2015年5月23日土曜日

アメリカとの対立も辞さない習近平 「米中冷戦時代」の到来か―【私の論評】今度はアジアに残った冷戦構造が鮮明になり、やがて崩壊する(゚д゚)!

2015年05月22日(Fri)  石 平 (中国問題・日中問題評論家)

中国の野望はどうなるのか? 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
先月末から今月中旬までの日米中露の4カ国による一連の外交上の動きは、アジア太平洋地域における「新しい冷戦時代」の幕開けを予感させるものとなった。

まず注目すべきなのは、先月26日からの安倍晋三首相の米国訪問である。この訪問において、自衛隊と米軍との軍事連携の全面強化を意味するガイドラインの歴史的再改定が実現され、日米主導のアジア太平洋経済圏構築を目指すTPPの早期締結の合意がなされた。政治・経済・軍事の多方面における日米一体化はこれで一段と進むこととなろう。

オバマ大統領の安倍首相に対する歓待も、日米の親密ぶりを強く印象付けた。そして5月1日掲載の拙稿で指摘しているように、アメリカとの歴史的和解と未来志向を強く訴えた安倍首相の米国議会演説は、アメリカの議員たちの心を強く打った。この一連の外交日程を通じて、まさに安倍演説の訴えた通り、両国関係は未来に向けた「希望の同盟関係」の佳境に入った。

もちろんその際、日米同盟の強化に尽力した両国首脳の視線の先にあるのは、太平洋の向こうの中国という国である。

「アメリカとの対立も辞さない」
という中国のメッセージ

米中冷戦勃発か?

2012年11月の発足以来、習政権は鄧小平時代以来の「韬光養晦戦略」(能在る鷹は爪隠す)を放棄して、アジアにおける中国の覇権樹立を目指して本格的に動き出した。13年11月の防空識別圏設定はその第一歩であったが、それ以来、南シナ海の島々での埋め立てや軍事基地の建設を着々と進めるなど、中国はアジアの平和と秩序を根底から脅かすような冒険的行動を次から次へと起こしてきた。

その一方、習主席はアメリカに対して、「太平洋は広いから米中両国を十分に収容できる」という趣旨のセリフを盛んに繰り返している。上述の「アジア新安全観」と照らし合わせてみると、中国の戦略的考えは明々白々である。要するに、太平洋を東側と西側にわけてその東側をアメリカの勢力範囲として容認する一方、太平洋の西側、すなわちアジア地域の南シナ海や東シナ海からアメリカの軍事力を閉め出し、中国の支配地域にする考えだ。

つまり、「太平洋における両国の覇権の棲み分けによって中国はアメリカと共存共栄できる用意がある」というのが、習主席がアメリカに持ちかけた「太平洋は広いから」という言葉の真意であるが、逆に、もしアメリカがアジア地域における中国の覇権を容認してくれなければ、中国はアメリカとの対立も辞さない、というのがこのセリフに隠されているもう一つのメッセージである。習近平は明確に、アジア太平洋地域における覇権を中国に明け渡すよう迫ったわけである。

アジア太平洋地域におけるアメリカのヘゲモニーは、世界大国としてのアメリカの国際的地位の最後の砦であり、死守しなければならない最後の一線である。近代以降の歴史において、まさにそれを守るがために、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争という3つの対外戦争を戦い、夥しい若者たちの血が流れた。そうやって確保してきたアジア覇権を、今さら中国に易々と明け渡すわけにはいかない。


実際、オバマ政権になってからアメリカが「アジアへの回帰」を唱え始めたのも、2020年までに米海軍と空軍力の60%をアジア地域に配備する計画を立てたのも、まさに中国に対抗してこの地域におけるアメリカのヘゲモニーを守るためである。

経済面でもアジア支配の確立を目指す

さらに、習政権は経済面での「アメリカ追い出し作戦」に取りかかっている。2015年の春から、アメリカにとって重要な国であるイギリスを含めた57カ国を巻き込んでアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の構想を一気に展開し始めた。これは明らかに、日米主導のアジア経済秩序を打ち壊して中国によるアジアの経済支配を確立するための戦略であるが、アメリカの経済的ヘゲモニーにまで触手を伸ばすことによって、習政権は米国との対立をいっそう深めたと言える。

ここまで追い詰められ、流石にオバマ政権は反転攻勢に出た。そうしなければ、アジア太平洋地域におけるアメリカのヘゲモニーは完全に崩壊してしまうからだ

そして、4月下旬の日米首脳会談を受け、日本が先頭に立って中国のAIIB構想に対する対抗の措置を次から次へと打ち出した。

日本は、迷うことはない


その数日後、米軍は南シナ海での中国の軍事的拡張に対し、海軍の航空機と艦船を使っての具体的な対抗措置を検討し始めたことが判明した。アメリカはようやく本気になってきたようである。このままでは、南シナ海での米中軍事対立は目の前の現実となる公算である。

こうした中で、ケリー米国務長官は今月16日から訪中し、南シナ海での盲動を中止するよう中国指導部に強く求めた。それに対し、中国の王毅外相は「中国の決意は強固で揺らぎないものだ」ときっぱりと拒否した。中国はもはやアメリカとの対立を隠そうともしない。

そして21日、米国防総省のウォーレン報道部長は記者会見の中で、中国が岩礁埋め立てを進める南シナ海で航行の自由を確保するため、中国が人工島の「領海」と主張する12カイリ(約22キロ)内に米軍の航空機や艦船を進入させるのが「次の段階」となると明言した。

