ASEAN諸国 |
対日関係について聞いたところ「友好関係にある」との答えが89%で前回を14ポイント上回った。平和国家としての日本の歩みを「評価する」との回答も88%で6ポイント増えた。
20カ国・地域(G20)の中で過去50年間にASEANの発展に最も貢献した国・地域(複数回答可)の質問では、日本が55%でトップ。中国(40%)、米国(32%)、韓国(24%)、オーストラリア(23%)が続いた。
調査は今年3月、ASEAN10カ国の18~59歳の男女を対象に、面接とインターネットを通じて実施。約3千人から回答を得た。
【私の論評】今日の評価は安倍総理の外交努力の賜物(゚д゚)!
冒頭の記事にある、外務省の調査結果は以下のリンクからご覧になることができます。
このが調査結果を外務省が簡潔にまとめた内容を以下に掲載します。
1 対日関係については,ASEAN全体で,89%(前回調査75%)が「とても友好関係にある」又は「どちらかというと友好関係にある」と回答しており,日本との関係に関し肯定的なイメージが広範に定着していることが示されました。
2 対日信頼度は,ASEAN全体で,91%(前回調査73%)が「とても信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答しており,日本に対する評価が高いことが確認できました。
3 戦後70年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うかとの質問については,ASEAN全体で88%(前回調査82%)が評価すると回答しました。
4 日本の対ASEAN支援について,日本政府の開発協力(ODAによる経済・技術協力等)が,対象者の住む国の開発に役立っているかという質問に,87%(前回調査84%)が「とても役立っている」又は「どちらかというと役立っている」と回答し,日本のASEAN諸国に対する貢献が評価されていることが確認できました。
5 日本の青少年交流(JENESYS等)を含む人的交流における取組についても,90%(前回調査84%)が評価すると回答しました。
6 また,G20諸国の中で,この50年間最もASEANの発展に貢献してきた国(地域)を選ぶ質問(複数回答)では,55%の回答者が日本を選択し,日本の貢献がASEAN諸国から最も高い評価を得ていることが確認できました(今回調査のみ実施)。ASEAN 諸国がこのように今日日本に友好的であるのは、安倍総理の度重なるこの地域への訪問とその後の外交努力による成果であると考えられます。
安倍首相は、平成13年からASEAN 諸国を何度も訪問しています。日本のマスコミはほとんど報道せず、野党の議員らは評価しませんが、最初の訪問で安倍総理は日本外交の原則をを発表し、その後その原則にのっとり我が国とASEAN諸国との外交をすすめています。
2013年1月16~18日、安倍晋三首相は、首相就任ごの最初の外遊先として、ベトナム、タイ、インドネシアを歴訪しました。
2013年ベトナムを訪問しサン国家主席と握手する安倍総理 |
ベトナムではグエン・タン・ズン首相と会談、原発建設計画や高速道路などのインフラ整備、レアアース開発などの貿易投資で協力を進展させることを合意するとともに、尖閣諸島問題、南シナ海の領有権問題で圧力を強める中国を念頭に「全ての地域の紛争と問題を、国際法の基礎に基づき平和的交渉を通じて解決すべきだ」という点で一致しました。
まとめて言いいますと、安倍政権は、政権発足1カ月以内に、総理、副総理、外相がASEAN加盟10カ国中7カ国(ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ブルネイ)とオーストラリアを訪問し、日本が、日米同盟と並んで、ASEAN、オーストラリアとの連携を重視していることを行動で示すとともに、外交の原則を明らかにしたのです。
そして南シナ海問題では「力による現状の変更に反対する」との認識を共有するとともに、政治・安全保障分野でも協力を進めることを確認しました。安倍首相はまた、「日中関係は日本にとって最も重要な2国間関係のひとつだ。引き続き冷静に対応し、中国との意思疎通を維持・強化して、関係をしっかりマネジメントしていく」と述べました。
安倍首相は翌17日にはタイのインラック・チナワット首相と会談しました。インラック首相は共同記者会見で、安倍首相がタイの治水事業、高速鉄道計画、ミャンマーのダウェイ経済特区開発といったインフラ事業への日本企業の参入に関心を示したと述べ、ダウェイについて、タイ、ミャンマー、日本の3カ国で近いうちにハイレベルの協議を行うべきだとしました。
安倍首相はさらに18日にはインドネシアでスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領と会談を行いました。安倍首相は共同記者会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を日本外交の「最も重要な基軸」と確認するとともに、「日本外交の新たな5原則」について述べました。
安倍首相は翌17日にはタイのインラック・チナワット首相と会談しました。インラック首相は共同記者会見で、安倍首相がタイの治水事業、高速鉄道計画、ミャンマーのダウェイ経済特区開発といったインフラ事業への日本企業の参入に関心を示したと述べ、ダウェイについて、タイ、ミャンマー、日本の3カ国で近いうちにハイレベルの協議を行うべきだとしました。
安倍首相はさらに18日にはインドネシアでスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領と会談を行いました。安倍首相は共同記者会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を日本外交の「最も重要な基軸」と確認するとともに、「日本外交の新たな5原則」について述べました。
これは日本のASEAN外交、さらには東アジア外交の原則として非常に重要ですので、以下、少し長くなりますが、当初予定されていた安倍首相による演説の原稿から引用させていただきます。(残念ながらこの演説は、アルジェリア人質事件により、安倍首相が急きょ日本に帰国したため、実現しませんでした。)
