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2017年3月19日日曜日

【森友国会】籠池氏の証人喚問で意気上がるかと思いきや…民進党の脳裏をよぎるのは忌まわしきあの事件だった―【私の論評】民進党は自殺者まで出した偽メール事件を反省していない(゚д゚)!


衆院外務委員会で、森友学園問題について質問する
民進党の福島伸享氏=17日午後、衆院第15委員室
民進党は17日、安倍晋三首相が出席した衆院外務委員会で、学校法人「森友学園」(大阪市)問題を徹底的に追及した。理事長を退任する意向を示している籠池泰典氏と首相との関係に質問を集中させたが、ティラーソン米国務長官の来日など直近の外交案件は触れずじまい。ただ、旧民主党執行部が総退陣に追い込まれた「偽メール事件」の教訓もあってか事実関係の決めつけは控え、及び腰な姿勢も目立つ。(山本雄史)

 17日の外務委は、自衛隊と米軍などが物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)がテーマだったが、質疑に立った民進党の福島伸享氏は、約35分の持ち時間のうち、約30分を森友問題に充てた。

 福島氏は、籠池氏が安倍首相側から「100万円の寄付金を受け取った」と主張したことをめぐり、著述家の菅野完(たもつ)氏が17日にインターネットで公開した「100万円の振替払込用紙」を取り上げ、首相に事実関係をただした。

 しかし、持ち味である首相を激高させるような言動は影を潜め、「証人喚問があるので、両方の言い分を聞きながら事実確認したい」と慎重な言い回しに終始。最後には「ACSAの審議のときに申し訳ないが、森友の話をさせてもらった」と下手にも出た。

 民進党は籠池氏への証人喚問の決定で勢いづいており、今後も森友問題で首相を追い詰める戦略に変わりはない。安住淳代表代行は17日の記者会見で、証人喚問の中身次第では首相の昭恵夫人に対する国会招致も検討する考えを示した。

 ただ、籠池氏の言葉の扱いには慎重になっている。「寄付金を受け取った」との主張については、16日の蓮舫代表の記者会見の様子を掲載した党のホームページが、事実関係を確定させるかのような表現だったとして、17日に訂正した。党公式ツイッターでは「根拠不十分であり、誤解を招く」とわざわざ告知した。

 神経質になるのは、平成18年の民主党時代に起きた「偽メール事件」の苦い教訓があるからだ。事件では、国会質疑で証拠にあげたメールが捏造(ねつぞう)と判明し、前原誠司代表(当時)らが辞任に追い込まれた。

 当時国対委員長だった野田佳彦幹事長は17日、籠池氏の主張について「信憑(しんぴょう)性は分からない。証人喚問で何を話してもらうかだろう」と述べるにとどめた。森友問題は政権への格好の攻撃材料だが、籠池氏の発言が変遷することも踏まえ「もろ刃の剣」になりかねないと考えているようだ。

【私の論評】民進党は自殺者まで出した偽メール事件を反省していない(゚д゚)!

うえの記事にもあるように、"福島氏は、籠池氏が安倍首相側から「100万円の寄付金を受け取った」と主張したことをめぐり、著述家の菅野完(たもつ)氏が17日にインターネットで公開した「100万円の振替払込用紙」を取り上げ、首相に事実関係をただした"そうですが、その振替払込用紙とは以下のようものです。


これが上記入金の元となった、振替払込用紙の現物。「森友学園」が名義欄にボールペン書きされているが、よく見ると、その上部に修正液で何か消されているのがわります。

この修正液部分に、裏からライトを当ててみたのが、以下の写真です。



「森友学園」が名義欄にボールペン書きされているのですが、よく見ると、その上部に修正液で何か消されているのがわかります。「匿名」と書かれていもいるようで、さらに「安倍晋三」とも書かれているように見えます。最終的にはこれは、訂正され、「(学)森友学園」となっています。

これは、どうみても安倍晋三氏による払込であると、主張するのは全くおかしいです。以上はすでにネット上では昨日からかなり出回っていますが、これは誰の目からみても、これをもって安倍晋三氏が森友学園に払込をしたのではなく、文字通りに受け取れば、森友学園が、森友学園に払込をしたという、物証にしかなりません。

良くもこのあやふやな物証をもって、福島伸享が国会で質問などできたものだと、唖然としてしまいます。

ブログ冒頭の記事では、"平成18年の民主党時代に起きた「偽メール事件」の苦い教訓があるからだ"としていますが、この事件については、あまり詳細は記載されていません。

この事件に関する詳細を以下に掲載します。「偽メール事件」は、「堀江メール問題」とも言われています。
堀江メール問題(ほりえメールもんだい)とは、2006年の日本の第164回通常国会において民主党の衆院議員である永田寿康によるライブドア事件および堀江貴文にまつわる質問から端を発した政治騒動。証拠とされた電子メールが捏造であったことから、永田は議員辞職し民主党執行部は総退陣に追い込まれた。他に永田メール問題、永田メール事件、ガセメール問題、偽メール問題、ライブドア送金メール騒動など様々な名称で呼ばれた。

