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2020年2月4日火曜日

「新型肺炎」と「鳥インフルエンザ」、どっちが怖い?―【私の論評】この4月に日本を訪問する習近平は、失脚の可能性を自ら高めている(゚д゚)!



中国発の新型肺炎がどんどん広がっている。新型コロナウイルスによるものだといわれている。本書『知っておきたい感染症―― 21世紀型パンデミックに備える』 (ちくま新書)は近年たびたび世界を揺るがしている厄介な感染症について手際よくまとめた解説書だ。未然に防ぐために私たちは何をするべきなのか? 副題にもあるように、今後さらに強力な感染症が出現した場合、膨大な犠牲者が出て全世界が未曽有の大混乱に陥りかねないと警告している。

 著者の岡田晴恵さんは1963年生まれ。専門は、感染免疫学、公衆衛生学。ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所、国立感染症研究所研究員などを経て、本書刊行時の肩書は白鷗大学教育学部教授。『人類vs感染症』 (岩波ジュニア新書)など感染症関連では多数の著書がある。今回の新型肺炎に関してもメディアにしばしば登場している。
症状が重篤で致死率が高い

 エボラウイルス病、二つのタイプの鳥インフルエンザ、SARS、MERS、...本書は主にこれら新しいタイプの感染症を軸に、デング熱や破傷風・マダニ感染症などについて、それぞれ一章を設けて詳述している。いずれもこの20年ほどの間に世界や日本を震撼させた感染症だ。

 中でも著者が怖さを強調するのは「H5N1型鳥インフルエンザ」だ。これこそが人類史上最悪のパンデミックを引き起こす可能性があるという。

 すでに1997年、香港で発生して18人の感染者のうち6人が死亡した。香港政府は、人への感染源とされた家禽140万羽をわずか3日間で殺処分するなどして、人への感染を絶った。ただし、この火種となったウイルスはその後も中国南部の野鳥などに存在し続け、2003年以降も世界各地の鳥に飛び火して流行が続いているという。15年までに人の感染者844人、死者449人が報告されている。散発的に発生しているので、大きく報じられることは少ないが、鳥から人への感染が続いているということであり、不気味だ。

 このウイルス感染の最大の特徴は、症状が重篤で致死率が高いこと。通常の季節性インフルエンザとは性質が全く異なる。全身の臓器がやられる。もしも感染が拡大すると、各国の社会機能や経済活動が麻痺状態に陥り、地球規模の危機となる。そのため国際機関と各国の農業行政当局は、鳥における流行の制圧と新型インフルエンザの発生を阻止する行動を続けている。日本でもH5N1型鳥インフルエンザが発生するたびに、大量の家禽を処分するなどの緊急対応がとられてきた。つい最近も中国・湖南省の養鶏場で発生、すでに約1万7千羽を殺処分したことが報じられている。

 H5N1型でパンデミックが起きた場合、2億人前後の死者が推定されているという。

遺伝子の突然変異を起こしやすい

 鳥インフルエンザは、もともとは鳥を宿主とするので人には感染しにくい。ところがインフルエンザのウイルスは、遺伝子の突然変異で、その性質を変化させやすい性質を持つ。変異は一定の割合で起きる。鳥の間で感染が拡大すれば、ウイルスが増殖するから変異ウイルスも増える。「人型」のウイルスが出現することがあるのだ。そうなるともはや鳥型のウイルスではなくなり、人に感染する「新型インフルエンザウイルス」になる。人はこのウイルスに対する防御免疫機能を持っていないので、感染すると重症化しやすいというわけだ。

 インフルエンザウイルスには多数の種類がある。たいがいは「弱毒型」。ところが、その中で「H5亜型」「H7亜型」は「強毒型」に変化する可能性がある。したがって「H5亜型」「H7亜型」の鳥インフルエンザが見つかった場合は、その段階では弱毒型でも、強毒型に変化する可能性があるので厳しい措置が取られることになる。

