2011年5月10日火曜日

食の事件二題「団子」と「ユッケ」―【私の論評】なぜ、はっきりと危険性を発表したり、報道しないのか?

食の事件二題「団子」と「ユッケ」


山形の団子など食中毒で25人入院 5人からO157検出




山形県は10日、山形市七日町の菓子製造業「佐藤だんご屋」の団子などによる食中毒で、入院者が25人に増え、うち5人の便から腸管出血性大腸菌O157が検出されたと発表した。

県によると、入院した25人のうち10人が10歳未満。発症した人は計118人に上ったが、いずれも命に別条はない。

発症したのは、2日にかしわ餅を食べた保育園児や、3日に市内のイベントで出た団子を食べた客などで、7日ごろから腹痛や下痢の症状を訴え始めた。O157は3~4日の潜伏期間がある。

県によると、同店では、菓子の製造に当たりビニール製の手袋などを着用せず、素手で作業していた。

県は、7人が入院したことが判明した8日付で、同店を3日間の営業停止処分とし、施設の清掃や調理器具の消毒などを指導。10日に立ち入り検査した。



「ユッケ280円」安過ぎないか 「消費者は疑うべき」との声


   焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」のユッケ食中毒事件をめぐり、運営会社「フーズ・フォーラス」と食肉卸業者「大和屋商店」が責任をなすりつけ合う状況が続いている。

   そんな中、「ユッケ280円はさすがにありえない安さだ」という声が大きい。ここまでの安さは本来、実現可能なのか。

「A3クラス和牛のモモ肉なら安くても700円以上」

   有名チェーンのユッケの価格を見ると、「安楽亭」は1皿750円、「牛繁」は690円、「牛角」では表面に火を通した「タタキ風」が590円となっていた。いずれも事件後に販売を自粛している。それらに比べると焼肉酒家えびすの280円は圧倒的に安い。

   各社の報道では、細菌を取り除くために肉の表面を削る「トリミング」作業を行わず、細菌検査もしていなかったなど、フーズ・フォーラスの不十分な安全管理、過剰なコスト削減が指摘されている。

   5月10日放送のフジテレビ系「とくダネ!」では、えびす関係者の「ユッケは和牛だけど乳牛のを使っていると聞いた」という証言を紹介。また、大和屋商店が食中毒直前の4月中旬、ユッケなど生食には適さない「廃用牛」を仕入れていたという仕入れ先の話も併せて紹介している。

   5月20日号の週刊ポストには、次のような食肉流通業者の話がある。

「中堅以下やチェーン店ではモモ肉を使うケースが多い。(標準的とされる)A3クラス和牛のモモ肉は卸価格で1kg当たり2000円程度ですが、肉の表面部分は菌が付着しているので捨てなければならず、実際に使える部分は少ない。一皿(60~80g)なら、安くても700円以上になる。280円で出していたとしたら大赤字」

「値段で疑うのは難しい」

   ネット上では、安すぎる生肉には「疑ってみるべき」という声が相次いでいる。

「280円じゃ怖くて食べられない」

「安すぎじゃない?その値段に不信感持たなきゃだよー」

   しかし、一方で、

「安過ぎる生肉の刺身は今考えると怪しいだろと思うけど、店入ってメニュー開いたら、頼むんだろうな」

「あまり値段を見ないで注文することもあるし、値段で疑えというのは難しい」

など、消費者目線では疑いにくいとする嘆きも見られる。

【Jキャストニュース】

【私の論評】なぜ、はっきりと危険性を発表したり、報道しないのか?
つい最近、ユッケの事件があったばかりなのに、またまた、団子で食中毒です。しかも、O157が発見されています。ちなみに、ユッケの事件についても、新たな動きがありました。今回、ユッケを食べて、食中毒をおこして、死亡した人々の大腸菌のO111のDNAの型がすべて一致したそうです。であれば、店に運びこまれる前の、どこかの時点で、肉が菌で汚染されていた可能性が高いです。現在、警察が発生源をしらみつぶしに調査しています。