今月20日、アメリカのCNNテレビが、南シナ海で人工島の建設を進める中国に対して偵察飛行を行うアメリカ軍機に中国海軍が8回も警告を発したという生々しい映像を放映したが、それはまさに、来るべき「米中冷戦」を象徴するような場面であると言えよう。

ベルリンの壁の崩壊をもってかつての冷戦時代が終焉してから26年、世界は再び、新しい冷戦時代に入ろうとしている。以前の冷戦構造の一方の主役はすでに消滅した旧ソ連であったが、今やそれに取って代わって、中国がその主役を買って出たのだ。

米中の対立構造がより鮮明になれば、日本にとってはむしろ分かりやすい状況である。戦後の日本はまさに冷戦構造の中で長い平和と繁栄を享受してきた歴史からすれば、「新しい冷戦」の始まりは別に悪いことでもない。その中で日本は、政治・経済・軍事などの多方面において、同じ価値観を持つ同盟国のアメリカと徹頭徹尾に連携して、アジア太平洋地域の既成秩序を守り抜けばそれで良い。ここまできたら、迷うことはもはや何もないのである。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】今度はアジアに残った冷戦構造が鮮明になり、やがて崩壊する(゚д゚)!

石平氏は、戦後の冷戦体制は、ソ連が崩壊した後には消滅したという考えたのようです。しかし、私はそうは思ってはいませんでした。確かに、ソ連が崩壊した後、東欧諸国は民主化や、非共産化をすすめ、冷戦体制は消滅し今日に至っています。

最近は、ウクライナ問題などか持ち上がり、冷戦体制に戻ると指摘する評論家もいましたが、それは実現しないことでしょう。なぜなら、今やロシアは小国に過ぎないからです。今のロシアは、最盛期のソ連と比較すると比べ物にならないほど国力が衰退してしまいました。ただし、旧ソ連から引き継いだ核兵器が脅威であることは今も変わりはありません。

今や、GDPは日本の1\5程度で、人口も日本より2000万人ほど多い、1億4000万に過ぎません。軍事力も、旧ソ連の核兵器を受け継いでいるという強み以外は何もありません。軍事的には、アメリカなどの足元にも及ばない脆弱なものになってしまいました。おそらく、今のロシアはまともに戦争をしたらEUにも勝つことはできないでしょう。

だから、冷戦体制は消滅したというのは、ある面では正しいです。ただし、アジアに限っては冷戦構造は崩れませんでした。それについては、このブログでも以前紹介したことがあるので、そのURLを以下に紹介します。
中国が北朝鮮を「我が国の省」として扱う可能性を示唆―米紙―【私の論評】そう簡単に事は済むのか?!
銃殺刑に処せられた張成沢(チャン・ソンテク)氏

この記事は2011年11月のものであり、まだ張成沢(チャン・ソンテク)氏が銃殺刑に処せられる前のものです。

この記事では、当時の北朝鮮の将来がどうなるかを掲載するとともに、冷戦構造がアジアでは、継続されていることを掲載しました。

私の当時の北朝鮮の将来のみたては、しばらく実質集団指導体制が続き、その後本格的な権力抗争が発生するというものでした。

張成沢氏が、2013年12月12日に処刑され、最近では今年4月30日、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長(国防相)が処刑されたということで、私の見立てはあたっていたと思います。

4月末に突然、処刑された玄永哲氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事より、アジアにおいては冷戦構造が終了していなかったという部分のみを以下にコピペさせていただきます。

わたしは、しばらく実質集団指導体制が続き、その後本格的な権力抗争が発生すると思います。おそらく、今から5年後くらいから、権力抗争が激しくなると思います。なぜ、そんなことがいえるかといえば、今のところ、どれも傑出した存在がないからです。 
いずれにせよ、東欧では終わった冷戦構造が、アジアではそのまま継続しています。なぜ、残ったかといえば、当事者であるはずの日本が、これに対して何もしてこなかったことにも要因があったと思います。 
もうそろそろ、日本も、こうした世界の流れに翻弄されだけではなく、自ら進むべき道を選べるようにすべき時期に来ているのではないでしょうか?そうでなけば、拉致問題はいつまでたっても解消できないでしょうし、これからも、世界の流れに翻弄されるだけの存在となることでしよう。 
世界特にアジアの国々は、過去のこの地域における日本の貢献を忘れてはならないと思います。日本が日露戦争に勝利したからこそ、朝鮮半島はロシアの傘下に収まることもありませんでした。その後も日本が中国にとどまったことにより、ロシアの浸食はありませんでした。 
もし、日本が、極東の一小国であり続けていたなら、朝鮮半島ならび、中国の満州いや、もっと広い中国の版図の一部もロシア領になっていた可能性があります。 
いやそれどころか、今頃日本などは存在せず、当時のソ連の傘下に収まっており、私たちは、公用語としてロシア語を日々語っていたかもしれません。いや、最悪は、関東以北がロシア領、以南が日本というように、今の朝鮮半島のように二分されていたかもしれません。そんなことになっていれば、今頃、このような、冷戦構造がなかったか、あるいはもっと酷い状況になっていたかもしれません。
ソ連の消滅によって、東欧諸国では確かに冷戦構造は消滅したのですが、アジアは何も変わりませんでした。中国と北朝鮮の体制は本質的に何も変わりませんでした。そうして、それは、日本がアジアにおいて何もしてこなかったことにも原因があります。

