝鮮が発する大きな波を最初に受けて立ち、日米への影響を少なくする防波堤であり、それ以上でもそれ以下でもありません。

日中韓の首脳会談が、開催されるかもしれませんが、安部総理は米国と変わらず、中韓に対しては冷たい態度でのぞみ、つけいる隙を全く与えないという姿勢で望むべきです。中国は日本にとって仮想敵国ですし、韓国はその仮想敵国に接近する国であり、日本にとっては防波堤以上の役割のない国です。

私は、そう思います。みなさんは、どう思われますか。

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「朴大統領」年頭会見に「産経」抽選で選ばれるも、出入り禁止…日本メディアは「質問機会」与えられず―【私の論評】朴槿恵の年頭記者会見では、今年も昨年に引き続き露骨な日本虐め!この国は、もう構うな、捨て置け(@_@;)






【関連図書】

韓国がなぜ、日米にとって防波堤程度の国にしかなり得ないのか、それを納得できる書籍三冊を以下に掲載しました。

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2015年10月15日木曜日

翁長氏、国連で「民族自決権」の危険極まる言動 H・S・ストークス氏緊急激白―【私の論評】翁長、中国におもねってどうする!馬鹿の一つ覚えしかできない中国に未来はない(゚∀゚)


翁長知事は、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した=13日

沖縄県の翁長雄志知事は13日、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消した。防衛省沖縄防衛局はこれを不服として、14日中にも行政不服審査法に基づく審査請求と効力停止を石井啓一国交相に申し立てる方針。政府と沖縄県が「全面対決」するなか、翁長氏の危険極まる言動について、米紙ニューヨーク・タイムズや、英紙フィナンシャル・タイムズの東京支局長を歴任した、英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏が緊急激白した。

翁長氏がついに、辺野古沖の埋め立て承認を取り消した。

菅義偉官房長官は13日、「(仲井真弘多)前知事から行政の判断は示されており、法的瑕疵はない」と記者会見で語っていたが、まったく同感だ。翁長氏は完全に一線を越えてしまった。

これまで何度も指摘してきたが、辺野古移設は「世界一危険」といわれる普天間飛行場の危険性を除去しながら、沖縄の基地負担を軽減し、日米同盟の抑止力を維持する「唯一の策」だ。中国は1990年代以降、国防費を毎年10%前後増加させ、沖縄・尖閣諸島周辺に艦船を連日侵入させている。沖縄本島への領土的野心もあらわにしている。

翁長氏は、沖縄の地政学的重要性も考えて判断すべきだが、聞く耳を持たなかった。安全保障に対する意識が欠落しているのか、何らかの意図や背景があって目を閉ざしているかの、どちらかだろう。

こうしたなか、翁長氏の看過できない、恐ろしい発言を知った。

翁長氏は先月21日午後(日本時間22日未明)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で、辺野古移設に反対する演説を行った。日本の新聞は、翁長氏の「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」という発言を報じていたが、正確には「自己決定権」という部分で「self-determination」という英語を使ったのだ。

この英語は、国際法上の権利用語であり、正確には「民族自決権」と訳し、「植民地や従属地域からの分離、独立」を意味する。つまり、翁長氏は国連で「沖縄県民は独立民族だ」「沖縄は植民地」「沖縄には日本から独立する権利がある」と宣言したようなものだ。

歴史的に、民族自決権を求める戦いは「武装蜂起」や「大量虐殺」など、悲惨な結果をもたらしてきた。コソボ、セルビア、ボスニア、ソマリア…。翁長氏はどういう意図で「民族自決権」という言葉を使ったのか。知恵をつけた人物や組織があるのか。沖縄が大混乱して喜ぶ国はどこか。

このような妄言を振りかざすリーダーを持つとは、沖縄の将来は暗澹(あんたん)たるものと言わざるを得ない。沖縄に迫る危険性について、日本国民、特に沖縄県民は深刻に受け止めるべきだ。
【私の論評】翁長、中国におもねってどうする!馬鹿の一つ覚えしかできない中国に未来はないぞ(゚д゚)!

