2011年5月12日木曜日

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円―【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!<その2>

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円


国の借金と個人の借金は違う?
昨日は、10日づけ、日経新聞にででいた、「国の借金」は表記間違いであるとのテーマでブログを書かせて頂きました。

要約すると、以下の内容です。
財務省は10日、国債や借入金などを合わせた2010年度末の「国の借金」の残高が924兆3596億円に達したと発表した。09年度末に比べて41兆4361億円増え、過去最悪を更新した。日銀統計によると、家計の金融資産と負債の差額は1100兆円程度。東日本大震災の復興事業で多額の国債の発行が見込まれており、数年以内に政府の債務残高が家計の純資産残高を上回る可能性がある。
詳細につきましては、昨日のブログをご覧になってください。下にURLを貼りつけておきますので、まだご覧になっていない方は、今回の記事の背景をご覧にいただくためにも、是非ご覧になってください。

http://goo.gl/Je9xn


はっきりと、「国の借金」などと書いてあります。とんでもないです。これは、無借金経営どころか、資産が豊富にある会社に対して、借金まみれの会社と報道するようなものであり、暴挙以外の何者でもありません。全く困ったものです。いったい、いつから、日経新聞はこれほど劣化してしまったのでしょうか。

これに関して、これは、間違いであるとの内容を私のブログに掲載しました。そうしたところ、かなりの反響がありました。特に、twitterでは、反響がありました。そうして、購読者のPink様から

「政府の借金だとしても、国債を購入しているのは国民であり、また最終的には増税や預金封鎖を強行して国民の財産を管理する権利を政府が握っている以上、事実上、国民の借金と思うのですが、どうお考えでしょうか。

例えて言うなら、奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話です」

という質問がありました。おそらく、同じような疑問をもたれた方は、たくさんいると思いますので、本日は、この疑問に答えることとさせていただきます。

【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!<その2>
さて、Pink様の質問に明確に答えるためには、やはり、日本国のBSを掲載しなければならないと思いますので、まずは、それを下に掲載させていただきます。

日本国バランスシート

さて、国債の話は、また回を改めて、掲載することとして、本日も借金に集中して掲載させていただきます。

さて、Pink様から寄せていただいた、「奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話」というのは、非常に解りやすい話なので、この今回の説明では、この切り口を採用させていただきます。

さて、上に掲載した、バランスシートは、自分でつくるのは面倒だったので、Googleで画像検索して、探してコピペしたものです。昨年の、1月から3月の速報値ですから、多少日経新聞の記事の数字や、昨日の国の借金のときの数字とは、多少異なりますが、膜ケロ経済的な理屈をお話するのには、これでも、十分だと思いますので、これを使わせていただきます。

まずは、上の対外純資産である263.4兆円は、昨日述べた、純資産、266兆円とほぼ同じです。統計をとっている期間が異なるで、少し時期が違うので、このズレが出るだけであって、基本的には同じものと思ってください。

これは、上記の資産合計-負債・純資産合計=対外純資産ということです。ようするに、国の貸借は、結局、対外純資産と一致しているということです。

これは、昨日お話したように、この値が、マイナスであれば、国単位であれば、借金であり、プラスであれば、貸しているということです。無論、日本国は、これが、プラスですから、借金どころか、外国に、263兆円も貸し付けているということです。日本国が借金をしているなどということはないわけです。

では、Pink様の質問内容の切り口に従って、説明させていただきます。上記で、まずは、政府を旦那さんと、たとえましょう。国民を旦那様の奥さんにたとえます。

まずは、上のBSから、奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話になっているのかどうか、検討してみましょう。

奥さんは、上記では、家計というところに記載されてまいす。上の科目では、家計というところに掲載されています。この数値をみると、1452.7兆円ということです。奥さんは、実は、これだけの資産を持っているわけです。しかし、奥さんが借金をしていたら大変ですね。では、奥さんどのくらい借金をしているかというと、していますね。

随分です。それは、家計の負債というところに出ている、373.4兆円です。さすが、たとえとは、いいながら、一国の国民の負債全部ですから、べらぼうで。しかし、先の家計の資産と比較してみてください、そうすると、資産から負債(奥さんのたとえなら貯金から、借金)を差し引いても、なんと、1079.3兆円ものプラスになります。奥さんは、これけだけの資産があるわけですから、借金などから程とおいわけです。

無論、旦那(政府)がどこ(外国)からか、お金を借りてきて、埋め合わせなどする必要性など全くないわけです。ちなみに、ギリシャの場合は、まさしく、奥さんが借金をしていたという構図でした。まさに、国民が外貨建ての住宅ローンなどして、返却不能になったものもかなりありました。日本の場合は、全く異なります。奥さんは借金どころか、かなりの資産を持っいるのです。

