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2008年7月13日日曜日

中国では暴動は日常茶飯事-この事態が改善されない限り中国はまともな国になれない!

経済成長著しい中国で
発展から取り残された農民らによる「反乱」の発生が十月以降、相次いで伝えられている。土地収用をめぐる地方政府への不満などをきっかけに当局や警官隊と衝突、死傷者が出るなど事態は尾を引いています。

背景には根深い役人の腐敗や一向に縮まらない貧富の格差への反発が横たわり、発展の陰で広がる社会不安が顕在化しつつあります。
香港紙の報道などによると、「反乱」は主に内陸の農村部で発生。四川省では水力発電所、陝西省では経済開発区建設をめぐり、それぞれ立ち退きなどに不満を持つ農民多数が現場を取り囲むなどして警官隊と衝突、農民側に死者が出ました。

重慶市では役人の特権に反発する住民一万人以上が地方政府庁舎を取り囲んだほか、安徽省では年金に不満を持つ数千人が幹線道路を封鎖。広東省では橋の通行料徴収をめぐって数万人が暴動、河南省では漢族とイスラム教の回族が衝突、七人が死亡したとされています。

胡錦濤政権は農民保護を重点施策に掲げているが、地方では農民から安値で土地を買い上げ、転売して収益を上げる強制的な収用、乱開発などが横行。中国誌によると、土地収用に絡む苦情の訴えは今年上半期だけで四千件以上にのぼる。都市と農村では所得格差がなお三倍以上、地方では役所が種々の名目で手数料を徴収する「乱収費」が後を絶たない状態です。(西日本新聞)

さて、上の記事、つい最近の記事のようにもみえますが、実は2004年のものです。最近、オリンピックが開催されるためチベットの問題も大きく報道されるようなりました。しかも、オリンピックの聖火が全世界を巡ったこともあって、世界中の人々の耳目を集めることとなりました。

しかし、実際には10年ほど前から、中国では暴動は日常茶飯事でした。いや、10年前ほど前からはインターネットが普及しだしたので、事実が明るみに出るようになりましたが、実は建国してから5~10年後からは、日常茶飯事になっていても、隠し通していたので、噂な風聞などが流れてくるだけだったということができます。

これだけの政情不安を抱えた国がオリンピックを開催するのは、歴史上始めてではないか思います。旧ソ連邦でも、軍事政権下の韓国でも暴動はありましたが、これほど頻度は高くなかったと思います。今は、オリンピックも近いので、人民解放軍や警察などがにらみをきかしているので、あまり頻度は多くないです、オリンピック後にはまた頻繁に暴動が起こると思います。いや、オリンピック以前よりも頻度が高くなる可能性の方が高いです。なぜなら、従来から述べているように中国は現在未曾有の経済的危機の最中にあります。これは、容易に改善できる問題ではありません。

農村の貧困と過剰人口
さて、その頃の農村の様子なども掲載します。1978年に始まった中国の開放・改革路線。それ以来都市部と農村部の経済格差は劇的に開き、今や2002年の統計で、都市住民は平均年収入は7703元(約11万5500円)。一方の農村部は2467元(約3万7千円)。実に3倍の格差となっていました。

貧しい農村では就業機会も無い。中国政府の発表によれば、農村から近隣及び遠隔地への出稼ぎ人口は一億二千万人。このうち省の境を越えて移動する遠征組は4千万人に達する。要するに、これが農村部の失業人口というわけです。

もともと革命後の中国では農村は人民公社方式による全員就業が基本でした。厳しい住民登録(戸籍)制度があり、当局の許可なしに農民が都市に住むことを禁止されており、「流動人口」なる概念が存在しませんでした。

それが1982年、憲法改正によって人民公社制度が廃止。ここから中国農村は弱肉強食の市場経済に呑まれていきます。開放路線当初は農村を起点とした郷鎮企業の振興で農村も潤うと期待されましたが、市場経済の現実はそんなに甘くはありません。優秀な企業は残り、劣る企業はつぶれる。多くの郷鎮企業はあっという間に淘汰されてしまいました。残ったのは過剰労働力。そして「民工」と呼ばれる出稼ぎ人口の大移動です。

歴史をひもとけば、たいていの歴代中国王朝は、失政と飢餓とそれに伴う流民で滅んでいきました。流民団の首領が次の王朝の始祖となる。このパターンの繰り返しが中国の歴史です。

