2010年9月10日金曜日

初のペイオフ発動=日本振興銀が経営破綻-預金保護1000万円と利子まで―マクロ経済に疎い素人でもけじめをつけさせるためには銃殺刑か?

初のペイオフ発動=日本振興銀が経営破綻-預金保護1000万円と利子まで(この内容すでにご存知の方は、この項はよみとばしてください)

会見する日本振興銀行の小畠晴喜
経営再建中の日本振興銀行(東京)は10日、6月末時点で1870億円の債務超過に陥ったとして自主再建を断念、金融庁に経営破綻(はたん)を申し出た。これを受け、金融庁は同行に10日から12日までの業務停止を命令、預金保険機構を金融整理管財人に選任した。政府と機構は振興銀の破綻処理で、預金保険法に基づき預金の払い戻し保証額を元本1000万円とその利子までに限定する「ペイオフ」を初めて発動した。振興銀は10日、東京地裁に民事再生法の適用を申請する。

政府は、振興銀処理でペイオフを発動しても日本の金融システム全体に与える影響は大きくないと判断。自見庄三郎金融担当相と白川方明日銀総裁はそれぞれ、「日本の金融システムの安定性に影響を与えることはない」との談話を発表した。

ペイオフ発動は1971年に預金保険制度が創設されて以来、初めて。元本1000万円とその利子分を超える預金は、支払いが一部カットされる可能性がある。これに該当する同行の預金者は全体の約3%の3560人、預金量では471億円(うち元本1000万円と利子分を超える金額は100億円程度)となる見通し。週明けから預金の払い戻しに応じられるよう、12日まで預金口座の名寄せなどの作業を進める。

マクロ経済に疎い素人でもけじめをつけさせるためには銃殺刑か?

小畠晴喜氏(ペンネーム:江上剛氏)は、作家転身前は銀行マンでした。早大卒後、1977年に旧第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入り、築地支店長などを歴任しましたた。97年に第一勧銀が総会屋に利益供与していた事件が発覚した際には、広報部次長として行内の改革を訴え、「改革4人組」と呼ばれた中堅行員の一人でしたた。当時の様子をもとに描かれた高杉良氏の小説「金融腐食列島」の主人公のモデルの一人とされます。

2002年、合併を前に大リストラを進める銀行の現場を描いた小説「非情銀行」で作家デビュー。03年にみずほを退職し、作家業に専念しました。木村剛容疑者らが「大手銀行が中小企業の資金需要に応えていない」として設立した振興銀の理念に賛同し、木村容疑者の要請を受けて04年6月から振興銀の社外取締役に就いています。

少しでもマクロ経済をかじっていて、日本の経済の実態を分かっている人なら、誰でも、この日本振興銀行の設立の理念である「大手銀行が中小企業の資金需要に応えていない」は、全くの間違いであったことは理解できると思います。

このブログを読まれている方には、過去に経済の問題もかなり掲載してきましたので、私のこれから言うことはもうおわかりだと思います。

平成になってから、20年以上も、デフレ基調が続いています。要するに、日本は現在生産能力が需要を上回って存在しています。それが、デフレギャップとなっているわけです。これを克服しない限り、景気の浮揚はありえません。

この過剰な生産設備は、主に多数の中小企業が担当しています。ですから、例外はいくつもあったとしても、全体的には、「大手銀行が中小企業の資金需要に応えていない」いないのではなく、大手企業も貸し手がいなかったというのが実体だったのです。

何か世の中の人は、日本にお金がないように勝手に思い込んでいるようです。しかし、これだけお金があって、だぶついている国は他にありません。ただ、デフレが進行していて、需要が少ないというだけです。

こんなころに、お金を貸しますと言って、新たな銀行を設立したからといって、実体は何もかわりません。

この状況については、以前、ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマンのインタビューの記事を掲載したときにも説明しました。

私が以前からこのブログて掲載し続けてきましたし、ポール・クルーグマンもこのインタビューのときに語っています。

「実は、日本の不況の原因は、マクロ経済学がやるべきだと説いていることを実行しないことにあるのです。

まず必要なのは、経済を回復軌道に乗せうる、大型の財政刺激策です。これはアメリカではまだ行われていないし、日本でもまだまだです。1990年代を通して、少しずつやったに過ぎません。