 強毒型に感染した家禽は1日か2日で100%死ぬ。しかし不思議なことに、水禽類(カモ、アヒル、ガン、ハクチョウなど)の多くは感染してもほとんど症状が出ないのだという。その理由はわかっていないそうだ。

 本書では、もう一つのタイプの怖い鳥インフルエンザ「H7N9型」についても一章設けて詳述している。

 ウイルス変異の仕組みはなかなか難しい。本書で詳しく説明されているが、先日、BOOKウォッチで紹介した『猛威をふるう「ウイルス・感染症」にどう立ち向かうのか』(ミネルヴァ書房)はカラー図解入りなのでわかりやすい。

「クラミジアによる肺炎」と発表

 新型肺炎との関連では、「SARS」が再び注目されている。ともにコロナウイルスとされ、中国が震源地。SARS は2002年11月から03年6月までに32か国で感染者8098人、死者774人の被害が出た。原因とされるSARSコロナウイルスは21世紀になって最初に流行した新型ウイルスだった。

 発生後、中国当局の対応は鈍かった。03年2月中旬になって、ようやく広東省における「非定型性肺炎」の流行を認め、病原体は「クラミジア」と発表した。

 しかし、香港では早くから「新型インフルエンザ」ではないかと心配の声が出ていた。ベトナムや台湾、シンガポールなど各地で類似の患者が見つかったこともあり、WHOが調査団を中国に派遣、3月中旬に「SARS」(重症急性呼吸器症候群)と命名、4月になって病原体は新たなコロナウイルスだということが特定された。新型インフルエンザではなかった。

 不思議だったのは、中国滞在経験がない人も感染していたことだった。のちにその理由がわかる。感染者の共通項をたぐると、いずれも同時期に香港の同じホテルの9階の部屋に滞在していたのだ。その後の調べで、当時この9階に、中国で問題の肺炎治療にあたっていた広州の医師が宿泊していたことが判明する。激しくせき込み、高熱を出していた。この医師はその後SARSと診断され死亡している。

 中国政府が情報を隠蔽したとか、後手に回ったともいわれるが、「新型」ゆえにWHOをはじめ、各国の専門家らも戸惑ったようだ。

 SARSウイルスは中国南部のコウモリが元々の宿主。それが何かの拍子に中間宿主を経て、人に侵入したとみられている。そして、重症肺炎を引き起こす新興感染症になった。その後の研究では、サル、ネズミ、ネコ、ハクビシンなどはSARSコロナウイルスの感染を受けてもほとんど発病しないことがわかった。さらに中国南部で野生動物を扱う人たちについて調べたところ、約20%がSARSもしくは類似ウイルスの抗体を持っており、彼らも発病しないか、軽傷ですんでいたという。不思議なウイルスだ。

韓国でも被害

 その後に発生した類似の感染症にMERSがある。2012年にサウジアラビアで第一例が見つかり、16年1月までに感染者1626人、死者が少なくとも586人。ウイルスの名称はMERSコロナウイルス。韓国での感染者186人、死者38人が目立った。最初の患者に、サウジアラビア滞在歴があった。

 MERSコロナウイルスは、ヒトコブラクダが人に伝播させたとみられている。ラクダ飼育者は、このウイルスの抗体を持つ率が高く、軽症で推移する場合が多いらしい。かつて中東の人は幼少のころからラクダと共生していたが、都市化が進み、ラクダと接しない人が増えたこととの関連が想定されている。

 動物はそれぞれ特有のコロナウイルスを持つ。人間の場合も、普通の風邪の5%は人のコロナウイルスによるものだという。通常、コロナウイルスは動物の種の壁を越えて感染することはほとんどないが、ウイルスの突然変異によって、種を越えるようになる。今回の新型肺炎の詳細は不明だが、似た経路をたどったのだろうか。

 近年の新種の感染症流行の背景には、交通網の発達や急激な都市化の影響があるとされる。エボラウイルス病はアフリカのごく一部の地域の風土病だったが、僻村と都市との交流が進んだことから疫病が都市部に波及、世界に拡散した。