事件の経緯 
・2006年(平成18年)2月16日の衆議院予算委員会で民主党の永田寿康議員が、「(ライブドア事件に絡み)証券取引法違反で起訴されたライブドア元社長の堀江貴文被告が、2005年8月26日付の社内電子メールで、自らの衆院選出馬に関して、武部勤自民党幹事長の次男に対し、選挙コンサルタント費用として3000万円の振込みを指示した」などと指摘。 
・武部は党幹事長であり国務大臣ではないため、予算委員会への出席義務はなく、答弁は行わなかった。その一方で、当日に会見をして疑惑を否定した。当日の予算委員会では小泉純一郎内閣総理大臣も出席していなかったため、自民党総務局長として衆院選の候補者選考に携わった二階俊博経済産業大臣が答弁席に立ち「(堀江候補には)党として公認も推薦もしていないので、選挙開始時点で(堀江に対する)党として踏み込んだ調査はしていない。指摘の金銭問題については全く関知していない」と答えている。 
・小泉はこの日の首相官邸でのぶら下がり会見で永田の指摘を「ガセネタ」と批判した。堀江を逮捕・拘留して捜査をしている東京地検も次席検事名で「当該メールや指摘される事実関係は把握していない」と個別の捜査案件に関わる異例の否定コメントを当日に発表した。指摘されたメールの時期に堀江が社長を務めていたライブドアも「堀江前社長の選挙活動は堀江が個人的にしたことで会社とは関係ない。振り込みやメールについては会社として把握をしていない」とコメントを出した。 
・2月18日、民主党はメールの写しを公表。しかし、後述する疑問点が続出し、証拠の信頼性が疑問視され、偽造の可能性も指摘された。武部らに対する名誉毀損で告訴を検討すると反撃されて窮地に陥る事態となった。 
(略) 
・3月24日、懲罰委員会において永田は偽メール仲介者の実名を「西澤孝です」と公表し「私は、西澤孝にだまされた」と語った。そして、メール仲介者が雑誌『Dumont』発行元、デュモンマーケティング社長の「西澤孝」であることが明らかとなった。 
・その事によって、懲罰委員会で西澤の証人喚問を4月4日に予定する運びとなったが、西澤は同日に弁護士を通じ、証人喚問を行わないようにと申し入れてきた。 
・その後、一度は民主党側から意欲的に申し入れていた証人喚問であったが、永田が「メール」をあっさり信用したことなどから、西澤と関係していた他の民主党議員が多数いたからと、マスコミの記事にされることもあり(実際に、永田自身も同僚の議員秘書に紹介されたと述べ、また、藤末健三議員もブログ[3]で、西澤を同僚の議員秘書から紹介されたと語った事実がある)、その影響から、民主党は頑なに議員辞職を拒んでいた永田を説得し、自ら辞職させるという形で、証人喚問は開かれずに終わる。

結果 
3月31日、前原誠司が民主党代表の辞任を表明。辞任理由は「永田寿康を議員辞職させられなかったから」と説明した。これを受け、議員辞職を否定した永田もライブドア送金指示メール騒動の責任を取り、議員辞職した。これを受けて、懲罰動議審議が途中で打ち切りとなり、仲介者である西澤の証人喚問も中止となった。 
民主党はこの騒動により支持率を低下させる結果となり、与党を追及するはずだった多数の問題を後回しせざるを得ない状況になった。 
議員辞職に追い込まれた永田は民主党の党籍も解除となり、国政復帰を模索するも困難な状況となった。また、夫人からの離婚調停や略式起訴など数多くのトラブルに巻き込まれ精神が破綻。精神科病院に入院したものの、2009年に自殺した。
以下にこの「堀江メール問題」で問題となった「偽メール」のコピーの写真を掲載します。


この問題で、当時の永田議員は産経新聞など全国紙と北海道新聞の計六紙の十五日付朝刊に、武部勤自民党幹事長の二男に謝罪する広告を掲載しました。以下にそれを掲載します。


そうして、この偽メール事件にはさらに重大な後日談があります。それは、偽メール事件の発端となった民主党の衆院議員である永田寿康氏の自殺です。

それについては、過去のこのブログに掲載しています。その記事のリンクを掲載します。
永田元民主党衆院議員、飛び降り自殺 偽メールで辞職-政治家に限らず人を育てる人が減ってきた?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2009年1月4日のものです。
 偽メール問題で06年に議員辞職した永田寿康(ひさやす)・元民主党衆院議員(39)が3日、北九州市のマンション駐車場に倒れているのが見つかり、ま もなく死亡した。マンションの10~11階踊り場に遺書らしき内容が書かれたノートがあり、福岡県警は飛び降り自殺を図ったとみている。永田氏は市内の病 院に入院していたという。

 福岡県警の調べでは、午後6時25分ごろ、同市八幡西区里中3丁目のマンション住民が「人が転落したようだ」と110番通報した。全身を強く打っており、午後7時6分に死亡が確認された。踊り場には焼酎1.8リットルの空の紙パックもあったという。

 永田氏は00年6月の衆院選千葉2区で初当選。連続3期当選を果たした。06年2月、衆院予算委員会で、ライブドアの堀江貴文元社長が社内メール で、武部勤・自民党幹事長(当時)の親族への送金を指示した、とする質問をした。同3月、永田氏は衆院懲罰委員会で「メールは偽物」と認め、武部氏らに謝 罪し、同4月に議員辞職した。
この時期には、ブログをはじめてからあまり間もないころなので、写真などはリンクを掲載していました。そのため、この記事を書いた当時の写真は現在ではすべてリンク切れとなっています。そのため、以下に永田議員の写真など再度リンクから拾ったものを掲載します。

故永田寿康氏
当時のテレビのスチル画像もありましたので、以下に掲載しておきます。


永田元議員は2008年春ごろ、離婚していました。関係者によると、06年4月にライブドアの粉飾決算事件に絡む「偽メール問題」で議員辞職した後、07年初めに千葉県八千代市の自宅から転居。その後、別居を経て、離婚したといいます。同市の自宅近くの住民は当時「今朝の新聞で自殺を知ってびっくりした。引っ越す前は、娘さんと奥様と仲良く歩いている姿を見かけたんですが…」と表情を曇らせたそうです。

