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2017年9月21日木曜日

安倍首相『解散』の真相 北“異次元の危機”前に…関係者「山尾氏の不倫疑惑など眼中にない」―【私の論評】誰が正しいかばかり考え、正しい妥協ができない野党に明日はない(゚д゚)!

安倍首相『解散』の真相 北“異次元の危機”前に…関係者「山尾氏の不倫疑惑など眼中にない」


安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭で、衆院を解散する方針を固めた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮の「核・ミサイル開発」が、日本や世界の深刻な脅威になるなか、「異次元の危機」もあり得る年末前に、自国の外交・安全保障政策や憲法改正、経済・社会保障政策などについて、国民の信を問う。実は、安倍首相は内閣支持率が下落していた「8月中旬」には覚悟を決めていたという。安倍首相の「解散の大義」と「覚悟の背景」とは。

 安倍首相は18日午後(日本時間19日未明)、国連総会に出席するため、米ニューヨークのケネディ国際空港に到着した。一般討論演説や首脳会談を通じて、北朝鮮の「核・ミサイル開発」を放棄させるため、国際社会の連携を訴える。帰国後の25日、解散について事前表明するという。

 「北朝鮮情勢が緊迫するなか、憲法を含めて『日本はこのままでいいのか』『国民や国家をどう守るのか』『自衛隊をどうするのか』と国民に呼びかけ、信を問う選挙だ。いわゆる政局優先ではない。王道の解散だ」

 官邸に近い関係者はこう語った。

 夕刊フジはいち早く、13日発行号で「9・25解散強まる」、14日発行号で「9月解散 議席予測 自公300超」と連日報道し、永田町で注目された。召集日は当初予定の25日から28日に変更されたが、解散風はもう止まらない。


 先週末の解散報道を受け、左派政党やメディアは「『森友・加計問題』の追及から逃げる自己保身解散だ」(民進党の前原誠司代表)、「年内解散検討 透ける疑惑隠しの思惑」(朝日新聞18日社説)と批判。他のメディアも「内閣支持率が回復したから」「民進党の体たらくを見て」などと背景を解説している。

 だが、安倍首相が解散の検討をひそかに始めたのは内閣改造(8月3日)前後で、民進党代表選(9月1日)前の「8月中旬」には覚悟を固めたという。官邸関係者は次のように語った。

 「日本人を多数拉致し、日本上空に無断で弾道ミサイルを通過させる無法国家が『核・ミサイル』完成の一歩手前まできている。国際社会は圧力を強めているが、正恩氏は無視して暴走している。日本の安全保障の根幹が揺らぎつつある」

 「安倍首相としては、国民に安全保障の現状を伝えて、『国民や国家を守る態勢を整える』『自衛隊を憲法に書き込む』と問うべきだと考えた。朝鮮半島の緊張状態は数年続く。その間、解散できないとなれば、事実上、正恩氏に解散権を握られる。これはダメだ」

 ニューヨーク訪問中の河野太郎外相も18日夕(日本時間19日未明)、「北朝鮮が何かやっているから、日本が手足を縛られることは一切ない。そういうことがあってはならない」と述べた。

 最高度の情報を分析するなかで、官邸は突発的な武力衝突は別にして、10月下旬の中国共産党大会や、11月上旬のドナルド・トランプ米大統領の来日までは、大規模な軍事衝突の可能性は低い-と判断したという。

 つまり、年末以降は「異次元の危機」が、あり得るということだ。

 官邸関係者は「内閣支持率が下落していた8月時点で、安倍首相は『日本のため、このタイミングしかない』と覚悟を決めたようだ。民進党新代表が、前原氏でも、枝野幸男氏でも関係ない。山尾志桜里・元政調会長のW不倫疑惑など眼中にない。安倍首相や麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官らは、もっと先を見ていた。消費税などの政策では衝突する麻生氏と菅氏も、今回はほぼ一致していた」という。

 左派政党やメディアの「疑惑隠し」といった攻撃にも、真正面から反論する構えだ。

 官邸関係者は続けた。

 「官邸は、突発的な事態にも対処できる万全の態勢をとる。今回の解散総選挙には『日本の命運』がかかっている。安倍首相の解散の記者会見は、極めて引き締まったものになるはずだ」

【私の論評】誰が正しいかばかり考え、正しい妥協ができない野党に明日はない(゚д゚)!

マネジメントの観点からみても、安倍総理はすでに選挙で大勝するのは目に見えています。本日はなぜ、そうなってしまうのかを解説します。

そもそも意思決定には原則があり、安倍総理は意思決定の原則にのっとって行動していますが、野党はそうではありません、これでは最初から勝負が決まってしまいます。

禅画を好み、また自らを「明治人」と呼んだドラッカー氏
経営学の大家ドラッカー氏は、意思決定について以下のように述べています。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』)
決定においては何が正しいかを考えなければならないというのは、別な方面からると、誰が正しいか、誰が間違いであるかを考えてはならないということです。

これは、一見誰にとっても当たり前のことのようにみえます。しかし、本当に当たり前でしょうか。多くの皆さんは、当たり前でない人たちを日々ご覧になっているはずです。

そうです。国会での野党の有様です。彼らの多くは、「何が正しいか」=「国会での政策論争」ではなく、「誰が正しいか」=「安倍総理が間違い、与党が間違い」という基本理念にのっとって行動しています。

典型的なのは、過去数ヶ月にわたる、森友問題、加計問題での安倍総理の追求です。

ここしばくらく、国会での野党の行動といえば、とにかく「安倍が悪い」「与党が悪い」一辺倒で、彼らは、国会で何を実施しようと考えて意思決定する際にも、とくかく「安倍憎し」で、国民に「安倍は待がつている」という観点から決定しています。

これでは、まともな意思決定などできるはずはありません。

ドラッカーは次のようにも述べています。
頭のよい人、しかも責任感のある人は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思う。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考える。(『経営者の条件』)
GMのCEOアルフレッド・スローンは、当時無名の政治学者だったドラッカーに対し、GM研究の報告書には何を書いてもよい、ただし妥協は書いてほしくないと釘を刺しました。(『経営者の条件』はドラッカーがアルフレッド・スローンに提出した報告書がもとになっている)

安倍総理は、意思決定においては、最初から落とし所の妥協を考えているわけではありません。無論全く考えないということもないでしょうが、少なくとも、野党と比較すると、その度合いはかなり少ないです。

だからこそ、内閣支持率が下落していた8月時点で、安倍首相は『日本のため、解散はこのタイミングしかない』と意思決定をすることができたのです。

最初から、妥協して落としどころを考えるなら、憲法改正や、敵基地攻撃能力の保有などの課題を持ち出さないはです。しかし、野党のほうはといえば、最初から落とし所を考えた妥協を考えたような政策論争ばかりのようです。特に、財務省の意向には逆らわないような、妥協の産物のような、経済対策しか出しません。

ドラッカーは、妥協について以下のように述べています。
妥協には2つの種類がある。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づく。前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。半分の赤ん坊では妥協にもならない。(『経営者の条件』)
ギュスターブ・ドレ〈知者ソロモン王の裁き〉
実際、民進党をはじめ、野党の多くは、財務省の意向に逆らわないような経済対策を考えるため、全く何も役にたたないどころか、かえって日本経済をさらに悪くするような経済対策しか打ち出すことができません。

一方安倍総理のほうは、「財務省が正しい、間違い」などという考えではなく、「何が正しいか=日本の経済にとって何が正しいのか」を考えて意思決定をしたため、まともな意思決定ができました。

そうして、金融政策では成功して、大きな成果を収めています。ただし、8%増税の日本経済への影響は軽微という財務省の見解にもとづき増税の意思決定をしたのですが、これは大失敗でした。

しかし野党の提案する経済対策では、財務省に妥協するにしても、半分の赤ん坊を目指すような妥協しかできません。そのため、彼らは、まさに半分の赤ん坊である、何の役にもたたない死に体の経済対策しか提案することができません。

ドラッカーは、何が受け入れられやすいか、何が反対を招くから触れるべきでないかを心配することは無益であって、時間の無駄だと言います。心配したことは起こらず、予想しなかった困難や反対が突然ほとんど対処しがたい障害となって現れると語っています。

まさに、現在野党はこのような状況に陥っているのです。しかし、野党の多くは、このように自分で招いた結果を、また「安倍のせい」にしようとしています。

このように、ものの見方がいつも、「誰が正しいか」という観点=「安倍のいうとはすべからく間違いで、財務省の経済の見方は完全無列でいつも正しい」という見方であるため、現状のように身動きできないような状況に至っているのです。

ドラッカーは、次のようにも語っています。
何が受け入れられやすいかからスタートしても得るところはない。それどころか、妥協の過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う。(『経営者の条件』)
これが、まさに現在の野党の状況なのです。そのことにはやく気づき、何が正しいかを考え、正しい妥協ができるようにならなければ、野党の再生はあり得ないのです。 そもそも、政治的意思決定のほとんどが、妥協の産物であることがほとんどです。

ドラッカー氏はマネジメントはあらゆる組織に共通であるとしています。企業組織であろと、政党であろうと、病院であろうと、組織のマネジメントの原則は同じなのです。以上に述べたようなマネジメントの原則に反する行動ばかりする野党はますます衰退するばかりです。もう安倍憎しという考えはやめて、まともな政策論争をして少しでも多くの「半分のパン」を得る行動をすべきです。

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2016年10月13日木曜日

「みんなが解散と言うときには解散なし」 「超裏技」の選挙日程とは―【私の論評】与党の助っ人蓮舫氏が民進党代表のうちに解散総選挙はほぼ確実(゚д゚)!

