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2012年6月11日月曜日

日本の橋や道路が傷んできた 補修財源「30兆円」足りない―【私の論評】何が必要なインフラか、選別をするのは、結構だが、今は、人からコンクリートへが緊急の課題である!!

日本の橋や道路が傷んできた 補修財源「30兆円」足りない:


高度経済成長期に大量に作られた道路や橋などのインフラが一斉に更新期を迎えつつある。国土交通省は耐久性を再チェック、2012年5月末、社会資本整備重点計画(2012~16年度)の最終案をまとめた。「防災」を軸に、高度成長時代に戻るかのような大風呂敷をひろげているが、補修には巨費がかかる。


国交省が「経済成長時代の発想から抜け切れていない」(民間シンクタンク)なかで、自治体レベルでは地道な取り組みも見られる。香川県さぬき市は西部の築50年の橋の廃止を打ち出した。過疎地域にあり、90メートル離れて新しい橋が出来るから、多少の不便は我慢してもらう考えだ。青森県は、現在ある橋の維持・補修に2764億円必要とされているのを、老朽化前にうまくメンテナンスすれば808億円に圧縮できると試算し、注目されている。神奈川県秦野市は公共施設の床面積を40年かけて3割減らす計画を立て、その一環として今年10月から市保健福祉センターの一角を郵便局に貸して住民票発行を委託する予定。埼玉県宮代町も体育館を民間業者にリースする計画という。


こうした「選択と集中」といえる取り組みは、まだ始まったばかりだが、財政の制約の下では避けて通れない道だ。


続きは「J-CASTニュース」へ

【私の論評】何が必要なインフラか、選別をするのは、結構だが、今は、人からコンクリートへが緊急の課題である!!

老朽化した首都高
上の記事では、「国交省が「経済成長時代の発想から抜け切れていない」(民間シンクタンク)なか」という言葉が出てきますが、これが、そもそも、大きな間違いです。そもそも、これを書いた人は、もうすでに、日本は、経済成長しないと思い込んでいるいるのだと思います。そうして、最近は、そのように思い込む人が増えています。そうして、公共工事は、悪であると信じているようです。なるべくするべきではない。「公共工事」=「箱物行政といらない道路、橋等」=「悪」との単純な思い込みがすっかり定着しているようです。しかし、この考えは最早時代遅れといっても良いものです。そもそも、経済は循環するものです。デフレがひきつづき、14年目に突入する日本ですが、この状態が異常であって、異常な状況のままで、いろいろ対策をたてたとしても、それは、がん患者が歯の治療を考えているようなもので、何ら根本的な解決にはなりません。本日は、老朽化インフラの画像とともに掲載させていただきます。



これは、完全に間違いです。これに関しては、以前にもこのブログに掲載しました。
・・・・・・・・ハードとソフトは、互いに補いあうものであり、両方そろって、はじめて、意味があるのです。ハードを否定していては、いくら、ソフトを充実させても人をおろそかにします。 
しかし、このような愚かなことが、ずっと行われているところがあります。それは、どこかといえば、日本そのものです。日本では、いわゆるバブル期の頃に、あまりに意味のない箱物がたくさん作られたため、公共工事=箱物=利権=悪という固定概念が形成され、いわゆる公共工事は必要もないのに、無駄におこなわれているかのイメージが定着してしまいました。そのためでしょうか、公共工事は年々削られていきました。 
それが、どの程度なのか、掲載します。 
まずは、数字的に表示すると以下の表のようになります。 
GDP比でみると、現状は、1980年あたりの、半分以下に落ち込んでいることがわかります。下のグラフでみると、公共投資総額でも、最盛期と比較すると、半分にまで減っています。