永田氏が自殺した原因は、無論「偽メール事件」だけが原因ではないとは思います。しかし、それも大きな部分を占めていたのは間違いないでしょう。

この悲惨な事件に関して、この記事では以下のような論評をしました。少々長いですが、当時のまま掲載します。
政治家に限らず人を育てる人が減ってきた? 
なにはともあれ、とにかくは、永田氏のご冥福をおいのりいたします。この人が自殺した原因なんとなく、皆さんもお分かりになると思います。政治家としては、若手です。確かに、彼の行動は軽率だったと思います。それに、メールの問題以外にも、もう記憶にはないくらいなので、たいした問題ではなかったのでしょうが、何かと問題を起こしていました。偽メール問題当時は、「また?」みたいな感じがしました。 
しかし、その責任は彼だけにあるのでしょうか?当然彼は、国会で武部氏を追求するにあたっては、民主党の幹部にも報告していると思います。そのときになぜ、幹部の誰かが、きちんとeメールに関する情報の裏を取らなかったのでしょうか?それに裏を取るだけでなく、永田議員に対して諌めるなどのことをしなかったのでしょうか。民主党の幹部というのは、そんなことができないほどお粗末だということでしょうか? 
確かに、永田氏の行動は稚拙だったと思います。それにしても、民主党内にはこうした、暴走とでもいえるような行為をとめるシステムはないのでしょうか?彼にだけ責任を負いかぶせて後は知らん顔ですか?
 永田氏政治家としては若手のほうです、こうしたミスは事前に発見されて、党内でしかるべき措置が取られるべきではなかったのかと思います。こうした諌め、叱責などがあれば、彼も後には優秀な政治家になれたかもしれません。それに、きっと感謝したことでしょう。彼の経歴など見ると、まあ、学歴だけが人を図る物差しではありませんが、東大工学部卒で、アメリカでMBAも取得しています。ただの馬鹿とは違うと思います。いろいろ知識はあるが、社会的常識に欠けていたのだと思います。人相も悪くありません。ただし、人が良すぎるというのは、顔に現れています。
しかし、社会的常識に欠けている人は、今の世の中かなり年齢が上の人でもも多く存在します。自民党の歴代の大臣の多くが、失言などで退陣したことは記憶に新しいことです。彼だけが問題ということではありません。 
しかし、皆さん勘違いしないでください、私は安っぽい民主党批判などするつもりはありません。しかし、今多くの人をみると、それ相当の年齢になっても人を育てようという気がない人が目立つということを言いたいのです。 
民主党の誰でもいいから、彼を教育したり、メンター(守護者、助言者)になったり、あるいは守る側につく人はいなかったのでしょうか?しばらくは、政治から退いて、本人も反省してから、また元に戻すとか、チャンスを与えるような度量の人はいなっかったのでしょうか?こうした人がいれば、彼は、その人を尊敬し一生身を挺してつきあっていったと思います。 
おそらく、そんな人はいなかったのでしょう。民主党の人に限らず、いや、政治家に限らす、今の人、若い人はいうまでもなく、それ相当の年齢になった人でも、人を育てるという資質に欠けた人があまりにも多いと思います。 
また、人を育てるといった場合、今度はコミュニケーションだ対話だ自主性だなどと、安っぽいことしかできない人が増えています。厳しさが足りません。 
厳しさの前提には、愛情や人を育むという姿勢が必要だと思います。民主党でも、早めに彼の短所を見つけ出し徹底的に厳しく指導していれば、今回にようなことはなく、彼も民主党に多大な寄与ができたかもしれません。 
政治家は、職人などとは違います。職人の場合は、寿司職人でもなんでも、自分の技に精進すれば良いのであって、人を育てることまで考えなくても良いかもしれません。しかし、組織というもので仕事をする人はすべからく人を育てられなければなりません。これは、自分は得手だからとか、不得手だからなどと言うべき筋のものではありません。組織、それもある程度の大きさの組織になれば、必須の資質です。是ができない人は「組織人」とはいえません。 
経営学の大家である、故ドラッカー氏も言っています「マネジメントとは、有能な人材こそ、自らからが会社に残すことができる最大の宝であると思わなければならない」。まさに、至言だと思います。組織で働く人は、いずれは、年老いて、引退しなければならないときがきます。そうしたときに、人を育てて、自分の後をついでくれるとか、自分をはるかに凌駕することを喜びとしなければなりません。アメリカの鉄鋼王のカーネーギーの墓にはこう刻まれています「自分よりはるかに優秀な人たちに恵まれ支えられ、幸せにすごすことができた者、ここに眠る」と。無論生前に彼が考えていた言葉だと思います。そうして、彼の本音だったと思います。 
私は、ある程度の組織で働いていて、部下がついたら、その部下を厳しく、愛情を持って育てることが、すべての組織人の最も大事な職務だと思います。さらに、余裕があれば、自分の直接の部下以外でも可能性のある人は育てていくべきです。自分の保身ばかり考えていては、部下の信頼を失います。部下が不祥事をしでかしたら、矢面に立つこともときには必要です。そうでなければ、人はついてきません。そうでなければ、良い仕事、人の役にたつ仕事はできません、人の上にも立つことはできません。こんな基本的なことすら忘れているから、だから、全部とまではいいませんが、だから今の政治家や企業人は駄目なんです!!
このような姿勢が、あの時の民主党には欠けていたと思います。今の民進党にも、欠けているようです。民進党の幹部、あるいは長老格の人間は、今一度「偽メール」事件に思いをはせて、行き過ぎを制止し、人を育てるという組織の原点を忘れるべきではありません。

まずは、偽メール事件そのものに対する反省もないようですし、不確かな物証で動くという致命的なミスを諌める人もいないようです。さて、森友問題では、篭池氏を証人喚問することが決まりました。

さて、民進党は、国会での証人喚問に籠池氏を積極的に呼んだのが自民党であることの政治的意図を十分に認識すべきです。もともとは、民進党などの野党は、罰則規定もある証人喚問ではなく、国会招致としていました。

自民党から野党に対して寄付金については自民党にまかし、野党は国有地の値引きに焦点をあてろとご丁寧な指導があったようですから、民進党は、この「政治的指導」をじっくり考え、大切にすべきです。

この指導を何も考えずに無視して、寄付金問題で安倍総理や総理夫人、自民党などを糾弾するようなことをした場合、第二の「偽メール事件」が勃発することになるかもしれません。

自民党による「政治的指導」は、それに対する警告である可能性がかなり高いです。

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2015年6月22日月曜日

自衛隊の自殺者は本当に多いのか?数字の読み間違いこそが最大の「悲劇」だ―【私の論評】間違った数字で間違った未来に導かれるな(゚д゚)!