「みんなが解散と言うときには解散なし」 「超裏技」の選挙日程とは

もう永田町は解散風が吹いている。公明党が早期解散を容認しているのは、来(2017)年7月に実施される東京都議選と衆院選がかぶらないようにしたいためだ。また、先の国会で衆院選の1票の格差是正と議員定数10減のための改正公職選挙法が成立したことも大きい。

ただし、区割りには時間を要するために、来年6月以降にならないと、新たな区割りでの衆院選はできないと見られている。現職の衆院議員は、これまでの区割りで選挙をしたいと望むだろう。このことから、衆院選は来年5月までに行われる公算が強い。

解散風の吹く永田町
蓮舫代表の二重国籍問題の陰

このスケジュールは、過去の衆院選を見てもわかる。衆院任期は4年であるが、戦後、任期がまっとうされた上での衆院選は、1976年12月の1回しかない。それ以外は任期満了の前に解散総選挙が行われている。これまでの衆院の平均任期は2年9か月なので、2年を過ぎれば、常在戦場だ。今の衆院議員は2016年12月で任期2年となる。

中曽根政権(第1次は1982年~)以降を見ると、3年以上経過して解散した例が8回と多い。2年以上3年未満で解散したのは、1986年7月、2005年9月、2014年12月と3回しかない。ただし、この3回ともに与党の圧勝であった。これも早期解散の根拠となる。

なにより、今は相手になる民進党が弱すぎる。今日(16年10月13日)の国会で、安倍晋三首相は、蓮舫・民進党代表の二重国籍問題について答弁した。同じく二重国籍だった自民党の小野田紀美参院議員が日本国籍選択を証明する戸籍謄本を公開した事を引き合いに出し、蓮舫氏も国民に証明の努力をすべきとした。蓮舫代表は公開を拒否しているからだ。

この問題は、民進党にとって打撃である。もし蓮舫代表に二重国籍問題がなければ、小池氏が東京都知事になって行われる東京10区の衆院補選に、蓮舫氏が出馬していただろう。

党代表でありながら参院議員であるのは、かなりのハンデである。蓮舫氏は参院議員であるので、衆院の代表質問では野田幹事長に委ねざるを得ない。蓮舫代表が野田氏を幹事長に指名した事に対しては、野田氏が増税論者で民主党政権転落の原因でもあるので、民進党内でも大不評であるが、東京10区の補選に蓮舫代表が出ていれば、民進党の勢いも違っていただろう。

日ソ首脳会談前に...

東京10区も福岡6区も衆院補選は、今のところ与党圧勝の情勢である。福岡6区は自民党の分裂であるが、野党は足下にも及ばないようだ。二つの補選ともに、小池都知事が応援演説で入ると大勢の観衆が集まる。小池人気の凄まじさを見せつけられるが、同じ女性である蓮舫代表は、集める観衆の数で小池都知事に負けている。自民党勢は小池人気で野党候補を破ってしまうだろう。

そうなると、次は、いつ衆院解散か、となる。一般的には、12月の日ソ首脳会談をへて、来(16)年1月解散となっている。このスケジュールはそれなりの確度があるが、「みんなが解散というときには解散なし」という言葉もある。

奇抜なので、その可能性は少ないが、11月21日(先勝)に解散し、プーチン会談の前の12月11日(大安)に投開票というのも頭の体操としてある。

12月15日に日ソ首脳会談であるが、その前に11月19-20日にペルーで開催されるAPECでプーチン大統領と会うので、帰国後解散という超裏技だ。もちろん、TPP法案をどうするかなど難問があるが、ちょうど2年前の2014年11月21日解散、12月14日投開票で衆院選が行われたときと同様な選挙日程であり、絶対に不可能とはいえない。

それも、相手が蓮舫新代表率いる民進党では、安倍首相がいつ解散をしたくなっても、仕方ないだろう。

++ 高橋洋一

【私の論評】与党の助っ人蓮舫氏が民進党代表のうちに解散総選挙はほぼ確実(゚д゚)!

上の記事では、蓮舫氏の二重国籍について掲載されていますが、蓮舫氏に関してはこれ以上に酷いスキャンダルが問題となっていました。

蓮舫氏は2011年に写真週刊誌にダイナシティの中山諭元社長との密会写真が週刊誌に掲載され、国会で追及されました。中山氏はバブル崩壊後に不動産業界でのし上がった風雲児で、ジャスダック上場までしたのですが、05年に脱税でガサ入れされた際、覚醒剤を打っているところを発見され、覚醒剤取締法違反(使用、所持)罪で懲役3年、執行猶予5年の判決がくだされました。にもかかわらず、蓮舫氏は執行猶予中のN氏と密会していたところを写真に撮られたのです。

当時の週刊誌の紙面の写真を以下に掲載します。


蓮舫氏は、脱税や覚せい剤取締法違反容疑で逮捕歴がある元不動産会社社長(ダイナシティの中山諭元社長)と、2010年8月、青森県のねぶた祭りを見学に行ったり、2011年9月21日には、東京・麻布十番で飲食したりしていました。

写真週刊誌が、2011年9月21日の蓮舫と中山諭元社長の麻布十番での会食をキャッチしました。

数年ぶりに大型台風が首都圏を直撃した9月21日の午後7時過ぎ。 蓮舫氏が食事を楽しんでいた相手は、かつてマンション業界の風雲児ともて囃されたダイナシティの元社長だでした。

この週刊誌の紙面の写真など、現在はネット上にほとんど残っておらず、何らかの作為を感じのす。おそらく意図的に削除されていると思われます。

さて、この件に関しての国会の追求の様子を記録した動画を以下に掲載します。


以下に動画の説明を掲載します
西田昌司(自民党)参院予算委員会11/15.
①~④.
国士・西田先生が蓮舫のダーティ交際を暴きます!!
参院予算委員会2011/11/15 質問:西田昌司氏(自民党) 参院の名物男、西田昌司氏が蓮舫議員の黒い交際、韓国民潭と野田民主党との癒着問題について鋭く追及.
参議院予算委員会 西田昌司 野田総理と民団 20111115 20111206 西田昌司 野田総理と外国人献金 参議院予算委員会 1/4
野田総理と蓮舫が脱税と覚醒剤で逮捕されている人間の家族の披露宴に出席し、 御車代として50万、100万円単位で受け取っていた。 20111206 西田昌司 野田総理と外国人献金 参議院予算委員会 1/4
蓮舫、覚醒剤と脱税で逮捕されたダイナシティの中山諭元社長との「黒い交際」(不倫スキャンダル) ・蓮舫は「2011年9月まで犯罪を知らなかった」とウソ答弁・実は犯罪者と知って交遊
このスキャンダルのせいでしょうか、この後すぐに蓮舫氏は行革刷新相を辞任しました。

ガソリーヌ、山尾志桜里などの報道と、蓮舫氏の二重国籍の問題に霞んでしまい、現在ではほんど報道されませんが、蓮舫氏にも政治資金問題があります。

写真は週刊ポスト誌面(切り抜き)平成22年年1月15・22日号(P141)より

この週刊誌の報道では、蓮舫氏の「政党交付金使途報告書」記載の「事務所経費」(賃借料)の項目に「不透明な支出」がある、との指摘が持ち上がった、と記し、渡辺龍二氏(ジャーナリスト)の次の指摘を紹介しています。 
云く、「報告書によれば、この団体(蓮舫氏の資金団体)は06年には63万3280円、07年には54万5980円、08年には54万4980円、3年間で約172万円の事務所賃借料を計上しています。しかし、この報告書には、その支払先についてはまったく記されていない。さらに、蓮舫議員に近い筋から話を聞いても、“彼女は議員会館以外に事務所をもっていないはずだ”というのです」(同)と。この指摘にもとづいて、誌面が「(報告書に)記された東京・目黒区内の住所を尋ねてみた。ところがその場所にそびえ立っていたのは、敷地400平方メートル、高さ2メートルはある荘厳な白壁に覆われた2階建ての“白亜の豪邸”だった」(同)、と事務所の表札すら無い蓮舫氏の個人宅であった、との様子を記している。 

このような疑惑があったせいでしょうか、蓮舫氏はしばらく影を潜めたような状況でしたが、人の噂も75日ということわざもあるように、これらのスキャンダルから随分と月日もたち、多くの国民からこれらの事実の記憶も消えかけていたころに、再度二重国籍問題がもちあがったわけです。

二重国籍問題に関しては、このブログにも何度か掲載してきたように、利益相反の問題があるのは明らかです。安倍首相は、13日の参院予算委員会で、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」だった民進党の蓮舫代表について「国会議員として蓮舫氏の責任において国民に対し証明の努力を行わなければならない」と述べ、詳細な説明が必要だとの認識を示しました。首相が蓮舫氏の二重国籍問題に直接言及したのは初めてです。これは、自民党の三原じゅん子氏の質問に答えたものです。

二重国籍問題をめぐっては、自民党の小野田紀美参院議員も米国籍との二重国籍状態であることが判明しました。しきし、三原氏は、小野田氏が国籍法に基づいて日本国籍選択の宣言をし、外国国籍離脱の努力義務を果たしていたと強調。日本国籍選択を証明する戸籍謄本も公開した小野田氏と比べ、蓮舫氏は国籍選択宣言の有無などが明確でないとして批判しました。蓮舫氏は戸籍謄本の公開について「極めて個人的な件だ」として拒否しています。

これを受け、首相も「小野田氏は戸籍謄本を示し、選択という義務を果たしたことを証明した」と述べ、蓮舫氏との対応の違いを強調しました。

首相は「国会議員は国民の負託を受けている。自らの言動について疑念を持たれぬよう常に襟を正していなければいけないことは当然だ」とも述べました。


民進党の蓮舫代表は5日、参院予算委員会で代表就任後初めて質問に立ち、安倍晋三首相と直接対決しました。憲法改正をめぐり、自民党改憲草案に対する自身の見解を述べることを避けようとする首相に「逃げないで頂きたい」と追及しました。稲田朋美防衛相の過去の発言の問題点も突いていました。

それにしても、最近の蓮舫氏の相変わらずの舌鋒鋭く、内容に乏しい言質をとるためとしか見えない国会での質問や、他の民進党議員の質問などみていると、蓮舫代表自身も、他の民進党議員の大部分も、蓮舫氏や民進党が与党にとって、最高の助っ人になってしまっている状況を理解していないのではないかと思います。

これを滑稽と言わずして、何を滑稽と言えば良いのでしょうか。衆院解散、総選挙の日程はあくまで安倍首相の腹づもりで決まるものです。ですから、年末・年始になるのか、それともブログ冒頭の高橋洋一氏の記事のように、別の日程になるのかは、わかりません。

しかし、安倍首相は蓮舫氏が民進党の代表であるうちに、衆院の解散総選挙に踏み切るのは間違いないと見て良いでしょう。

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2016年6月4日土曜日

【日本の解き方】増税延期の深謀遠慮 経済成長と政治日程の妥協点 サミット議長国の年は解散の経験則が…―【私の論評】参院選後は増税派失脚!次の衆院選では、機動的財政・金融政策が争点に?

