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2012年11月25日日曜日

【財務省】真砂体制の小括―【私の論評】確かに、ほとんどの勢力が安部叩きに走っている!!

【財務省】真砂体制の小括(倉山満):

安倍総裁の敵は、民主党だけではない!!
安倍さんの敵を確認してみよう。

公明党、民主党の大半、自民党の四分の三(特に石破幹事長)、
財界、産経を含めた五大紙。

彼らは、白川法王と日銀貴族の前に右へならえをしている。敵は安倍さんに内閣を明け渡し、参議院で嬲り者にする気満々。現在の状況、安倍さんは八方のうち七方くらいは塞がっている。残りのひとつは日銀のみ。

だから、「金融緩和」「日銀法改正」を繰り返し、選挙の争点にしようとしている。
さて、政局を読むのに必読なのはこれ。

今週の『文春』、というか「今週の飯島勲」は「俺は安倍支持だが、今回の野田は見事」と。


安倍さんとしては味方につけるとしたら二つ。ひとつは国民の支持。とにかく衆議院と参議院で多数を持たないと話にならない。もうひとつは財務省。前は、安倍内閣と財務省以下官僚機構が全面戦争をしてしまった。そして高笑いをしていたのが日銀。

安倍内閣は実は福井俊彦日銀総裁に殺されたようなもの。(拙著『財務省の近現代史』を参照)


何としても、今回は財務省を味方につけねばならない。ここでようやく本題。

民主党追随だった勝栄二郎前次官から交代してはや三ヶ月、前任者と違いまったく目立たない(でしゃばらない)現次官の真砂靖新体制を検証してみよう。



真砂氏(中央)
6月 増税通過直後。安住財務大臣、輿石幹事長、城島国対委員長、「増税よりも特例公債」を強調。
?  大蔵省のドンこと長岡実元次官、勝現役次官に退陣勧告。
7月 小泉純一郎、動く。谷垣自民党総裁、死に体に。…新聞とテレビしか見ていない人はまるで知らないということに驚き。
8月 増税通過。翌日、勝次官の退任発表。…12月までやりたがっていたくせに。
   電光石火で真砂新体制発足。勝前次官に公然と反旗を翻した古谷主税局長を国税庁長官にするなど、真砂シンパで中枢を固める。
  「安倍シフト」として同期の田中一穂理財局長を主税局長として残す異例の人事。
9月 内閣改造で、増税原理主義の岡田財務大臣を阻止。特例公債優先派の城島大臣に。
   勝前次官から顧問室を取り上げる。…「個室、秘書、送迎車」は「三種の神器」としての意味を持つ。
11月 民自公妥協。特例公債の三年間発行を認めさせる。=亡国阻止。三年間の延命。
   とりあえず、民主党政権を終わらせる。

なかなか、やるじゃないの?

前任者が大蔵省以来の伝統を忘れたのと違い、就任三ヶ月で亡国を阻止、三年の延命装置をつけた。
(延命したとは言っていないのであしからず)次の目標は?

日銀征伐!!!

前任者が増徴させ続けた日銀に鉄槌を下す。実は、安倍さんと財務省と日本国民の利害は一致しているのです。もちろん、日銀がもっとも嫌がる人物を総裁に推すしかない。その人は?

武藤敏郎

白川総裁はもう五年やりたがっています。と見せかけて、本命は山口副総裁の昇格でしょうな。とにかく、総裁の椅子を財務省に渡したくないので。改めて問う。もう五年間、後白川法王の圧制が続いてよいですか?明日は日比谷で安倍さんを応援する会に出席してきます。


武藤敏郎氏

【私の論評】確かに、ほとんどの勢力が安部叩きに走っている!!この状況は異常!!

上の記事は、倉山満氏のブログ「倉山満の砦」からの引用です。憲政学者の倉山氏は、過去の歴史からたどって、現在日本の政治を語っており、非常に参考になることが多いです。私は、このブログや、YouTubeの動画や、著書などを良く参照させていただいています。まだ、お若いのに、まさに、知恵袋という感じてす。


さて、上の記事では、安部総裁の敵を「公明党、民主党の大半、自民党の四分の三(特に石破幹事長)、財界、産経を含めた五大紙」としています。そうして、「彼らは、白川法王と日銀貴族の前に右へならえをしている。敵は安倍さんに内閣を明け渡し、参議院で嬲り者にする気満々。現在の状況、安倍さんは八方のうち七方くらいは塞がっている。残りの七方のうちの強力なものは日銀としています。