 かつてインディアンやアイヌが、「文明社会」と接したことで、未知の病気を持ち込まれ苦しんだことはよく知られている。BOOKウォッチで紹介した『鎖塚――自由民権と囚人労働の記録』(岩波現代文庫)によると、明治政府は北海道の開拓で、樺太アイヌ人を動員しようとしたが、コレラや天然痘で大量の病死者が出たことなどから無理と判断、囚人に切り替えたそうだ。

 SARSやMERS、エボラ出血熱はその逆の話のような気もする。これからも「文明社会」が未知のウイルスと遭遇し、混乱に陥る可能性が大いにありそうだ。地震や噴火などの天変地異、核管理、温暖化などと並んで、感染症に対しても備えが必要だと痛感する。すでに医療や畜産関係者の間では周知のことと思われるが、政治家や行政一般、マスコミ関係者も日ごろから知識を深めておくべきだろう。本書はその一助となる良書だ。

【私の論評】この4月に日本を訪問する習近平は、失脚の可能性を自ら高めている(゚д゚)!


中国農業農村部(日本の農林水産省に相当)は2月1日、湖南省邵陽市の養鶏場で、ニワトリがH5N1型の鳥インフルエンザウイルスに感染しているのが確認されたと発表。この養鶏場には7850羽のニワトリが飼育されていましたが、そのうち4500羽がウイルスに感染して死亡したといいます。同省は「地元当局が感染の確認を受けて、予防的に1万7828羽を殺処分するなど、感染が広がらないよう処理をした」ことを明らかにしました。

冒頭の記事では、「H5N1型鳥インフルエンザ」こそが人類史上最悪のパンデミックを引き起こす可能性があるとしています。「H5N1型鳥インフルエンザ」のほうが、危機なようです。

米国疾病管理予防センターによると、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染した例は2003年から19年の16年間で、世界中で計861例が報告されています。その原因となっているのは、養鶏場などで働いていて、感染したニワトリと密接に接触したためであることがほとんどです。致死率は50%以上と極めて高く、感染した861人のうち、455人が死亡。中国だけでは過去16年間に53件の鳥インフルエンザ感染が報告されており、31人が亡くなっているといいます。

これに対して、2002年から03年にかけて流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合、感染による致死率は約10%。武漢が発生源の新型コロナウイルス感染の場合は約2%となっており、これらに比べるとH5N1型の鳥インフルエンザウイルスによる人間への毒性は極めて強力なことがわかります。

同センターは「ヒトからヒトへの感染はほとんど報告されていない」としていますが、中国では一緒に生活していた「きょうだい」や「親子」間での感染が原因で死亡したケースも報告されており、鳥インフルエンザが今回の新型コロナウイルスのようなヒトからヒトへの感染がまったくのゼロとはいえないようです。

新型コロナウイルスの場合も、中国政府は発生当初には「ヒト・ヒト感染はない」と報告していましたが、感染者の死亡例が増えるにつれて、前言を撤回しています。人間の体内に入ったウイルスが突然変異して、ウイルスの感染力が強くなった可能性も考えられます。

鳥インフルエンザ流行の兆しが見えたことで、中国への国際的な警戒感は強まりこそすれ、弱まることはないです。SARSの場合、02年秋に発生が確認され、感染の終結宣言が出されたのは03年7月でした。このため、SARSのコロナウイルスは暑さに弱いとの見方が強いですが、新型コロナウイルスがSARSと同じ性質かどうかは現段階では不明。これから半年間は油断できません。

新たな鳥インフルエンザの流行で、国際社会の対中警戒感は一層強まることは確実なので、習近平国家主席を最高指導者とする中国共産党政権は、その存立をかけて、年初から大きな危機を迎えているのは間違いないです。

現在、中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しています。中国動物疫病予防管理センターは、今回の鳥インフルエンザの発生は、中国の公衆衛生資源の負担をさらに増大させると指摘しています。

新型コロナウィルスの肺炎拡大は、もうすでに起こってしまったことなので、起こったもに対する対処しかないわけです。これは、中国をはじめ感染者が出た国々で最大限の努力で封じ込めていただき、なるべくはやく終息させていただきたいものです。