 H.S.ストークス氏
翁長が国連の人権委員会でとんでもないことを語ったことはこのブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「沖縄で人権侵害ない」「知事は尖閣狙う中国の脅威を無視」 国連人権理で辺野古賛成派が反論―【私の論評】完璧に習近平の走狗に成り果てた愚か者翁長(゚д゚)!
22日、スイス・ジュネーブ人権理事会で演説する名護市民の我那覇真子さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、翁長が人権委員会において、沖縄で人権侵害が行われていると訴えたのに対して、名護市民の我那覇真子さんがその反対の演説を行ったことを掲載しました。

この記事の結論部分のみを以下に引用します。
習政権を後ろ盾とする翁長知事が独立をチラつかせ、基地の移設だけではなく、尖閣問題に異論を唱えだす可能性も高いです。本年4月5日に普天間移設工事の対立を危惧した菅義偉官房長官が初会談に及びましたが、この裏テーマは沖縄県が中国の傘下とならないよう、翁長知事の腹を探るためでもあったと考えられます。 
それにしても、翁長は、沖縄で人権侵害しているなどと訴えるなら、その前にまずは、中国における、酷い人権侵害を訴えるべきです 
沖縄に人権侵害などありません。中国こそ、民主化、政治と経済の分離、法治国家化もなされておらず、酷い人権侵害が横行しています。先日も、人権派弁護士が大量に拘束されたばかりです。 
以上のようなことを考えると、翁長は完璧に習近平の走狗に成り果てた大馬鹿者であるということができると思います。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
さて、ストークス氏はブログ冒頭の記事で、翁長氏が国連の人権委員会で民族自決という言葉遣ったことについて、「歴史的に、民族自決権を求める戦いは「武装蜂起」や「大量虐殺」など、悲惨な結果をもたらしてきた。コソボ、セルビア、ボスニア、ソマリア…。翁長氏はどういう意図で「民族自決権」という言葉を使ったのか。知恵をつけた人物や組織があるのか。沖縄が大混乱して喜ぶ国はどこか」と述べています。

しかし、様々な状況証拠からして、知恵をつけた人物は中国のいずれかの高官であり、沖縄が大混乱して喜ぶ国は中国以外にあり得ません。

翁長が沖縄におもねっているのは、明々白々です。

そうして、翁長をはじめとする、沖縄民族自決派には、はっきり断言したいことがあります。

まずは、現在琉球列島に住む人々のDNAの遺伝系統は台湾や大陸の人々とのつながりはなく、「日本本土」により近いということです。

この事実は、あの反日新聞「琉球新報」の記事に掲載されていたものです。
 琉球大学大学院医学研究科の佐藤丈寛博士研究員、木村亮介准教授、北里大学、統計数理研究所の共同研究チームが、現在の琉球列島に住む人々の核ゲノムDNAを解析した結果、遺伝的に琉球列島の人々は台湾や大陸の人々とつながりがなく、日本本土により近いという研究成果を発表した。
 琉球大学が16日、発表した。また、沖縄本島から宮古、八重山諸島へ人々が移住した時期をコンピューターで計算した結果、古くても1万年前以降と推定。宮古のピンザアブ洞穴人(2万6千年前)や石垣の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴人(2万年前)は、現代の宮古、八重山の人々の主要な祖先ではないと結論付けた。 
 これまで、骨や一部DNAの分析から、琉球列島の人々は中国や台湾より日本本土の人々と近いとする研究成果が発表されてきたが、今回、初めて全ゲノムを網羅した解析によって同様の結果が導かれた。今後の琉球列島の人々の起源を探る研究の一助として注目されそうだ。 
 研究チームは、現在の沖縄、宮古、八重山諸島出身者数百人からDNAを採取し、ヒトゲノム全域に分布する60万個の単一塩基多型(SNP)を解析した。その結果、琉球列島の人々と台湾先住民は別系統の集団で、地理的に近接する八重山諸島の人々も台湾先住民との間に直接の遺伝的つながりがないと結論付けた。 
 港川人についても同チームは「琉球列島の人々と漢族が分岐した年代が縄文時代以降であると推定されたことから、沖縄諸島の人々の主要な祖先ではない可能性が高いと思われる」と推測し、今後さらなる精査が必要としている。 
<用語>ゲノム
親と似た性質を子に伝える「遺伝」という仕組みの元になる情報のこと。細胞の核の中に、2本一組の鎖状のDNAという分子があり、鎖には塩基という物質が並んでいる。塩基はアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類で、その並び順(配列)が遺伝情報になる。配列に従って約10万種類のタンパク質や酵素がつくられ、体を形作る約60兆個の細胞の材料になったり、体の働きを制御したりする。
もともと、血縁関係も何もない、中国などに翁長などの沖縄独立派が、おもねること自体が何の根拠もないことになります。 また、系統的にも日本の本土に近いということから、沖縄が中国などの領土である必然性など全くありません。