勝栄二郎氏
そうして、七方の中には、財務省を含まれていましたが、勝栄次郎が退官し真砂氏が次官となったので、財務省主流派は、七方ではなく、唯一の安部総裁の味方であることを示唆しています。無論、主流派とはいっても、数の上での主流派ではなく、過去の歴史から現在までの流れをみて、元々の大蔵省のスタンスにおいての主流派と言っているのだと思います。だから、いかに主流派が次官になったとしても、巷には、財務省の主流派ではない人による見解なども流れ、事実が見えにくくなっているのだと思います。それは、上の記事にもあったように、倉山氏の著書『財務省の近現代史』を読むと理解できます。それと、まともな国民の世論も、安部総裁に味方しているということです。

この状況は、本当に安部総裁の現在おかれている立場を的確に表現していると思います。さて、この状況、いつも既成のメディアである、大手新聞や、大手テレビ局のテレビばかり見る人々には理解できないかもしれません。しかし、ネットやYouTube(SakurasoTV,ChannelAjer)やニコニコ動画(へんまもチャンネル)などで、情報を得ている人たちには、理解できると思います。

しかし、7方の一角を占めるテレビなど見てばかりでは、ほとんど安部総裁の主張など理解できないと思います。たとえば、本日朝「新報道2001」を見ていたら、あろうことか、政策に関して、「経済成長」「歳出削減」「消費増税」をどの順番でやるべきか、政治家たちに順位をつけさせていました。そうして、その表示がついた、立方体(何と表現したら良いのか、わからないので、表現んしました。ご存知の方がいらしたら教えていただきたいです)を上から順番に並ばせるなどのことを実施していました。

過去の新報道2001のキャプチャー画像

この番組見過ごした方は、YouTubeからご覧になることができます。下に、URLを貼り付けておきます。

http://www.youtube.com/user/hodo2001

歳出削減、消費税増税は、最早当然のこととして、議論を進めていました。まともに経済がわかる人であれば、デフレの最中には、歳出削減などすべきではなく、政府は歳出増加をすべきことを知っています。無駄なことにお金を使うことと、歳出増加はイコールではありません。無駄なことにお金を使うべきではなのは、景気が良くても悪くても実施しなければならないことであり、歳出増加や削減とは本来直接関係ありません。

また、デフレのとき、消費税増税するなどとんでもないことであり、デフレ下の増税で、古今東西政府の財政赤字を削減できたためしはありません。むしろさらに、減ります。この番組の中で、イギリスが付加価値税をあげたことに言及している人がいましたが、その当のイギリスが、増税してから景気が落ち込み未だ、不況から抜け出すこともできず、財政赤字が解消される見込みも全くたっていないことなど誰も話題にもしませんでした。本当にどうなっているのか、見識を疑ってしまいます。

さすがに、「国民の生活が一番」の政治家と、他の一人の政治家は、「消費税増税」の立方体の文字が前に表示できないように、裏返しにして、前に表示できないようにしていましたが、他の自民党の議員も含めて、全員消費税増税の立方体を並べていました。まったく酷いものです。これでは、安部総裁の真意など、まったく理解できるわけはありません。

というより、この番組自体が、「経済成成長」「歳出削減」「消費税」ありきで、それを当然のこととして、順番の問題だけとして、進めています。これじゃまともな議論にはならないし、ほんど問題外で、安部総裁の主張など最初からわけいる余地すらありません。確かに、これでは、ほとんどが安部総裁の八方ふさがりのうち、政治家も、テレビ局も、コメンテーターも、最初から7方ふさがりの役割しか果たしていません。

さすがに、「経済成長」を一番上にする政治家が最も多かったようですが、それにもしても、経済成長も中身の問題です。ただ単に政府主導で、経済成長をするというのなら、このブログで以前掲載したように、優秀な人間がシナリオを書いてその通りに運営すれば、経済成長するはずであるとする、共産主義や、社会主義となんらかわりがなく、最初から失敗することは、目にみえています。

この「報道2001」は前から視聴すると、いらいらいして腹が立ったのですが、もう、むちゃくちゃです。最初から誘導していて、完璧な安部総裁排除シフトを組んでいるようなものです。自民党を含めた政治家も最初から、金融・経済など理解してない人を故意に選び、誘導し、安部総裁総裁排除シフトを組んでいるのは明白です。

それに、最近では、政治家だけではなく、いわゆる文化人も安部叩きを徹底的に実施しています。特に最近では安部叩きの一貫として、安部総裁の金融緩和政策を、荒唐無稽などとする批判がまかり通っています。その代表例は、先日もこのブログで掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載しておきます。

安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫氏−【私の論評】安倍総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈してますが?!

