2013年10月2日水曜日

【日本の解き方】景気悪化なら政権運営に打撃 政治判断となった消費税増税―【私の論評】景気が悪ければ、積極財政と金融緩和をすべきという、当たり前の「べき論」が通る世の中にするためには、まずは安倍長期政権による政治主導を勝ち取るしかない!

【日本の解き方】景気悪化なら政権運営に打撃 政治判断となった消費税増税

October 1, 2013

高橋洋一氏

 消費税増税については以前の本コラムで、「最終的には政局にするかどうかという政治判断だ」と書いた。事ここに至ると、経済分析をして「べき論」を唱えるよりも、それを政治的に実行できるかどうかの方が重要なのだ。

 消費税増税を止めるためには、増税凍結法案などを国会で成立させなければいけない。今はねじれがないので、法案を成立させるためには、自民党内の多数をとる必要がある。その確証なしで政局にするのは、政権の自殺行為になる。下手に仕掛けると、場合によっては「安倍降ろし」の動きも出てくる。

 消費税増税の見返りにバラマキ経済対策を行うという話になった。野党時代に干上がっていた自民党の議員は水を求める動物の群れのようなもので、もはやその動きは止まらない。

 筆者は「べき論」からは消費税増税に反対する立場は変わらないが、「だろう論」として第3者の目から見れば消費税増税の勢いを止めるのは難しいと思っている。

 増税すると経済悪化になるのは、緊縮財政になるからだ。マクロ的にみれば、民間から吸い上げた税収分をそのまま政府支出に回せば、需給ギャップの悪化は最小限度に抑えられ、景気への悪影響は短期的には避けられる。この意味で、先日のコラムに書いたように、今検討されている5兆円の景気対策では全く不十分である。

 また、この景気対策では、即効性を求めて財政政策だけが議論されているが、景気の悪化を防ぐという意味では金融政策の拡充も考えていい。ただ、金融政策の効果は2年程度たたないと発揮されないことを考えると、少なくとも来年度は財政でも下支えが必要である。

政治家が景気を落ち込ませないためにやるべきことは多くある。

 それでも景気が落ち込んだら、政治家はどのように責任をとるかというと、最終的には選挙である。景気が悪くなると、それまで表面化しなかった諸々の問題が顕在化して、政権運営には大きなダメージになる。

 景気がよければ、多少の政治家のスキャンダルも国民の批判を浴びないが、 歴代の首相経験者は、経済がよければ政権運営は難しくないが、悪くなると大変だと述懐している。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

以上要約です。この記事の詳細はこちらから!

【私の論評】景気が悪ければ、積極財政と金融緩和をすべきという、当たり前の「べき論」が通る世の中にするためには、まずは安倍長期政権による政治主導を勝ち取るしかない!

上の記事昨日のものなのですが、増税の背景を皆さまに知っていただくという意味合いで、掲載しました。さすが、高橋洋一氏です、良くまとまっています。

この記事をご覧いただければ、安倍総理の増税への苦渋の決断を理解していただけるものと思います。増税は、結局経済問題ではなく、政局の問題になっていたのです。そうして、経済分析をして「べき論」を唱えることよりも、それを政治的に実行できるかどうかの方が重要になっていたのです。



消費税増税見送りを決めるためには、自民党内が見送り派が大多数になっている必要があったのです。私も、高橋洋一氏と同じく、「べき論」からは消費税増税に反対する立場は変わりませんが、「だろう論」として第3者の目から見れば消費税増税の勢いを止めるのは難しかったと考えます。

昨日のブログにも掲載したように、日本の政治風土は、まだまだ政治主導ではなく官僚主導であることと、多くの政治家が、全世界的な緊縮レジームの罠と、日本の官僚主導の罠に嵌って、増税やむなしとしてしまっていました。しかも、安部総理の膝下の自民党のほんど全員がそうでした。

これを無理やり増税見送りということにすれば、確かに増税するしないは総理の胸先三寸で、決定できるのですが、その後の党運営を考えた場合、非常に難しいし、それに安部長期政権は難しいとの判断だったと思います。

だから、ここは、一つ一歩後退でも、将来のことを考えてやむなく、増税に踏み切ったと考えます。結局、消費税増税を見送れば、多くの国民からの圧倒的支持は増えるものの、残念ながら、党内では離反者が増えることになるため、これを両天秤にかけ、特に直近の政局を考えた場合、増税の判断となったものと思います。私としても、理想はともかく、実情を考えると、やむなしということだったと思います。

まだまだ、安倍総理は、自民党を完璧には掌握しきれていないのです。しかし、これも、いずれ掌握でき、長期政権になったとき、財政政策、金融政策ともに、「べき論」による理想の政策ができる時代がやってくると信じたいです。


おそらく、安倍総理以外の人ではこれは全く無理だと思います。今回の増税論議を見ていて、これは本当に良くわかりました。自民党の多くは、完璧なマクロ経済音痴です。これは、民主党もひどかったですが、自民党も変わらないといことが良くわかりました。

これをまともにするには、何が何でも安倍政権を長期政権にして、実際にまともなマクロ経済対策をやってみせて、日本がとてつもない経済大国に返り咲くところを見せつけないと、いつまでもまともにはならないです。

増税反対派だって、そのほとんどが、永遠に増税するなといっていたわけではありません。増税反対派ても、かつての何が何でも増税そのものには反対というわけのわからない反対派ではなく、まともな反対派であれば、不景気、デフレであれば、積極財政と、金融緩和を、かなりの好景気、たちの悪いインフレの場合は、緊縮財政と、金融引締めを実施するという、ごく当たり前の政策ができる日本になってほしいと考えているだけです。

この当たり前のことを実現できるような人が、安倍総理をおいて他にいるかと見回してみれば、現在では、自民党内の人間も、それ以外の人間でも全く無理です。たとえば、橋下大阪市長などマクロ経済音痴の度合いが酷すぎて、永遠に無理だと思います。

マクロ経済的見方というのは、やはりセンスなのでしょうか?私は、正直に言わせていただくと、安倍総理も第一次安部内閣のときには、あまりわかっていなかったように思います。しかし、一次内閣が崩壊した後、徹底的に内省されて、何が間違いであったのか、特に経済対策では何が間違いであったのかを真摯に学ばれたのだと思います。その結果として、マクロ経済的見方やセンスを養われたのだと思います。それから、無論のこと、日本の安全保障についても考えられたと思います。

やはり、現状では、安倍政権を長期政権として、その長期政権の中で、日本をまともにしていく他ないと思います。まともになれば、現状のようなデフレ下で増税するなどというとんでもないことしないようになり、増税どころか、減税をするようになると思います。その時には、無論官僚主導が終焉して、当たり前の政治主導が日本にも根付いてなければなりません。

ここは、日本の将来のことを考えた場合、いっときは後退したように見えても、安倍総理が増税を決めたとしても、将来日本がまともになるための一時の後退と考えようではありませんか?増税したらから、安部は駄目などとすぐに諦めるような人は、結局他力本願であり、「べき論」の呪縛から永遠に決別できないと思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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