【日本の解き方】増税延期の深謀遠慮 経済成長と政治日程の妥協点 サミット議長国の年は解散の経験則が…

1日の記者会見で消費税増税の延期を発表した安倍晋三首相
 安倍晋三首相は1日の記者会見で消費増税の2年半延期を発表する一方、衆参同日選は回避するとした。

 民進党は消費増税を延期する法案まで出したのだから、安倍首相の方針に賛同するのが道理だが、なぜ批判したいのかさっぱりわからない。

不可思議な発言をする民主党岡田代表
 参院選では「アベノミクスの失敗」を争点に掲げるというのだが、アベノミクスの柱で、民進党が批判的な金融緩和政策は、雇用の改善という形で結果を出している。

 ちなみに、4月の有効求人倍率は1・34倍と24年5カ月ぶりの高水準だ。沖縄県、鹿児島県以外の45都道府県で有効求人倍率が1を超えている。民主党政権時代、最大8都県しかなかったのと好対照だ。

 国内総生産(GDP)が低迷しているのは、民主党政権時代に成立した消費増税法によって2014年4月から消費税率を5%から8%に引き上げたためである。3党合意があったので、自民党と公明党の責任も免れないが、10%への再増税先送りは、やる場合とやらない場合のメリット・デメリットを合理的に判断した結果であろう。

 GDP低迷を放置しておくと、雇用まで悪くなる。理論的には、8%から5%に減税するのが経済政策の筋だが、消費税は社会保障目的税とされているので、実際に減税する場合、社会保障関係予算の組み替えなどが必要で、実務的・政治的に困難だ。

 そこで、消費増税を延期した上で、消費減税と実質的に同じ経済効果となるような財政支出増を行うのが現実的な解となる。

 筆者の試算では、消費増税スキップと30兆円程度の財政支出を行えば、20年度の名目GDPは630兆円程度になり、財政再建も容易に達成するだろう。逆に消費増税を強行すれば、名目GDP600兆円も財政再建も達成は不可能だ。

 経済成長と財政再建を同時に達成するには、再増税を中止することがベストであるが、ギリギリの政治折衝の末、経済成長にダメージを与えない期間として、19年10月までの「2年半」が出てきたのだろう。20年の東京五輪を控えて景気過熱を予防する役割もある。

 もちろん、19年4月の統一地方選、同年7月の参院選の後という政治日程も考慮されているはずだ。18年9月の安倍首相の自民党総裁任期を1年超えているという点も注目に値する。

 また、今の衆議院議員の任期は18年12月までであり、19年10月までのことに責任が取れない。ということは、今回は盟友の公明党の意向で衆院解散を見送ったが、そのうち解散するという手も残っている。

 過去に日本がサミット(主要国首脳会議)議長国を務めたのは1979年、86年、93年、2000年、08年と5回ある。このうち、政権交代の不安があった08年以外はすべて衆院選が行われた。ひょっとしたらサミット議長国の年に衆院解散という経験則は今年もあてはまるかもしれない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】参院選後は増税派失脚!次の衆院選では、機動的財政・金融政策が争点に?

消費税増税に関しては、見送られて本当に良かったと思います。今回の消費税増税の見送りか、予定通りに増税するかに関しては、財務省はほとんどかかわらなかったそうです。いわゆる「動くな作戦」プロジェクトを実行していたそうです。それに関しては、以下の動画をご覧いただければ、よくお分かりになると思います。



財務省が増税に関して、何も動かなかったということは、当たり前といえば当たり前です。以下のグラフをご覧ください。


8%増税の災厄のすさまじさはグラフを見れば一目瞭然です。国内総生産(GDP)の6割を占める家計消費は1997年4月の消費増税時、2008年9月のリーマン・ショック時よりもはるかに大きく落ち込み、2年経っても再浮上していません。

まさにL字型不況であり、再増税どころではありません。増税延期に加えて財政出動を金融緩和に組み合わせる政策は当然の選択です。こんなときに、さすがの財務省も大増税キャンペーンをすることはできなかったのでしょう。

それと、次期財務次官の人事の問題も絡んでいました。官邸が霞が関に対して強大な権力を持つ理由の1つに官僚人事の掌握があります。安倍政権は14年5月、内閣人事局を発足させ、審議官級以上の幹部約600人の人事に官邸が関わる制度を作りました。現財務事務次官の田中一穂氏は第一次政権で首相秘書官を務めました。1979年度入省組の中で3人目で、事務次官は1期1人を通例としてきた同省では異例の人事です。
【日本の解き方】経済成長なくして財政再建なし 歳出カットのみ主張なら財務省の術中―【私の論評】財務省・内閣府の嘘吐き官僚には、徹底した報復人事を行い、政治主導を達成せよ(゚д゚)!
霞が関人事は、安倍首相(左)、菅官房長官の官邸サイドの意向が強く働くようにはなったが・・・・
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、 内閣人事局(ないかくじんじきょく)は、内閣官房に置かれる内部部局の一つです。2014年(平成26年)5月30日に設置されましたが、実際に人事に関与するのは、2015年6月がはじめてでした。その結果、現財務事務次官の田中一穂氏が誕生しました。田中一穂は第一次政権で首相秘書官を務めていました。1979年度入省組の中で3人目で、事務次官は1期1人を通例としてきた同省では異例の人事でした。

ちなみに、財務省は、田中一穂事務次官(60)の後任に、佐藤慎一主税局長(59)が就く人事を固めました。首相官邸の人事検討会議を経て、6月中旬にも発令します。財務次官には予算編成を担う主計局長が昇格することが多く、主税局長が次官に直接昇格するのは1981年以来35年ぶりのことです。今年も、昨年に引き続き異例の人事が行われました。やはり、官邸サイドの意向が強く働いた結果であると思います。

財務省は、弱くなったのは事実ですが、まだまだ粘り腰で様々な活動をしています。財務省は早くもポスト安倍を視野に入れた動きもみせていました。その1人が自民党の稲田朋美政調会長です。

「財政再建に関する特命委員会」の委員長も務める稲田氏は女性初の首相候補として話題に上っていました。昨年の骨太の方針の策定時には歳出キャップの明記を主張し、甘利明前経済再生相と対立。また、上の動画にもあるように、ごく最近まで増税にこだわっていました。稲田氏の元には同省関係者が足しげく通っていました。

そうして、稲田政調会長は、先月30日午前、官邸での安倍晋三首相との会談後、首相から消費税増税を延期したいとの話があったとし、これに対して「延期するなら前回選挙との整合性で国民の信を問うべきと申し上げた」と述べていました。選挙については、首相といろいろ話したと明かしましたが、「ここで申し上げることではない」と述べるにとどめました。

消費増税については、稲田政調会長から、来年4月から1%ずつ上げるべきと提言したそうです。

自民党「屋台村」、被災地名物に舌鼓 谷垣コック、牛タンカレー振る舞う。牛たんカレーをよそって配る
谷垣禎一幹事長(右)と稲田朋美政調会長(左から2人目)3月12日日午後、東京・永田町の自民党本部
このようなことから、稲田氏の初の女性首相の見込みは、上の動画にもあったように、参院選の後におそらく行われるであろう、内閣改造で断たれる可能性も高いです。それから、当然のことながら、谷垣さんも危ないです。その他にも、自民党内であまり増税、増税と騒いでいた人は淘汰されるかもしれません。

民進党の岡田代表も、あまりにも与党の消費税増税延期に対する対応が、不味すぎるので、参院選挙の後で岡田おろしの嵐が吹き荒れるかもしれません。特に、参院選が惨敗になったらその責任を問われるのは間違いないです。

それにしても、財務省は負けたふりがうまいです。そもそも、10%への消費増税は選挙を経ずに決めたのに、増税延期には信を問わなければいけない現状はまさに、「民主主義に対する官僚支配の構図」以外の何ものでもありません。「衆参同日選挙で消費増税の延期」という発想自体が財務省の「わな」です。

