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2016年11月27日日曜日

日米中国経済包囲網 日本、関税「特恵」から除外 米は「市場経済国」認めず―【私の論評】中国の現体制を完膚なきまでに崩壊させ、ルーズベルト以前の世界にもどせ(゚д゚)!

日米中国経済包囲網 日本、関税「特恵」から除外 米は「市場経済国」認めず

中国経済への強硬策で足並みをそろえる安倍首相(左)とトランプ氏
 中国の習近平国家主席による経済覇権戦略が破綻寸前だ。財務省は新興国への「特恵関税制度」の基準を見直し、中国などを対象から除外する方針で、中国製品1000~2000品目の関税が上がりそうだ。トランプ次期米国大統領も中国製品への関税大幅引き上げを打ち出しているほか、オバマ現政権も中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」としての認定を見送る。

 トランプ氏がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの脱退を宣言し、中国包囲網が崩れるかに思われたが、習政権にとってはぬか喜びに終わりそうだ。

 財務省は関税・外国為替等審議会で、特恵関税制度の対象国の要件を見直し、2019年度までに実施する方針を示した。対象国の1人当たり国民総所得(GNI)の基準に加え、輸出の世界シェアなどの基準も設けた新規定では、中国とメキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアの5カ国が適用対象外となる。

 日本では、15年度に優遇税率が適用された輸入品のうち6割は中国からのものだった。政府関係者は「経済が発展しているのに、関税をまける必要があるのか」と指摘する。

 中国製品をめぐってトランプ氏は選挙期間中、「関税を45%に引き上げる」と明言しているほか、「大統領就任初日に為替操作国に認定する」としており、過剰生産した製品を通貨安を武器に世界に大量輸出するという中国経済に大打撃となりそうだ。

 さらにプリツカー米商務長官は中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」の認定を見送る考えを示した。欧州連合(EU)や日本も足並みをそろえるとみられる。

 WTO協定では、為替や企業の生産を政府が統制しているとみなされた国は「非市場経済国」として、貿易相手国は反ダンピング関税などの措置を取りやすくなる。貿易後進国の烙印(らくいん)を押されるようなものだ。

 中国商務省の張向晨・国際貿易交渉副代表は、米国が中国に高関税をかけた場合、世界貿易機関(WTO)への提訴を辞さないと警告。中国外務省の耿爽副報道局長は「中国はずっと市場経済を目指し、改革に努力してきた」と必死に反論するが、世界の目はごまかせない。

 ■特恵関税制度 途上国の輸出振興や経済支援のため、輸入品にかかる関税を下げたり、免除したりする制度。多くの先進国が導入しており、日本も143カ国・地域からの輸入品に適用している。ただ、欧州連合(EU)やカナダは特恵関税制度を縮小している。

【私の論評】中国の現体制を完膚なきまでに崩壊させ、ルーズベルト以前の世界に戻せ(゚д゚)!

日米による経済制裁は、上に掲載されているもののほかに、以下のようなことが期待されることをこのブログでは昨日も主張しました。

RCEP概念図

それは、RCEPに関するものです。2012年11月20日にカンボジアで開催された東アジアサミットで、アジアを束ねた地域包括経済連携(RCEP:Regional Comprehensive Economic Partnership)の交渉開始が宣言されました。しかし、この出来事は日本の成長戦略に大きなインパクトを与えるにも関わらず、日本の政治家やメディアの議論は専ら環太平洋連携協定(TPP: Trans-Pacific Partnership)に集中していて、RCEPについてはほとんど話題になりませんでした。

RCEPについて、もっともらしく語る識者などいますが、これを簡単に一言でいえば、中国のリーダーの下での国際ブラック分業体制に過ぎないものです。これは、中国を利するだけで、日本や米国にとっても、アジアにとっても何一つ良いことはなく、無論日本はさんかすべきでもないです。民進党などは、TPPに反対していますが、RCEPに関しては、ほとんど何もいいません。

ただし、RCEPはAIIBと同じく、最初から開店休業状況になる可能性が高いです。それは、昨日のブログでも述べたように、トランプ氏は、中国製品に対して45%程度の関税をかけるとしています。そのトランプ氏がRCEPに対して、何もせずに見過ごすことなど、考えられません。おそらく、トランプ氏は同一経済圏であるRCEPにも45%程度の関税をかけるからです。

