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2017年8月23日水曜日

イオンまた値下げ 「インフレ目標で価格決めない」 ―【私の論評】真摯に市場の声を聴けば今の日本経済が見えるはず(゚д゚)!

イオンのチラシ
イオンは23日、グループのスーパー2800店舗で25日から、プライベートブランド(PB)の食品や日用品114品目を値下げすると発表した。値下げ幅は平均で10%程度。同社は昨秋と今春にも合わせて約520品目を値下げした。継続的な値下げで低価格をアピールし、節約志向の消費者の需要を喚起する。

 値下げの対象は食品88品目、酒類7品目と日用品19品目。パック入りのご飯を29円安い429円、レギュラーコーヒーを108円安い753円などに値下げする。

 イオンの三宅香執行役は値下げの理由を「低価格への意識が強い消費者のニーズに応えるため」と説明した。物流の効率化や店舗拡大のスケールメリットによる原価低減を値下げに充てたという。日銀は2%の物価上昇を目標に掲げるが、脱デフレの動きは鈍い。三宅執行役は「インフレターゲットを意識しながら価格を決める小売業はない。我々は顧客のニーズだけを見ている」と述べた。

【私の論評】真摯に市場の声を聴けば今の日本経済が見えるはず(゚д゚)!

イオンは今年4月11日にも、傘下のスーパー400店で、食品や日用品の最大254品目を4月17日から順次値下げすると発表していました。値下げ幅は平均で10%程度。全体の品目数からするとごくわずかにすぎないものの、同社は昨秋から順次、プライベートブランド(PB)とメーカー品を合わせて約270品値下げするなど、定番商品の価格引き下げを続けています。

4月に値下げしたのは、総合スーパー(GMS)のイオンリテールが販売するメーカー品が約240品目、グループ共通で扱うPBが15品目。メーカー品では税抜き98円で販売している菓子パンを88円に、同235円の歯ブラシを215円に引き下げました。PBでは「トップバリュ天然微炭酸の水」を税込み149円から105円ににしました。


イオンリテールの岡崎双一社長は昨年10月、子育て世代など、節約志向が強い層の客離れが起きているとして「強烈な売価訴求」を重要課題に掲げました。メーカー品の価格見直しは半年ごとなど定期的にしており、「社会保障負担などが高まる春に合わせ、日用必需品を買いやすくする」(広報)としていました。

この4月の値下げととともに、今回の値下げで、約520品目を値下げしたことになります。この動きは、イオンだけではありません。

今年の春以降に、大規模な値下げをした企業は他にもあります。 代表的なものを見るとセブン-イレブンでは、日用雑貨品61品目を値下げしました。 これは実に、8年ぶりとなりました。

最大手のセブン-イレブンでの値下げは、またたく間に小売りの現場に広がりました。 例えば、ローソンでは、「シャンプー」を21円値下げするなど、およそ30品目を5%前後下げました。ファミリーマートもこの「柔軟剤」など、25品目値下げしました。

「値下げの春」などと大きな話題になりましたね。 晩夏を迎える今、こうした春先から続いている値下げの動きは、さらに広がりを見せています。

イオンの三宅執行役は「インフレターゲットを意識しながら価格を決める小売業はない。我々は顧客のニーズだけを見ている」と述べたいますが、まさにそのとおりです。

先日は、数字的な裏付けから、日本では未だ緊縮財政で脆弱なわが国経済の実情を掲載しました。上のような事実をみるとこの記事で主張したことがさらに正しかったことが裏付けられたものと思います。当該記事のリンクを以下に掲載します。
日本を完全雇用・適度なインフレに導く、極めて効果的な方法があった―【私の論評】数字を見ればわかる、未だ緊縮財政で脆弱なわが国経済(゚д゚)!
以下に、この記事で掲載したグラフを再掲します。

この記事より、このグラフの解説を以下に再掲します。
今回は、実質成長が「6期連続」で、かつ、それが「11年ぶりだ」なのではありますが、だからといってこれだけで、すぐに、今景気は良いという判断にはなりません。
なぜなら、「実質成長率」は、「デフレが加速してデフレータ(物価)が下落」すれば、上昇するものだからです。つまり、「実質成長率は、デフレの深刻さの尺度」にすらなり得るのです! 
実際、上記グラフからも明白なとおり、消費増税以降、デフレータは下降し続け、今やマイナス領域を推移しています(黄色)。
これこそ、「6期連続、実質成長率がプラス」となった理由です。実際、このグラフに示した「名目成長率」(前年比・青線)は、今期こそ、僅かに上昇傾向を見せていますが、ここ最近、ゼロ近辺を推移しているということ、つまり、「成長していない」事を示しています! 
日本経済は、本格的な好景気状況からはほど遠い状況にあるのです。 
にもかかわらず、2017年4~6月期GDPは年率4.0%増、プラスは6四半期連続となったり、名目GDPの成長率も年率4.6%と好調となり、名目が2四半期ぶりにプラスになっています。