消費税凍結とならず、増税の先延ばしということは、結局まだ財務省が立ちはだかっているいるということです。 
財務省はこのまま力を失っていくのか、それとも負けたふりをしているのかわかりません。しかし、政治家には寿命がありますが、財務省の寿命は無限大です。本当はだからこそ、国の財政は政治主導であるべきなのです。
なぜなら、財政に失敗すれば、政治家は選挙で、国民から信を問われることになり、その失敗の原因が国民に納得できないものであれば、次の選挙で国民の審判を受けて政権交代ということになります。
しかし、財務省の官僚はそんなことはありません。官僚には選挙なるものはないので、失敗しても、成功しても関係なくよほどのことがない限り、官僚のまま定年になるまで財務官僚であり続けることができます。それどころか、先程述べたように財務省という組織の寿命は無限大です。
だからこそ、現在のように、財務省が国の財政の方向に大きく影響を及ぼすようなことがあってはならないはずです。本来は、政府が国の財政政策の方針を定めて、財務省の官僚は専門家的立場から、その方針を実現するために、様々な方法を模索して、実行するというのが本来のあり方です。

そうして、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事でもっとも気になったのは、以下のところです。
 GDP低迷を放置しておくと、雇用まで悪くなる。理論的には、8%から5%に減税するのが経済政策の筋だが、消費税は社会保障目的税とされているので、実際に減税する場合、社会保障関係予算の組み替えなどが必要で、実務的・政治的に困難だ。

本来ならば、財務省は政府が消費税を減税するというのなら、社会保障関係予算の組み替えの作業をすみやかに行うべきです。それこそ、官僚の本来の仕事です。私は、高橋氏が上の記事で掲載したような経済対策よりも、官僚に仕事をさせ、5%減税を実施すべきと思います。

なぜなら、経済対策は長期にわたっては続けられないからです。一方、8%増税も含めて、消費税増税は一度増税されると、それは不可逆的で永遠につづくものと見られています。

実際、過去には消費税は、上がる一方で、下がることはありませんでした。だから、経済情勢はどうであれ、一度決まった消費税率は下がることはないと思われています。

これでは、結局大規模な経済対策を行っても、それは一時のことであり、一度あげられた消費税率は、永遠に下がらないものと多くの国民は、思っているため一時の経済対策を行っても、長期的には消費が冷え込む恐れがあります。

しかし、ここで消費税を5%に減税したらどういう効果があるでしょうか。無論、8%増税の悪影響を取り除くことができます。しかし、これは一つの効果でしかありません。もう一つ大きな効果があります。

それは、一時上がった消費税は下がることもあり得ると多く国民に理解してもらえることになります。これは、マクロ経済学では当たり前のど真ん中です。増税、減税は政府がその時々で採用する財政政策の一つすぎないのです。

財務省の意向などとは全く無関係に、政府はその時々の経済情勢に対応して、景気が悪ければ、積極財政を行い、景気が良ければ、緊縮財政を行うというのが正常な姿です。

積極財政とは、減税、公共工事を増やす、給付金を増やすなどの政策です。緊縮財政とは、増税、公共工事を減らす、給付金を減らすなどの政策です。

これこそ、安倍総理が伊勢志摩サミットで共同宣言に盛り込んだ「機動的な財政政策」です。

マスコミは機動的財政政策の意味を曲解しているかもしれない
この「機動的財政政策」という言葉をマスコミは、ドイツ首相や、イギリスの首相が財政出動に慎重な姿勢を崩さなかったためであると、判断しているようですが、私はこの判断は妥当ではないと思います。

要するに、「機動的財政政策」とは、マクロ経済学でいうところの当たり前のど真ん中を指しているのです。これなら、いくら直近の財政出動に慎重姿勢のドイツ首相や、イギリス首相でも「ノー」とは絶対に言えないはずですし、それに経済政策としても正しいです。

過去の日本のように景気が悪いのに、緊縮財政を実施しているのは全くの誤りだし、景気が加熱しているときに積極財政をするのも全くの誤りです。ドイツ、イギリスだって、直近では財政出動に慎重であったにしても、さらに景気が悪くなれば、当然積極財政に転ずるべきです。

このまともな「機動的な財政政策」を実行するための第一歩として、消費税を5%に戻すという政策は望ましい政策であると考えます。

安倍総理には、日本が「機動的な財政政策」ができるようになるため、次の衆院選挙で減税は無論のこと「機動的な財務政策」を公約に入れて、選挙に臨んで大勝していただきたいものです。

そうして、日本では政府主導による「機動的な財政政策」が当たり前になるようにしていただきたいものです。

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「サミット議長国の年に衆院解散という経験則は今年もあてはまるかもしれない」としていますから、ひよっとして年内に衆院解散総選挙があるかもしれません。

その時に「機動的な財政政策」が公約に盛り込まれればベストですが、それができないというなら、まずは「消費税を5%」に減税でも良いと思います。そうして、その後に「機動的財政政策」としても良いと思います。

それと、最近は、日銀がまがりなりにも、金融緩和を実施しているので、雇用も改善していますが、日銀法改正もいずれかの選挙で公約に盛り込み、是が非でも日銀法を改正して、現状の誤った日銀の独立性をただしい、正しい中央銀行の独立性を導入して頂きたいものです。

中央銀行の独立性とは目標ではなく、手段の独立性であるという本来の姿にすべきです。金融政策の目標はあくまで政府が設定し、中央銀行は、その目標を達成するため、専門家的立場から、手段を自由に選ぶことができるという本来の姿に戻すべきです。

これも、政府による「機動的な金融政策」である、政府がその時々の経済状況にあわせて、目標を定めて、景気が悪ければ、金融緩和、景気が加熱すれば金融引き締めを日銀に実行させることのできる体制を整えるべきです。

日銀の政策決定会合で決まるなど、とんでもありません。日銀も、財務省のように政府の一下部機関に過ぎません。日本国の金融政策の目標はあくまで、民主的な手続きで定めらた政治家による日本政府が定めるべきものです。

とにかく不況になったときや景気が加熱した場合には、政府が財務省や日銀とは全く関係なしに、政治主導によって、財政政策や金融政策の目標を定め、その目標を財務省や日銀の官僚が実行する体制にすべきです。

そうでないと、今後も失われた20年などのような、馬鹿げた事態が再発することは防ぐことができません。

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2016年5月29日日曜日

消費税増税2年半延期 安倍首相が麻生、谷垣氏らへ方針伝達 麻生氏は「解散」主張―【私の論評】安倍総理は、伊勢志摩サミット声明に盛り込んだ「機動的財政政策」で衆院選大勝利(゚д゚)!

消費税増税2年半延期 安倍首相が麻生、谷垣氏らへ方針伝達 麻生氏は「解散」主張



安倍晋三首相は28日夜、首相公邸で麻生太郎副総理兼財務相、自民党の谷垣禎一幹事長、菅義偉官房長官と会談し、来年4月に予定している消費税率10%への引き上げを平成31年10月まで再び延期する方針を伝えた。国会会期末の6月1日にも発表したい考えで、政府・与党内の調整を急ぐ。

会談で首相は、消費税率の引き上げを「2年半延期したい」と伝えた。これに対し、麻生、谷垣両氏は財政規律維持の観点から予定通りの増税を求めて異論を唱え、引き続き協議することになった。

増税烈士の麻生、谷垣両氏
麻生氏は「再延期するなら衆院を解散して国民の信を問うべきだ」とも主張した。首相は同調せず、菅氏は公明党に配慮して衆参同日選を見送るべきだとの考えを示した。

連立与党の公明党も社会保障の財源確保のため再延期には否定的な立場をとってきた。首相は近く、同党の山口那津男代表とも会談して理解を求める。

26日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の世界経済に関する討議で首相は、現在の状況が「リーマン・ショック前の状況と似ている」と指摘。世界経済が直面するリスク回避のため、あらゆる政策をとることで合意した伊勢志摩サミットの議論を踏まえ、政策を総動員して対応する方針を示していた。

首相は28日の政権幹部との会談でも、同様の観点から消費税増税の再延期の必要性を説明した。再延期については27日の記者会見では「是非も含めて検討し、参院選前に明らかにしたい」と語っていた。

ただ、首相は26年11月に消費税増税を1年半延期して衆院を解散した際に「再び延期することはない」と断言。その後は、20年のリーマン・ショックや23年の東日本大震災級の事態の発生を再延期の条件としていた。 

首相は新たな経済対策を盛り込んだ28年度第2次補正予算案の編成に向けた検討にも入った。補正の規模は5兆~10兆円程度になるとみられ、近く閣議決定する「骨太の方針」や「ニッポン1億総活躍プラン」から施策を盛り込む。

【私の論評】安倍総理は、伊勢志摩サミット声明に盛り込んだ「機動的財政政策」で衆院選大勝利(゚д゚)!