池田信夫氏

詳細は、上のURLをご覧いただくものとて、池田氏は、日本経済は、流動性の罠にはまっているから、安部総裁のいうように、金融緩和をしても、無駄だということを言っています。以下に、池田氏の言いたいことを私が類推した部分をコピペしておきます。
池田氏の記事にそって、説明すると、流動性の罠にはまった状態では、 名目金利がゼロの状況であり、一般企業が、金利がゼロであっても銀行からお金を借りようとはしない状況です。だから、そのような状況では、日銀がいくら金融緩和を行なってお金を市場に提供したとても、市中に出回るお金の量は増えないということです。 
なぜなら、一国の経済が流動性の罠にはまっている状態では、、本来あるべき名目の金利水準はマイナスであってしかるべきで、そしてマイナスの金利であれば、一般企業の資金需要も起こり、世の中に流通するお金の量が増えることになりますが、現実の世の中では名目金利をゼロ以下に引き下げることができず、従って、一般企業の資金需要を引き起こすことができないので、世の中に出回るお金の量は増えないということです。 
名目金利をゼロ以下に引き下げるとは、現実世界においては、銀行からお金を借りると、利子を払うのではなく、逆に銀行から利子分のお金をさらに上乗せしてもらえるということです。そんなことは、銀行だって、商売でやっているので絶対にできません。だから、銀行はお金をかせなくなるということです。であれば、いくら、中央銀行がいくら市中銀行にお金を提供しても、銀行は企業にお金を貸すことはなく、よって、市中に出回るお金も増えないということです。
そうして、最近では、個人ブログでも日本経済は「流動性の罠」にはまっているから、安部総裁の主張する金融緩和政策は、意味かないことを主張するものもあらわれています。その典型的なものが、下のブログ記事です。

クルッグマン論文を使って、池田信夫を応援する

詳細は、上記の記事をご覧いただくものして、このブログを書いた方は、全面的に池田氏に賛成ではないようですが、それにしても、日本経済が「流動性の罠」にはまっているから、安部総裁の主張するように金融緩和をしても無駄だと言っていることには変わりがないと思います。

確かに、流動性の罠にはまっているのなら、池田氏のいうことはあてはまります。しかしながら、日本経済が、現在も流動性の罠にはまっているととどうして言い切れるのでしょうか。流動性の罠とは、経済のある状況を示しているだけで、なぜそのような状況に至るのか、あるいは、一国の経済が、流動性の罠にはまっていることを示すものではありません。私は、日本経済が、バブル崩壊よりしばらく、おそらく、5年くらいは、流動性の罠にはまっていた可能性が高かったと思います。最大限譲歩して、10年くらいははまっていた可能性もあることは、認めます。しかし、現在の日本経済経済が、流動性の罠に依然としてはまっていると断言できるのでしょうか?

安倍総裁は、八方塞がりに近い状況にある!!
すでに、デフレ傾向になってから20年、統計上で誰もが認めざるをえないような、デフレになってからですら、14年目に入ったことを考えると、これは、非常に異常です。私は、日本は、流動性の罠にはまっている状況ではなく(無論ここでは、金融措置として金融緩和をしても何をしても、梃子でも市中にでまわるマネー量が増えないという意味です)、あまりに長い間、緊縮財政と、金融引き締めを続けているので、一見流動性の罠にはまっているように見えるだけで、実際は違うと思います。

私は、安部総裁の金融政策に反対の人々、特に「流動性の罠」にはまっているから反対とする方々に、問いたいです。日本経済は、本当に未だ「流動性の罠」にはまっているのか、批判するなら、それを証明してみろといいたいです。

流動性の罠にはまっているからという前提条件で、安部総裁の金融緩和政策は意味がないというのは、簡単なことです。しかし、日本経済が間違いなく、流動性の罠にはまっていることを証明することは困難だと思います。数理的にも、他の方法でもできないと思います。少なくとも、私はできません。

確かに銀行の貸し渋り状況は続いているのだが!
しかし、実証的な方法が一つだけあります。それは、安部総裁の主張する大規模な金融緩和策を一度やってみることです。インフレ目標を高くして、実際に実行してみることです。それに、他国だけが、大幅な金融緩和措置を実行しているのに、日本が金融引き締めを続けていれば、円高になるのは、道理です。円が相対的に他国通過よりも、量的に少なければ、円に対する需要が高まり、円高になります。金融緩和は、円高傾向を是正することにもなります。そうして、流動性の罠にはまっていたとしても、財政出動をすれば、流動性の罠も解除できる確率が高まりますこれだけでも、金融緩和をする価値は十分にあります。日本が、流動性の罠にはまっていることを証明することもなしに、ただただ、安部総裁の金融緩和策が間違いだと批判するのは、どこかおかしくはありませんか?そう思うのは、私だけでしょうか、皆さんはどう思われますか?