自衛隊の自殺者は本当に多いのか?数字の読み間違いこそが最大の「悲劇」だ

筆者が最も許しがたいこと

筆者はちょっとした疑問をツイートすることがある。6月17日、週刊現代の「どう考えても普通じゃない なんと自殺者54人! 自衛隊の『異常な仕事』」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43700)に対し、

きちんと計算しなさい。10万人あたりの自殺率は30~40人程度。これは自衛隊の自殺率と大差なく、事務職公務員より高いが、農林漁業、鉱業、電気ガス水道業と比較して低い
https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/611044310616637440)。

とツイートした。

この発端は、衆院の安保法制特別委員会における5月27日の政府答弁だ。志位和夫・共産党委員長は、「これまで自衛隊員の戦死者が出ていないものの、犠牲者が出ていないわけではありません。アフガニスタン戦争に際してのテロ特措法、イラク戦争に際してのイラク特措法に基づいて派遣された自衛官のうち、これまでにみずから命を絶った自殺者はそれぞれ何人か、防衛省、報告されたい」と質問した。

これに対して、防衛省は「イラク特措法に基づきまして派遣された経歴のある自衛官のうち、陸上自衛官が21名、航空自衛官が8名、計29名、それから、テロ特措法に基づいて派遣された経歴のある自衛官のうち、海上自衛官が25名、これは統計の関係で平成16年度以降でございますが、以上、29名と25人で、足し合わせますと54名が帰国後の自殺によって亡くなられております」と答弁した。

週刊現代の記事の中で、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は「そもそも、自衛隊全体で隊員10万人あたりの自殺者数を計算すると30~40人となり、これは世間一般の1・5倍と多い。しかしイラク派遣部隊の数字は、さらにその約10倍になるのです」と述べている。

この記事では、半田滋・東京新聞論説委員へのインタビューもある。半田氏による2012年9月27日付け東京新聞「イラク帰還隊員25人自殺」では、「イラク特措法で派遣され、帰国後に自殺した隊員を10万人あたりに置き換えると陸自は345.5人で自衛隊全体の10倍、空自は166.7人で5倍になる」と書かれている。これが、イラク派遣部隊の自殺率が高いという情報源らしい。

筆者は、これを読んだとき、本当かと思った。それで、17日に冒頭のツイートをしたわけだが、そのとき、筆者の頭に閃いた直感を言えば、イラク派遣で29名の自殺者だが、その後の7年間の数字で、1年平均にすればだいたい4人。イラク派兵はだいたい1万人だから、10万人あたりにすれば40人、これは上で引用されている自衛隊の平均と同じではないか。柳澤氏の引用文の中で矛盾があるわけだ。

簡単な計算ミス

まず、2年前の半田氏による東京新聞を読んでびっくりした。これは明らかな計算ミスだ。10万人当たりの自殺者数を計算するとき、分子には1年当たりの自殺者数とするところ、半田氏の記事では累積の自殺者数をとっている。だから、10倍とか5倍とか奇妙な数字が出てきている。

おそらく、その計算間違いを鵜呑みにした柳澤氏もいただけない。筆者のように暗算で計算すれば、少なくとも桁数を間違うことはない。こうした基本事実の理解のないまま、安全保障を語るとすれば、まさに地に落ちたものだ。

これに呼応して、防衛省は、


という資料を出したようだ。

この防衛省の数字について、それを検証しておくことも重要だ。イラク特措法とテロ特措法は、陸上自衛隊5500人、航空自衛隊3600人、海上自衛隊13800人で合計22900人。7年間で自殺者数54人とすれば、10万当たりの自殺率は33.7人となり、これはほぼ防衛省の数字(イラク派遣の場合33人)と同じである。

なお、防衛省の資料では、「男性自衛官の自殺率>イラク派遣自衛官の自殺率」と強調しているが、この程度の差では両者はほとんど同じというべきである。

15歳以上の各業種の自殺率をご存じか

ついでに、いろいろな業種での自殺率も調べておこう。出典は、厚労省が公表している2010年人口動態統計職業・産業別調査である。まとめると下図のとおりだ。


この数字は、防衛省資料にある内閣府のものと少し違うが、15歳以上の男子の自殺率は、10万人あたり38.0人。自衛隊やイラク等派遣はそれよりやや低い。

内訳でみると、就業者で21.6人、無職で63.6人。自衛隊やイラク等派遣は無職の人より低い。これをみると、金融政策で雇用を作れなかった民主党はより多くの人を自殺に追いやったのかと改めて思う。

就業者のうちでも、公務員は22.3人で、自衛隊やイラク等派遣はそれより高いが、農林業49.9人、漁業57.3人、鉱業285.3人、電気・ガス・水道83.6人はよりは低い。

アメリカでは派遣兵の自殺率が高いといわれ、日本の自衛隊でもそのはずという思い込みがあるが、これまでのデータはちょっと違う姿になっている。

東京新聞の計算ミスは、筆者にはちょっと信じがたいが、個人差があるものの、統計数字を扱えない文系あがりの新聞記者ではよくある話だ。統計数字のイロハであるが、フロー数字の概念がわかっていないのだろう。フロー数字は一定期間における数字だが、この場合一定期間は一年間である。

ついでにいえば、筆者が財務省に在籍していたとき、マスコミ諸氏はフローのみならずストックの概念も怪しかった。このため、毎年の予算数字はフローであるから毎年見ているのでなんとかなったが、バランスシートを説明するのが大変だった。

「文系不要論」にもつながる

また、説明に苦しんだといえば、不良債権の時だ。不良債権というのは貸付金のうち返済が滞っているなどの一定のものであり、その数字は、基本的にはある時点のストックの数字だ。

ところが、不良債権の処理という場合、会計年度内で処理した金額なので、フローの数字になる。不良債権の処理額をきちんと理解するためには会計の知識も必要になるので、不良債権額と不良債権の処理額の両者の関係をきちんと理解できたマスコミ記者は少なかった。

昨今、文系学部が社会に役立たないと揶揄されるが、マスコミをみていると、時たまそう思うこともある。事実を記述する上で必須な統計、数学、会計などの知識がないので、まともな記事を書けない。その結果、間違った記事が書かれ、何年も放置される。

図表を書かせると、統計、数学、会計などの知識の有無は一発でわかる。そういえば、新聞には図表が少ない。ある記者に聞いたところ、そうしたのは役所からもらって自分たちではあまり作れないようだ。そのような情報リテラシーに欠けるマスコミは、これから信頼されなくなるだろう。

高橋洋一

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!