 
バブル期と比較する必要はないと思いますが、GDP比で比較しても、過去と比較すると相当減っていることがよくわかります。 
以上は、日本国内の過去との比較ですが、これを諸外国と比較したのが、下のグラフです。これは、1996年のGDP対公共工事総額を100とした場合の推移を諸外国と比較したものです。2009年には、麻生内閣のときに大々的に財政出動をしたので、あがっています。グラフにはでていませんが、その後は、また緊縮財政のため減っています。昨年度および今年度は、震災の復興のため、また若干上がることになると思います。 
諸外国と比較しても、日本の公共投資は減っていることが良くわかります。他国はどちらかいうと、どんどん増えています。ドイツも一時減りましたが、その後増えていっています。日本だけが、減っています。 
あまりにも、公共工事をやらなさ過ぎたため、最近では、さまざまなインフラの老朽化が目立っています。それに、公共工事をやらないということは、政府が緊縮財政を行ってきたことでもあります。緊縮財政を続けてきたことと日銀の金融引き締めのおかけで、今日本は、デフレ状況にあります。このデフレに原因に関して、世界の趨勢と結びつける人もいますが、これはあまり関係ありません。主たる原因は、緊縮財政と、金融引き締めです。 
現在、多少景気が上向いてきていますが、それは、震災復興のため一時的に公共工事を増やさざるをえず、そのために、一時的に回復しているということです。これで、復興を中途半端にしてやめてしまえば、またもとに戻る可能性もあるということです。
こけだけ、はっきりしているのに、上の記事を書いた人は、「コンクリートから人へ」などという、民主党の馬鹿なキャッチフレーズや、緊縮財政をするため、公共工事をどんどん減らしてきた、自民党などの屁理屈にだまされていると思います。

老朽化した水道管からの漏水
そうして、政府があまりにも公共工事を減らして結果として、緊縮財政をしてしまったことと、日銀による金融引き締めの両方が、日本のデフレの最大の原因です。これに関しては、あまり、国外のことは関係ありません。

30年前に、空想科学小説に掲載された東京の想像図
デフレから短期間で抜け出すためには、今は、変に選択などせずに、必要と思われる公共工事はどんどん実施すべきです。

老朽化した水道管の破裂
今は、「人からコンクリート」へをキャッチフレーズにすべきです。この20年で、社会は随分変わってしまったということを認識すべきです。


こういうことを言うと、「財源はどうする」などという人もいますが、財源など、それこそ、建築国債をあてて、60年くらいかけて、償還するということで良いです。こういうと、子孫につけを払わせるなどとして、否定する人もいます。しかし、大規模なインフラなど、複数の世代間で負担することなど、当たり前のことです。実際、私たちも、昔やった大工事のつけを税金で払って、そのインフラを利用して日々生活しているのです。

老朽化した港
関東大震災のときの復興でも、帝都を復興するのに、巨額の国債を発行し、それを国内で引き受け手があまりいなかったため、外国で販売して買ってもらい、外国に借金をして、復興財源にあてています。そうして、このときには、政府は、増税ではなく減税をしたという事実もあります。こうした、ケーススタディもまともにしないのが、今の民主党政権です。

老朽化したため、通行止めになっているトンネル
大規模な災害があったときの増税など、古今東西例をみません。今増税が絶対に必要などと思い込む人は、政府や日銀などのプロパガンダに踊らされているだけです。もう、時代が違うのです、バブルなど随分前に終わったことです。今は、バブルどころか、デフレなのです。

老朽化かした建物
今こそ、「人からコンクリート」をキャッチフレーズとして、コンクリートによる大公共工事が必要なのです。今の状況は、それこそが、本当に人を大事にすることになります。そうして、そのようなことは、過去にも何度も行われてきたことで、珍しくもなんともないことです。日本では、上にあげた、関東大震災の復興、戦後の復興、60年代の高度成長で当たり前に行われてきたことです。



ただし、田中角栄政権、三木政権のあたりでは、やりすぎて、政府の借金がかさむようになり、それどころか、バブル崩壊にまで突き進んだということであり、このような不手際は、日本では、例外といっても良いくらいの、事柄です。


今、公共工事をせずに、日本の国土を荒廃させてしまい、さらには、デフレから脱却できなければ、それこそ、私たちの子孫に大きな禍根を残すことになります。そんなことにだけは、したくないと思うのは、私だけでしょうか?


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