2013年10月23日水曜日

ねじれ解消後の今国会は与党内の「産業政策」派vs.「規制緩和」派を反映する産業競争力強化法案と国家戦略特区法案の行方に注目せよ―【私の論評】官僚主導の産業政策で成功したためしは、一度もない成功したのは引き伸ばし戦略のみ\(◎o◎)/!

ねじれ解消後の今国会は与党内の「産業政策」派vs.「規制緩和」派を反映する産業競争力強化法案と国家戦略特区法案の行方に注目せよ

アベノミクス効果!? 2%目標パッドつき トリンプ「“ブラノミクス”
ブラ」 三本の矢で女性の自信浮揚 (2013/05/09) の記事画像

アベノミクスの第三の矢はどうなるだろうか。今国会に提出された法案をみると、その将来が占える。

アベノミクスのうち、第一、第二の矢である金融政策、財政政策の効果がでるのは1~2年程度だ。具体的には、財政政策は1年以内、金融政策は2年程度だ。財政政策は、今年1月に決まった10兆円補正があるので、すでに効果は出ている。金融政策が本格的に実施されだしたのは今年の4月。その期待感で徐々に効果がでているが、その実力が十分に発揮されるのは2015年度からだろう。

2014年度からの消費税増税が決まったが、その悪影響は2014年度のうちに確実にでる。そこで、筆者は、消費税増税の悪影響を中和するために、20兆円規模の補正予算を主張している(9月23日付け本コラム)。2014年度は金融政策の本格的な効果はまだだし、今から追加金融緩和をしても間に合わないからだ(もちろん金融緩和はすべきだ)。

官僚がつくる「産業政策」は失敗の連続

これらの財政政策、金融政策が比較的短期な効果があるのに対して、第三の矢の成長戦略の効果がでるのは、もしうまくいっても5年くらいかかる。少なくとも、第三の矢では、必要な法律は準備して成立させるまでに少なくとも2年間はかかり、その効果はその後3年くらいかかるからだ。だからといって第三の矢が不要ということではなく、それでもやらなければいけないものだ。

実は、筆者が小泉政権にいたときには、成長戦略を作らずに規制緩和だけを行った。成長戦略というと、経産省官僚は、経済理論として正当化できない「産業ターゲティング・ポリシー」(産業政策)や無駄遣いの温床となり得る「官民ファンド」ばかりを官邸に持ち込んでくる。

そもそも産業ターゲティング・ポリシー、産業政策なんて、英語では説明不可能な概念だ。先進国の外国人に話しても、「ビジネス経験のない官僚になぜ成長戦略がわかるのか、わかるはずない」との一言で片付けられるのが関の山だ。それにくらべて、「規制緩和」は世界どこでも通じる概念だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


本物の成長志向を国会でみきわめよう

筆者は、大恐慌研究の世界的な権威であるバリー・アイケングリーン(カリフォルニア大学教授)のツイッターをフォローしているが、先週、”Japan Rising? Shinzo Abe's Excellent Adventure”を書いたとあった。

米国詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの一節「矢を空中に放った。地面に落ちた。どこだかわからなかった」を引用しながら、第三の矢の難しさを強調しつつも、成功を期待している。しかも、第三の矢では、不利になるのは今の既得権者であるといっている。

アイケングリーン教授には、第三の矢には二種類あって、一つは「産業政策」で利益を得るのは既得権者、二つ目は「規制緩和」で利益を失うのは既得権者であるとは思いもしないだろう。明らかに、第三の矢は「規制緩和」と思い込んでいる。米国人の彼には、「産業政策」は概念として存在しないのではないか。

国会論戦では、野党は、「産業政策」の産業競争力強化法案と「規制緩和」の国家戦略特区法案をよく比較して、その優劣を明らかにしたらいい。どちらの法案をより支持するかによって、本物の成長志向がよくわかるはずだ。

【私の論評】官僚主導の産業政策で成功したためしは、一度もないしこれからも必ず失敗する!日本で官僚が成功したのは引き伸ばし戦略のみ\(◎o◎)/!