そうなれば、日本も含めた主だった国々は、RCEPから離脱することになるでしょう。日米が参加しなかったことにより、AIIBは事実上開店休業状態です。中国に対して及び腰であったオバマ氏ですら、AIIBに参加せず、中国を牽制したわけですから、トランプ氏なら、当然のことながら、RCEPに対して45%の関税をかけるくらいのことは当然のこととして実行するでしょう。

米国による、関税45%、日本による中国の特恵関税の停止、AIIB日米不参加、RCEP参加国に対するトランプ新大統領による、45%の関税実施の宣言により、中国は苦しい立場に追い込まれます。

経済面でもこのような動きがありますが、その他にも以下のような動きがあります。

カストロ氏が亡くなったことを伝える本日の多維新聞サイトの画面
今年の5月には、米国内での中国人によるスパイ事件が大幅に増えていることが分かっています。米連邦捜査局(FBI)の調べによると、昨年のスパイ事件は20件以上と前年より50%以上も増加しており、とくに米国在住の中国人による犯行が多く、知らないうちに軍事技術が盗まれるなど手口も巧妙になっているという。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」が報じていました。

今年4月下旬、米国在住でフロリダ州の大学教員を務める中国人の女性研究者がフロリダ州の海軍基地に半年間の研究目的で滞在し、この間、原子力潜水艦の航行制御用のコンピュータープログラムを盗んだ疑いで逮捕されました。

この女性研究者はもともと中国人民解放軍傘下にあるハルビン工科学院で研究生活を続けていましたが、1998年に米国の居住権を取得し、フロリダ州の大学で教員として働いていました。

この女性研究者はハルビン工科大学の元上司から米軍の潜水艦に関する技術を盗むよう指示されており、米国の居住権取得も、米国でスパイ活動を前提したものだったとの疑いが濃いといいます。

米航空宇宙局(NASA)でも2013年に、中国から米国に移住してきた女性研究者による技術の盗難が明らかになっています。とくに、ここ数年では女性研究者によるスパイ事件の摘発件数も多くなっており、米国国家気象局やNASA、軍などで技術などの盗難事件が起こっているといいます。

また珍しい例では、現役の米海軍将校が犯行に手を染めた事件も発生しています。この将校は台湾出身で、米国籍を取得して海軍に入り、数々の勲章の受章歴を持つ米海軍士官で、中国や台湾に防衛機密を渡した容疑でスパイ罪などに問われています。

このほか、中国の大手国有企業がスパイ事件にかかわったとして起訴される事件も発生。米大陪審は4月中旬、中国国有原発大手「中国広核集団」の中国生まれの技術者がスパイ活動を行っていたとの認定したうえで、同集団も米政府が指定する核燃料物質を許可なく米国外で開発・生産した罪で起訴されています。

起訴された技術者は同集団の幹部から多額の謝礼を条件に、核燃料物質に関する資料を盗むように指示されたといいます。

このような中国スパイ摘発は、オバマ政権がレームダック化する以前は少なかったのに、今年になってから活発化しました。議会では、共和党が多数派になっていたため、共和党保守派がFBIの保守派などに訴え、オバマ政権末期でレームダック化しているため、スパイ事件の摘発が活発化したため、中国人によるスパイ事件が大幅に増えているようにみえたのでしょう。

そうして、トランプ氏が大統領になることに決まった現在、中国スパイ摘発はさらに活溌化することでしょう。特に、オバマ政権の中枢にも捜査の手が及ぶかもしれません。

大統領選のときに、トランプ氏がクリントン氏に向かって、「刑務所に入れてやる」と言ったは、単なる脅しではありません。クリントン夫妻には、このブログで何度か掲載したように、中華マネーにまみれています。ただし、この中華マネーにより、クリントン元大統領や、ヒラリー・クリントンにより、対中国政策に何らかの影響を与えたかどうかを立証できないかが証明されないので、クリントン夫妻は刑務所に入らないですんでいただけです。

ドナルド・トランプ氏はライバルであるヒラリー・クリントン氏が刑務所に行くべきだと述べた
今後、トランプ大統領が登場した場合、当然のことながら、こういうことも調査しやすくなるでしょう。クリントン夫妻に限らず、中国スパイへの摘発が厳しくなるかもしれません。トランプ氏が大統領になってから、あっと驚くような逮捕劇が繰り返されることになるかもしれません。