【私の論評】間違った数字で間違った未来に導かれるな(゚д゚)!

この記事を読んでいたところ、トンデモない発言を思い出したことがあります。それは、何かというと、ピザの面積です。ピザの面積を単純に直径とか半径に比例すると思い込んでいる人がいて、話が頓珍漢なことになっているのです。



円の面積は、ΠR^2(近似では、3.14×半径×半径)ですから、ピザの厚さが場所によって変わらず、同じとすれば、 ピザを円柱と考えて良いので、ビザの体積は(3.14×半径×半径×ピザ円柱の高さ)で求められるはずです。要するにピザ(円)の面積は、半径の二乗に比例するといするということです。

しかし、この方は、ピザの面積は、半径もしくは直径に比例すると考えおられるようで、話が全く噛み合わず、閉口したことがありました。

さらに、こんなこともありました。たとえば、実寸が3kmの距離を、縮尺が1/50の地図上では何センチになるのかとか、あるいは95%のアルコールを希釈して、80%のアルコールにするには、どの程度水を加えれば良のかとか・・・・・・。

無論ここでは、アルコールと水は質量が異なるので、厳密に計算するには複雑になりますが、そんなことを抜きに質量は同じとみなして、近似値を出すとかということとが、すぐにはできない人が結構いたり(無論少数ではありますが)するという事実にも遭遇したことがあります。

この程度の認識であれば、確かに上の記事で、高橋洋一氏が指摘するような間違いも起こるわけです。上で、高橋洋一氏が指摘している計算間違いは、これらの間違いと遜色ないものだと思います。いくら文系であっても、この程度のことが理解できなければ、経済は無論のこと、社会現象についてもまともに認識できないのではないかと思います。

世の中には、この程度の人が、一応大学を卒業して新聞記者になったり、官僚になったり、民間企業で高い地位についている場合もあるということなのだと思います。

このようなことで、不味いことになるなどのことはないだろうと、たかをくくっている人もいらっしゃるかも知れませんが、私はそうではないことを身を持って体験したことがあります。

それは、大学時代のシンクタンクのアルバイトで、ある地方都市の下水工事について監査をしたときです。バイト先のシンクタンクが、ある地方都市の、下水工事の監査をすることになったので、その都市の下水工事の将来計画について、積算をすることになりました。

その地方都市でも、積算をしていましたが、こちらがわもその積算は抜きにして、積算をしてみたところ、どう考えても辻褄のあわないことがあったので、担当の課長さんに聴いてみても拉致があかないので、実際に計算した人をインタビューしました。

驚いたことに、その積算をした人は、その年に工業高校を卒業したばかりの人であり、新たな下水工事をするにあたり、積算で所与の数値として用いたのが、現在のその都市の人口でした。

その都市の人口は増加していましたから、本来は人口が増加することを見越して計算しなければ、まともな下水工事はできないはずなのに、その有様です。

そうして、後でわかったことですが、この地方都市の下水工事の専任者は、この高卒の新人に、何ら情報も与えず、計算させでいて、出来上がった計算などあまり吟味もせず、押印して許可をしていたのです。

下水工事など莫大な費用がかかるが・・・・

とんでもないことです。もし、そのまま工事が行われていたら、その地方都市では、3年を待たず、追加下水工事が必要となり、さらに莫大な経費がかかるところでした。これは、特異な出来事と思いたいですが、そうでもないことを後から思い知らされました。

それは、あるトンネルの崩壊事故です。下水工事の監査が終わったときに、バイト先の主任研究員と話をしていると、トンネルや橋でも、問題のあるところは随分あるはずだ、でも実際は放置されており、このままだと10年以内に大きな事故がおきかねないという話題がでてきました。

そうして、それから10年もしないうちに、あるトンネルの天井が崩落しました。そのニュースを見た時は、忸怩たる気持ちがしました。トンネルにも耐用年数があるはずで、キチンと調べていば、あのようなことは起こらなかったと思いました。

まさしく、高橋洋一氏の語るように「情報リテラシーに欠けるマスコミは、これから信頼されなくなるでしょう」と述べています。まさしく、その通りです。

そうして、それは、マスコミだけではなく、他の分野の人でも同じことだと思います。

私など、自衛隊員で亡くなられた方々は、気の毒であり、ご冥福をお祈りいたしますが、自殺ということでは、自衛隊員の自殺よりも、若年層の自殺のほうがよほど深刻だと思います。

これについては、以前このブログで解説したことがありますので、その記事をリンクを以下に掲載します。
若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去デフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、こうした若者の自殺に関しては、「若年層の精神的な弱さ」を指摘する向きもありますが、それは最近の若者を知らない人が語る言葉だと思います。

最近は、デフレが解消しつつはありますが、昨年4月に8%増税があり、特に若年層には厳しい環境にあることは確かです。デフレの悪影響が色濃く残っている時期の増税は、このような若者の自殺を促すということは否定できません。この記事では、この可能性について追求しました。

自殺を心配するなら、こちらのほうを心配すべきであり、その背後にはデフレによる悪影響が色濃く残っていることを忘れるべきではありません。

今のマスコミは、財務省が出す、非常に疑わし情報をそのまま鵜呑みして報道し、増税には大賛成で、若年層の自殺には興味がないようです。

社会現象に関する数字など、良く吟味してから、その背後の意味もくみとり発信したり、その数値にもどついて議論をすすめるべきであって、最初から間違えていれば、全く意味がありません。

少なくとも、私達は間違った数字は発信しないようにし、さらに、数字の間違えがあれば、高橋洋一氏のように糾弾していくべきでしょう。

間違った数字で間違った未来に導かれないようにすべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去デフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!