そうして、「H5N1型鳥インフルエンザ」に関しては、中国が全力で人への感染を防いでいただきたいものです。新型肺炎に加えて、「H5N1型鳥インフルエンザ」が人に感染して、蔓延してしまえば、中国はとんでもないことになりそうです。

このような時期に習近平氏らが日本を訪問をしているときに、中国内で政変が起こり、習近平氏を失脚させ、新たな政権を樹立ということも十分起こりえます。

楊潔チ氏

中国の外交担当トップである楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)中国共産党政治局員が、今月下旬に来日する方向で日中両政府が調整していることが分かりました。

北村滋国家安全保障局長と会談し、4月上旬に予定する習近平国家主席の国賓来日に向け詰めの調整を行います。ただ、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスに対処するため、習氏が来日を見送る可能性も指摘されています。楊氏の来日は、政府がこだわってきた春の国賓来日の有無を左右する重要なポイントになりそうです。

「影響があるとは聞いていない。予定通り準備を粛々と進めていきたい」

菅義偉官房長官は4日の記者会見で、現時点では新型肺炎の問題が習氏来日に向けた調整に影響を与えていないと強調しました。

ただ、習指導部にとって目下の最重要課題は国内での感染の封じ込めです。習氏は当面対応に追われ、とても外遊に出る余裕はないのではないはずです。中国側はメンツがあるので、今の時点では『訪日計画に影響しない』と言わざるを得ないでしょうが、直前でのキャンセルは十分あり得ると思います。

習氏の来日について、政府関係者は「楊氏が来たときの状況次第だ」と慎重な見方も示しています。本来は習氏の露払い役として来日する楊氏がどう対応するのか注目されるところです。

このような時期に、来日すれば、先にも述べたように、中国の反習近平派は、この機会を逃さず、真っ先に人民開放軍を掌握して、新政府樹立に走るかもしれません。今頃、反習近平派は鵜の目鷹の目(ウノメタカノメ)で、習近平の来日日程等を探って、クーデター計画などを練っているかもしれません。



実際中国には、クーデターの噂もありました。習近平が来日中に、クーデターが起こるか、来日から帰国した途端反逆者として逮捕されることも考えられます。そこまで行かなくても、習近平が帰国してから間もなく、政変が起こるということも十分考えられます。

何しろ、これだけ酷い伝染病の蔓延しているさなかに、苦しんでいる人民を尻目に、日本で国賓待遇を受けるといういうのですから、多くの人民の怒りは頂点に達することでしょう。場合によって、人民の憤怒のマグマが、習近平だけではなく、日本に向かって大爆発する可能性もあります。

ただでさえ、中国ではこのブログで以前掲載したように、毎年暴動が10万件も起こっており、それこそ、中国人民や本来外国であるはずの自治区等の人々の憤怒のマグマがいつ大爆発してもおかしくは無い状況です。それが、今回の新型肺炎騒ぎで、さらに頂点に達しています。反習近平派は、当然このような状況も利用するでしょう。

そのような状況にもかかわらず、習近平が日本を訪問するのは、自ら失脚する確率を高めているようなものです。楊氏訪問で、来日時期を延期するのが正常な判断だと思います。

ただし、中国は、香港や台湾に対してかなり強力な工作を行ったにも関わらず、香港の選挙で負け、その後台湾の選挙でも負け、新型肺炎では、当初の対処方法を間違い、国内で蔓延するだけではなく、海外にも患者を発生させてしまうような不手際を繰り返しています。

これは、当然のことながら、習近平の自身の大きな読み違いという側面もあると思います。そうして、習近平の取り巻きは、独裁政権にありがちな、とにかく現実を見るのではなく、上をみて仕事をして、おべっかばかり使っていて、現実が見えなくなっているかもしれません。であれば、習近平は裸の王様で、やはり予定通り来日して、あつさり失脚という道を自ら選んでしまうのかもしれません。今後の趨勢を見守っていきたいと思います。

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