この理由は簡単に理解できます。その一部の理由は、「公共投資は5.1%増-補正予算の効果でプラスに寄与」というものです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-13/OUAL466S972801

一年前の昨年夏に調整した、アベノミクスにおける「大型景気対策」の効果がようやく効き始めた、と言うのが、「今期」における一部良好な数字の原因の一つです。

さらに、以下のよう要因もあります。
①ここ2、3年間、外需が伸びてきた事を受けて、外需関連企業の収益が改善した、 
②その影響を受け、ここにきてようやく、民間企業がトータルとして「内部留保」を縮小させ、消費と投資を拡大しはじめる程に景気が改善してきた。 
③これを受けて、ようやく(物価の力強い上昇は達成されていないものの──)「名目GDP」も上向き始めた──。
つまり、今の「よい数字」を導いた基本的な原因は「外需」だったわけであり、それがここにきてようやく、民間企業の力強い成長に結びついてきた、と言うことです

さらに、高橋洋一氏は、この記事の元記事で、日本の構造的失業率は2%半ばであり、まだ日本は完全雇用に達していないということを数字的裏付けをもとに主張しています。

この状況に対応して、イオンなどのスーパーや、コンビニなどの業態が値下げに次ぐ値下げ政策を実行しているというわけです。

日本銀行は7月20日の金融政策決定会合で、物価上昇2%達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りしました。

日本の経済の中身をみると、このようにまだまだ、物価目標も道半ばである、完全雇用の状況にもなっていないし、何よりもGDPデフレータがマイナスであることから、どう考えても未だデフレから脱却したとは言い難い状況です。

この状況では、増税などとんでもない悪手であり、減税をするか大型補正予算を組むなどで積極財政を実施するのは当然であり、物価目標すら達成できない現状では、追加の量的緩和も実行すべきです。

茂木敏充経済再生担当相
この状況で、茂木敏充経済再生担当相は、記者会見で今回のGDP速報について「率直にいい数字だと思っている」との認識を示し、「内需主導の経済成長が続くように万全の対応をしていきたい」と強調した。一方で、「現段階で具体的に新たな経済対策は想定していない」とも語っていました。

これは、全くの間違いです。これは、数値的な分析をさほどしなくても、ブログ冒頭の記事にあるように、イオンが値引きに次ぐ値引きをしているとか、イオンだけではなく、他のコンビニもそうしていることの意味を良く考えれば理解できることです。

政治家は本来このような声を読みとつていかなければ、ならないはずであり、それができないというのならいずれ有権者からそっぽを向かれてしまいます。

かといつて、現状の自民党以外の野党は、ほとんどが実体経済を理解していないという状況です。まだ、自民党のほうがましというお寒い状況です。だから、次に選挙があっても、受け皿になれる野党が存在しないという状況です。

民進党は、代表戦をする予定になっていますが、代表戦に出馬す前原氏も、枝野氏も経済にはうとすぎます。
民進党代表選の公開討論会で、記者の質問に答える枝野元官房長官。
左は前原元外相=22日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ
そうして、若狭氏が立ち上げた政治団体「日本ファーストの会」ですが、正直なところ何をしたいのか分かりにくいです。「自民党対抗の受け皿」としての国政政党ということのようですが、若狭氏はほんの少し前まで自民党員でした。昨年10月の衆院補選では自民党公認として当選し、その後離党しました。

せめて補選の前に離党していれば、大義名分は立っていたのでしょうが、その意味では政治判断を誤ったといわざるを得ないです。こうしたことは、その後の政治活動に影響するので、若狭氏主導の「日本ファーストの会」の先行きは必ずしも明るいといえません。さらには、若狭氏も経済にはうといようで、経済対策とし具体的に何をやるのかなど目立った主張はありません。

何をしたいのか良く理解できない若狭氏
このまま日本経済が放置されれば、市場関係者や流通関係者から怨嗟の声があることになります。またデフレに舞い戻れば、自民党はさらに支持を失うことでしょう。