そうして、特定秘密保護法が成立した日本でも、同じことがおこるかもしれません。ただし、日本ではなかなか実行しにくい面があるかもしれませんが、トランプ氏が大統領になれば、米国での調査が進めば、当然のことながら、米国からの情報なども期待できます。

米国による確たる証拠があれば、日本でも問題なく特定秘密保護法により、政治家、マスコミ、公務員などの中国スパイも捕らえやすくなることでしょう。

日米は、これから、対中国経済包囲網での協力とともに、中国スパイの摘発にも協力しあい、中国の現体制を叩き潰すまで協調し、ともに闘うべきです。

米国の保守派は、ニューディール連合がアメリカをのっとって以来アメリカは変質してしまったとしています。ニューディール連合(ニューディールれんごう、New Deal coalition)とは、1932年から1960年代末のアメリカ合衆国において、ニューディール政策および民主党大統領候補を支持した利益集団や選挙母体の連合体を指します。1952年と1956年の各大統領選挙でドワイト・アイゼンハワーに敗北を喫するも、この時代に民主党は主要政党にまで上り詰めてゆきました。

フランクリン・ルーズベルトが党組織やマシーン、労働組合、ブルーカラー労働者、マイノリティ、農場経営者、南部出身者の他知識人から成る連合体を構築。1968年の大統領選挙の時期に崩壊しましたが、党活動家が復権を目指し枠組みを維持することになり、現在に至っています。そうして、これがアメリカのリベラル・左派の基盤をなし、今でもアメリカの政界、メディア界、学界、司法界でも大きな勢力となっています。

ソ連スパイに浸透され判断を誤ったフランクリン・ルーズベルト
特に、メディア界においては、メディアの90%がリベラル・左派であり、保守は10%程度に過ぎず、保守派が何かを主張しても、かき消されてしまいます。そうして、このようなアメリカの実体を知らず、米国のリベラル・左派の報道をそのまま垂れ流す日本のメデイアによって、日本人の多くが、アメリカの半分を全く知らない状態にあることは、このブロクでも何度か掲載してきました。

しかし、このような実体は、今回の大統領選により、トランプ氏の当選を予測できないどころか、全く見込みなしで、ヒラリー・クリントンが優勢と報道し続けたことにより、暴露されました。

米国の真性保守は、ソ連スパイに浸透されルーズベルトがソ連と手を組んだことが間違いであり、また反共の砦であった当時の日本と戦争をしたのは全くの間違いだった、この間違いから米国は間違った方向に行ってしまったのであり、米国はこの時点から遡って方向転換しなければならないと主張しています。

あのマッカーサも同じような主張をしています。米国が朝鮮戦争を実施して、実際にマッカーサーが朝鮮に赴き、現地をつぶさに調査し、なぜ日本が朝鮮を併合したり、満州国を設置したりしたのが良く理解できた、結局日本はソ連の浸透に対峙していたのが理解でき、彼らの戦争は防衛戦争だと、後に公聴会で証言しています。

ダグラス・マッカーサー
しかし、その日本も、近衛内閣のときにソ連スパイに浸透され、ソ連スパイに操られ、対米英強硬論が主張され、米英と戦争をするという愚かな決断をしてしまいました。無論、その決断の背後には、ルーズベルトによる画策もあり、戦争せざるを得ない状況に追い込まれたのも事実です。

そうして、現在はソ連は崩壊しロシアは軍事的にも経済的にもとるに足りない存在となりましたが、かわつて中国が世界の安定と繁栄にとって邪魔な存在になっています。

トランプ氏も保守派のこのような考えは、当然のことながら理解していると思います。そうして、これは安倍総理の主張する戦後レジームからの脱却という考え方とも相通じるところがあります。

トランプ大統領の米国と、安倍総理の日本とは、互いに歩み寄れるところが多くあります。

この両者が緊密に協力しあって、中国が旧ソ連のように自壊するのを待つのではなく、旧ソ連にかわって、世界の秩序をの半分を担おうとする妄想中国の現体制を完膚なきまでに崩壊させ、世界をルーズベルト以前の秩序にもどすべきです。無論、その頃とは世界は全く異なっているので、完全に戻すことはできないでしょうが、特に日米関係はその頃にもどすべきです。

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