2012年4月21日土曜日

北朝鮮、核実験準備完了 韓国紙報道「2週間内に実施可能」―【私の論評】いくらGoogle EarthとMapなどで、誰にでも情報が入手しやすくなっても、過去のケーススタディーなどの歴史的事実はないがしろにはできない!!

北朝鮮、核実験準備完了 韓国紙報道「2週間内に実施可能」


北朝鮮の核実験施設

 【ソウル=辻渕智之】韓国紙・朝鮮日報は二十一日、韓国政府筋の話として、北朝鮮が北東部の咸鏡北道豊渓里(ハムギョンプクトプンゲリ)で進める三度目の核実験の準備を事実上完了したと報じた。実験直前に坑道を埋め立てるための土砂が坑道の入り口付近から消えたのが衛星写真で確認されたという。

続きは、こちらから。(東京新聞)


【私の論評】いくらGoogle EarthとMapなどで、誰にでも情報が入手しやすくなっても、過去のケーススタディーなどの歴史的事実はないがしろにはできない!!


北朝鮮自民解放軍女性兵士による剣舞、スタイルも抜群の選りすぐりを採用している


さて上の記事に掲載されている、核実験場をはじめ、最近ミサイルが打ち上げられたのとは別のミサイル発射基地など以下に掲載したので、是非ご覧になってください。北朝鮮の施設など、秘密のベールに隠されているのですが、今では、Google MapやEarthで丸見えです。何か新しい発見があるかもしれません。



北東アジア注意エリアと参考データ(座標ファイル)Google EarthGoogle Map
ムスダンリ北朝鮮弾道ミサイル発射基地kmlファイルURL
咸鏡北道吉州郡豊渓里北朝鮮核実験場最寄り駅kmlファイルURL
豊渓里核関連施設北朝鮮核実験関連施設kmlファイルURL
北朝鮮核実験場トンネル入口ISIS Imagery BriefkmlファイルURL
北朝鮮核実験場支援施設ISIS Imagery BriefkmlファイルURL
核実験VIP宿舎とヘリポートISIS Imagery BriefkmlファイルURL
核実験場韓国政府発表kmlファイルURL
寧辺(ヨンビョン)核施設実験用原子炉5,000kWekmlファイルURL
板門店南北連絡事務所kmlファイルURL
青瓦台韓国首相官邸kmlファイルURL
平壌/メーデースタジアムアリラン祭開催場所kmlファイルURL
Google Earthへ直接放り込みたいときは、URLを変換すればOK。ここで


Google Earthは、飛んで行きたい場所の kmlファイルをダウンロードし、クリックすれば Google Earthが起動して※2 自動的にその場所に連れて行ってくれます。

開いているウィンドウにファイルを Drug & Dropしても良いです。

「URL」をクリックすると、Google Mapが場所を表示します。

※1 kmlファイルのダウンロードは、[フォーカスを当てる] -> [右クリック] -> [対象をファイルに保存]で行う。

※2 もちろん Google Earthがインストールされていないと何も起きない。そんなときには、ここから無料版をダウンロードする。

【付帯情報】豊渓里核関連施設(豊渓里:プンゲヨク、プンゲリ)

北朝鮮が核実験を行った坑道の入り口は北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州郡「豊渓里核関連施設」の北北西にあり、坑道を掘るために排出された土砂が同施設の北に大量に捨てられたとのこと。いずれ衛星写真が更新されれば見ることができるだろう。

2007年8月18日(以降、年度はすべて同じ)には米ABCテレビが、匿名の米国務省・国防省関係者らの話として、「北朝鮮が咸鏡北道吉州郡豊渓里で核実験準備をしている可能性がある」と報じた。豊渓里で不審なトラックの移動と地下核実験場と観測装備をつなぐのに使えるケーブルが巻かれた大型ケーブルリールがトラックから降ろされたことが目撃されたという報道で、リークによる北朝鮮への牽制と見られたが効果はなかったようである。

【付帯情報】北朝鮮核実験場トンネル入り口

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。右にトンネルを掘ったとき出した土砂を捨てた跡が見える。

【付帯情報】北朝鮮核実験場支援施設

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。

【付帯情報】核実験VIP宿舎とヘリポート

米科学国際安保研究所(ISIS)が10月10日に発表した「北朝鮮核実験疑惑」のレポートをもとに座標を確定。右に見えるのがヘリポート。

【付帯情報】核実験場(韓国政府発表)