さて、消費税増税見送りはこれで決まったと見て良いと思います。なぜなら、いくら麻生、谷垣両氏が財政規律の立場からこれに反対したとしても、増税すればさらに個人消費は落ち込み、税収が減ることは過去の三度の3%、5%、8%増税のときであまりにもはっきりしすぎているからです。

むしろ、財政規律を重視するというのなら、10%増税はすべきではないです。にもかかわらず、なぜ増税するかといえば、財務省が税金の配賦権限を強め、さらに霞が関で絶大な権力を得ようという魂胆があり、財務省がそれを目指して、税と社会保障の一体改革などとして、無理やり増税が正しいというキャンペーンを繰り返し、政治家や新聞などのマスコミなどを巻き込んできたからです。

最近発表された今年1月〜3月期のGDPの発表をみても、どう考えても増税すべきでないことは、あまりにもはつきりしすぎています。それについては、このブログでも最近掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
やはり嘘だった財務省の「増税の影響は軽微」 衆参ダブル選再燃も―【私の論評】政府は私が中学の時に味わった、鮮烈なアハ体験を国民に味合わせるべきだ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より2016年1〜3ガ突きのGDPのポイントと、うるう年効果に関する表、ならびに最近のGDPの推移を以下に再掲します。


本年度2月のうるう年効果、公表されたGDPの値から"うるう年効果"を控除したのが実質値


さて、公表されたGDPの1月〜3月の値は、実質成長0.4%で、年率換算では1.7%です。しかし、この値は無論のこと、うるう年効果は相殺されたものではありません。うるう年効果を相殺すると、1月 〜3月期のGDPの修正値は、0.1%、年率換算では0.5%です。

これをみれば、ぎりぎりプラスであり、もし海外情勢などの何か別な悪い要因が少しでも重なれば、マイナスになった可能性は大です。

これではとても、実質経済が安定しているとはいえません。ちなみに、昨年の10月〜12月もマイナスでした。2期連続でマイナスになれば、マクロ経済学では不況期入とみなしますから、日本経済はぎりぎりで、不況期入にはならなかったわけです。

この状況をみれば、8%増税の悪影響は明白であり、この上さらに来年の4月から、10%増税ということにでもなれば、とんでもないことになったことでしょう。

この状況をみて、アベノミクスは失敗などという人も多いですが、現在のところ金融緩和の政策が奏効して、雇用環境がかなり良くなっています。今春卒業した大学生の就職率は97・3%で、前年同期から0・6ポイント増え、調査を始めた1997年以来最高とななりました。

文部科学省と厚生労働省が今月20日発表した。2011年に最低(91・0%)を記録した後、5年連続で改善し、これまでの最高だったリーマン・ショック前の08年3月卒(96・9%)を上回りました。高卒の就職率もかなり改善しています。金融政策は成功しているのです。少し前までは、非正規雇用ばかり増えているなどと語っている人もいましたが、これをみれば、もはやどう考えても正規雇用も増えつつあるのは明らかです。


中には、まだ「実質賃金がー」と叫ぶ方もいるようですが、これははっきり間違いです。これは最初からわかっていることですが、雇用情勢が急激に改善しているときには、実質賃金は下がります。

このようなことは常識で考えてもわかります。今季高卒や大卒の採用が大幅に改善しているわけですから、大企業などで高卒や大卒を大量にある企業が雇用したとします。従来よりも、高卒・大卒の若くて、賃金が低い人の構成比率が増えるわけですから、会社全体の平均賃金は下がります。国全体でも同じことです。

だから、正確にいえば、8%増税が大失敗であったことは疑う余地がありません。これで、増税せよという人の神経が全く理解できません。さらにこのブログには、何度か掲載したきたように、現状認識として今の日本の財政状況は悪くはありません。連結政府(統合政府)のB/Sでネット債務残高のGDP比は40%以下で米英より良い状況です。財政再建は一般論として必要でも今の状況で優先順位はかなり低いです。仮に必要としてその手法として増税は間違いです。現状では、経済成長が最適です。

麻生氏、谷垣両氏は一体この現実をどう認識しているのでしょうか。彼らの言動は、増税のための増税と主張しているようにしか見えません。彼らは、増税烈士というあだ名がふさわしいかもしれません。

ところで、衆院解散で衆参ダブル選挙になるかどうかは、まだ五分五分の状況です。

この状況に関して、日経新聞では以下の様に論評しています。
12年12月に発足した安倍政権は安倍、麻生、菅の3氏と、経済再生相だった甘利明氏をあわせた「3A1S」で運営していた。1月に甘利氏が政治資金問題で辞任に追い込まれた後は「2A1S」の状態が続いています。 
しかし、増税再延期と同日選をめぐる結果が出れば、首相を頂点とした麻生、菅両氏の三角関係が、二等辺三角形なのか、そうでないのかがはっきりする。
麻生氏は再延期に反対し、同日選に賛成。一方、引き続き公明党と足並みをそろえる菅氏は再延期派で、同日選には否定的だ。28日夜の会合でも、首相は2人の意見の違いを把握できたはずだ。 
 サミット成功とオバマ米大統領の歴史的な広島訪問という大きな実績を築き、首相は勢いに乗る。ただ、政治決断の着地の仕方によっては、自身を支える政権幹部との関係を変えるリスクもある。
しかし、現実にはさらなる日経新聞の予想を上回るサプライズも考えられます。それは、8%減税が大失敗だったことははっきりしているわけですから、この悪影響を取り除くために、消費税減税を行い消費税を5%にして、その是非を問うために、衆院を解散して、衆参同時選挙にするというサプライズです。

8%増税は、大失敗とわかったわけですから、まともに考えればこの道もあり得るわけです。8%増税をそのままにして、新たな経済対策を組んだとしても、少なくとも10兆円、できれば20兆円クラスの対策でなければ、焼け石に水です。

無論、これはやってできないわけではありません。財源をどうするのかなどとい話もありますが、それはたとえば、為替特会労働特会もあるわけで、特に雇用情勢が良くなりかつ円高傾向の現在では、労働特会を主に用い、為替特会を為替対策に使いつつも余剰の分も一部使うなどの方法でも、十分すぎるほどです。

しかし、これには欠点もあります。経済対策は長期にわたっては続けられないということです。一方、8%増税も含めて、消費税増税は一度増税されると、それは不可逆的で永遠につづくものと見られています。

実際、過去には消費税は、上がる一方で、下がることはありませんでした。だから、経済情勢はどうであれ、一度決まった消費税率は下がることはないと思われています。

これでは、結局大規模な経済対策を行っても、それは一時のことであり、一度あげられた消費税率は、永遠に下がらないものと多くの国民は、思っているため一時の経済対策を行っても、長期的には消費が冷え込む恐れがあります。

しかし、ここで消費税を5%に減税したらどういう効果があるでしょうか。無論、8%増税の悪影響を取り除くことができます。しかし、これは一つの効果でしかありません。もう一つ大きな効果があります。それは、一時上がった消費税は下がることもあり得ると多く国民に理解してもらえることになります。これは、マクロ経済学では当たり前のど真ん中です。増税、減税は政府がその時々で採用する財政政策の一つすぎないのです。

マクロ経済循環 そもそも増税論者の頭の中にはこの循環がないのでは?まさか
政府がお金を支出するとそれは、この世の中から消えると思っているのでは?
そもそも、増税は緊縮財政の一つの手法です。これは、景気が良すぎでインフレのときなどに景気を冷ます効果があります。

一方減税は、積極財政の一つの手法です、景気が悪くてデフレのときなどに景気を浮揚させる効果があります。

安倍総理は、今回減税して、消費税を5%に戻し、今後政府は景気が悪すぎのときには消費税減税を、景気が良すぎの時には消費税増税をするという機動的な財政政策を行うことを宣言して、その是非を衆院選でその是非を国民に問うようにすべきです。実際に安倍総理は、伊勢志摩サミットの共同宣言で「機動的財政政策」という文言を盛り込んでいます。この言葉、マスコミなどはネガティブに受け取っているようですが、ポジティブに受け取ると、このようにも解釈できます。

同時に、日銀も不景気のときには、金融緩和を景気が良すぎるときには、金融引き締めという機動的な金融政策を行うことも、宣言して、衆院選でその是非を国民に問うようにするのです。できれば、それを実行できるように、日銀法の改正も宣言すると良いと思います。

そのような宣言して、衆院選に勝利できれば、財務省や日銀が政府の意向に沿わない、財政政策や、金融政策を実行しようと思ってもできなくなくなります。

これは、サプライズ中のサプライズです。これを実行して、過去の日本のように15年以上もの間デフレスパイラルの泥沼に沈むようなことが二度ないようにしていただきたいものです。これを宣言して、実行すれば、あっという間に日本経済は、回復軌道にのります。

このような衆院解散であれば、解散そのものと減税という2つの大サプライズを起こすことができます。

そうして、この2つとサプライズは大いに有り得ることです。もう、安倍総理も国民も、日銀と財務省に悩まされることにはうんざりです。そうして、上記のような要求は当たり前のど真ん中の、マクロ経済のど真ん中の政策を日銀や財務省に実行してほしいというだけで、根拠も明確ですし、説明をすれば、大多数の国民も認めるでしょうから、市場もかなり好感するでしょうし、衆院選も大勝利になります。

これは、たとえ衆参同時でなくても、まずは今回は参院選だけで、消費税見送りをして、その後に衆院を行うにしても、これを争点にすれば、かなりの大サプライズです。伊勢志摩サミットでも声明に盛り込んだ、「機動的財政政策」により機動的に景気が過熱したときには増税、景気が落ち込んだときには減税をその時々の経済状況に応じて実行することを宣言すれば、日本の経済政策の分岐点にもなる画期的なことになります。

衆参同時であろうが、衆院単独であろうが、ぜひとも実行していただきたいものです。

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2016年5月22日日曜日

緊急リポート!衆議院はまもなく解散→総選挙の公算大~前回の解散を言い当てた筆者が、そう予測する根拠―【私の論評】同時選挙は、ほぼ確実(゚д゚)!