何もしなかったというより、何もできなかったということが正しいかもしれません。世界の動きに合わせて、日本が何もできなかったがために、そうして、特にオバマが大統領になってからは、中国に対して厳しい対処をとらなかったため、中国の野望を許してしまい、今日のブログ冒頭の記事のような事態を招いてしまったという事になると思います。

東欧では、確かに冷戦構造は終焉したのですが、アジアは何も変わらず温存されてしまったにもかかわらず、これに対して過去の政権は何もしてきませんでした。

まともに取り組もうとしたのは、安部総理のみです。

しかし、日本の野党などこのことに全く無頓着です。特に、安全保障法制をめぐる野党の質問は酷いものばかりです。これは、危機管理に関わることであるにもかかわらず、延々と平時の手続き論ばかりしているという有り様です。

東日本大震災における民主党の危機管理は最悪でした。しかし、彼らは未だ何も反省してないようです。現在、南シナ海で何が起こってるのかまるで、見えてないようです。他の野党も似たり寄ったりです。年をとって、白内障にでもなってしまったのでしょうか。

実際に、何をはじめるのか、到底理解できない中国の海洋進出に周辺国は困惑しています。しかし、放置すればいずれ日本もとんでもない事態に巻き込まれるでしょう。中国の海軍を押さえ込むために、何をすべきか?

そのリスクとリターンを議論すべき国会で、クイズばかりやってる馬鹿野党。あまりにレベル低過ぎて全く話にも何にもなりません。野党は、どうやって中国海軍の海洋進出を抑えこもうとしているのでしょうか。

まさか、憲法9条を尊重して、「話し合い」による解決を目指しているというのでしょうか。であれば、野党議員団で特別攻撃隊を結成し、今すぐ南シナ海に赴いて、南シナ海での中国の盲動の現場に立って、「話し合い」攻撃を仕掛ければ良いのではないでしょうか。

もしそんなことをすれば、張成沢氏のように機関砲で銃撃されて、全員玉砕することになると思いますが、それで日本の世論もかたまり、アジアの冷戦構造終焉のための、具体的な行動にすみやかに打って出ることができるようになるかもしれません。今の野党が、安全保障で役立つことができるとすれば、これくらいしかないかもしれません。まあ、そんなことは絶対にしないでしょうが・・・・・・・。

いずれにしても、日米同盟がより強固で緊密なものになり、アメリカにも安部総理のような大統領が出てくれば、アジアの冷戦構造も東欧のように瓦解することは間違いないものと思います。冷戦構造が瓦解したあかつきには、無論ソ連が崩壊したように、中国の現体制も崩れることになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年5月22日金曜日

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り―【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り
2015.05.22

AIIBを揶揄する中国の風刺画
アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、やはり中国がすべてを握る銀行となりそうだ。設立に向けたシンガポールでの第5回首席交渉官会合は22日、実質的な討議を終え、出席者の一人は「中国が(重要な案件を否決できる)事実上の拒否権を持つことで合意した」と明らかにした。

中国は30%弱の出資比率を持つ見通しで、総裁も中国出身者が最有力。予想通り大きな権限を握ることになりそうだ。

一方、中国は国際金融のノウハウが乏しいため、先進国からの出向受け入れや既存の国際金融機関からの人材引き抜きも含めた採用活動を行っている。英国や韓国に、財務当局者などの出向を要請したほか、アジア開発銀行(ADB)から人材を引き抜く動きもある。「ADBと同額の給料は保証すると持ち掛けているようだ」(北京の金融関係者)という。

中国は大手国有銀行などでも「レベルの高い人材は限られる」(邦銀幹部)とみられている。

【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!


上の動画をご覧いただいてもお分かりになるように、TPPを強力に反対して、AIIBバス乗り遅れ論を語る輩共は、中国スパイです。このことは、前からこのブロクでも何度か掲載してきました。冷静に考えると、こんなことは当たり前のど真ん中です。

日本には、呆れるほど多くの中国スパイがいるということです。一般国民の中にも、AIIBに入るべきなどと考える人も多数いたのではないかと思います。そういう考えをする人は、意図的ではないものの、中国スパイを助けることになります。まあ、左翼とかマスコミ関係者ならそれでも通じるかもしれませんが、そうでない人が中国スパイを助けるような行為はつつしむべきです。


そもそも、AIIBは、中国には有望なインフラ投資先がなくなったため、外貨が入らなくなった中国が、再び中国も含めたアジア地域で、大規模な開発を行い、過去のように経済の急速な発展を図ろうとするものであり、中国による、中国のだけが得をする似非国際金融機関に過ぎません。

こんなことは、最初からわかりきたことであり、日本と米国が、AIIBに参加しないということは、中国にとってかなりの痛手です。なぜなら、日米だけで、世界の金融資産の半分以上にも相当する金融資産を有しているからです。

日本人の個人金融資産合計(家計)は、『約1600』兆円と、アメリカ人の個人金融資産合計の『約6400兆円』に次ぎ、『世界で2番目!!』の多さです(2013年)。これら2国が参加しない、このような世界の半分以上の金融資産と最初から無縁のAIIBは、まともとはいえないでしょう。

これから、中国は国際金融ノウハウのなさを補うために、世界中から人材を引き抜くことでしょう。しかし、引き抜かれるのは、クズばかりです。なぜなら、まともな連中は最初から中国の金融の実体を知っており、最初から失敗するのは目に見えているので、誰も行かないからです。