食べ物といえば、それこそ、口蹄疫、狂牛病、メラミン、毒餃子、ミートホープの食肉偽装、白い恋人、うなぎ産地偽造、こんにゃくゼリー、メタミドホス米、中国産毒餃子、中国地溝油など、ちよっと思いついただけでも、ここ数年で、このような問題があります。無論、国民の安全のため、国が規制するなどのことは必要だとは、思いますが、これだけ危険が溢れているということがわかっている以上、まずは、自己防衛が大事だと思います。なお、これら過去の事件について、下の【関連記事】に掲載してあります。読まれていない方は、是非ご覧になってください。

これら、食べ物事件に、また、新たな1ページが付け加えられることになってしまいました。団子といえば、しかも、山形のだんごですから、日本の伝統的なものであり、作るには、熱を用いますから、普通は、ビニール手袋など仮にしていなくとも、普通は、食中毒などありえません。何か他にも原因があるのではないかと思います。しかし、これは、本当に驚きです。まさかというところです。でも、団子のようなものでも、場合によっては、食中毒がおこることもあり得るということです。

次は、ユッケについて掲載しておきます。ユッケの定義をあげると以下のようなものです。

「原語読みでは「肉」はユク(육、Yuk)、「膾」はフェ(회、Hoe)の発音で、連音化して「ユッケ」と聞こえる。「膾」は獣や魚の生肉を細かく刻んだもの(「なます」や刺身の一種)の意味である。

この名前が示す通り、生肉を使った韓国式のタルタルステーキ様の料理である。生の牛肉(主にランプなどのモモ肉)を細切りにし、ゴマやネギ、松の実などの薬味と、醤油やごま油、砂糖、コチュジャン、ナシの果汁などの調味料で和え、中央に卵黄を乗せて供することが多い。ナシやリンゴの千切りを添えることも多く見られる。食前にはよくかき混ぜるのが良いとされる。

ユッケをビビンバに乗せたものは、ユッケビビンバ(육회 비빔밥)と称される。晋州市の郷土料理は特によく知られており、ご飯やナムルの上に乗った赤い牛肉を花に見立ててファバン(화반、花飯)とも呼ばれている。」

生牛肉と、生卵ということで、これは、最初から危険な食べ物だと思います。まずは、卵です。卵を生で食べるのは、世界でも日本と韓国だけではないかと思います。

たとえば、アメリカ人は卵料理が大好きです。料理だけでなく、卵のたっぷり入ったお菓子やアイスクリームなど、とにかく卵なくして、アメリカの食生活は考えられないと言って良いでしょう。ですが、卵との付き合い方で、日本とは決定的に異なる点が1つあります。

それは「生卵」に対する警戒心です。社会常識として「生卵は危険」というのが一般的になっており、事実、そのものズバリの生卵を使った料理はあまりありません。また、州によって多少規制が異なりますが、基本的にレストランでの生卵の提供は禁止されている地区が多くあります。私の住んでいるニュージャージー州でも、レストランでの「生卵」は禁止です。

卵に関しては、たとえは、焼いたとしても、夏には危険なことがあります。焼いた卵ですら、夏など、特に半熟の部分があったりして、わずかの時間に腐敗してしまい、直中毒をおこしてしまうことがあります。それが、生ということであれば、ほんのわずかの時間で腐敗することは十分あります。

次に、生肉についてですが、これも、かなり危険です。

とりわさ、レバ刺しなどによる食中毒の原因菌である「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O157など)」は、少量の菌で食中毒を起こします。新鮮であっても、菌が付いている食肉を生で食べれば、食中毒になる可能性があります。

また、カンピロバクターによる腸炎は、子どもに多く発生します。また、腸管出血性大腸菌(O157など)による食中毒では、合併症で溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する率が子どもにおいて高く、腎機能障害や意識障害を起こし、死に至ることがあります。子どもも含めて、カンピロバクターによる食中毒の後、手足の麻ひ、呼吸困難等を起こすギラン・バレー症候群を発症することがあります。