緊急リポート!衆議院はまもなく解散→総選挙の公算大~前回の解散を言い当てた筆者が、そう予測する根拠
長谷川 幸洋





 根拠その1:山口公明代表との会談の違和感

安倍晋三首相はどうやら近く衆院を解散し、夏の衆参ダブル選挙を決断したのではないか。ここ数日でそう考えざるを得ない材料がいくつか出てきた。私のコラムは通常、毎週金曜公開だが、今回は事態の急進展に合わせて特別版を公開する。

私が「やはりダブル選か」と考える根拠の一つは、5月18日に首相官邸で開かれた首相と山口那津男公明党代表との党首会談だ。会談は最初、首相と谷垣禎一自民党幹事長の2人だけで始まり、途中から山口代表と井上義久公明党幹事長が加わる形で開かれた。

山口代表は会談後、焦点の消費税増税について記者団の質問に「特に話をしていない。私の方から申し上げていないし、総理からも特になかった」と答えている。これは、あきらかにおかしい。

いま政権の最重要案件は「来年春の増税をどうするか」だ。安倍首相が慎重論に傾いているのは周知の事実であり、山口代表は推進派だ。このタイミングで両者が会っていながら、増税問題について「何も話し合わなかった」などというのは考えられない。

山口代表は参院選について「お互い協力して頑張ろうと基本精神を確認した」うえで、ダブル選については話題にもならなかったという。だが、ダブル選に反対してきた山口代表にすれば、総理に衆院を解散するのかしないのか、本心を質す絶好のチャンスではなかったか。

それを話題にもしなかったなら「私は絶好球を見逃し三振しました」と言っているようなものだ。与党である両党が選挙で協力して頑張るのは当たり前である。いまさら確認の必要もない。

山口代表の否定にもかかわらず、一部の新聞は増税問題について「首相、公明説得へ地ならし」(読売新聞)とか「増税延期を協議」(日本経済新聞)と報じている。つまり、代表は記者を意図的にごまかそうとしたのだ。なんのために?

増税問題を話し合ったとなれば、首相の頭に増税延期の選択肢があることが公然化してしまう。そうなれば当然、次に「夏はやはりダブルか」という予想が広がる。それを避けたかったからに違いない。

これが私のアラーム警報が鳴り響いた第1点だ。

 根拠その2:山口県人会の不可思議

それから2点目。20日午後になって「6月11日に大阪で開かれる山口県人会に同県出身の衆院議員が急きょ、そろって参加する」という情報が飛び込んできた。

県人会の幹事によると、当初欠席のはずだった高村正彦、河村建夫、岸信夫各衆院議員の事務所から20日朝、相次いで「代理を出したい。いまから参加できるか」と連絡がきたという。

高村氏は山口1区、河村氏は同3区、岸氏は同2区の衆院議員である。高村氏は自民党副総裁として先の安全保障関連法を成立に導いた立役者の1人であり、岸氏は安倍首相の実弟だ。山口県は言うまでもなく安倍首相(山口4区)のお膝元である。

幹事は「岸氏は本人が出席する可能性もあるようだ。県人会には地元の市長たちも大勢来る。やはり選挙ではないかとピンときた」と私に語った。別の山口県関係者も「大阪の県人会には選挙がなければ代理も出ないことが多かった。代理を出すと言ってきたのは、ずばりダブル選だからだろう」と語っている。

もう一つ。私は最近、ある政権幹部と会食した。そのとき幹部が突然「前回は長谷川さんにやられちゃったからなあ」と前後の脈絡もなくポツリと私に漏らしたのだ。

これには少し説明が必要だろう。

私は前回2014年11月の衆院解散予想を的中させている。菅義偉官房長官の記者会見から「増税を先送りして解散総選挙」と読んだのだ(経緯はこちら、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/41078)。幹部はそれを覚えていて話を持ちだしたのだが、私には違和感が残った。

なぜかといえば、私が前回の解散を当てたのは、私と幹部の間で何度も笑って振り返った「終わった話」であり、いまさらあえて持ち出す必然性はなかったからだ。加えて、幹部は「いま闘志がわいているんですよ」とも言った。

私は「熊本の状況はどうか」と繰り返し幹部に質問した。そのたびに幹部は「熊本は大丈夫、落ち着いてくる」と答えた。私は「熊本が落ち着いてくるとなれば、ダブル選が蘇ってくる」と言ったが、返事はまったく期待していなかった。彼がそんな話に答えられるわけがないからだ。

そう言いながら、私は内心「それでもダブルは無理だろう」と思っていた。だが、公明党の山口代表が安倍首相と会談した後、記者団に見え透いた嘘をついて、山口県出身の衆院議員たちがそわそわし始めたとなると、話は違う。

ここへきて安倍政権は重要課題に次々と結論を出している。一億総活躍プランや成長戦略の素案、さらに規制改革会議の答申もまとまった。1票の格差是正を図る衆院選挙制度改革関連法は20日に成立した。重要案件に区切りを付けて、あとは選挙を戦うだけの体制を着々と整えつつある。

私は昨年7月以来、消費税増税先送りでダブル選という見通しを示してきたが、熊本地震を受けて4月22日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48508)では「ダブル選は難しくなった」という見方に軌道修正したばかりだ。

最近のテレビやラジオ番組でもそう喋っている。だが、ここでもう一度、軌道修正する。やはり政局はダブル選に向かって動いているのではないか。

【私の論評】同時選挙は、ほぼ確実(゚д゚)!

このブログでは、昨年から衆参同時選挙になる旨を掲載していました。長谷川氏もブログ冒頭の記事で語っているように、長谷川氏を含めた多くの人が、熊本地震で衆参道志是選挙はなくなったものと考えたようで、そのような内容の記事がサイトにもいくつか掲載されていました。しかし、このブログでは、熊本地震で衆参同時選挙はなしという内容は一度も掲載したことがありません。

なぜそうしたかといえば、熊本地震で衆院解散はありえないという、ことにかなり疑念を抱いたからです。考えてみてください、元々参院選は地震があろうが、なかろうが実施されます。地震があったからといって、参院選を中止するなどということはあり得ません。

あの被災地熊本でも、必ず選挙は行われるのです。そうして、熊本震災の復興はかなり急ピッチで進んでいて、7月には参院選を熊本でも十分できそうな状況になっていました。この状況なら、参院選プラス衆院選も十分ありえると睨んでいました。

ちなみに、以下に今年4月25日のANN世論調査の結果の動画を掲載します。



衆参同時選挙を行って良いは、43%、行っても良いと思わないが、33%でした。安倍内閣の支持率は、46.9%でした。

熊本の状況を考慮に入れても、参院選とともに衆院選も行うということは十分に可能なことであり、熊本有権者からすれば、元々選挙はやらなければならなかったことであり、そのために投票場に足を運ばなければならないことはには変わりはなく、それに衆院選挙が加わっても、投票用紙に書き込む内容が増えるだけのことです。手間的にはそう変わりません。

それに、7月時点で震災地が混乱の巷にあるとは考えられず、選挙ができるほどに一定の秩序を回復している状況になったことは、かえって与党側に有利に働くことが考えられます。そうして有権者からすれば、復興税の導入を阻止する良い機会ともなります。

よもや、今回は東日本大震災の時のように、復興税を導入し、その上10%増税まで導入しようなどということを主張するような勢力は出ないと思いますが、有権者は、そのようなことを主張するような勢力はこの選挙で排除できるなどのメリットがあります。そうして、復興と経済対策の相乗効果により、経済が良くなることを明確に示す候補者を選びやすくなります。

阿蘇山の通称「ラピュタの道」震災直後は道路が寸断し通行止めされたが、今は訪れることができる
元々、参院選がないというのであれば、わざわざ衆院を解散して選挙するということもなかったと思いますが、参院選が最初から予定されているのですから、それを考慮すると、衆参同時選挙は、熊本震災でなくなるなどと、はっきり断定するほうが、私にとっては奇異に感じたくらいです。

ちなみに、本日放映された「そこまでいって委員会NP」では、長谷川氏は「衆参同時選挙はあるか」という質問に答えて「なし」と答えていました。ところが、ブログ冒頭の記事では、「あり」と予測しています。

「そこまでいって委員会NP」にレギュラー出演している長谷川 幸洋氏
これは、「そこまでいって委員会NP」の収録は1週間ほど前に撮られているのだと思います。そのため、長谷川氏はこの番組収録の時点では、まだ新しい情報を得ておらず、衆参同時選挙は熊本震災でなしと考えていたのだと思います。

ところが、この番郡を収録してから、ブログ冒頭の記事を掲載する直前にこの記事に掲載したような新たな情報に接して、考えを変えたのだと思います。

さて、衆参同時選挙があり得ることは、つい先日(20日)にもそれを主張する、選挙結果の予想には定評のある浅川博忠氏の主張が、zakzakに掲載されていました。その記事のリンクを以下に掲載します。
衆参同日選“再浮上” 衆院選は自民圧勝、民進は惨敗の予測 浅川博忠氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から、浅川氏の意見と、選挙結果のみを以下に掲載させていただきます。
「見送り報道が出たからこそ、あり得る。1986年に中曽根康弘首相が行った同日選は『死んだふり解散』といわれたが、今回も似ている。安倍首相は虎視眈々(たんたん)と狙っているのではないか」

「伊勢志摩サミット(主要国首脳会議=26、27日)の前後、安倍首相が『世界経済の収縮』などを理由に、増税延期を表明する可能性が高い。大きな政治決断をしながら、参院選だけ実施するとは考えにくい。必然的に同日選を呼び込むとみるべきだ」

「安倍政権は熊本地震に迅速に対応した。選挙戦では、東日本大震災時の菅直人政権のひどい対応と比較して、『自民党政権の危機管理能力』をアピールできる。有権者の理解は得られるのでは」
 そうして、この記事では、以下のようにも付け加えられていました。
 加えて、オバマ氏が伊勢志摩サミット後に、安倍首相とともに被爆地・広島を訪問することや、米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした、トランプ氏の影響を指摘する向きもある。 
 まず、オバマ氏の広島訪問は、安倍外交の大きな成果になる。トランプ氏は「日本防衛費の全額負担要求」や「日本車の関税大幅増」など、日米関係を激震させかねない過激な発言を連発している。「政権与党としては、『トランプ大統領』誕生に備えて、衆参で安定多数を確保しておく必要がある」(自民党関係者)というものだ。 
毎日新聞も19日朝刊の1面トップで「首相、同日選視野」と報じた。 
そうして、注目の浅川氏による選挙結果の予測の表を以下に掲載しておきます。


