AIIB開業式典であいさつする習主席。懸念材料は消えないままだ=16日 |
中国が主導するアジアインフラ銀行(AIIB)はスタート早々、「開店休業」となりそうだ。6月の予定だった最初の融資案件承認が「年内」へ大幅に遅れる見込みとなったのだ。信用格付けを取得できない事態が尾を引いているとみられ、日米の参加を“懇願”するしかない状況だ。
「中国は国際的な経済システムの改善を推進する」。16日の開業式典に出席した習近平国家主席は、AIIBを通じて戦後の国際金融秩序に挑戦する構えをみせたが、勇ましい言葉に内実は伴っていない。
初代総裁に就任した金立群氏は17日の記者会見で最初の融資案件の承認は「年内になる」と述べ、今年半ばとしていた従来のスケジュールより遅れる可能性を示唆した。
かねてから問題視されてきたように、AIIBは資金調達の際に発行する債券の格付けを取得できていない。当面は資本金だけで融資がまかなえるが、初の融資案件を含め、20億ドル(約2340億円)と見込む初年度案件が成功しなければ「習指導部がメンツをかけて関係部門に命じた最上級の『トリプルA』の格付け早期取得は難しい」(北京の経済学者)との見方がある。
金氏は記者会見で「ドアはなお開かれている」と強調、参加を見送っている日米などの誘致を行う考えを示したのも、日米不在のままでは低い格付けしか取得できないためだとみられる。
インフラ案件で「原資をいかに安く調達し、採算性や返済計画をどう詰めるかという国際金融機関の融資ノウハウがまだ何ひとつない」(国際金融筋)とされるAIIB。「仏作って魂入れず」というのが実情のようだ。
【私の論評】日本のAIIB参加を呼びかけた奴らは、中国スパイか馬鹿のいずれか(゚д゚)!
AIIBの失敗は、もう明らかです。これについては、最初からこのブログには失敗するであろうことを掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
麻生財務相の「参加見送り」見解、中国メディアは未練たらたら・・・「日本国内でもAIIB参加すべきの声」と報じる―【私の論評】中国小国化に向け追撃戦に転じた安倍総理(゚д゚)!
昨年AIIBに関して報道したテレビ番組のキャプチャー画像 |
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これは、2013年7月当時精華大学准教授のパトリック・ショバネック氏による推計です。赤の線が李克強指数で、青の線がいわゆる「本当の」成長率です。
これをご覧いただけるとおわかりのように、2013年5月当時の成長率は2%ということです。この推計が正しいものとすれば、13年当時と比較すると、最近はかなり経済が落ち込んでいますから、おそらくはマイナス成長になっていると考えるのが妥当でしょう。
なぜそうなのか、その部分のみこの記事から下に箇条書きで抜粋します。
1.AIIBには、ガバナンスの点で大いに問題がある。たとえば、AIIBの融資について理事会の関与がほとんどない。中国トップがある国へのインフラ投資を政治判断したら、AIIBはプロジェクトの採算性などを度外視して融資する可能性があるこれは字面だけ見ていると何を意味するかわかりませんが、たとえば、北朝鮮への融資も十分あり得ます。あるいは、中国内や、中国近隣で中国にとって都合の良い融資を行う可能性もあります。
たとえば、鉄道・空港・港湾など、軍事施設としても有用なものですが、これらを中国の都合で行う可能性もあります。現状の中国は経済も停滞していますし、金融も空洞化していますから、軍事と言った場合、人員確保や兵器の配備にはお金をつかうかもしれませんが、鉄道・空港・港湾など大規模な投資はなかなかしにくい状況にあります。だからAIIBによって、人民解放軍が活動しやすいように、これらのインフラを整備するということも十分考えられます。
何のことはありません。どこかの国が、AIIBによって港をつくったら、そこが人民解放軍により占拠され、その国への侵略の拠点になるというとんでもないことになり得る可能性もあるのです。
2.AIIBは中国主導であり、中国がその後ろ盾になる。よって、その格付は中国と同等になる。中国の格付けは、トリプルAのアメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAである。ということは、アメリカと日本が参加しない、AIIBの格付けは他の国際金融機関よりも低いということになるAIIBの国際金融機関の格付けが低いということは、他の機関よりも資金調達コストが高くなり、当然貸出金利も他の国際金融機関よりも、高く設定せざるを得ないことを意味します。 アメリカと日本が参加しない限り、この問題は解決できません。このままだと、AIIBは、日米が主導するアジア開発銀行に比較すると圧倒的に不利ということになります。中国が、日米の参加を喉から手がでるほどに、欲しがっているわけです。
3.中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、国際金融業務のノウハウも乏しい
中国側は、国際金融業務のノウハウが乏しいため、日米が参加すれば、そのノウハウを入手できる可能性があります。日米はそれを提供しないということです。そんなものは、英国あたりができるだろうということになるかもしれませんが、確かに英国などのEU諸国は、アジアの投資に関するノウハウは乏しいです。その他の国は、そもそもそのようなノウハウはありません。
以上の3点を考えれば、日本や米国などがあせって、参加する必要性など全くありません。特に、ガバナンスの点が改善されない限り、検討する余地すら全くありません。
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上の箇条書きの太字の部分三点を知ったうえで、さらにこれの意味することを理解すれば、AIIBなど最初から頓挫することは、理解できたはずてす。
最近の中国を見ていれば、AIIBに参加することの意義などほとんどないことが良くおわかりになると思います。何しろ、中国国内からの資金流失が止まらずとにかく、中国からドルがとめどもなく海外に流れています。
実態経済も、中国政府は7%台の成長などとしていますが、これは出鱈目です。李克強指数などからみれば、7%どころか、マイナス成長の可能性が高いです。
以下に李克強指数の推移のグラフを掲載します。
少し古い統計ですが、この李克強指数に基づき、経済成長率を推測したグラフを以下に掲載します。
これをご覧いただけるとおわかりのように、2013年5月当時の成長率は2%ということです。この推計が正しいものとすれば、13年当時と比較すると、最近はかなり経済が落ち込んでいますから、おそらくはマイナス成長になっていると考えるのが妥当でしょう。
さて、中国内からの海外への資金流出に関するグラフを以下に掲載します。
これも、直近のデータはありませんが、2014年から資金流失は顕著となり、外貨準備高も減少傾向にあったことがわかります。現状では、もっと酷いことになっているはずです。
もう、2015年には、中国の実体経済はかなり悪く、資金流出も顕著であることがはっきりしていました。これを理解していれば、AIIBに参加すべきなどということは、軽々に言えるはずもありません。
2015年3月28日朝日新聞朝刊 馬鹿の証、それとも中国スパイの証? |
それに最近では、株価も低迷しています。しかし、昨年は年頭から、実体経済の悪化や、資金流出がとんでもないことになっていることはわかっていましたから、株価も低迷してとてつもないことになることは、予測できたはずです。
中国のAIIBなど、ブラック企業の経営者が、会社の業績が酷く悪く、資金もとめどもなく流出して当座の金もなくなっているときに、派手な粉飾決算を行い、その粉飾決算を元に、銀行に金を出せと迫っているようなものです。
そうして、この文脈では、銀行は日米です。他のEUなどの国々は、ブラック企業でも、儲かりさえすればということで、ブラック企業の経営者の口車に乗ったようにみせかけ、様子見をしたというにすぎません。ブラック企業が、儲けにも何にもならないということになれば、実質離れていくのは目に見えています。
にもかかわらず、昨年AIIBに日本が参加すべきと主張した連中は、中国スパイか、もしそうでないというのなら、相当の馬鹿野郎です。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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