上の高橋洋一氏の結論、結局アベノミクスの第三の矢である、成長政策は役人の作文による、産業政策をするようであれば、何をどのように実施しても大失敗。一方で、規制緩和を実行すれば、やり方によっては、成功する可能性があるというものです。

全くその通りと思います。役人の作文の、産業政策をすれば、確実に失敗します。それについては、以前のもこのブログに掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!
ノキアの携帯電話のCM
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、ノキアはアップルが、iPhponやiPadを販売する数年前に、これらとほんど同じようなプロトタイプを開発していたことを掲載しました。ノキアは、これを市場に投入する時期を逸してしまい、大失敗したということです。

民間企業ですら、このような間違いをするのですから、ましてや官僚が主導で、産業政策などしても成功することなど、ほとんど覚束ないことを掲載しました。そうして、もし、これが成功するというのであれば、共産主義は大成功したはずであることも掲載しました。

実際、経済産業省、昔の通商産業省も一度として、自ら主導して積極的に行った産業政策などは、一度も成功したことなどありません。これは、本当です。嘘だと思われるなら、自分で調べてみてください。本当に、ただの一度もありません。

ただし、例外はあります。それは、いわゆる引き伸ばし戦略です。これについても以前のこのブログで解説したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
政治主導、反省・行き過ぎ… 菅首相「脱・脱官僚宣言」―【私の論評】おしゃべり空き菅に明日はない?!
これも、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、引き伸ばし戦略について以下にコピペさせていただきます。ちなみに、これはドラッカー氏の著書『ネクスト・ソサエティー』から抜粋したものです。詳細は、是非上の記事をご覧になってください。
日本では先送り戦略が有効であるというものである。日本は、この40年間、解決不能とされていた社会的な問題を、問題の解決よりもむしろ先送りによって二度までも解決してきた(前近代的農業人口の都市部への流入、前近代的な流通システムの改革)。もちろん今日の金融システムにおける構造上の脆弱さと資金的な余力を考えれば、今度ばかりは先送り戦略はうまくいかない(日本の金融機関は豊富な資金力が故に改革が困難である)。 
しかし経験的には、日本の先送り戦略には一概に不合理とはいえないものがある。(現在の民主党は、とにかく何かをやろうとする、それは、拙速で乱暴でさえある。しかし、今後も何もしないということのほうが、より合理的で、効果のあがる戦略である事案もある。たとえば、普天間問題など)
日本の官僚は、自ら積極的に主導して産業政策を実施した場合は、必ず失敗してきたか、やってもやらなくても同じという結果でしたが、ドラッカー氏の語るように、先送り戦略では二度も大成功しています。

明治初期の農民
その一つが、全近代的な農業人口の都市部への流入です。これに関しては、これへの対応が重要であることが叫ばれたにも関わらず、官僚は何もせず、結局何もせずにおいたことが大成功を収めました。

その次が、前近代的な流通システムの改革です。これに関しては、流通業界は全容は誰も知らず、暗黒大陸といわれていた時期もあり改革が叫ばれましたが、官僚は結局ここでも何もせず、ダイエーやイトーヨーカドーのような流通の革新者が現れ、それらが、次々と革新を起きない、改革が進みました。現在の日本の流通業界は、革新され、諸外国と比較しても遜色のない程度になっています。これは、最近のコンビニの活躍を見ても、皆さんにも良くご理解いただけるものと思います。

戦前の米商人
そもそも、官僚が産業政策を主導するなどという考えは、高橋洋一氏も上で述べられているように、欧米にはその概念はありません。もともと、産業とは政府が直接関わって、実施すべきものではなく、あくまで、インフラの整備に徹し、その上で実際に動いて、産業を振興していくのは、民間企業の役割であるという考え方です。

インフラの整備は政府の重要な仕事、しかしその上で実際に活動するのは民間企業

インフラといった場合、道路、空港、港湾、ライフラインなどがありますが、その他にも、たとえば、法律の制定、それこそ、規制の撤廃、逆に規制の強化なども含まれます。また、このようなことは、民間企業がなかなかできるものではなく、政府が実施すべきもてのず。政府が直接関わってしまっては、共産主義と同じで失敗するだけてす。

このような観点からしても、上で述べている高橋洋一氏の主張は正しいです。政府が産業政策の主導権を握るようであれば、大失敗するだけです。規制緩和などのインフラ整備に徹するなら、成功する可能性は高まります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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