2017年2月17日金曜日

米軍、金正恩氏「7日で排除」3月にも世界最強の軍事力行使か、韓国紙は日本配備のステルス戦闘機に言及―【私の論評】まさに、朝鮮半島は戦争前夜(゚д゚)!

米軍、金正恩氏「7日で排除」3月にも世界最強の軍事力行使か、韓国紙は日本配備のステルス戦闘機に言及

ドナルド・トランプ米大統領 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件は、国際社会が注目している。「毒劇物による暗殺」の可能性が高まるなか、ドイツ・ボンで16日に開催の日米韓外相会談でも、事件や北朝鮮の核・ミサイル問題は議題となった。ドナルド・トランプ米大統領は、北朝鮮への対抗姿勢を強めており、3月にも世界最強の軍事力を行使する可能性がある。北朝鮮は16日、故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕記念日「光明星節」を迎えたが、専門家は正恩氏排除までの期間を「早ければ7日」と断言した。

 日米韓外相会談は、ボンでのG20(20カ国・地域)外相会合に合わせて行われた。岸田文雄外相と、レックス・ティラーソン米国務長官、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が出席した。

 会談では、日米韓が連携して、アジアの平和と安定を壊しかねない北朝鮮への制裁措置の実効性確保を図るとともに、中国に対して北朝鮮への圧力を強めるよう働きかける方針を確認した。当然、正男氏の暗殺事件についても意見交換したとみられる。

 注目の事件だが、マレーシアの国営ベルナマ通信は16日、同国の警察が2人目の女を逮捕したと報じた。地元メディアは、女2人のほかに、男4人が犯行を手助けした疑いがあり、警察が行方を追っていると報じた。

 韓国・朝鮮日報は16日、「(正男氏の遺体の)口元に泡がついており、典型的な毒殺時の現象だ」という政府当局者の証言を伝えた。

 事件への関与が注目される正恩氏は75周年の「光明星節」という16日、父の正日氏と、祖父の故金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている平壌の錦繍山太陽宮殿を訪問した。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 今後、犯行が「北朝鮮の仕業」「正恩氏の指示」と断定されれば、日米首脳会談に合わせた11日の弾道ミサイル発射を受けて「非常に強い態度で対応する」と怒りをあらわにしたトランプ氏を、激高させそうだ。

 トランプ氏の本音について、13日に帰国した安倍晋三首相はNHKのニュースに出演し、「オバマ政権は軍事力の行使には非常に慎重だった。今のトランプ政権では、もう一度見直し、あらゆる選択肢をテーブルの上にのせながら、外交的に解決していきたいと考えていると思う」と語った。

 「あらゆる選択肢」とは、当然、世界最強の軍事力を指す。

 福井県立大の島田洋一教授は「トランプ氏は『ここで北朝鮮になめられたら、他の国になめられる』という感覚から、目に見える格好で強い姿勢を示すだろう。過去にも、相手がなめてかかってきたら『10倍返し』でやるという趣旨の発言をしている」といい、今後の行動をこう予測する。

 「まず考えられるのは、北朝鮮と取引する中国企業が使用する金融機関に対する金融制裁のグレードアップだ。さらに米韓軍事演習の強化や、米国防情報局(DIA)を通じた工作も強化してくるのではないか」

 米韓軍事演習については、拡充する見通しを韓国紙が伝えている。

 朝鮮日報(日本語版)は11日、米原子力空母「カール・ビンソン」が前日にグアムに到着したことや、ステルス戦闘機「F22ラプター」の日本配備に触れ、米軍の戦略部隊が朝鮮半島周辺に集結していることを報じた。記事では、軍関係者の話として「3月の米韓軍事演習『キー・リゾルブ』と『フォールイーグル』に参加する可能性が高い」と伝えている。

 カール・ビンソンは「動く軍事拠点」とも呼ばれるニミッツ級の原子力空母で、同紙は「西太平洋を担当する第7艦隊には、すでに原子力空母『ロナルド・レーガン』が配備されている。米国が西太平洋で2つの空母機動部隊を運用するのは異例」と指摘した。

 かつてない規模で行われる3月の米韓軍事演習だが、過去には正恩氏を急襲し、確保・排除する「斬首作戦」に沿った演習が行われてきた。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「本物の『斬首作戦』に変更してもいいような軍事演習となるだろう」といい、北朝鮮攻撃のシナリオを次のように語る。

 「陸からは、韓国軍と米軍の特殊部隊で平壌まで行く。空からは、B2爆撃機が平壌(ピョンヤン)上空まで行き、地下の約50メートルまでコンクリートをぶち抜ける爆弾『バンカーバスター』を使って、地下壕にいる正恩氏の居場所を徹底的に攻撃するだろう。海からは、恐らくトマホークを打ち込む。海上にはイージス艦もいるので、北朝鮮が弾道ミサイルで反撃してきた場合は、海上配備型迎撃ミサイルSM3で全部打ち落とすだろう」

 トランプ氏が、暴走する正恩氏を排除する決断を下すきっかけは何か、作戦終了までにかかる時間はどの程度か。

 世良氏は「北朝鮮が米国に到達する能力を持つICBM(大陸弾道間ミサイル)を発射したとき、またはトランプ氏が何らかの情報に基づきゴーサインを出したときが考えられる。早ければ1週間程度で、正恩氏を排除できるのではないか」と語っている。

【私の論評】まさに、朝鮮半島は戦争前夜(゚д゚)!