さて、この生卵と、生牛肉のリスクのあるユッケは生肉を食するものであるため、動物の腸などから付着した腸管出血性大腸菌やサルモネラなどに感染する可能性が大きいです。このため旧厚生省は「生食用食肉の衛生基準」(1998年(平成10年)9月11日生活衛生局長通達)により生食用食肉の規格や衛生管理について定め、これに沿った食肉に限り「生食用」と表示することとしています。しかし、これに基づく生食用食肉の出荷実績があるのは馬肉とレバーのみで、牛肉の出荷実績のある施設はなかった(2008年(平成20年)、2009年(平成21年))。この基準が遵守されず、多くの加熱用食肉が飲食店の自主判断で生のまま提供されているといいます。

毎年、20件ほど食中毒が発生しており、広く知られたものでは2008年に炭火焼肉店でカンピロバクターによる食中毒が発生した事例がある。しかし消費者の支持は根強く、東京都が2009年に実施した意識調査では、過去3か月間に生肉を食べた約400人中、29人が体調不良になったがその後も生食を続けたと回答した。マスコミ報道されない食中毒事例も多数に上るものとみられます。

もともと、ユッケは、日本の料理ではありません。韓国のものであり、韓国は、日本と異なり、大昔から肉を食べる習慣がありました。日本では、肉を食べるようになったは、明治以降ということで圧倒的に短いです。

韓国ではニンニクとゴマ油を混ぜて冷蔵庫で1~2時間熟成、殺菌してから出すのが一般的であり、韓国食品医療品安全庁では過去に大規模な食中毒事件の報告はないそうです。またユッケ取り扱い店への抜き打ち検査等の検査体制もあり、毎年、数店舗~数十店舗が指導を受けているそうです。

それに、おそらく、肉の食文化ということで、韓国では、上記のような取り扱いのほかにも、流通面とか、肉の取り扱いそのものについても、日本とは異なるところがあります。たとえば、O111などほんの僅かの菌でも、感染するそうです。だから、トリミングをしたからといって安心ではありません。トリミングをしたとしても、すべての面を同じまな板で行った場合、トリミングで切った肉を置いたところに、菌が付着して、それが結局トリミング後の肉に移ってしまいます。だから、本来は、トリミングするたびに、包丁もまな板も、洗う必要があります。トリミングでも、このような細心の注意が必要です。他の工程や、流通の過程においても、細心の注意が必要なのだと思います。

日本では、食文化も、その他も、もともと生肉を前提とした食文化や、流通もないという事だと思います。であれば、わざわざ、危険なユッケを食べる必要はないのではないと思います。おそらく、ユッケをおふくろの味と思うような人は、日本人の中にはいないと思います。もともと、食べる人が極少数だったということで、流通も生肉に向けて、整備されていなかったということです。魚などとは根本的に異なります。

日本人が、外国産のこんな危険性のあるものをわざわざ食べる必要はないです。特に、小学校にあがる前の子供に、食べさせるべきではないと思います。

ユッケも最近の韓流ブームの一環ではないかと思います。ここ、特にここ10年以内に食べるようになって来たのだと思います。わざわさ、食べる必要はないです。

私自身は、団子のように通常は安全なものでさえ、場合によっては、深刻な食中毒になるのに、ユッケは、動考えても、現在の日本では危険です。なのに、政府など、食べるなとか、控えよとか、現状では、危険だと、はっきりとした声明を発表しません。それは、マスコミも同じことです。先日も、あるテレビで、「ユッケそのものが危ないわけではないです」などと、念を押していました。

これは、いわゆる、在日の方とか、日本に在住している韓国人などに配慮したものなのでしょうか?しかし、どう考えても危険は、危険です。もし、はっきりさせなければ、在日の方や、日本に来た韓国人の方にとっても、危険です。もし、はっきりさせれば、確かにユッケなど売れなくなるかもしれませが、それは、焼肉店で販売されている商品のごく一部でしかありません。さほど、影響があるとはおもえません。もし、配慮のつもりではっきり、政府が危険性を声明を発表しないとか、マスコミも右にならえであれば、いちじるしい勘違いといわざるをえません。そう思うのは私だけでしょうか?

しかし、上の記事の消費者目線とは、誰の目線のことなんでしょうかね?別に誰とも書いていないし、そういうことをいう人の数や、割合もわからないし、かなり無責任な表記です。とても、日本国内の多数派の意見塔とは、思えません。これでは、まるで、世論操作です。困ったものです。

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