その時に、経済を理解した野党がでてくれば、それが受け皿になるのは必定です。

その意味では自民党も油断していれば、先はないです。一番良いのは、安倍首相が初心に立ち返って、追加金融緩和と積極財政を実施し、デフレから早期に脱却することです。そのことを少なくとも、自民党の幹部連中が理解すれば、安倍政権は一強どころか、特強状況になれると思います。

なぜなら、今後経済で目立った失敗がなくなるからです。これは、とてつもなく大きなことです。特に、過去にデフレで20年以上も苦しんできた日本です。

デフレにならないということだけでも、すごいことになります。しかし、これは本来そんなに難しいことではないはずです。不景気というならまだしも、デフレは経済の癌であって、異常事態です。本来このような状態が長く続くのは異常中の異常です。

にもかかわらず、どうして日本ではデフレが長期間続いてきたかとといえば、財政や金融政策が間違えていたからです。このことに一日もはやく政治家に気づいていたただきたいです。

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2012年3月19日月曜日

GoogleブランドのAndroidタブレット、価格は$149~$199でTegra 3は非搭載?−【私の論評】Googleの収益源のトップは、いまでも広告!!では何のためにやるかといえば・・・・・・・?

GoogleブランドのAndroidタブレット、価格は$149~$199でTegra 3は非搭載?:




噂のGoogleブランドのAndroidタブレットに関する新たな情報が米国のブログ Android and Meで噂として伝えられています。


先週のDigiTimesの報道では、GoogleはASUSと提携してTegra 3を搭載した7インチタブレットを$199~$249の価格で今年5月頃に発売すると伝えられていましたが、Android and Meの情報元(米国に拠点を置くサプライチェ... 続きを読む

■著者データ

juggly.cn国内・海外のAndroid(アンドロイド)スマートフォン・タブレットに関するニュースや情報、AndroidアプリのレビューやWEBサービスの活用、Android端末の紹介などをお届けする個人運営ブログウェブサイト: http://juggly.cn/TwitterID: juggly

【私の論評】Googleの収益源のトップは、いまでも広告!!では何のためにやるかといえば・・・・・・・?

上記の記事、結局結論は、以下のようなものです。

価格は$149~$199。Tegra 3は搭載せず。

Android and Meは、価格は$149で、QualcommのデュアルコアSoCを搭載、今年5月8日~10日に米国で開催されるCTIA Wirelessイベントで発表されるということです。

AmazonのKindle Fireは、さきほどAmazon.comで調べてみたところ、$199ドルでしたから、これは、しっかりKindle Fire(下写真)を意識して、それ以下の価格で販売する予定であるということです。

詳細は、いずれ発表があるものと思いますが、私なりに現時点で、Googlがなぜこのような端末を売り出すのか、分析してみます。


このブログにも何回か掲載してきたように、iPadや、Kindle Fireは、eコマースを強力に推し進めるAppleや、Amazonが、自らのプラットフォームを差別化するために、導入するものです。せっかく自からが、プラットフォームを築いても、従来は、顧客が自宅のパソコンに設定されているブラウザを用いて、ディスプレイから垣間見るいくつもあるサービスのうちの、一つという位置づけになるところを、独自のデバイスであるところの、タブレット端末を導入することにより、差別化したということです。


Googleが、新たな独自のタブレットを出す意味合いについては、差別化の意味ももちろんありますが、その比重はあまり大きくはないと思います。



なぜなら、Appleや、Amazonと比較的すれば、Google自体は、あまりeコマースを強力に推進しているわけではありません。他社とは、ビジネスモデルが全く異なります。Googleの収益源の9割は今でも、広告です。ユーザーが検索エンジンを検索したり、他のサービスを利用したりしているときに、広告を掲載し、その広告をユーザーがクリックした場合、収益に結びつきます。


このクリック数が増えれば増えるほど、Googleの収益が増えるわけです。クリックされる確率は、大体決まっています。であれば、トラック数が増えれば、Googleの収益増えるわけで、とにかく、Googleにとっては、トラック数を少しでも増やすことが、至上命題なわけです。


だから、皆さんご存知のGoogleのサービスは、すべてこの至上命題を実現するために提供されています。だからこそ、あれだけ、無料で検索エンジンからwebmailから、ありとあるゆるサービスを提供できるという側面があります。


だから、上の記事のGoogleによる、新たなタブレットも、こうした命題をより良く実現するためと捉えるべきです。これを使うことにより、より一層、Googleへのアクセスのトラフィック数を増やすのです。おそらくこの端末では、Googleのサービスにアクセスするのに、最適化されていると思います。これを使用する人が増えれば、その分Googleへのアクセスへのトラフィックが増えるわけです。