すでに米軍は、昨年金正恩斬首部隊を韓国に配備し、そのための訓練を行っています。それについてはこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
在韓米軍、「金正恩斬首」の特殊部隊を配備―【私の論評】戦争に傾く混迷の2016年以降の世界を日本はどう生き抜くのか(゚д゚)!
第75レンジャー大隊の隊員たち ジャーマン・シェパードを含む 
この記事は、昨年の2月5日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
在韓米軍がこのほど、第1空輸特戦団と第75レンジャー連隊所属の特殊部隊を韓国にローテーション配備した。 
同部隊は、イラク戦争やアフガニスタンでの戦闘に投入され、敵の要人を暗殺する「斬首作戦」などを担ってきた。核・生物化学兵器などの大量破壊兵器(WMD)の除去作戦も行う。 
在韓米軍の発表によれば、「特殊部隊は韓国特殊戦司令部と共に特殊戦司令部準備態勢や能力増大のための訓練を行う」という。訓練には、特殊部隊を極秘潜入させる米空軍のMC-130J支援機も投入される予定。

在韓米軍がこうした発表を行うのは異例。
さらに、 米国は昨年から2つの空母打撃群を西太平洋に配置する構えをみせ、ステルス戦闘機「F22ラプター」の日本配備も昨年すでになされています。今年になってはじめて、ブログ冒頭のような構えをみせたわけではありません。それに関す記事のリンクを以下に掲載します。
【スクープ最前線】米、東アジアで異例の軍備増強 北朝鮮急襲「Xデーは2月末」の衝撃情報―【私の論評】混迷する世界!「政治的メッセージ」を聴くのも、発信するのも飽きた米国?
この記事は、昨年1月28日のものです。以下に一部分を引用します。
米西部ワシントン州の母港を15日、原子力空母「ジョン・C・ステニス」(排水量10万5500トン)が出港し、西太平洋に向かった。同空母は、戦闘機や攻撃ヘリコプターなど約90機を搭載し、士官・兵員約3200人、航空要員約2500人が乗船している。当然、ミサイル巡洋艦や駆逐艦、原子力潜水艦などを引き連れて、空母機動部隊を編成している。 
ご存じのように、横須賀基地(神奈川県)には、原子力空母「ロナルド・レーガン」(同10万8000トン)を中心とする、機動部隊が配備されている。東アジアに2つの空母機動部隊が展開するなど、異例中の異例といえる。 
横須賀に入港中のロナルド・レーガン
さらに、横田基地には、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22「ラプター」と、F16戦闘機「ファイティング・ファルコン」の計26機が集合した。米グアムの米軍基地には、「死の鳥」と恐れられるB52戦略爆撃機「ストレイトウフォートレス」(成層圏の要塞)と、B2ステルス戦略爆撃機「スピリット」がスタンバイした-。
以下、複数の米軍関係者から得た仰天情報だ。 
「北朝鮮殲滅(せんめつ)作戦は数パターンある。基本は、ステルス戦闘機などで約700カ所の軍事拠点をピンポイント爆撃し、原子力潜水艦で海域を封鎖する。同時に特殊部隊が突入。北朝鮮内部に構築したスパイとともに正恩氏を一気に確保し、排除する」 
「作戦の第1段階は、原子力空母や原子力潜水艦などの朝鮮半島沖への展開だ。2月末から、米韓合同軍事演習『キー・リゾルブ』と、野外機動訓練『フォールイーグル』が予定されている。空母などは、その名目で展開する。第1段階は2月下旬までに完了する」 
「Xデー」とはこのことだ。情報はこう続く。 
「最終的なゴーサインはオバマ米大統領次第だ。こちらは北朝鮮の地下軍事基地の詳細や、正恩氏の居場所、中国やロシアへの脱出トンネルも把握している。正恩氏はもはや、核放棄に応じるしかない。それは『2005年の事件』で分かっているはずだ」 
米軍は05年、北朝鮮で極秘軍事作戦を決行した。F117ステルス戦闘機「ナイトホーク」を、平壌上空に派遣し、正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の豪邸にめがけ、上空から急降下を繰り返し、正日氏に死を覚悟させて震えあがらせた。見えない戦闘機に北朝鮮は手も足も出なかった。
F117ステルス戦闘機「ナイトホーク」
今回の米軍展開は、その時以上といえる。
飛行中のB2ステルス戦略爆撃機「スピリット」
米国が西太平洋で2つの空母機動部隊を運用するのは異例のことですが、それを米軍は昨年の今頃も実施し、今年も行っているということです。