それにしても、安部総裁まさに、八方ふさがりに近い状態です。こんな状態を打開するためには、私たちが、安部総裁に対する批判の矛盾点など論破し、明るみにだし、まともな「世論形成」に寄与ていくしかありません。私も、選挙までの期間は、そうしてきます。そうして、私だけではでは、知り得ない事実もあると思います。そのような情報を皆さんが、見たり聴いたりした場合、ぜひお知らせ下さい。このブログや、ツイッターなどで拡散させていただきます。よろしくお願いします!!



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2012年11月22日木曜日

日経平均113円高で9300円台回復―【私の論評】これは、安倍効果以外の何ものでもない!!

日経平均113円高で9300円台回復:


  22日の東京株式市場は続伸し、日経平均株価は前日比113.80円高の9336.32円で取引が始まった。9300円台回復は5月2日以来。

  前日の米国株式相場は上昇。NYダウ平均は48ドル高、ナスダックは9ポイント高となった。サンクスギビングデーを前にして商いこそ薄かったものの、週間新規失業保険申請数が前回より減少したことが好感された。

  東京市場では、外国為替市場で1ドル=82円台半ばまで続伸していることもあり、自動車など輸出関連株など幅広く買われている。東証1部の値上がり銘柄は76%となっている。

【私の論評】これは、安倍効果以外の何ものでもない!!

野田首相が、解散宣言をして以来、円安に振れていることは、以前にもこのブログに述べました。それに、加えて、最近では、株価も上がり気味です。昨日も上の通りです。これは、一体どうしたことでしょうか?最近、株式市場が大きく好転する、政府や、日銀の政策の変更があったでしょうか?

ないです。株価が下落するようなものは、あっても、その他は一切ありません。白川総裁にいたっては、結局インフレ目標1%も達成するつもりはなく、今月12日の時点で、インフレ目標に否定的であり、 「現実的でない」とまで、発言していました。これについては、このブログにも掲載しましたので、その記事のURLを以下にコピペしておきます。

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!



詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、白川総裁は、金融緩和措置に対しては、消極的であることには変わりなく、さらに、上のような発言をしていたわけです。であれば、株式市場が好感を持つ状況は一切ないわけです。にもかかわらず、株価が上がっているのは、安倍総裁が、インフレ目標3%や、日銀法改正などを明言したため、市場がそれに好感を持ったためであり、安倍政権が実現した場合、徹底した金融緩和措置を行うことであろうことは明らかなので、それを見越して、上がりそうな株を買いに走っているという事だと思います。それ以外に説明がつきません。

この状況を白川総裁、野田総理は、どのように考えているのでしょうか。私自身は、負け犬の遠吠えのようにしか聞こえません。

最近は、安倍総裁の金融緩和政策に対する批判が、多いです。白川総裁、野田総理だけではなく、マスコミや文化人によるものなど、大合唱という有様です。ツイッターにも、安倍総裁の金融緩和政策を支持するツイートも大ですが、安倍総裁の金融政策を批判するものも多いです。

その代表的なものが、先日もこのブログに掲載した、池田信夫氏の論評です。以下にその記事のURLを掲載させていだきます。

安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫氏−【私の論評】安倍総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈してますが?!


池田信夫氏

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、池田信夫氏は、同じ論考の中で、金融緩和をすれば、ハイパーインフレになると語り、そのすぐ後に、日本経済は、流動性の罠にはまっているので、インフレにならないなど、無茶苦茶なことを語っています。

さて、詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、ここで、さっそく私自身が、金融緩和すべき論拠を書こうかとも思いましだか、これは、過去に何回も書いているので、本日は、たまには、他の人の論考を掲載してみます。本日サイト"ZAkZAK"を見たところ、経済評論家の山崎元氏が、『経済快説 安倍発言で市場注目のデフレ対策、反対論者の「脅し」に根拠なし』というわかりやすいコラムがあったので、以下にそのコラムから抜粋させていだきます。

