http://journal.mycom.co.jp/news/2011/05/07/017/index.html
【私の論評】日本人の我欲は洗い流されるか?
この映画、玉山鉄二さん、西田敏行さんがでることと、秋田犬がでるということ、北海道が舞台、それに平井堅の主題歌ということで、号泣確定映画のようですね。舞台装置が完璧ですから。私も、ご存じのようにジャーマン・シエパードのウインとチャナと日々過ごす身ですから、この映画などみると号泣しそうですから、観るべきかどうか考慮中です。おそらく、観るでしょう。
『星守る犬』(ほしまもるいぬ)は、村上たかしによる日本の漫画作品です。『漫画アクション』(双葉社)にて連載されました。2011年現在、単行本は2巻まで刊行され完結しています。平成20年度第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品です。
タイトルともなっている「星守る犬」は、「犬がもの欲しそうに星を見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを指す」という意味の言葉です。
昔から、犬や子供は、役者を喰うなどともいわれ、子供や犬など動物の自然な演技は、有名な役者すら霞んでしまうことがあるといわれています。この映画もそうなんでしょうか?
この映画の主題としては、わたしたちに普段何気なく思っている人や、物や、動物でも、それがなくなってしまえば、本当に悲しいし大変なことになるということだと思います。
しかし、私たちは、つい最近、これを思い知らされることに直面しました。そうです。東日本震災です。被害にあわれた方は、勿論その思いが、被災しなかった人に比較すれば、とてつもなく大きいでしょう。しかし、直接被災にあわなかった私達ですら、日々、報道される、震災の被害の甚大さをみて、そのような思いを新たにしました。
本当に、被災者の方々の有様を見ていると、普通にくらせて行くことそのものが、何と幸せなことかと思い知らされました。
普通に暮らせることのありがたみが良くわかりました。でも、私たちは、まわりの人や、動物や、ものなどに感謝の意を表するとか、かみしめるなどということがないですね。しかし、本当は日々こうした気持ちを絶やさないようにすることが本来のあり方ではなかったかと思います。
まわりの人だって、動物だってなくなってしまえば、本当に悲しいと思います。そうして、普段何の気なしで、使っている物だって、食べ物だって、それを作ってくれる人がいるから、私たちは何不十なく毎日暮らせています。
それに、自分たちのまわりの自然だってそうです。昔の日本人と違って、感謝するという気持ちを失っていると思います。昔の日本人は、こうした気持ちや、自然を畏れる気持ちがありました。なのに、今の日本人は、こうした映画や、震災などがなければ、こうしたことなかなか気がつかなくなってしまっています。お金や時間さえあれば、何とでもなると思っています。
東京都知事の石原慎太郎氏は、地震が発生した直後に、都内で報道陣に、大震災への国民の対応について感想を問われて「「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と述べました。これに関しては、被災者に対して厳しすぎるということで、避難されました。
しかし、石原氏のいいたかったことは、私が上で述べような事だったのだと思います。上のような文脈の中で、かたれば、誤解されずにすんだのだと思います。これは、同じことを言っても、異なる文脈の中でとらえられれば、全く別の意味をもつことの格好の事例にもなったと思います。
しかし、石原氏のいいたかったことは、私が上で述べような事だったのだと思います。上のような文脈の中で、かたれば、誤解されずにすんだのだと思います。これは、同じことを言っても、異なる文脈の中でとらえられれば、全く別の意味をもつことの格好の事例にもなったと思います。
さて、こんな観点から、映画の批評という観点からではなく、世相を見る観点から考察してみると、この映画、作成が決定して、撮影などしている段階では地震がなかったと思います。編集の段階では、震災とかぶったかもしれません。しかし、主題がある意味で震災後の世相も反映しているので、震災後のほうが多くの人の受け入れられやすい状況になっているといえるかもしれません。実際上演されるようになれば、どうなるのか、今から楽しみです。
映画と世相という観点から、以前にこのブログにも、「もしドラ」と「コクリコ坂から」の対比を掲載したことがあります。まだ、ご覧になっていない方は、下の【関連記事】のところに、その記事のURLをコピペしておきますので、是非ご覧になってください。
この映画もおもいもかけないようなヒットになったとすれば、震災などの影響により、日本人が我欲を洗い流したか、少なくとも、洗い流すことに肯定的ななっているという査証になるかもしれません。この映画放映されて、しばらくして、趨勢がみえたら、また、その内容を掲載しようと思います。
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