日本外交の新たな5原則
念のために確認しておきますと、安倍首相の東南アジア歴訪に先立ち、1月3日には麻生太郎副総理がミャンマーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談して、ミャンマーの対日債務5000億円の一部を放棄する意向をあらためて示すとともに、ティラワ経済特区開発支援の意思を確認した。
また、1月9~14日には、岸田文雄外相がフィリピン、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアを訪問しました。岸田外相は、1月10日付のフィリピン地元紙への寄稿で「ASEANとの関係強化を重視する」と述べるとともに、フィリピンとの連携強化の重要性を強調、海洋安全保障分野において「支援と協力は惜しまない」と表明しました。
第1に、2つの海(編注=太平洋とインド洋)が結び合うこの地において、思想、表現、言論の自由――人類が獲得した普遍的価値は、十全に幸(さき)わわねばなりません。
第2に、わたくしたちにとって最も大切なコモンズである海は、力によってでなく、法と、ルールの支配するところでなくてはなりません。
わたくしは、いま、これらを進めるうえで、アジアと太平洋に重心を移しつつある米国を、大いに歓迎したいと思います。
第3に、日本外交は、自由でオープンな、互いに結び合った経済を求めなければなりません。交易と投資、ひとや、ものの流れにおいて、わたくしたちの経済はよりよくつながり合うことによって、ネットワークの力を獲得していく必要があります。
メコンにおける南部経済回廊の建設など、アジアにおける連結性を高めんとして日本が続けてきた努力と貢献は、いまや、そのみのりを得る時期を迎えています。
(中略)
第4に、わたくしは、日本とみなさんのあいだに、文化のつながりがいっそうの充実をみるよう努めてまいります。
そして第5が、未来をになう世代の交流を促すことです。
(中略)
いまから36年前、当時の福田赳夫総理は、ASEANに3つの約束をしました。日本は軍事大国にならない。ASEANと、『心と心の触れ合う』関係をつくる。そして日本とASEANは、対等なパートナーになるという、3つの原則です。
ご列席のみなさんは、わたくしの国が、この『福田ドクトリン』を忠実に信奉し、今日まできたことを誰よりもよくご存知です。
いまや、日本とASEANは、文字通り対等なパートナーとして、手を携えあって世界へ向かい、ともに善をなすときに至りました。
大きな海で世界中とつながる日本とASEANは、わたくしたちの世界が、自由で、オープンで、力でなく、法の統(す)べるところとなるよう、ともに働かなくてはならないと信じます。この演説の原稿は、無論ASEAN諸国の各々の政府はもとより、 各々の国々のマスコミにも公開されました。
念のために確認しておきますと、安倍首相の東南アジア歴訪に先立ち、1月3日には麻生太郎副総理がミャンマーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談して、ミャンマーの対日債務5000億円の一部を放棄する意向をあらためて示すとともに、ティラワ経済特区開発支援の意思を確認した。
また、1月9~14日には、岸田文雄外相がフィリピン、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアを訪問しました。岸田外相は、1月10日付のフィリピン地元紙への寄稿で「ASEANとの関係強化を重視する」と述べるとともに、フィリピンとの連携強化の重要性を強調、海洋安全保障分野において「支援と協力は惜しまない」と表明しました。
2013年フイリピンを訪問しデル・ロサリオ外務大臣と会談した岸田外務大臣 |
また、ブルネイでは、安倍総理は、同国が2013年のASEAN議長国であることから、「ブルネイが議長国の責任を果たし、成果につながるよう日本も努めたい」と述べました。さらに13日には、オーストラリアでボブ・カー外相と会談し、安全保障分野などにおける関係強化を確認するとともに、日豪経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結を目指すことで合意しました。
まとめて言いいますと、安倍政権は、政権発足1カ月以内に、総理、副総理、外相がASEAN加盟10カ国中7カ国(ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ブルネイ)とオーストラリアを訪問し、日本が、日米同盟と並んで、ASEAN、オーストラリアとの連携を重視していることを行動で示すとともに、外交の原則を明らかにしたのです。
当時、特に3年余りの民主党政権下、日本外交が漂流していただけに、これは重要であり、ASEAN諸国にも大いに歓迎されたのです。
そうしてこの外交5原則の方針を貫いてきたからこそ、今日世論調査で、ASEAN諸国の調査対象の人々の91%もの人々が、日本を信頼すると回答するに至っているのです。
安倍総理は、インドにも足繁く通い、今年もインドの国民から絶大な支持を受けています。
今年インドで大歓迎を受けた安倍総理 |
21世紀の東アジア/アジア太平洋の秩序づくりのため、日本はこうした原則にのっとり、日米同盟を基軸としつつ、地域協力のハブとしてASEANを重視し、その統一性を支持するとともに、ASEANの国々、さらにはオーストラリア、インドなどのパートナーの国々と協力していくのです。
そして中国が国際的に責任ある役割を果たすよう、中国に関与していきます。それが、当時安倍総理による東南アジア訪問で示された日本外交の方針なのです。
先日もこのブログで述べたように、以上の外交努力によって安倍総理は、ASEANやインドと関係が深いため、これらの諸国とトランプ氏と仲介役をしたところ、米国とこれらの国々の関係が飛躍的に良くなったという経緯があるからです。
だからこそ、安倍総理はトランプ大統領から全幅の信頼を得ているのです。
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