デフレは、若者世代への「経済的虐待」である―【私の論評】日本の将来を担う若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべき!そのためにも、消費税再増税などすべきではない(@_@;)



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自殺に関する書籍以下にチョイスさせていただきました。

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2015年1月17日土曜日

腐敗幹部の自殺が流行 習近平体制22か月で自殺者と不明者7700人―【私の論評】阪神淡路大震災の死者数を上回る、習近平体制の犠牲者数。日本は、このような前近代的国家に関わっているべきではない、最低限の付き合いにとどめるべきと心得よ(゚д゚)!


馬発祥・中将

地面を揺るがすような大きな音とともに、アスファルトの道路に真っ赤な血潮が広がる。北京市中心部から、車で30分ほど走ったところにある中国人民解放軍海軍大院の100号楼(ビル)。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」によると、倒れた人物は海軍副政治委員の馬発祥・中将。

呉勝利・海軍司令官、劉暁光・海軍政治委員に次ぐ海軍のナンバー3という軍最高幹部の1人。馬氏は15階の執務室の窓から飛び降り、覚悟の自殺だった。軍首脳は直ちに箝口令を敷いたが、馬氏の壮絶な飛び降り自殺は瞬く間に軍内に広がった。ジャーナリストの相馬勝氏が中国の異常事態をレポートする。

* * *
中国海軍では2014年9月から11月までの3か月で、馬氏を含めて3人の将校が自殺しており、極めて異常な事態と言わざるを得ない。3人はいずれも汚職などの腐敗事件に絡んでいるとされ、中央軍事委員会規律検査委員会の取り調べを受けていた。香港メディアなどは「軍内で自殺が流行している」と報じているが、それは軍ばかりでなく、中国共産党・政府幹部にも蔓延しつつある。

筆者は31省・自治区・直轄市における腐敗幹部の自殺や行方不明、海外逃亡の数字を記した内部文書を入手した。習近平指導部発足から2014年9月末までの22カ月間の記録で、自殺者は全体で1252人、行方不明者は6448人、海外逃亡者は8341人。総計1万6041人。自殺者と不明者を合わせると7700人と極めて深刻な数字となる。

習近平国家主席は2012年11月の党総書記就任後初の演説で、汚職などの腐敗撲滅を公約に掲げ、「虎だろうが、蝿だろうが一緒に叩く」と豪語した。その成果を誇示するように、約2年後の2014年12月5日、党中央規律検査委員会は2012年12月4日から2014年10月末までの696日間で、公用車の私的利用や、公金を使った華美な宴会などによる飲食といった職権濫用など8項目の規定に違反した党員・幹部の数字を公表し、摘発件数は6万7737件で、処分されたのは8万9585人に上ったことを明らかにした。1日平均では128人だ。

2014年春の全国人民代表大会(国会)では13年の1年間で、汚職などで立件された公務員は前年比8.4%増の5万1306人だったと発表されており、1日平均では140人が逮捕されたことになる。

【私の論評】阪神淡路大震災の死者数を上回る、習近平体制の犠牲者数。日本は、このような前近代的国家に関わっているべきではない、最低限の付き合いにとどめるべきと心得よ(゚д゚)!

本日は、阪神淡路大震災からまる20年です。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りさせていただきます。あれから、20年もの歳月がたっていることが、信じられません。まだまだ、心の傷が癒えていないかたも大勢いらっしゃると思います。

多くの人々の悲しみがまだ消えていません。

炎上する新長田方面


本日、この被災による死傷者の方々の数など調べてみましたが、以下の通りです。

2015.01.14 16:00

さて、この死傷者数の数をご覧ください、6,434人です。この数と、習近平体制22か月で自殺者と不明者7700人とは、直接比較できるものではありませんが、それにしても、かなり多いことがわかります。

馬発祥氏の自殺については、以前このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
強まる習政権の「恐怖政治」 胡錦濤派“粛清” 有力者全滅の可能性も―【私の論評】習近平は、権力を掌握できるか否かの正念場!しかし、掌握したとしても対日本政策は変わらないどころかますます悪化する(゚д゚)!
一昨年3月中国人民政治協商会議の開幕式に出席した習近平国家主席(上段右)と令計画氏(下段)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では胡錦濤派にも、粛清の嵐が及んでいることを掲載しました。そうして、以下のように締めくくりました。
失脚相次ぐ中国の現実から、現状では、習近平が権力を掌握できるか否かの正念場であることがわかります。しかし、権力を掌握してもしなくても対日本政策は変わらないどころかますます悪化することでしょう。 
もう年末で、今年も終わりが近いです。2015年の日中関係はどうなるかなど、予め十分予想がつきます。良くなることは、一切ありえません。来年は、「終戦70周年」にあたります。この時にこそ、習政権は「歴史問題」で日本を激しく叩くつもりだからです。
この記事の頃は、まだ自殺・不明者などの総数はわかりませんでしたが、とうとう7000人を超えたということで、それに、馬発祥氏の死に様もこの時点では死亡した事実がわかっただけで、はっきりしていませんでした。

すさまじい権力闘争です。習近平は汚職を理由にこのようなことをしているようですが、汚職といえば、中国では習近平自身も汚職をしていますし、習近平の一派や、近い人々だって、汚職が当たり前なので、汚職などというのは単なる後付の理由で、これは純然たる権力闘争です。

習近平は、権力掌握のためであれば、手段を選ばすということで、権力闘争の標的になった人たちは、捕まって自白などを強要され、自分の家族や親族にまで累が及ぶことを恐れて自殺したのだと思います。

しかし、自殺にまで追い込むとは、日本をはじめとする文明国家では考えられないことです。このように多数の人々が、自殺に追い込まれたり、行方不明になったりするなどということは、まともな国では考えられないことです。