AIIBに参加した国々も、当然のことながら、自国の利益を最優先しますから、ひよっとしたら儲かるかもしれないとか、イギリスのようにまともな産業が何もなく金融で成り立っているような国が、儲け話を探しているだけと見るのが妥当でしょう。

結局、儲けにならないAIIBは、最初は期待を持って参加した国々も、早晩失望することになり、有名無実の存在になることでしょう。これについては、以下の河添恵子さんの動画でわかりやすく説明されています。



日本は、いくら日本国内の中国スパイが「バス乗り遅れ論」を声高に叫んだとしても、このようなAIIBには加入することはないでしょう。

実際、安部総理は講演において、それを語っています。その記事を以下に掲載します。
安倍首相「質も量も、二兎を追う」 アジア向けインフラ投資、5年間で13兆円表明

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみコピペさせていただきます。
 安倍晋三首相は21日、東京都内で開かれた国際交流会議で講演し、公的資金によるアジア向けのインフラ投資を今後5年間で約3割増やすと表明した。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)や政府開発援助(ODA)を通じた融資を含め、約1100億ドル(約13兆2千億円)の投資拡大を目指す。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を目指す中国に対抗する狙いがある。 
 講演で安倍首相は、「世界中から多様な資金をアジアに呼び込み、ダイナミックなイノベーションが開花する大地へと変えたい」と訴えた。各国や国際機関などと協働し、日本の高い技術力を生かす「質の高いインフラ投資」を推進する考えだ。 
 その上で、具体的な施策として(1)円借款や技術協力などODA支援の拡大・迅速化(2)融資能力の拡大などのADB改革を後押し(3)政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)によるリスク資金の積極的供給(4)質の高いインフラの世界標準化-を挙げた。 
 成長著しいアジアでは、鉄道や道路などインフラ整備に毎年100兆円が必要とされている。安倍首相は「質も量も。二兎(にと)を追う」と語った。
中国のすぐに沈みそうなボロ船AIIBは、早晩破綻するでしょうが、安部総理としては、この機会に乗じて、日本のアジアでもプレゼンスを高める狙いがあるものと思います。

私達は、これらのことを十分理解して、中国の妄想には付き合わないというが得策でしょう。そうして、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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AIIBのとんでもない現実を知るための、書籍二冊、雑誌一冊をチョイスさせていただきました。

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2015年5月21日木曜日

CNNが米偵察機に搭乗取材―【関連記事】米国は、リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべき(゚д゚)!

CNNが米偵察機に搭乗取材



 南シナ海上空(CNN) 中国海軍は南シナ海上空を飛行する米軍の偵察機に対し、20日だけで8回にわたって警告を発した。CNN取材班はこの偵察機「P8Aポセイドン」に初めて搭乗を許可され、独占取材を行った。

 中国が南シナ海に相次ぎ人工島を建設して軍事施設を増強していることに対し、米国防総省は警戒を強め、中国の領有権に関する主張を米国が認めていないことを誇示する目的で偵察飛行を行っている。人工島の建設に対しては米国の同盟国も懸念を強める。

 国防総省がメディアによる取材を初めて認めた背景には、人工島が投げかける問題や米国の対応強化について世論を喚起する狙いがある。中国が米国の対応を歓迎していないことは即座に分かった。「こちら中国海軍。こちら中国海軍。どうぞ退去してください。誤解を避けるために」。取材班が搭乗した偵察機は、無線通信でそう呼びかける英語の音声を受け取った。

 国防総省が中国の建設作業現場の映像や米偵察機に対する警告音声を公表したのは初めて。

 偵察機は最も低い時で1万5000フィート(約4572メートル)の高度を飛行した。米軍はこの地域でプレゼンスを高めるため、偵察機や軍艦で人工島にさらに接近することも検討中だ。

 中国海軍の通信が入って間もなく、発信元の人工島が見えてきた。同島は中国の沿岸から1000キロほど離れた海上に建設されていた。

 南シナ海には豊かな漁場があり、大量の天然資源が埋蔵されている可能性もあることから、問題の海域では複数国が領有権を主張している。

 20日の偵察は3つの人工島の監視が目的だった。数カ月前までは小さな岩が点在するだけだった海上が埋め立てられて大規模な建設作業が進められており、米国はこうした島が近いうちに軍事施設として実用配備されることを危惧する。

 これに対して米軍側は一貫して、P8は国際空域を飛行していると繰り返す。

 この応答にいら立って、1度は「こちら中国海軍。出て行け!」という反応が返って来た。

 この空域は軍だけでなく民間の航空機も飛行する。米デルタ航空のパイロットが同じ周波数を使って民間機であることを伝えると、無線通信の相手は「中国海軍」と名乗り、デルタ機はそのまま飛行を続けた。

 建設作業が進むほど、中国海軍の米軍機に対する警告の頻度や攻撃性は高まると米軍司令官は予想する。

 ファイアリー・クロス礁やミスチーフ礁では埋め立てや建設の作業が盛んに進められている様子が見えた。「毎日こんな様子だ。週末も働いているのだろう」とパーカー大佐は話している。

【私の論評】米国は、リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべき(゚д゚)!