また金融政策面では、日銀自体にやる気がないので大変難しいことですが、インフレ・ターゲット政策を採用させる必要がある。本当に人々が今後、年間1・5%でなく、4%の物価上昇率になると信じれば、景気回復に向かう可能性が大きいからです。4%はほぼ市場の期待値でもあります」

としています。いずれにせよ、このようなデフレの時期には、まずは政府が大型の財政刺激策をとらなければ何事も始まらないのです。

さらにクルーグマン氏は、「中央銀行の独立性への介入に関しては、もはやあれこれ躊躇すべきではありません。日本のGDPデフレーター(名目GDPを実質GDPで割った値。経済全体の物価動向を示す)は、ここ13年間、下がりっ放しです。それなのに今、日銀が重い腰をあげないというなら、(その責任者たる総裁は)銃殺に処すべきです」とまで言っています。

さて、日本振興銀行については、先程いったように、設立の理念からして間違っていたわけです。要するに、この銀行を設立したり、設立にかかわった人たちすべてが、その当時や、現状の日本のマクロ経済のありかたを全く知らなかったということです。愚かなことです。

この銀行を設立したときから、日本にはお金が有り余っていて、デフレギャップが存在し需要がないなかで、金貸しをしたってうまくいくはずがないです。おそらく、金を貸すにしても、本当に信用状況の悪い企業にしかかせなかったと思います。

それにしても、先の日銀トップを銃殺にしろという話は極端て、譬え話にすぎないのですが、日本国政府は、まずは今までなかったような、財政刺激策をとり、デフレギャップを解消する必要があります。そうして、日銀は、ある程度のインフレは許容しなければならないのです。政府が強力な財政を打ち出したとても、日銀が緩めの金融政策をして、ある程度のインフレを甘受する姿勢でなけば、とても、とてもデフレは克服できません。

インフレになればどうなるかわかりますよね。簡単にいえば、資産を持っていたって、それが目べりするわけですから、それを土地でも、何にでも投資しようとしますね。全く当たり前のことなんですが、現在は全く反対のデフレの状況にあります。投資したら、何らかのリスクは必ずあります、であれば、手元においておけば、価値が下がらないであるわけどころか、さらにあがるのですから、誰も投資しませんね。

日本振興銀行の設立者たちや、途中から社長になった木村剛こんな簡単なこともわからなかったわけです。そうして、小説家の現社長もわからなかったということです。

マクロ経済学的な見方をすれば、この銀行最初から成り立つわけてはなかったわけで、設立者も、木村剛も、現社長も、マクロ経済学的にはど素人だったということです。木村剛は、もとは、単なる官僚であり、官僚が銀行をやってもだめだったということです。今の小説家の社長も、結局は昔銀行にいたというだけで、マクロ経済的な見方ができないど素人だったということです。ドラッカー氏は日本の金融機関は、欧米と比較すると遅れていて、赤ん坊なみと言っていましたが、本当にそうなのだと思います。まあ、平たくいえば、商売を知らないという事です。




サンプロはなぜ外資の手先ばかり出すのか?
今でもホリエモンを称賛する木村剛と竹中平蔵

しかし、こうした素人たち、自らの無知蒙昧を意識せず、銀行をたてて、日本国内では、始めてペイオフになるということで、多くの人に迷惑をかけたことになると思います。

こういう素人も、実害を及ぼしたわけですから、先程の日銀トップの銃殺ではないですが、やはり、銃殺刑に処するべきではないでしょうか?竹中平蔵氏もこの銀行の設立に関わっていたそうで、彼も銃殺かな?

まさに、この例、官僚は実業はわかっていない、小説家の社長も昔銀行にいただけで、本当の実業は何もわかっていなかったということです

この銀行が破綻したことにより、私が以前から、このブログで再三掲載してきたマクロ経済的な見方や、クルーグマン氏の日本経済ついて語っていることが正しいことが、さらに、強力に証明されたと思います。でも、考えて見れば、この人達を銃殺にしても仕方ないのか・・・・・。一番罪があるのは、平成が始まって以来、ある程度の財政出動をした、小渕さん、麻生さん以外の結局緊縮財政をした歴代の総理大臣なのだと思います。

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