この動き無論のこと、金正恩にだけ焦点をあてたものではなく、支那に対する牽制という意味もあると思います。

さて、米国といえば、オバマ政権時代にオサマ・ビン・ラディン氏を暗殺しています。これを考えれば、ブログ冒頭の記事にあるような、金正恩氏暗殺ということも十分にあり得ます。

オサマ・ビン・ラディン氏に関しては何年間もCIAが居場所をつきとめようとしていてなかなかつきとめられなかっのが、とうとう突き止めることができたため、斬首作戦に踏み切ったものです。

金正恩氏に関しても、わざわざ斬首部隊を韓国に配置したり、今年も空母打撃群を2つも派遣したり、さらにはステルス戦闘機を今年も日本に配備したということで、米軍としては、条件が揃えば実行する用意があるのは当然のことと思います。

それにしても、米国の昨年に続くこのような動き、北朝鮮側、金正恩からみても不気味でしょう。

さて、ブログ冒頭の記事にもあるとおり、北朝鮮は16日、故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕記念日「光明星節」を迎えました。正恩氏は今年の75周年の「光明星節」に父の正日氏と、祖父の故金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている平壌の錦繍山太陽宮殿を訪問しました。

故金正日総書記の生誕記念日「光明星節」を記念して
開かれたシンクロナイズドスイミングの公演=15日、平壌
金正恩党委員長は16日0時、金正日総書記の生誕記念日(2月16日)である光明星節に際して、平壌の錦繍山太陽宮殿を参拝しました。同日、朝鮮中央通信が報じました。私自身は、金正恩氏はこの日にあわせるように、金正男氏を暗殺したのではないかとみています。
これをもって、完璧に後継者問題を終焉させるという意味があったものと考えます。
錦繍山太陽宮殿を訪れた金正恩氏と党・内閣・
軍の幹部ら(2017年2月16日付労働新聞より)
その並々ならぬ決意は、錦繍山太陽宮殿を参拝という事実に現されているものと思います。なぜなら、金正恩氏は、昨年の光明星節にはこの宮殿を訪問していないからです。なぜほうもんしなかったかといえば、それについてはこのブログにも過去に掲載しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
【北朝鮮情勢】金正恩氏、米軍の急襲恐れる?正日氏の遺体集団参拝に加わらず―【私の論評】中国に対する牽制のためにも、米による金正恩斬首は大いに有り得る(゚д゚)!
平壌の錦繍山太陽宮殿
この記事は、昨年の2月18日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、金正恩氏がなぜ宮殿を訪問しなかったのか、その理由に関する部分のみ以下に掲載します。
北朝鮮の金正恩第1書記が16日の金正日総書記の生誕記念日に取った異例の行動が、韓国で話題となっている。金正恩氏は例年、午前0時に金正日氏の遺体が安置されている平壌の錦繍山太陽宮殿を幹部らと集団参拝するが、今年は零時の集団参拝には加わらなかった。国営メディアは「16日に夫人と参拝した」と報じるのみだ。

韓国メディアは18日、金正恩氏が例年と異なる行動を取ったのは、F22戦闘機など戦略兵器を韓国周辺に展開する米軍の急襲を恐れたためとの見方を伝えた。
結局のところ、昨年は、斬首部隊が韓国に派遣されたり、米軍の2つの空母打撃群の配置があったり、日本にはステルス機などが配置され、自分の居場所を公にして、その場所に赴けば、それこそ斬首されかねないことを恐れたのだと思います。

しかし、今年は参加したというのは、やはり、後継者問題に片を付けるという意味あいがあったのものと考えます。宮殿を参拝することによって、これを北朝鮮内外に向かって強い意志を強く印象づけるという意味があったものと思われます。

そうして、これが他国も了解して、北朝鮮の後継者は、金正恩ただ一人と認めれば、今後金正恩の暴走は沈静化する可能性もあるかもしれません。

しかし、その意図がトランプ大統領などに伝わるかどうかは疑問です。北朝鮮は日米首脳会談めがけて、弾道ミサイルを発射したり、今度は金正男氏を暗殺したりということで、トランプ氏の逆鱗に触れる可能性は多いにあります。

それに支那の動きも気になるところです

中国政府が金正男を庇護下に置いたのは、金正恩体制がクーデターなどで転覆した際、取って代わって親中国政権を樹立するためでした。いわば正男は中国にとって手駒であり、隠しカードだったのです。

その正男を暗殺したとしたら、中国にケンカを売ったも同然。今後、北朝鮮の暗殺への関与がはっきりすれば、習近平政権は『中国政府に対する重大な挑戦』と捉えることになるでしょう。いずれにせよ、金正恩政権の北朝鮮と中国の間で緊張が高まることになるのは確実です。
 
中国は金正恩の過剰な独裁体制に不信感を抱いています。それを察知した正恩には、自分の身が中国に狙われることになるかもしれないという恐怖が常にあります。ならば、自分の代わりに後継指名されることになりそうな正男を先回りして暗殺しようと思い至ったとしても、不思議ではありません。

まさに、朝鮮半島は、戦争前夜といっても良い状況にあります。

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