中国が、日本の尖閣周辺の領海、領空侵犯を繰り返したり、南シナ海に相次ぎ人工島を建設して軍事施設を増強している背景には、無論のこと中国の海洋進出の野望があります。

その野望については、随分前から多くの国々で周知されていることです。それに関する記事は、このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
日本が宮古島に地対空ミサイル展開 中国の太平洋への出口封鎖する狙いか(China.org.cn)―【私の論評】このままでは第一列島線確保もままならぬ中国の蹉跌(゚д゚)!永遠に無理か?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に中国の海洋進出の野望に関する部分のみ掲載します。
中国中央共産党幹部の妄想も酷いものです。その妄想に従い、第一列島線、第二列島線などの妄想ラインなどをまじめに考えています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A 
第一列島線とは、上の図の緑の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において近海と外洋を分ける目標ラインとされる。 
第二列島線とは、上の図の紫の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において外洋の範囲を示す目標ラインとされる。 
◆中国は2020年の運用を目標に通常型空母建設に着手しているほか、原子力空母建設構想など海軍力の整備・増強を表明しており、同国の軍拡が懸念されている。 
但し当然の事ながらこれら第一、第二列島線概念は公式に対外的にアナウンスされた方針ではなく、あくまで人民解放軍内部の国防方針である。 
同副主席が掲げた海軍建設のタイムスケジュール 
「再建期」 1982-2000年 中国沿岸海域の完全な防備態勢を整備 ほぼ達成済み
「躍進前期」 2000-2010年 第一列島線内部(近海)の制海権確保。
「躍進後期」 2010-2020年 第二列島線内部の制海権確保。航空母艦建造
「完成期」 2020-2040年 アメリカ海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止
2040年 アメリカ海軍と対等な海軍建設 
これからすると、躍進前期は遅れています。そうして、現在躍進前期の最大の障害は、日本によるものです。計画では、2010年までには、第一列島線内部(近海)の制海権確保が実現されていなければなりません。しかし、尖閣すらとれない状況では、これは現状では全く無理です。
 さて、この記事では、中国の太平洋米中二穀支配など妄想に過ぎないことを指摘しました。しかし、中国は自らの海洋進出を妄想とは思ってはいないようです。

昨日は、オバマ大統領率いる米国が、海洋覇権を狙う中国を強く牽制しているとした記事について解説させていただきました。
習近平主席、とんだ赤っ恥 海洋覇権狙う中国を米国が封じ込めへ―【私の論評】及び腰オバマの遅きに失した中国対応!ほくそ笑む習近平の前に立ち塞がる安部総理(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部分のみ以下にコピペさせていただきます。

この記事の元記事では以下のようなことを掲載していました。
米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたのだ。キューバも合意していた中国艦艇の常駐を撤回していた。習近平国家主席としては、赤っ恥をかかされたことになりそうだ。
これに対して、私は以下の様な論評をしました。
もう、オバマは対外的に何もしないしできません。上の記事では、さも中国牽制のために、米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたようなことを掲載していますが、私はそうではないと思っています。
オバマが何を考えているかといえば、キューバとの国交回復のみです。すでに、レームダック化しているオバマにおいては、もはや対外的に成果を残せそうなのは、キューバとの国交回復だけです。今回の研修会合は完璧に、キューバとの国交回復のための、地ならしにすぎないものと私は思います。
もし、中国への牽制なら、実施する場所が間違えています。中国を牽制するというのなら、日本か韓国、台湾かフィリピンで実施すべきものです。 
このニュースに接して、習近平は赤っぱじをかいたと思うどころか、オバマのあいかわらずの、及び腰に、「こいつはまだまだ」いけると、ほくそ笑んでいることでしょう。
この習近平のほくそ笑みの発露が、今回の 中国海軍による南シナ海上空を飛行する米軍の偵察機に対する、20日だけでも8回にわたって警告だとみるべきです。

現中国が、海洋進出するなどということは、第二次世界大戦後の戦勝国による「戦後体制」にはなかったシナリオです。そもそも、中華人民共和国は、国民党軍と戦ったのであり、第二次世界大戦に参戦していません。

そのような、現中国が戦勝国面するどころか、海洋進出の野望を抱いています。オバマとしては、本来「戦後体制」の守護者としても中国と厳しく対峙しなければならないはずです。中国の海洋進出を防がなければ、「戦後体制」の維持は困難です。


しかし、オバマの態度を見ているとどうもその気はないようです。もしオバマが「戦後体制」を崩すというのなら、日本の真の独立を促し、アジアにおける日米の同盟関係のあり方などはっきり示して、その方向に向かって準備するなどのことをすべきです。

アジアを重視するという、リバランスの表明だけでは不十分です。リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべきです。

オバマの優柔不断により、海洋進出の野望を持つ中国の野望はさらに拡大され、今日のような状況になっています。

アメリカ議会は、日本の鳩山以下のオバマ大統領の及び腰を補い、中国の野望阻止する方向にアメリカの舵を大きく切るべきです。そうして、次の大統領は、さらにこの方向性を強力に推進すべきです。何よりも、一刻も早くリバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示し、その方向に向かって動くべきです。

私は、そう思います。みなさんはどう思いますか?

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安倍首相米議会演説 全文―【私の論評】「希望の同盟」を主題とする演説は、米国の保守派はもとより良識のあるリベラル派も味方につける用意周到なものだった(゚д゚)!

2015年5月20日水曜日

習近平主席、とんだ赤っ恥 海洋覇権狙う中国を米国が封じ込めへ―【私の論評】及び腰オバマの遅きに失した中国対応!ほくそ笑む習近平の前に立ち塞がる安部総理(゚д゚)!