10月15日に韓国地質資源研究院の地震研究センターが発表し直した核実験の震源地。咸鏡北道吉州郡万塔山のあたり。13日に最初の発表を修正した震源地、北緯41.267度、東経129.179度から約7キロ西にずらした。地震研究センターの最初の発表は北緯40.81度、東経129.10度の咸鏡北道金策市。

【付帯情報】青瓦台

「青瓦台」とその周辺は一般の地図で明らかにすることが禁じられ写真撮影も制限されているが、Google Earth、Google Mapでは一目瞭然で、長年の韓国政府の努力はいまや水泡に帰している。

【付帯情報】板門店

「板門店」の西南西に160m高の国旗掲揚塔(の影)が見える。また軍事境界線をまたぐ北と南の状況が興味深い。

【付帯情報】平壌

衛星画像はあるのだが、市内についての情報は入手が難しい。大きくてわかりやすいのがアリラン祭を行うメーデースタジアムである。

さて、先日ミサイル発射の記事に関して、その後わかった事実もあるので、続報を掲載します。特に下の動画は、もとイージス艦にも登場されていた方の解説なので理解しやすいです。





さて、上の動画では、航海長として乗艦なさっていたイージス艦「みょうこう」で、平成10年8月のテポドン発射をレーダー上で見届けられ、そして半年後の平成11年3月には能登沖で北朝鮮工作母船を追跡、海上自衛隊初の実戦に臨まれた伊藤祐靖氏をお迎えし、この度の弾道ミサイル発射への対処において政府が批判を浴びている「ダブルチェック」をめぐり、そもそもの認識や判断の鉄則が通じていない現状について御指摘いただきます。 また、能登沖不審船事案についての手記(『正論』4月号・5月号掲載)より、工作母船乗員に対してはからずも覚えてしまった「怒り」とは別の感慨や、海上警備行動発令による警告射撃に臨む艦橋で実感され、その後、創設に携わられた特別警備隊においても必須 且つ当然であった相互理解の前提となるものについても、お話を伺っています。




詳細は、上の動画を御覧いただくものとして、要するに、レーダーはもともと、人間の視覚と同じ理屈で、直線的であり、球形である地球の水平線のかなたまでは、認知できず、当然、ミサイルがかなり高く上がった時点でなければ、もともと、日本のイージス艦は、ミサイルを補足できないことは、最初からわかっていたということです。私もこの事実については、知ってはいたのですが、この動画ほど、日本政府のダブルチェックに関してのあわてぶりが、そもそもおかしいことをわかりやすく説明しているもはないと思います。それから、この伊藤氏はこの動画では、日本のイージス艦今回のミサイル、もしものことがあれば、かなり高い確率(ほとんど百発百中で)打ち落とせたことまでは、説明していませんでしたが、これも事実です。無論、伊藤氏もこれを承知しているとは思うのですが、この動画の趣旨からは外れるので、敢えて説明しなかったのだと思います。これに関しては、このブログでも掲載してあります。

これに関しては、以下にその核心部分のみ下に掲載しておきます。
2010年10月26日のことです。全世界を震撼させる、ある事件が起こりました。日本の海上自衛隊の護衛艦「きりしま」(写真下)が、ハワイ沖で大陸間弾道弾の迎撃試験を見事成功させたのです。
「きりしま」の放った迎撃ミサイルは、6発の大陸間弾道弾にすべて命中。弾道弾を、宇宙空間で迎撃してしまったのです。これは世界初の快挙です。世界で二番目に大陸間弾道弾がミサイルで撃墜させられたのです。しかも、この時は、軍事上の機密ということで、あまり詳しくは発表されてはいませんが、北朝鮮ミサイルも迎撃できることを十分証明することができたようです。
北朝鮮などの核弾頭は、一基しか搭載していませんが(技術水準からの推定)、アメリカ、ロシアなどの各先進国の核弾頭は、複数搭載しています。なぜこのようなことをするかといえば、一基であれば、途中で撃墜される率がかなり高いですが、複数であれば、その複数の弾頭が、複数方向に向かって落ちるわけで、ほとんど防ぐことは、不可能とされていたのを、日本の自衛隊のイージス艦が全部撃墜してしまったということです。であれば、一基しか積んでいない北朝鮮のミサイルはほとんど確実に打ち落とすことができたということです。核弾頭は、なるべく少ないエネルギーで、遠くに飛ばすためや、このように複数にするためにも核開発では小型化を目指しているものです。