次に言っておきたいことは、もう現中国の体制は崩壊寸前にあることです。それは、昨日このブログに掲載したばかりです。

詳細は、昨日のブログに掲載したので、それを読んでいただくものとして、かいつまんでいうと、中国のGDPに占める個人消費の割合は、現状では35%程度に過ぎないというとんでもない事実から中国の現体制の崩壊は近いうちに必ずおこるというというものです。

下のグラフをご覧ください。1998年から2011年というと、日本は酷いデフレでモノが売れず、格差がひどくなったとされています。


ところが、この期間の中国は、GDPが伸びていたにもかかわらず、個人消費は横ばいどころか、下がっています。

2010年には、中国のGDPは日本を追い抜いて世界第二位になったとされていますが、それでも上のグラフで見てわかるように、個人消費は35%前後の推移でした。

これは、何を意味するかといえば、中国のGDPのほとんどは、多額の資金を投入して、インフラ投資を行った結果であるということです。要するに、鉄道、道路、港、電気、下水道、空港などの大規模工事を行った結果であるということです。

そうして、このような工事が行われても、個人消費はほとんど伸びないというとんでもない結果に終わっており、これは何を意味するかといえば、インフラ整備を当面することがなくなれば、中国のGDPは現在の35%の個人消費の水準近くまで落ち込むということです。

そうして、最終的には、個人消費の実数は変わらないどころかさらに下がり、GDPがおちこみ、そのことによって中国の個人消費は現状の35%から、60%前後にまで増えることになるでしょう。その頃には、中国のGDPは現状の半分程度にまで落ちこむかもしれません。

そうして、日本は上のグラフでみてもわかるとおり、デフレの間であっても、個人消費が60%近くあったということを考えてみれば、これからの中国がとんでもないことになることは良く理解できます。

中国で、大規模インフラ投資が一巡したあとには、とんでもなくGDPが落ち込むことになります。

日本や欧米などでは、終戦直後から20年から30年で大規模なインフラ投資を終えていましたが、個人使用費が大きく、インフラ整備も全くなくなるというわけではないので、その後GDPが極端に落ち込むということはありませんでした。ただし、日本は例外的に、日本銀行の金融政策の大失敗でしばらくの間酷いデフレが続きましたが、それでも、個人消費は60%近くありました。

今後中国の景気がインフラ工事がなくなる分落ち込みますが、個人消費がもともと35%しかないので、日本よりもさらにかなり酷いことになりそうです。

これに対する処方箋は、昨日の記事にも掲載したように、民主化、政治と経済の分離、法治国家化をある程度すすめて、中間層を育成し、この層の社会・経済活動を活発化させることです。

しかし、習近平をはじめとする中国の共産党政府の幹部はあまりに頭が悪すぎて、このことが全く理解できておらず、経済発展というと、インフラ投資しか思い浮かばないようです。

中国の馬鹿の一つ覚えの象徴、誰もすまない住宅街を中国では鬼城と呼ぶ

そうなると、中国のGDPはいずれ、現状の半分以下になることも予想されます。そうなると、今までは儲けさせてくれた、中国共産党政府に対して忠実であった富裕層も離反することになります。そうなると、現在の体制の崩壊ということになります。さらに、中国自体が分裂するということも十分に考えらます。

こんなことは、中国の高級官僚も十分承知しているようです。中国の将来に失望した彼らは、妻子を欧米に移住させて、移住先に中国でせっせとためこんだお金を送金して、いつの日か自らも妻子の移住先に逃亡しようと企てています。こういう官僚を中国では久しく以前から、裸官と呼んでいます。実際にそうした者も多数存在します。

そんな中国におもねる、翁長などの沖縄独立派は、何といえば良いのか・・・・。はっきりいえば、時代錯誤の守旧派というところです。中国はこれからまだまだ発展するという、昔の幻想に取り憑かれたままです。まあ、一言でいえば、まともな経済対策すら覚束ない中国の馬鹿で頭が硬直した幹部と同じ、頭なしというところだと思います。

翁長などの沖縄独立派が、中国におもねったにしても、その中国は近いうちに、この地上から消え去るかもしれません。そんなときに、沖縄の最大の問題は、中国人の移民問題になるかもしれません。そんなことも翁長は、考えられないほど、頭が硬直しているのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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