山崎元氏
 金融緩和については、大別して、(A)「やるべきでない」(B)「やるべきだ」(C)「やっても効かない(副作用が大きい)」といったお互いに対立する意見がある。 
 デフレ脱却には賛成者が多いから、当面はっきりさせておきたいのは、(B)(C)のいずれが正しいかだ。(C)の論者は、日銀が市中銀行へのマネー供給を増やしても、ゼロ金利状態では貸し出しに回らず、日銀当座預金の必要以上の残高が積み上がるだけで、効果がないという(かつての筆者はこの意見だった)。 
 しかし、こうした場合でも、金融緩和を追加すると「将来のゼロ金利解除」が遠のくだろうという期待が働く「時間軸効果」のほかに、(1)日銀がリスクのある資産を買う(いわゆる「非伝統的金融政策」)(2)政府ないし日銀が外貨を買い実質的に為替介入を行う政策(3)政府が財政赤字を増やして貸し出し需要にもつながる有効需要を追加する(4)マネー供給を拡大すると際限なく通貨発行益が政府のものになるので通貨価値下落への期待が働く(5)高めのインフレ目標をはっきりさせると人々の予想に働きかける効果がある(2月には「1%」というケチな目標だったが、為替市場には少し効果があった)。 
 つまり、金融緩和の手段はまだある。(C)は間違いなのだ。 
 こういうと、金融緩和や財政赤字を拡大すると、「将来大変なことになる」と脅す人がいる。しかし、これらの典型的な弊害としていわれるのが長期金利上昇やインフレ、通貨安というものだが、現在、長期金利は低く、インフレではなくデフレに悩んでおり、円安ではなく円高で国内の産業や雇用が苦しい。先の脅しは、ぬるい風呂を「追い焚き」すると、いきなり沸騰するというような話なのだ。 
 付け加えると、民主党にも前原誠司国家戦略担当相のようにデフレ対策に積極的な意見があるし、「第3極」もデフレ対策には賛成だろう。 
 あとは、政治家が、官僚・日銀にごまかされないように、彼らをどうマネジメントするかだ。

上の記事で、太字にした部分「日銀が市中銀行へのマネー供給を増やしても、ゼロ金利状態では貸し出しに回らず、日銀当座預金の必要以上の残高が積み上がるだけで、効果がない」は、池田氏も語っていた、日本経済が、流動性の罠にはまっているということと同じことです。

日本経済は、デフレになってから、随分経過しています。私は、池田氏が語っていたように、日本経済が、かつて流動性の罠にはまっていて、確かに、その時点では、池田氏山崎元氏が語っていたように、どっぷりと流動性の罠にはまっていた時期があり、その時期には、確かに池田氏がいうように、日銀が市中銀行へのマネー供給を増やしても、ゼロ金利状態では貸し出しに回らず、日銀当座預金の必要以上の残高が積み上がるだけで、効果がなかったという時期は、間違いなく存在したと思います。

そうして、インフレターゲット論者である、ポール・クルーグマン氏も、過去に、日本が流動性の罠にはまっていることを語っていた時期もあります。だから、過去の自分の日本政府や日銀に対する批判はあてはまっていなかったと、認めていた時期もありました。しかし、それは、過去の話しです。

ポール・クルーグマン氏
すでに、日本がデフレ傾向になってから20年、統計上でも完璧にデフレ状態に入ってからも、14年の年月が流れています。この間、一部のほんの短期間を除いて、政府は緊縮財政、日銀は、金融引き締めばかりやってきました。しかし、現在安倍効果で、円安にふれたり、株価が上昇していることを考えると、日本経済は、「流動性の罠」にはまっているから、停滞しているとは言えないのではないかと思います。その主たる原因は、あまりに長い間、緊縮財政ならび、金融引き締め策を実施してきたためではないかと考えます。

そうして、クルーグマン氏は、流動性の罠から逃れるための、処方箋の一つとして、インフレターゲット理論を提唱しているのです。だから、安倍総裁の金融政策は、山崎氏が主張しているように、正しいし、反対論者の「脅し」には、明確な根拠はないです。



ここは、ひとつ、過去20年間、政府と日銀がやってきたことと、真逆の積極財政ならびに、金融緩和をやってみる価値は十分あると思います。それに、金融緩和に反対の人々には、金融緩和が駄目というのなら、ただ駄目と言っているだけではく、デフレから脱却するためにどのようなことをすれば、良いのかしっかりと、主張していただきたいです。ただし、これに対して、政府主導による、新規事業戦略などという愚かな答えでは納得できません。政府が新規事業を起こして成功するというのなら、社会主義、共産主義はうまくいったはずです。現実には、これらは、すべて失敗しました。

それから、山崎氏は、「あとは、政治家が、官僚・日銀にごまかされないように、彼らをどうマネジメントするかだ」と締めくくっていますが、選挙が迫っていることから、次の選挙では、有権者が、官僚・日銀にごまかされるだけではなく、マスコミや、文化人、マニフェストなどにごまかされないようにすべき時と思います。

さて、皆さんは、どう思われますか?



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