2015.05.20

影響力拡大を狙う習主席だが米国の包囲網に阻まれている
オバマ大統領率いる米国が、海洋覇権を狙う中国を強く牽制している。米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたのだ。キューバも合意していた中国艦艇の常駐を撤回していた。習近平国家主席としては、赤っ恥をかかされたことになりそうだ。

島しょ防衛強化を目的に、米海兵隊がこれほど多くの同盟国や友好国の部隊関係者と会合を開くのは異例。中国は一部参加国の「対抗国」だとして招待されなかったという。

研修会合は17日から5日間の日程。関係者によると、米海兵隊や米海軍が水陸両用作戦に関する講義や研修を実施するほか、上陸作戦の演習視察や図上演習も予定している。

17日といえば、ケリー米国務長官が北京で、習主席と会談した日にあたる。ケリー氏は会談で、中国による南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島などで中国が進める岩礁の埋め立てへの「懸念」を直接伝え、東南アジア諸国との緊張を緩和するよう自制を求めた。外交手段と並行して、同盟国や友好国の防衛能力を強化することで圧力をかけたといえる。

ロイター通信によると、研修会合に招かれたのは日本の自衛隊のほか、フィリピンやベトナムなど中国と領有権問題を抱える国の軍高官が多い。

こうしたなか、キューバが昨年後半、中国と合意していた中国海軍艦艇のキューバ常駐を撤回していたことが分かった。読売新聞が20日朝刊で報じた。当時、米国と行っていた国交正常化交渉開始に向けた秘密協議に進展があったことが背景にあるとみられる。

中国とキューバは同じ社会主義国で緊密な関係にある。習主席が昨年7月にキューバを訪問した際、艦艇派遣方針を確認。中国は最新鋭ミサイル駆逐艦を常駐される方向で準備を進めていたという。

【私の論評】及び腰オバマの遅きに失した中国対応!ほくそ笑む習近平の前に立ち塞がる安部総理(゚д゚)!

対外的に何もできない、何もしない及び腰オバマ

オバマは以上のような対応を少なくとも2〜3年前に、できれば5年くらい前に実施しておくべきだったと思います。何もせずに、グタグタしていたから、アジアにおいては近年中国がつけあがり問題を複雑化させてしまいました。

ウクライナ問題もそうですし、ISISへの対応もそうです。少し早めに手を打っておけば、プーチンや、テロリストどもをつけあがらせて、今日のような事態を招かなくともすんだはずです。

アメリカは、今でも正解唯一の超大国です。今のロシアなどかつてのソ連の最盛期と比較すれば、とるに足らない存在であり、単なる後進国にすぎません。国境紛争くらいならまだしも、本格的に戦争をする能力などありません。GDPも日本の1/5に過ぎません。今やインド以下ですし、人口も、日本より2000万人多いほど1億4千万人に過ぎません。

今のロシアは、アメリカには全く太刀打ち出来ない小国に過ぎないものに、あのように振り回されたのはオバマの大失態です。ウクライナ問題が起こる前に、ロシアに対して厳しい措置をとり、場合によっては戦火を交える覚悟を示せば、ウクライナ問題はおこりませんでした。

アフガニスタンに進駐したソ連軍
ISISの問題もそうです。早期に軍隊を派遣するか、派遣する姿勢を見せていれば、あのように複雑化することもありませんでした。それをグズグズして、何もせず、切羽詰まってから、軍事顧問団を派遣する程度でお茶を濁していたのでとんでもないことになりました。

アジアにおいても、そうです。このブログでは、尖閣問題に関してはもしオバマがはやめに、「尖閣は日本固有の領土であり、日中間に領土問題は存在しない。中国が一方的に領土問題があると言うのなら、アメリカにも覚悟がある」とはっきり意思表示をして、そのときにブログ冒頭のような行動をとっていれば、中国がつけあがることもなく、尖閣問題は早期に解決し、南シナ海の南沙諸島における現状の中国のバカ真似は未然に防ぐことができたはずです。


アメリカは、軍事手にも経済的にも、中国とは比べ物にならないほど、大きく、特に軍事力で、中国はアメリカの足元にも及びません。海軍力、空軍力など日本の自衛隊にも劣る状況です。アメリカが本気をみせれば、中国は今でもすごすごと引き下がるしかありません。

ブログ冒頭の記事では、「習近平国家主席としては、赤っ恥をかかされたことになりそうだ」などとしていますが、大赤恥をかきどおしかいているがオバマです。

もう、オバマは対外的に何もしないしできません。上の記事では、さも中国牽制のために、米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたようなことを掲載していますが、私はそうではないと思っています。


オバマが何を考えているかといえば、キューバとの国交回復のみです。すでに、レームダック化しているオバマにおいては、もはや対外的に成果を残せそうなのは、キューバとの国交回復だけです。今回の研修会合は完璧に、キューバとの国交回復のための、地ならしにすぎないものと私は思います。

もし、中国への牽制なら、実施する場所が間違えています。中国を牽制するというのなら、日本か韓国、台湾かフィリピンで実施すべきものです。

このニュースに接して、習近平は赤っぱじをかいたと思うどころか、オバマのあいかわらずの、及び腰に、「こいつはまだまだ」いけると、ほくそ笑んでいることでしょう。

しかしながら、習近平の心中も、穏やかではないでしょう。日本にはオバマとは全く正反対の安倍総理が控えています。安倍総理は、米国議会での演説で、日米同盟をより確かなものにしました。

オバマは駄目でも、アメリカの多くの議員を味方につけることができましたし、最近では集団的自衛権行使に対する積極的な行動に打ってでています。

安部総理と習近平
習近平が最も恐れているのは、尖閣や日本の近海から、日本が軍事力を使って、中国を一掃することです。

及び腰オバマで、習近平の中国の覇権をさらに拡大できるとの目論見は、安部総理に崩されつつあります。

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2015年5月19日火曜日

橋下氏、与野党が争奪戦突入 都構想敗れ「政界引退」も国政転身に含み―【私の論評】今のままでは、無理!少し休んで、国政とマクロ経済を学んでから、国政に出馬していただきたい(゚д゚)!