では、なんで、国債や借入金などを合わせた2010年度末の「国の借金」の残高が924兆3596億円の借金とい言葉でてくるのでしょうか?実は、これは、政府の負債なのです。上のBSは、期間が違うので、少し数値が異なり、1001.7兆円となっていますが、これは、まずは期間が異なることもありますが、政府の借金は、何も、国債や借入金だけではありませんから、それらも、含めると1000兆円もの金額になるというわけです。

これって、ものすごいですね。これだけ、負債がある国は滅多にないです。これって、一見大変にみえますね。しかし、良く考えてみてください。家計のところでも、資産と、負債をみましたね。要するに、借金というのは、資産から負債を引いたものです。ですから、政府の場合はどうかということで、これも引き算をしてみます。政府の純負債=政府の資産-政府の負債=-519.8兆円ということで、確かに、マイナスです。これを財政均衡(プライマリーバランス)が崩れているという言い方をします。この519.8兆円という金額、確かに個人レベルでいえば、目もくらむような天文学的な数字です。

しかし、これは、本当に大変なのでしょうか?そのモノサシとして良く使われるのは、対GDP比です。では、日本のGDPはどの程度かといえば、539,739.30(単位10億)(約539兆)です。GDPよりも、少し多い程度ということです。確かに、多いといえば、多いですが、これが、GDPをはるかに超えていたりすれば、本当に不味いということになりますが、よく良く考えてみてください。

この旦那(政府)さんには、しっかりものの奥さんがいて、とてつもない純資産(貯金)を持っているわけです。なんと、旦那さんの1年の稼ぎの倍に近い資産を持っているわけです。それに、この旦那さん自身も、何も他の人(外国)から借金をしているわけではありません。あくまで、日本国内(たとえでいうと家庭)からお金を借りているわけです。

上の例では、奥さん(家計)の例のみあげましたが、その他にも、お金のある金融機関などの家族もいます。ただし、日本では、家計がダントツであるのはおわかりでしよう。それから、奥さんの資産の中には、現金・預金、株式・社債、そうして、国債もあります。これは、当然のことですが、政府にとっては、国債は、借金ですが、家計からみれば、資産です。これからみると、国債を国民の借金にする日経新聞の書き方は、まったく間違いです。これは、国民の資産です。

このへんの事情は、国債の話もとりまぜて、昨年のカナダでのG20の内容を過去のブログに掲載しました。これを読むと、現状でプライマリーバランスの崩れを気にして、そちらのほうにばかり注力するのは間違いであることが良くわかります。

これは、確かに歪な状況ではあります。この歪な状況は、簡単にいえば、デフレがもたらしたものといえます。要するに、世界でも稀な長期間のデフレのため、市中(日本の国の中)にお金が出回わらなくなった結果ともいえます。だから、税収も大幅に減ったのです。

なぜ、このようなことになったのかといえば、やはり、旦那さんが仕事をしなかったという事だと思います。旦那さんの仕事といえば、政府に話をもどせば、長い期間にわたって、公共投資など怠り、緊縮財政ばかりやってきたため、均衡が崩れたということです。

皆さんの中で、公共工事=ハコモノ行政=悪、という単純な図式が成り立っていると思われるのですが、それは、全くの間違いです。実は、この20年間、日本の歴代の政権のほとんどは、緊縮財政ばかり行ない、そのせいで、公共投資は、他の先進国に比べると、異常に低い水準に落ち込んでいます。20年前の水準以下になっています。これは、本気で是正しないとだめでしょう。

最近、twitterで、あるチャートを教えてくれた人がいて、そのチャートをみると、旦那さんのことを呑んだくれとうさんとたとえていました。これは、本当に良いたとえだと思います。呑んだくれ父さんが、あまり働かないで、稼ぎ(税収)がなくなったということです。

しかし、税収がなくなったからといって、単純に増税すれば良いというのは間違いです。増税すれば、ますます、お金の動きがなくなり、さらに、家計が増えたりするだけのことになり、景気は落ち込みます。特に、今の時期には、そうなります。では、どうすれば、良いかといえば、奥さんなどから一時、さらにお金を借りて、もっと市中にお金が出回るようにして、企業などの仕事を増やし、雇用も確保するようにして、さらに、お金が回りやすいにようにすればよいわけです。

これに関しては、また、国債、税金の話も含めて、機会をあらためて、書きます。とにかく、どの方面からみても、「国の借金」などないし、そんな表記をする日経新聞は全く間違えているということで、本日の話を締めくくります。

【関連記事】

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