核弾頭、三基の核が搭載された例

これが、なぜすごいかといえば、今までは、核攻撃は防御がまったく不可能といわれていたものが、日本の自衛隊が、可能であることを実証して見せたということです。これで、核に対する考えが変わったということです。防御できるということを日本の自衛隊が、世界に向かって示したということです。

それにしても、今回のイージス艦の配置により、日本は、打ち上げ直後にはもともと、それを確認できなかったこと。それは、もともと、沖縄周辺で有事のときにミサイルを確実に迎え撃つためにそのような配置をしたこと、さらには、かなり高い確率でそれを迎撃できた可能性など、これは、政府が悪いのか、マスコミが故意に発表しないのか、それとも、軍事機密なのかわかりませんが、少なくとも、国の安全保障を考える人たちは、正しい情報にもとづき判断していただきたいものです。

それに、今回のミサイル発射に関する政府の対応のお粗末さですが、私は表面的なことだけではなく、もっと深い背景があると思います。それは、歴史を学ぶという謙虚な姿勢に欠けているということです。これに似たようなことは昔もありました。日露戦争のときの、日本海海戦の前に、ロシア艦隊がウラジオストック港を目指してロシア黒海から出港ときに、太平洋側から入って、北海道と青森の間の津軽海峡をわたるか、それとも、対馬沖から入って、日本海を通り旅順港を目指すかの二通りが想定できました。

当時日本海軍としては、ロシアのバルチック艦隊を迎え撃つつもりでしたから、この二とおりのうち、いずれになるということは、かなり重要なことでした。そうして、海軍が出した結論は、もっとも可能性の高い対馬沖を通るであろうことを想定して、日本艦隊を配備するということでした。要するに、太平洋側は捨てるというものでした。当時の日本の海軍としては、対馬沖と、太平洋側の両方に艦隊を分散して、配置することは、兵力、艦艇数からして、不可能でした。もし、そのようなことをすれば、軍事力の点からいって、ロシア艦隊に大打撃を与えることは困難でした。(下の絵画は、日本海海戦における、旗艦三笠における、東郷平八郎とその幕僚たちの図)


だから、太平洋側は捨てたのです。これは、正しい判断でした。どちらにころんだとしても、良い判断です。対馬沖であれば、大打撃を与えられる、太平洋沖であれば、日本艦隊は無傷で、かなりやっかいなことになるのですが、次のチャンスを狙えるということです。しかし、兵力を二つにわけて、対抗すれば、半分の艦艇、兵力を失うことになるかもしれません。そうして、結果といえば、皆さんご存知のように、日本海海戦は、日本の一方的な大勝利に終わりました。軍事ではこのようなことは、いくらでもあります。

ちなみに、下の図は、当時想定された、ロシアバルチック艦隊がウラジオストックを目指す航路です。当時でも、宗谷海峡はほとんどあり得ないと考えられていました。しかし、津軽海峡を通ること十分あり得ることと認識されていました。




今回のミサイル発射での日本の対応も、沖縄付近で迎え撃つということで、ミサイル発射直後の対応は捨てているということです。であれば、政府としては、何もうろたえることはなく、当方としては、ミサイルの飛跡を確認できず、したがって、日本には、影響なしと、発表すれば良かっただけです。それに、プラスして、アメリカの情報では、発射は確認されたが、飛跡が見当たらないため、打ち上げに失敗したようであると公表すれば、それで良かったことです。




軍事的には、日本海海戦のように、何かを決断すれば、何かを捨てることにもなるということを学んでいれば、さほどあわてることもなかったと思います。しかし、歴史に学ぶという姿勢欠いているため、あのようなお粗末な対応になったものと思います。(上は、韓国の女優ハン・イェスル、中国のあるメディアは、これを美しい北朝鮮の陸軍中尉と紹介し、韓国のネットユーザーらを失笑させた。報道は、正しい情報にもとづいて行いたいものです)

さて、そろそろ、結論を掲載させていただきます。いくらGoogle Earthや、Mapなどで、誰もが情報を比較的簡単に入手しやすい時代になったとしても、判断ということになれば、人間が情報をもとに行うものであり、昔も今もあまり変わりはないということです。いくら情報が山ほどあって、最新であったとして正しい判断ができるとは限りません。ですから、歴史的事実などのケーススタディーもないがしろにできないということです。






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