また、価格が低いということも、Googleへのアクセスへのトラフィック数を増やすことにつながります。現在世界では、先進国や、新興国では、ほとんどの人が、インターネットを使える環境にあると思います。しかし、かなり多くのいわゆる、BOPといわれる人々は、インターネットができる環境どころか、端末をそのものも購入できないひとがほとんどです。


ちなみに、BOPとは、bottom of the pyramid(ピラミッドの底)の略。開発途上地域にいる低所得者層を意味します。所得別人口構成をグラフ化した時に、下から低所得者層(BOP層)、中間層、富裕層を積み上げたような三角形が出来上がるため、ピラミッドという表現を用います。ただしbottom(底)という表現が差別的であるという観点から、最近ではbase of the pyramid(ピラミッドの基盤)と表現することが多くなっています。


近年、ビジネスの世界でこのBOP市場に注目する動きが加速しています。貧困層を巨大な消費市場として捉え、そこでビジネスを展開することにより、社会的課題の解決も図ろうとする考え方です。具体的には、企業が開発援助機関やNGO(非政府組織)などと連携。現地のニーズに合わせた商品を、現地住民をビジネスに巻き込みながら販売していきます。欧米ではBOPビジネスが活発化しており、日本でも経済産業省が研究会を立ち上げるなどの動きが出ています。ちなみに、このBOPといわれる人々は世界で40億人存在すると言われています。

最近では、BOPの人々には、携帯電話も普及しつつはありますが、この人たちの使用する携帯電話は、かなり低機能なものが多く、通話が主たる機能であり、現在全世界で利用されている、Googleのサービスなどの多くは、利用できません。


以前は、100ドルパソコンなどというプロジェクトもありましたし、Googleもこれに関わっていたようですが、今では、その話題はあまり聴きません。Googleは、上記の$149という価格で、BOP層にも食い込もうとしているのではないかと思います。考えてみてください、もし、このBOPの人々の1/10の人でもインターネットを通じてGoogleを利用するようになったとすれば、Googleへのアクセスのトラフィック数は爆発的に増えると思います。


私は、Google Chrome OS搭載パソコンがそのような役割を果たすのではないかと、期待していましたが、どうも、そうではないようです。このOS搭載の、パソコンは日本ではほとんど販売されていませんが、アメリカのAmazon.comではいくつか見ることができます。しかし、これは従来ほどは、高くはありませんが、安くもありません。どちらかというと、最近ウルトラブックといわれているものに近いものばかりです。(写真下)


今の先進諸国や、新興国では、すでに、インターネットは、かなり普及していますから、いまから爆発的に増えるということはありません。しかし、BOPならば、違います。当然Googleは、こうしたことも視野に入れていると思います。それに、これが実現すれば、BOPの人々にとっても良いことです。いままで、ほとんど有益な情報に接することができなかった人々が情報に自由にアクセスできるようになれば、その福音は計り知ることができないと思います。


それにこれだけ低価格だと、先進国や、新興国でも、今まで、自分自身の端末を持てなかった人々、たとえば、子供や低所得層でも、持てるようになります。これも、期待できます。先進国でさえ、現在も存在するいわゆる、デジタルデバイドが解消されるようになるときっかけとなるかもしれません。



これによって、多くの人々が、BOPから抜け出すことができれば、幸いです。


それと、あまりにも当然なので、上には掲載しませんでしたが、Google側としては、この端末を販売することによって、よりユーザーからのデータを得やすくするという目論みもあると思います。


Androidの規格を自らつくりだし、それを提供したとしても、やはり、自ら端末を開発せず、他社の端末からのアクセス情報のみに頼っていては、ユーザーの真の姿を把握するのが、困難な場合もあります。他社性のものであれば、いくらOSは同じとはいいながら、他社の様々な意図も含んだ端末となります。それでは、得られる情報にも限りがあります。だからこそ、自らの規格ですべてを知りぬいた自社製端末により、ユーザーの情報を役立てるという意味もあると考えます。そうして、これらで得られたデータなどから、さらに、Androidの改善、改革はもとより、先にもあげたように、さらに、トラフイック数を増すための参考にしようとしていると思います。


さて、この新たな端末、まだ、詳細も発表されておらず、これからどのように使われているか、楽しみです。カメラがついているのかどうかも判りません。これからも、追跡して、何か新しい動きがあれば、また、ブログに掲載します。


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