僅差ながら大阪市民から「NO」を突き付けられた橋下氏=18日、大阪市内
★鈴木哲夫の核心リポート

大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は17日投開票が行われ、反対が賛成を約1万票上回り、大阪市の存続が決まった。大阪市民を二分する激しい戦いを繰り広げた維新の党最高顧問の橋下徹市長は、12月までの市長任期を全うしたうえでの「政界引退」を宣言した。ただ、首相官邸や野党幹部が来年夏の参院選などを見据えて、「橋下争奪戦」に動き出しているという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫った。

「市民のみなさんは重要な意思表示をしてくれた。僕が打ち出した大阪都構想。受け入れられなかったことは、間違っていたんでしょうね」「負けは負け」「政治家は僕の人生から終了です。僕のような敵を作る政治家は必要な時に出てくるワンポイントリリーフに過ぎない。権力者は使い捨てがいい」

橋下氏は17日夜、住民投票の結果が出た後の記者会見で、サバサバとした表情で、こう語った。次期大阪市長選挙には出馬せず、政界からの引退を表明した。笑顔も見せた。

大阪維新の府議は「これまで、橋下氏の失言があっても賛成がずっと上回っていたが、『浪速のエリカ様』こと上西小百合衆院議員(維新の党を除名)の国会病欠問題をきっかけに反対が増えた。『都構想反対』を掲げる自民党と公明党、民主党、共産党の組織戦もあって挽回できなかった。橋下氏は統一地方選から、もう2カ月もぶっ通しの街頭演説で力尽きた感じだ。引退は本音でしょう」という。

しかし、本人がいくら「政界引退」を口にしても、周りはそう簡単には収まらない。

橋下氏は「市長は一種の特別職で公務員ですから全体の奉仕者です。でも、国民の奴隷ではありません。これからは自分の人生をしっかり歩んでいきたい。弁護士としてプロフェッショナルというプライドもある。依頼された仕事を、求められたら結果を出す人生を歩み出したい」と語った。

だが、記者が「原発再稼働問題のときに『野田政権を倒す』とまで言っていたが」と食い下がると、橋下氏はやや気色ばみ、こう続けた。

「国民の奴隷ではありません。職業選択の自由もあります。そういうことであれば、クライアントとして報酬を払ってくれるならやります」

これは、国政転身に含みを持たせた発言ではないのか。

大阪都構想はついえても、橋下氏争奪戦は当分国政を揺るがしそうだ。

■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て、現在、フリージャーナリスト。著書に『最後の小沢一郎』(オークラ出版)、『政治報道のカラクリ』(イースト&プレス)、『ブレる日本政治』(ベスト新書)など多数。

■住民投票開票結果

反対 705585

賛成 694844

(選管最終)
この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】今のままでは、無理!少し休んで、国政とマクロ経済を学んでから、国政に出馬していただきたい(゚д゚)!

上の記事でも、あるように橋下氏に対する期待の声は、未だ大きいものがあります。橋下氏引退による、喪失感もかなり大きなものがあります。

これについては、以下の記事をご覧いただくと良くお分かりになると思います。

「橋下喪失」続く動揺 維新、涙の慰留 国政転身期待も 民主は静観
維新の党の幹事長室会議の前に、記者にマイクを
向けられる松野頼久幹事長=18日午後、国会内

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にその一部をコピペさせていただきます。
維新の党は18日、反対多数となった「大阪都構想」の住民投票の結果を受け、対応に追われた。代表辞任を表明した江田憲司氏の後任には松野頼久幹事長が有力だが、大阪選出議員を中心に政界引退を明言した橋下徹最高顧問(大阪市長)を失うことへの衝撃は大きく、動揺は続いた。 
 橋下氏が記者会見で「敗戦の弁」を述べた大阪市内のホテル。18日午前1時すぎまで約2時間に及んだ会見を終えた橋下氏や松井一郎大阪府知事を、馬場伸幸国対委員長ら大阪選出の議員が別室で取り囲んだ。 
 「まだまだやることがいっぱいある」 
 涙を流しながら橋下氏に引退撤回を迫る馬場氏。だが、橋下氏は「そう言わないで。また飲みましょう」と答えるだけだった。住民投票の1週間前から頻繁に大阪入りした江田氏も、党幹部を前に「もっと早い段階から頑張ればよかった。私に責任がある」と“男泣き”した。
私自身も、橋下氏の政界引退は非常に残念な気がします。ただし、橋下氏が国政に打って出ることは今のままだと非常に難しいと思います。

そもそも、国政と地方自治体とは言葉では、同じ政治とはいえ全く異なります。

議会制民主主義とはいっても、地方議会と国政は非常に異なります。国政は、個人の力や人気だけで動きません。他の政治家や官僚、民間をうまく動かし調整して初めて動くものです。総理大臣も直接できることはたとえば衆議院の解散などに限られており、現実には議会と政党が力を持っています。だから根回しが第一です。 これが首長に権限が集中している地方議会との違いです。