どうして、このような結果になるかについては、浅川氏は以下のように述べています。
「野党、特に民進党の低迷が大きい」
「民主党と維新の党が合流したインパクトは皆無に等しく、世論調査でも支持率は数%台だ。有権者から『政治理念のない数合わせ』と見抜かれた。共産党と組むようなイメージが定着したことも大きなマイナスだ。同日選となれば、共産党が比例票目当てで衆院の選挙区で候補者を擁立するため、野党共闘は進まない。ただ、有権者のバランス感覚も働くので、参院選での与党大勝は簡単ではない」
「安倍首相は選択肢として捨てていない。安倍首相は憲法改正をライフワークとしており、その執念は尋常ではない。在任中の憲法改正に向けて、少しでも勝機があれば同日選に踏み切るのではないか。あとは安倍首相の勇気、決断のみだ」
浅川氏昨年も今回の衆参同時選挙になることを予想しており、その時にも選挙結果を予想しています。このブログでもそれに関する記事を掲載しました。以下にその記事のリンクを掲載します。
「ダブル選」大予測 自公の圧勝、野党は壊滅…おおさか維新協力なら憲法改正も ―【私の論評】与党圧勝の真の背景はこれだ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、昨年の12月時点での浅川氏の衆参同時選挙の結果予想のみ以下に掲載します。

 


さて、最近の予測と、昨年12月の浅川氏の予測を比較すると、議席予想で衆院は、昨年は与党小計で342だったものが、最近の予想では351としています。参院では、昨年は155でしたが、最近の予想では144としています。

どちらの予測でも、衆参両院とも与党側が圧勝すると予測しているのですが、衆院では昨年より、与党議席数が増えるが増えると予想し、参院で昨年よりも、与党議席が減ると予測しています。やはり、野党共闘などの影響が参院選に出ることを見込んでいるのだと思います。

この結果からみれば、衆院解散選挙は実施したほうが良いという判断になると思います。

浅川氏は、「後は総理の腹次第」としていますが、私は総理の腹はすでに「衆参同時選挙」で腹は決まってると思います。後は、衆院解散をいつ行うかそのタイミンクを考えていると思います。そうして、10%増税は当然延期することを念頭に入れてるでしょうが、私はひよっとすると8%減税の失敗を取り返すため、消費税を5%に戻すということも検討していると思います。

後は、8%増税の悪影響からなるべくはやく脱却するため、大型補正予算や追加金融緩和に関しても、検討していると思います。

政治の世界は一寸先は闇です。今は、このように与党が十分圧勝できることが予め予想がたちますが、来年、再来年となればどうなるかなど全くわかりません。

であれば、確実に勝てる方に賭けるのが、政治家というものだと思います。

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2014年12月12日金曜日

増税「先送り」解散でメンツ失った財務省 安倍首相に「グレートリベンジ」仕掛ける?―【私の論評】故中川昭一氏の遺志は実現されるか?増税を遮二無二に進める、財務省の背景にあるのは日本を便利なキャッシュ・ディスペンサーにしたい欧米の意図(゚д゚)!

増税「先送り」解散でメンツ失った財務省 安倍首相に「グレートリベンジ」仕掛ける?

衆院解散の威力はすさまじかった

マスコミが一斉にネガティブな情報を垂れ流しにすると、耳タコになって、一般の人のイメージ形成をすることがある。その一例に、「選挙に大義がない」があった。

総選挙は最終局面だが、いまでもそう言う人がいる。知識人ぶって、消費増税附則18条にある景気条項で安倍総理が決断すれば、消費増税はストップ(先送り)できるのだから、解散は不要であるというテレビ・コメンテーターもいる。総選挙は、国民が衆院議員を選ぶとともに、こうしたエセ知識人のウソを暴き出すこともできる場だ。

「ご説明」は、国会議員のみならず、マスコミ、学者・・・

消費増税附則18条では「・・・その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」と書かれている。一般の人であれば、これで総理が決断すれば「施行の停止」が出来ると思うだろう。しかし、それは間違いだ。安倍総理が「講ずる」ことができるのは、増税ストップ法案の国会への提出までだ。その法案の成立は国会議員の仕事だ。

それでも、安倍総理は自民党のトップであり、その自民が国会で多数を占めているから、出来るだろうという反論があり得る。これは、今回の消費増税での答えはノーである。財務省が、自民党の多数、民主党まで「ご説明」して、増税ストップ法案は否決されるように根回ししていたからだ。そのとき、財務省は、増税に賛成してくれれば、予算をつけるという懐柔策も示して、増税賛成議員を増やしていた。財務省の「ご説明」は、国会議員のみならず、マスコミ、学者、エコノミスト、知識人まで広範に渡っていた。

そこで、安倍総理は、衆議院を解散して総選挙で、国民から意見を聞いてこい、と言ったわけだ。これは、安倍総理自らが、財務省の動きを示唆する発言をしている。

この解散の威力は、凄まじかった。あれほど増税を叫んでいた国会議員らも、ぴたっと黙ってしまった。

新聞が「今回の解散に大義がない」という理由

新聞各社は、軽減税率に賛成なので、消費増税に賛成というスタンスだった。だから、消費増税をストップさせる今回の解散に大義がないと、おかしなことを言ってしまう。

消費増税は、財務省の悲願なので、政権を潰してもかまわないとさえ思っているかのようだ。そして、財務省の言うとおりにして法案を成立させた竹下内閣(創設)、村山内閣(3→5%)、野田内閣(5→8→10%)は潰れた。安倍政権は、初めて財務省のいうことを聞かなかった政権だ。

今回の解散で、財務省のメンツは大きく失われた。おそらく、グレートリベンジを考えているだろう。実際、そうした声は筆者のところまで聞こえてくる。

実は、財務省のいうことを無視した政治家は、これまで一人いた。故金丸信氏だ。筆者が財務省入省した1980年、当時のグリーンカード法が金丸氏によって執行停止、その後廃案にされた。成立した税法を金丸氏が葬り去ったのは事実だ。金丸氏はその後、税法違反で政治家生命を絶たれた。その両者に関係があるのかどうかは定かでないものの、政治家は財務省権力の強大さを思い知ったはずだ。

財務省のグレートリベンジがどうなるかも、今回の選挙結果に依存する。

高橋洋一
この記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】故中川昭一氏の遺志は実現されるか?増税を遮二無二に進める、財務省の背景にあるのは日本を便利なキャッシュ・ディスペンサーにしたい欧米の意図(゚д゚)!

財務省が、国民生活など無視して、どこまでも増税推進に走るのか、単に省益とする人もいますが、それだけでは説明のつかないところがあります。特に、今年4月からの8%増税がやすやすと決まったことの背景に、何があるのか・・・・・。この疑問に上の記事は応えてはいないと思います。

増税一色だったマスコミや、政治家、識者などはこのことには応えていません。しかし、ヒントとなることはあります。

さて、昨年の9月には、安倍首相は10月1日を待たずして、早くも増税を決断したかのように執拗に報道されていました。マスコミも、識者も、そうして自民党の政治家たちの発言からも、外堀を埋められて増税に踏み切る事はもはや疑う余地はないという状況でした。

そんななか、アベノミクスの最大の支援者の一人であり、消費税増税に反対する産経新聞の田村秀男編集委員が今朝の「日曜経済講座」で、日本にとって9月は魔の季節だと説いていました。

田村秀男氏

本日はそれについて掲載させていただきます。この記事は、もう産経新聞のサイトからも消えています。そのため、全文引用させていただきます。
産経新聞(2013/9/22)
日曜経済講座(田丸秀男編集委員)「現金支払機」の増税デフレ中川元財務相の「遺言」に思う
 18日展、安倍晋三首相が苦悩の末、消費税増税を決断したと聞いたとき、ふと、「9月は日本にとって因縁の月か」と思った。「平成バブル」へと日本を導いたプラザ合意(昭和60年)、米中が裏で示し合わせてアジア通貨危機対策での日本の主導権を葬り去った国際通貨基金(IMF)・世界銀行香港総会(平成9年)、そして日本のデフレ不況を加速させたリーマン・ショック(20年)も9月の出来事である。日本はそのつど、国運を狂わせた。 
 リーマン・ショック直後に財務相に就任したのは故中川昭一氏で、20年10月10、11の両日にはワシントンで先進7力国(G7)財務相・中央銀行総裁会議などを精力的にこなした。 
 以下は氏から直接聞いた秘話のメモである。 
 10日、ポールソン米財務相、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長らに対して公的資金投入による金融危機対策を厳しく迫った。11日にはブッシュ大統領主催のホワイトハウスでの歓迎パーティーに出席。そこに飛び込んできたのは、北朝鮮に対する米国の「テロ国家指定解除」という重大ニュースだった。中川さんはそれを耳にするや、前日にも会って面識のあるブッシュ大統領に走り寄った。「大統領、どうしてですか。日本人などの拉致問題をどうするのか」と詰め寄る。大統領は「あそこにいるコンディ(コンドリーザ・ライス国務長官)に聞いてくれ」と逃げ出した。 
 中川さんは帰国後、訪ねてきた米共和党の要人に向かって、口頭でホワイトハウスヘの伝言を託した(筆者はこの場に居合わせた)。 
内容は、 
「いくら世界のためだ、黙ってカネを出せと言われても、日本はキャッシュ・ディスペンサー(CD、現金自動支払機)になるつもりはない」。 
 遺言だな、と今思う。 
 筆者が知る限り、国際金融の舞台での致命的とも言える日本の弱さにいらだちを強く感じ、激しく行動した政治家は、中川さんしかいない。 
 消費税増税問題を国際金融の次元でとらえ直すと、日本は増税によって米欧のための「キャッシュ・ディスペンサー」の役割を確約したといえるかもしれない。 
 日本は世界最大の外国向け資金の提供国であり、その基本的な担い手は家計である。 
 家計金融資産の多くは銀行など金融機関に預け入れられる。金融機関は資金の多くを日本国債や外国証券に投資して運用する。財務省は外国為替資金特別会計を通じて金融機関から円資金を調達して米国債を購入、運用する。 
  家計は10年以来の「15年デフレ」の聞、消費を抑えてひたすら金融資産を増やし続けてきた。今年6月末、名目国内総生産(GDP)は9年末比で44兆円減だが、家計金融資産は305兆円、対外金融資産は398兆円増えた。