日本をはじめとする文明国においては、権力闘争で失脚したとしても、権力の座からは、降りなくてはならなくなるものの、普通の市民生活はできます。しかし、未開の後進国である中国では、命がけです。

中国と、日本とでは、そもそも人口が異なりますから、単純比較はできません。日本の人口は、中国の人口の約1/10ですから、日本でこのようなことが起こったとして、自殺者不明者が中国の1/10として換算すれば、770名の自殺者・不明者ということになります。

それにしても、日本においてもこれだけの数の人が自殺したり不明ということにでもなれば、日本では大騒ぎになるはずです。

阪神淡路大震災における犠牲者の親族や、関係者の方々の悲しみは、20年たっても癒えていません。中国においては、権力闘争により犠牲になった人たちの親族や関係者の方々の悲しみも長期にわたって癒やされないことでしょう。

ましてや、中国は日本などと異なり、やむを得なければ、死者に鞭打つというお国柄です。

元々「死者に鞭を打つ」は、中国の史記という古典が元で、呉の名将伍子胥が父兄の仇である楚の平王を討ったとき、既に平王が亡くなっていたため墓から死体を引きずり出して鞭打ちし、復讐を果たしたという故事にちなむものです。

そうして、日本とは異なり昔から、大帝国を設立しても長続せず、分裂しまた大帝国を築きさらに、また分裂また、統一という繰り返しです。


中国で行われた集団裁判 女性の中には売春によって死刑になるものもいた

習近平によるこうした苛烈な権力闘争はまるで、中世の出来事のようですが、現代中国における現実です。そうして、習近平政権の犠牲者は、これだけに及びません。チベット、ウイグル、モンゴルなどの侵略地域はもとより、中国各地で様々な理由で多くの人々が虐げられ殺されています。その実数は、一体どの程度になるのか想像の範囲を超えています。

私は、このような国が長続きするはずはないと思います。このような国が、将来米国などと肩を並べるような国になるとも思えません。その前に、分裂すると思います。

このような全近代的な国中国は、これからも、私達日本を含めた、先進国の国々からは理解できない振る舞いをすることと思います。そもそも、大東亜戦争が集結し、アジアから西欧の植民地が消え去った後に、まるで前近代国家のごとく中国は植民地を求めてチベット、モンゴル、ウィグル、満州に侵略を開始しています。

第二次世界大戦から直後までの中国


前近代から抜けだそうとしないというのなら、そのような国という扱いでいくしかありません。

本年は、「戦後70周年」ということもあり、中国はこの期に乗じて、様々ないいがかりをつけたり、恫喝をすることでしょうが、所詮前近代国家です。まともに相手にする必要はありません。

今後は、つきあいは最小限にして、相手にしないのが一番です。これは、韓国問題を解説したときにも掲載したことですが、国際的にはある国が他国にイチャモンをつけて、それに対して他国がそのイチャモンに反論をして、水掛け論になった場合、言い出したほうが負けという不文律があります。

今後、中国が日本に関わることで、歴史を捏造、改竄した場合には、すべて水掛け論にもっていき、国際的には日本の勝利という方向ですすめ、その他は、一切関わらないという姿勢を堅持すべきです。

後は、中国の隣国への干渉を最低限にさせるように、安部総理が進めてきて、もう少しで完成しそうな安全保障のダイヤモンドをより強固にするべきです。

そうして、前近代的中国が、衰退するのを待てば良いのです。中国の崩壊は、すぐには成就しないかもしれませんが、今世紀中には確かだと思います。日本としては、このような前近代国家にかかわっても、何も得るものがないので、上で示したようなやり方で、中国とは今後関わらないという姿勢を堅持すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月6日水曜日

日本銀行・白川方明総裁 辞任発表緊急会見 全文文字起こし(2013/2/5)―【私の論評】どこまでも日本を弱体化させたいマスコミ白川総裁の悪行を報道せず!!国民を塗炭の苦しみに陥れた白川への恨み忘れまじ!!

日本銀行・白川方明総裁 辞任発表緊急会見 全文文字起こし(2013/2/5)

早期辞任に意向を明らかにした白川総裁

2013年2月5日、日本銀行・白川方明総裁が、3月19日付をもって職を辞することを緊急記者会見で発表した。

自身の任期は4月8日にもかかわらず、山口広秀、西村清彦副総裁の任期である3月19日に、前倒しをして辞任する理由はなにか。いつ辞任を決意し、なぜこのタイミングで発表を決断したのか。

記者会見の様子を全文文字起こしをし、ここに記録として掲載する。(編集部註:一部文章を整えています。)

この記事の続きはこちらから!!


【私の論評】どこまでも日本を弱体化させたいマスコミ白川総裁の悪行を報道せず!!国民を塗炭の苦しみに陥れた白川への恨み忘れまじ!!

さすが、日銀貴族白川ですね。自らの金融政策がまずくて、日本がデフレから一向に抜け出す気配もなかったし、円高傾向をずっと維持してきたことに関して、何らの反省の言も、多くの国民に迷惑をかけたことに対する侘びも何もありません。こういうのを厚顔無恥というのでしょう。

悪白川


昨日、この発表の後にロンドン市場は円安になりました。そのニュースは、以下のURLをご覧になってください。

白川総裁辞意でロンドン市場は円安に

さて、この辞任のニュースに市場は大喜で、 本日の東京株式市場は為替相場の円安を好感した買い注文が膨らみ全面高となりしまた。日経平均株価の上げ幅は400円を超え、一時1万1448円96銭をつました。午後2時現在、前日比398円18銭高の1万1445円10銭。前日の米国株の上昇も安心感につながりました。

2010年4月5日につけたリーマン・ショック後の高値を上回り、取引時間中としては約4年4カ月ぶりの水準となっています。


日本銀行の新体制で金融緩和が進むとみられた円売りドル買いによる円安を好感し、輸出関連などが買われています。円安も進み、円安メリットや日銀の金融緩和加速を期待する買いが先行したました。それにしても、マスコミの大半が、株価上昇、円安を報じていますが、ではなぜ市場がこんなに好感するかなど、どこもまともに報道しません。全くおかしなことです。