私はかつての中国の人民公社方式を手放しで礼賛する気など無いが、この構想の根には、農村問題が中国の死活を制するという発想があったと思います。


宗族の復活
中国農村の激変を促したものは、改革開放路線による人民公社の解体と、1980年代から始められた村民委員会主任の選挙。村民委員会主任、要するに村長のこと。村民が投票で村長を選びます。

これを中国政府は「中国における基層民主主義」と宣伝し、世界に向けてアピールしています。その「民主化」についてあれこれ論じる気は無いですが、中国政府の発想として、古来からの「村落の自治」「王権は村落の垣根を越えず」などの歴史的なパターンに従ったものでしよう。

ただ、この村民委員会選挙により、共産党の地方に対するコントロールは弱体化した。選挙制度開始直後は、選ばれるのは村落の共産党幹部がほとんどだったが、最近では一割に満たないという。では、誰が当選するのでしょうか?

中国農村では「宗族」が復活しつつある。宗族とは、有力な家族・家系を軸とした土俗的な血縁集団。選挙も「~家」と「~家」、宗族と宗族の争いと化しつつあります。

現実問題として村の村民委員は、有力な宗族出身の人間が当選した方が丸く収まる。弱小の家の者だと村中が言うことを聞かないといいます。

宗族の内部は家父長的なピラミッド構造で、「族長」と呼ばれる長老を頂点とし、「族規家法」といいます、家族内の秩序や資産管理を定めた規則を持っています。これは一種の私法であり、私的制裁法であり、この規則に従って山林の伐採権から治安に至るまで、宗族内のルールと罰則を定めています。

これら宗族同士が利権を巡って相争うこともあり、これを「械斗(シエトウ)」と呼ぶ。これら械斗は中国各地で発生しています。たとえば1990年から96年にかけて、江西省で発生した械斗は実に1392件とのことです。

大規模なものは1991年5月に広東省遂渓県で起こった械斗。揚家VS王家の争いで、六千人が7日間に渡って戦いました。双方は手製の小銃の他に、近隣の民兵工場から奪った高射機関銃を使って、相手の村を掃射するという内戦まがいの争いでした。結局、人民武装警察に鎮圧されるまでこの争いは続いたそうです。

宗族の復活は共産党のコントロールの低下をもたらす。宗族は血縁による利益共同体。内部の人間は国法よりも共産党よりも宗族の私的ルールを優先します。彼らが共産党を押しのけて村の実権を握る現象が中国各地で見られるといます。これを「村覇(ツンパー)」と呼ぶそうです。

総じて言えるのは「中国の先祖返り」です。

かつて毛沢東は、「農民を縛る4本の大きな縄」として、

◇政権
◇族権(宗族の族長支配)
◇神権(宗教や迷信による支配)
◇夫権(男尊女卑)

この4つを挙げました。

このうち、族権は息を吹き返し、共産主義理念の後退により宗教は勢力を拡張しつつあります。また、農村における女性蔑視の風潮は根深いものがあります。これに上記の「農村の過剰人口と人口移動」を付け加えてみれば、なんのことはない、過去の歴史の再現となっているではありませんか。

そう、中国は昔に戻りつつあります。中国がWTOに加入した後でもこの実態はほとんど変わっていません。私は、このブログで、以前にも、中国がまともな国なるためには、法治国家化政治経済の分離民主化の三点セットは必要不可欠であることを述べました。

今までは、どうしても都市部のことを中心にこのブログに書いてきましたが、農村でも状況はかわらないどころか、悪化しているとさえいます。

中国はこの問題を解決しない限り、もう経済発展もありえないでしょう。どんどん酷くなっていき、多くの人民の鬱積が貯まりつづけていくでしょう。いきつく先は、オリンピックを開催してから10年後くらいに、ナチスドイツやソビエト連邦が崩壊したように、北京オリンピック開催後に崩壊するかもしれません。

ただし、現状の中国を見ているとその方が良いのかもしれません。国がある程度小さくなれば、中央の政府も隅々まで目が届くようになります。私は、分裂しようがしまいが、現在ある中国という国の領土にある地域の法治国家化政治経済の分離民主化の三点セットが実現されまともな国もしくは、まともな国々になって欲しいと思います。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

■貴州省の暴動に見る壊れた中国の実態

■燃えろアタック-排球女将

■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?

■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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