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 リーマン後の増減が本グラフである。名目GDPはマイナスが続くのに、金融資産増に加速がかかっている。しかもその増分相当がそっくり海外での金融資産に充当されている。ドル換算すると、対外金融資産総額は今年6月末時点で約1兆7千億を増えた。 
このカネは米連邦準備制度理事会(FRB)が増刷したドル資金約1兆5千億をしのぐ。FRBマネーは紙切れでいくらでも刷れるが、しょせんはあぶく銭だ。日本が出すのは本物のカネであり、国民の勤勉な労働の産物である。 
 FRBが量的緩和政策の縮小に動く中で、勤揺する米欧の株式や債券市場にとって、これほど頼りになるカネはない。日本はデフレで国内資金需要がないから、余剰資金は海外に流れ出る。デフレ圧力を一層高める大型消費税増税に日本が踏み切ることは米欧の投資ファンドにとって死活的な利害といえよう。米欧の国際金融マフィアが牛耳る国際通貨基金(IMF)は2年以上前から日本の消費税増税をせき立ててきた。G7、G20(新興国を含む20力国)もそうだ。 
 英フィナンシャル・タイムズ紙(FT、アジア版)は13日付の社説で、消費税増税を「挑戦するに値するギャンブル」、「さいは投げられた」として安倍首相の増税決断を先回りして褒めたたえた。ウォール街など国際金融市場の利害を反映する他の金融中心の米欧メディアも同様だ。 
 今の日本には中川さんのような「国士」が見当たらない。それどころか、得体のしれない「国際世論」を重視し、国内世論を無視し、増税を「国際公約」同然とうそぶいて恥じない風潮が言論界や政界に蔓延している。中川さんがもし健在なら、首相にどう助言するだろうか。
中川夫妻
中川氏が存命であれは、なんとかして昨年の8%増税を見送りさせた可能性も大きかったと思います。中川氏とそれに近いグルーブ、これにブラスして、安倍総理とこれに近いグルーブが合わされば、自民党の中でも大きな勢力になっていたに違いありません。

しかし、現実には増税反対勢力は安倍総理とこれに近いグルーブのみであり、欧米・日本国内の反対派に対峙しても勝ち目はなく、多勢に無勢という状況であり、結局安倍総理は、安定政権を樹立するためにも、昨年は増税に踏み切らざるを得なかったのです。

この8%増税によって、日本は欧米にとって、最も良いキャッシュ・ディスペンサーになりました。デフレが継続して消費は滞り、家計は今までどおり、消費ではなく貯蓄に励むようになり、結局それらの金が、海外投資に回るということです。

実際に、日本の対外金融純資産(外国に貸し付けているお金)は、過去20年以上にわたって、世界一です。本来これらの金は、デフレでなけば、日本国内の消費や投資に回っていたものです。これについては、このブログでも掲載したことがあるので、そのURLを以下に掲載します。
対外純資産、過去最大の296兆円 2位中国の2倍、22年連続「世界一の債権国」―【私の論評】対外金融資産が世界一の国日本が、財政破綻すると思い込むのは狂気の沙汰、そんなことをいい触れ回る輩は大馬鹿かスパイに決まり(゚д゚)!

そうして、家計は、意的預金などのまわり、その金を預かっている銀行は、日本国内にめぼしい投資先がないため、欧米への投資へとまわり、さらに、これらの金を返す頃には、特に米国がお金を刷り増してインフレにして、ドル安円高にすれば、帳消しにするか、そこまでいかなくても、かなり軽減することができます。

こういう背景がなければ、財務省が増税推進を強力に推し進め、政治家や、マスコミから識者まで、あの非常識な増税に両手をあげて大賛成という状況にはならないはずです。

このようなことを掲載すると、アメリカが10%増税には反対したいたことと、矛盾するではないかと指摘する人もいるかもしれません。

しかし、それは十分に説明がつきます。8%増税くらいなら、日本はアメリカにとって、良いキャッシュ・ディスペンサーになるのでしょうが、さすがに10%増税を実行してしまえば、日本経済に及ぼす破壊的な悪影響ははかりしれず、そうなれば、日本の家計にかなり悪影響を及ぼすことになるは、必至です。

だからこそ、アメリカも8%増税で暫く様子を見ることにしたということでしょう。アメリカ内部では、8%増税でも、かなり悪影響があり、家計に悪影響を与える可能性もあるとの指摘もあったものと思います。

日本の家計に悪影響を及ぼし、目減りなどしてしまえば、あるいはもしも日本が本当に財政破綻でもしてしまえば、アメリカにとっては便利なキャッシュ・ディスペンサーが使えなくなるという危惧があるため、さすがにアメリカもこの時期の10%増税には、懸念を示したのです。

この懸念については、このブログでも掲載したことがありますので、以下にそのURLを掲載します。
消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明―【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!
リー米国財務長官

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、10%増税を実行してしまえば、家計も直撃し、家計が目減りすれば、元も子もなくなるわけで、今のタイミングでの10%増税には反対しているわけです。

しかし、日本の経済状況か良くなれば、日本政府が再度増税して米国のキャッシュディスペンサーとしての地位を揺るがないものにしたいという考えがあることは間違いないと思います。

だからこそ、安倍総理は、増税推進派に対して「1年半後」に間違いなく増税するというリップ・サービスをしたのです。
財務省の屈辱と安倍総理のリップ・サービス―【私の論評】今回の解散は、どんなに反対があっても総理大臣は、解散・総選挙という伝家の宝刀を抜くことができるということを示したことで大義は、はっきりしているのに「大義なし」といった輩はただの無能蒙昧の大馬鹿野郎(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして。安倍総理のリップサービスに関連する部分のみ以下に掲載させていただきます。
安倍総理が増税延期を決断したのは歓迎すべきことだが、どうして「1年半後」に増税することを、合わせて断言したのか、その狙いがよくわからないという人もいる。これは、端的に言えば、財務省およびそのカネに群がる人たちへのリップ・サービス。政治的にどうしても我慢できない人たちに向けて、「1年半後」と言って納得してもらったのである。あくまでリップ・サービスという点が重要だ。 
「1年半後」というのは、消費増税の引き上げ時期を'15年10月から1年半後の'17年4月にするということだが、これは今から2年4ヵ月先である。政治では予測不可能である。ただし、それまでの間、'16年7月頃には参院選挙が確実にある。となると、そのときに、衆院選とのダブル選挙があっても不思議ではない。要するに、「1年半後」というのは、財務省らの増税勢力に対する懐柔策であると同時に、安倍政権側が増税勢力に対して総選挙という伝家の宝刀を抜くかも知れないというオプションを持つことなのだ。
このように、今回の解散が、「安倍政権vs.増税勢力(財務省とその「ポチ」たち)」の構図になっていることがわからないと、本当の意味が見えてこない。 
今回の解散は、戦後おそらく初めて、時の総理が財務省の言うことを聞かなかったものだろう。その意味で、政治史として特筆すべき出来事なのだ。プライド高く、政治家を見下してきた財務省にとって屈辱のはずだ。国民は、安倍政権か財務省のどちらを選ぶだろうか。
そうして、このリップサービスは、財務省に対するだけのものではなくて、欧米に対しても、日本はよりよき、キャッシュ・ディスペンサーであり続けますというものでもあります。

いずれにせよ、安倍総理は日本銀行を何とか、日本政府の金融政策にもとづき金融政策を実行できるようにしました。こうなると、欧米諸国にとっては、いくら自分たちがお札を刷り増しても、日本が金融緩和策を実行すれば、国内がインフレになるだけになってしまいます。

そうなると、財務省などが増税などで、緊縮財政を実行すれば、日本はデフレであり、これにより、欧米諸国がインフレになる状況を防ぐことができるわけです。実際、欧米諸国は、リーマン・ショックのときに、自分たちがお金を大量に刷りましすることでも、日本が大幅な金融緩和をしなかったことにより、国内のインフレを抑えることができました。

結局リーマン・ショックの震源地でもないし、サブプイラム・ローンなども関係なかった日本が、一人負けの状態となりました。そうして、日本は、欧米諸国の便利なキャッシュディスペンサーであり続けたわけです。

安倍総理は、リップサービスなどで、アメリカの様子をうかがい、次の増税に関しては、自らのイニシアチブで導入か見送りをできるように、今回の選挙には全力あげて取り組むことでしょう。

私たち、日本国民も、故中川氏の意志を引き継ぎ、日本国を欧米諸国の便利なキャッシュディスペンサーにすることなく、とはいいつつ、適度に投資もして、日本も欧米も互いに良くなる道を選ぶべきものと思います。

それが、まともな国際環境であり、秩序だと思います。日本は、日本の意志でこうした新しい国際秩序を樹立し、世界に貢献する道を選ぶべきであって、「戦後体制」のまま、かつての戦勝国の思惑に流されることなく、それを実行することが「戦後体制」からの脱却につながります。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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