なぜこんなに市場が好感するかといえば、それは、白川総裁になる前から、20年間にも及びに地銀は、仕事らしい仕事をしてこなかったことが、市場は良く知っているからです。本日は、詳細を掲載しませんが、日本が財政破綻するというのも全くのガセです。いかに、政治家や、マスコミが出鱈目だったか、よく分かるというものです。

動かぬ証拠!!日本のマネタリーベースは世界一とウソ報道したWBS

マスコミが、日本国解体のために援護し続けた日銀は、過去20年にもおよびまともに仕事をしなかったばかりか、日本経済が落ち込むことばかり続けてきました。

どれだけ仕事をしかなったかといえば、このブログにも何度も掲載してきました。このブログでは、何かことがあるたびに、日銀のやる気の無さを糾弾してきました。そのため、記事がいくつもあります。本日は、一つのまとまって分かりやすい記事を見つけましたので、それをご覧になって下さい。

以下に、その記事のURLを掲載させていただきます。

日銀がいかに仕事をしていないかが分かる、たったひとつのグラフ 村上尚己(マネックス証券チーフエコノミスト)

さて、日銀がいかに仕事をしていなかったことが、ひと目で判るグラフとは以下です。


詳細は、上のURLをごらんいただくものとして、要点だけ以下に掲載しておきます。
このグラフからわかることは、「日本が3.5%の名目成長を達成するには、日銀が“追加で”あと100兆円のベースマネーを供給しなければいけない(=日銀の金融緩和の規模はあと100兆円も(!)足りていない)」ということである(これ実は、これまでの日銀の政策が、実際に日本を-0.5%の名目成長に陥らせる程度のベースマネー拡大しか行なっていなかったということもわかるグラフになっているから驚きだ)。
仕事をしなかっために、どのようなことがおこっているかといえば、デフレから脱却ができないことなど多くの皆さんが知るところとなりましたが、そのほかにも大きな悪影響がありました。これは、意外と知られていないので、過去の記事より以下に掲載します。

若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、とくにかく、雇用や賃金に関しては、日銀の金融政策に大きな責任があります。先進国で、中央銀行の金融政策の悪さが、雇用に悪影響を及ぼすとして、追求しなのは、日本ぐらいなものです。どこの国でも、雇用と金融政策には、密接な関係があり、雇用情勢の悪化について、中央銀行の金融政策のまずさが糾弾されます。

自殺と、デフレの関係を主張する経済学者や、社会学者なども大勢います。私は、雇用が悪化すれば、自殺者が増えるのは、当然の理だと思います。

自殺者についてどのようなことになっているにのか、以下に掲載しておきます。

昨年1年間の全国の自殺者数は2万7766人で、15年ぶりに3万人を下回ったことが先月17日、警察庁のまとめ(速報値)で分かりました。前年より2885人(9.4%)少なく、3年連続の減少。減少率は統計を始めた1978年以降で最大となりました。

年間の自殺者数は金融機関の破綻が相次いだ後の1998年に急増。同年から14年連続で3万人を超えました。減少の背景について、内閣府は「分析には時間がかかるが、経済状況の改善も一因」としています。

自殺の原因や動機を年代と職業別に集計した結果は3月に発表される予定ですが、うつ病が毎年最も多くなっています。警察庁によると、昨年の自殺者のうち男性は1万9216人で69%を占めました。男女の割合は例年と同じでした。

経済状況の改善に関しては、普通の感覚だとまだまだ、デフレのまっただ中でしたが、それにしても、復興のためいつもの年よりは、市中に資金が出回っていて、この余剰に出た分経済が良くなっていたのは確かです。これは、前の年と比較すると明らかです。平成10年度末(平成11年3月)は、震災およびそれに対する緊急の支出があったにもかかわらず、結果的に日銀の金融引き締めにより、マネタリーベース(日銀が市中銀行に投下した貨幣の量)が数千億円減少していたという常識的にいってあり得ない驚くべき事実があります。さすがに、平成11年度末(平成12年3月)はそのようなことなく、おそらく12年度末(平成13年3月)もそのようなことはなく、マネタリーベースが増えていたことが確認できることでしょう。


自殺率の推移をみると、明らかに1998年からその率が飛びぬけて上がっています。日本では、1980年以降、自殺者数は90年代終わりまで2万-2.5万人でした。

1998年に突然自殺者数が3万人を超え、2011年まで3万人を上回って推移していました。この前年橋本内閣が消費税を3%から5%に上げ、その前からデフレ基調だったのが、1998年以降日本は統計上から誰も否定できないデフレ状況に陥っており今日に至っています。実にデフレ基調になってからは、20年の年月が過ぎています。また、1998年は、日銀法が改悪され、今日にみられるように、日銀の独立性が世界の常識からすれば、間違った方向性に捻じ曲げられた年でもあります。

このエビデンスをみれば、自殺と、デフレとの関係そうして、日銀の金融政策との因果関係は、明らかだと思います。

それにしても、白川は、日銀のお粗末な金融政策で、人生を台無しにされた就活生や、あまつさえ命を失った者の気持ち、虐げられた者の痛みを思い知るべきです。それにしても、日銀は白川を切り捨てて何を狙っているのでしょうか。要するに、副総裁人事に合わせて辞める、せめて切腹は許してくれ!ということでしょうか・・・・・・・・?

それにしても、日銀と西の方の海の向こうの勢力の狙いは、副総裁一席を日本の金融緩和防止のため、死守することだと思います。たとえば、山口副総裁の留任、雨宮・中曾理事の昇格を狙っているのだと思います。2月15日の人事提案から、3月19日の現職辞任までの一か月で日本の運命が決まります。まさに、天下分け目の大決戦!!

なんとか、安倍総理に勝利をおさめていただき、戦後体制からの脱却への大きな一歩を勝ち取っていただきたいものです。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?





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