以前GIGAZINEで2万円を切るハイビジョンテレビが登場したことや、年末商戦で国産のハイビジョンテレビが半額以下になったことをお伝えしましたが、いずれもアメリカのことで、日本のユーザーは指をくわえて見ているしかありませんでした。
しかし今回、為替の暴落を受けて5万円台半ばで販売されている47インチの高画質液晶テレビなどを日本からも購入できることが明らかになりました。
※16:40に修正しました
詳細は以下の通り。
(韓国語)Haier HLT-47VFH7 HD- Danawa.com
このページによると、9月に起きた金融危機以降続いている円高ドル安とドル高ウォン安を受けて、韓国で82万8000ウォンで販売されている47インチの液晶テレビが約5万6000円となるなど、非常に安価で購入できるようになっているそうです。
この液晶テレビは47インチという大画面に加えて、高画質で定評があるIPS方式のパネルを採用しており、5000:1の高コントラスト比や8msの反応速度などを実現しているとのこと。
また、日本のユーザーでも以下の輸入代行業者などを介して購入することが可能となっていますが、現在は残念ながら注文が殺到したため一時注文受け付けを中止しています。
韓ショップ - 韓国個人輸入代行・韓国商品・韓流グッズ・韓国ショッピング [kanshop.com]
ちなみにB-CASカードスロットなどの問題があるため、テレビとして利用するには地上デジタル放送などの視聴にはチューナーを組み合わせる必要があると思われますが、パソコン用のモニタとして活用してみるのも面白いかもしれません。
なお、残念ながら梱包後の重量が30kgを超えていることから国際スピード郵便を用いることができなくなるため、47インチモデルの液晶テレビを上記業者を用いて個人輸入で購入することは非常に困難となっており、購入できるサイズは、より小さなモデルとなるようです。
また、購入後のサポートや対応電圧の問題、過去の不良があったモデルなどは以下のリンクが参考になります。
韓ショップ - 液晶モニターについての重要お知らせ
円高メリットと構造的変化
上のサイトだと、32インチだと、3万円台くらいで購入できます。私の考えでは、来年の4月あたりからは、32インチで2~3万円台で、普通の家電量販店で韓国製とか、中国製のものが普通買えるようになると思います。このようなことにより、日本市場でも外国製の格安製品がどんどん売られるようになると思います。
このようなことで、日本市場にも海外製に抵抗がなくなれば、サムソンなども再進出してくると思います。サムソンは、アメリカ、ヨーロッパ市場ではそれなりの地位を得たものの、日本市場では、けんもほろろという感じでほとんど売れなかったようなので、昨年撤退したばかりです。
今年の10月くらいから、金融危機で株安円高となりましたが、これらの実体経済への影響はまだ序の口に過ぎず、来年4月から本格的になると思います。ただし、悪いことばかりではありません。円高に関しては、悪いことばかりがいわれていますが、良い面も出てくると思います。
それは、まず消費者レベルで、輸入商品が安く買えるようになるということです。上記のテレビの例は、まさにその魁(さきがけ)です。半導体などはもうすでにその傾向が顕著です。つい最近まで数百円だった、2ギガバイトのminiSDカードが今や100円以下で販売しているところもでてきました。
いろいろな産業で、円高の問題が取りざたされていますが、いずれすべての産業に円高メリットが効いてくると思います。たとえば、車産業にしても、今は円高で利益が飛んでいく状況ですが、鉄鋼など調達部品が安くなり、内製した部品なども海外から調達すれば、かなり安くなるということになります。
とは、いっても日本を始めとする、先進国においては、最早ただ車をつくるとか、テレビを作るということは、他新興諸国などと比較すれば、あまりメリットはないと考えられます。私たちの住んでいる社会は先進国はもとより、新興勢力もうすでに随分前から、知識社会に突入しています。知識社会とは富の主たる源泉が知識である社会をいいます。こうした社会では、知識、すなわち富の源泉が容易に移転できるということです。これは、構造的な変化であり、もはや後戻りできません。
先進国が、テレビや車を最新のテクノロジーで作ったとしても、それらはすぐに外国のメーカーに真似され、短期間のうちに同程度の製品はつくられてしまうということです。今回の金融危機は、それを目に見える形で私たちに突きつけているいると思います。
最近の先進国の車のメーカーや、家電メーカーの業績の極端な悪化は、こうしたことが背景にあるのだと思います。もう、そうした潮目を越えているのに、先進国のメーカーが知識社会以前の考え方で運営されていたということです。
そうなると、先進国の目指すのは、より高度な知識をつくりあげ、より高度な製品やサービスを提供する以外に道はありません。それは、たとえばバイオテクノロジーであり、ナノテクなどです。このような分野は、過去の知識の蓄積の時代から、応用の段階に入って、すでに製品化・商品化の段階を迎えつつあります。これをより一層早める必要があります。今は、こうしたことに公共投資など重点的に配分すべき時だと思います。
それから、もう一つ、見逃してはならないのは、社会問題への対処です。私たちというより、今まで金融馬鹿や賭博師達が全く無視してきた重要な問題である、社会問題、への本格的な対応です。日本国内でも、医療、少子高齢化、年金、食品の安全、農業、教育、第一次・二次産業の相対的地位の低下、都市部の凶悪な犯罪、格差社会、その他様々な問題が山積されていて、解決の糸口も見つかっていないようようなものから、これだけ科学技術が進んでいるので、まるで石器時代のような業務の取り組みが行われてるものがあります。
いくら、科学技術が進んで、液晶テレビの素晴らしいものが安く手に入ったり、高速インターネットが手軽にできるようになったとしても、不安定な社会であれば人は幸福になったり、あるいは幸福を追求することはできません。いくら個人が巨万の富を得ようとも、社会が荒廃していれば、真の意味で幸福を追求することはできません。
そうして、社会はどんどん高次元に変化していきます。ローマ帝国の一般庶民の幸福は、食事が満足にできることと、平和であることであったようですが、現在の社会ではこんなことではすみません。いろいな人の、いろいろなニーズが、しかも、解決しようとすればできなくはない、ニーズがたくさんあります。こうした多用なニーズを満たすためにも、社会問題を解決するためのインフラ整備や、システムの開発が喫緊の課題だといえます。これこそが、先進国の挑戦すべき事柄であり、もう元に戻れない構想的な変化です。
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