上の動画をご覧いただくと、国政と地方議会の違いをご理解いただけるものと思います。残念ながら、橋下氏個人で国政を改革することは難しいです。橋下氏が今までやってきた、地方議会のやり方は全く通用しないということです。

そのことは、橋下氏自身も良く知っていると思います。橋下氏が、国政に打って出るなら、今までとはやりかたを随分変えなければならないです。

それと、橋下氏は、今まではマクロ経済など考えなくても良かったのですが、国政に参加するということになれば、それは許されませくん。マクロ経済に関しては、石原慎太郎氏はほとんど理解していなかったようですし、先の選挙で惨敗した次世代の党もあまり理解はしていないようでした。

橋下氏は、マクロ経済、その中でも金融政策をきちんと理解していなければ、石原氏や、次世代の党の二の舞いになる可能性が大です。やはり、マクロ経済に疎くて、結局経済を良くすることに消極的な政治家はどんなに人気があっても、最終的には姿を消すことになると思います。

だから、私は、橋下氏は国政とマクロ経済をしっかり学び、国政にチャレンジして頂きたいと思います。そうして、学ぶ期間は少なくとも一年間、できれば二年間は必要ではないかと思います。

それなしに、国政にいきなりチャレンジしても、うまくはいきません。しかし、しっかりと国政と、マクロ経済を学んで国政にチャレンジすれば、かなり良い政治家になれると思います。そうなれば、かなり期待できます。しかし、そうでなければ、凡庸な政治家で終わります。それなら、出馬しないほうが良いでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年5月18日月曜日

【矢板明夫の目】中国で最も危険な職業は党政治局常務委員 タブーを破った習近平主席 ―【私の論評】橋下氏が示した日本の民主主義!これがない中国は、この世界から消えてしかるべき(゚д゚)!

2015.05.18

油絵中の習近平 世界に向かってシュート

酒の席で、中国人学者から「中国で最も危険な職業は何だと思う?」と聞かれた。すぐに思い付いたのが「炭鉱労働者」だ。当局の発表では毎年1000以上が死亡しているが、事故の隠ぺいと過少報告が多いため、実際はその数倍といわれる。死傷者で数えるなら1万人を軽く超えるだろうと考えた。

学者は首を横に振った。「中国には炭鉱労働者が100万人以上もいる。事故に遭う確率は、多く見積もって数%だ」と言った。正解は「共産党政治局常務委員」だった。

1921年に創建された中国共産党は今年まで、最高指導部メンバーである政治局常務委員に上り詰めたのは70人。そのうち、4月3日に汚職などの罪で起訴された周永康・前中央政法委書記をいれて、計27人が党内の権力闘争に敗れ、投獄されたり、迫害されたりして悲惨な人生の結末を迎えている。失脚率を計算すると約40%だ。「共産党の最高幹部たちは、毎日ロシアンルーレットで対決しているようなものだから、半分弱は生き残れない」と学者が言った。

元中国共産党政治局常務委員、「チャイナ9」の1人だった周永康氏

中国共産党の歴史をひもとくと、まさにその通りだ。革命期は国民党軍などと戦いながらも、激しく内ゲバを繰り広げられていた。党が結成したとき、全国で57人の参加者がいたが、初代トップの陳独秀を含めてその後ほとんど追放され、死ぬまで共産党内での名誉を保ちつづけたのは毛沢東と董必武の2人のみだ。

新中国建国後も権力闘争の激しさは変わらなかった。毛沢東のライバルで、党内序列2位の劉少奇が失脚したのは国家主席を務めていた1967年だった。職務が停止され、執務室の電話線が切られて外との連絡が絶たれた。連日のように批判大会が開かれ、妻と共につるし上げられた。

ある日、毛派に指示された紅衛兵が家に乱入し、劉と家族に暴行を加えたとき、劉は「中国人民共和国憲法」を手にして「私はこの憲法に書いてある国家主席だ。あなたたちは今、国を侮辱している!」などと叫んだが、めった打ちから逃れることはできなかった。劉はその後も、過酷なリンチを受け続け、約2年後、軟禁先の河南省で非業な死を遂げた。

毛沢東が1976年9月に死去した。そのわずか1カ月後、毛の文化大革命路線に反対するグループが毛夫人の江青女史、毛から後継者に指名された王洪文・党副主席らを反革命罪で逮捕した。江はのちに自殺し、王は獄死した。

1989年の天安門事件以降、共産党内の抗争はしばらく沈静化した。最高幹部の失脚は25年間も起きなかった。1990年代までに中国を君臨した最高実力者の鄧小平が、党内抗争の激化を避けるため、「刑不上常委」(刑は政治局常務委員に及ばない)という言葉を残したためだ。江沢民、胡錦濤の二人党総書記は鄧小平の教えを守ったが、習近平主席になってから、そのタブーが破られ、周永康氏が逮捕、起訴された。

周氏が起訴された罪は収賄、国家機密の漏洩、職権乱用の3項目だ。収賄金額の大きさから死刑が言い渡される可能性もある。周氏の家族、親戚、元部下ら一族郎党はすでに300人以上が拘束されており、今後、逮捕者はさらに増え続けるとみられる。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】橋下氏が示した日本の民主主義!これがない中国は、この世界から消えてしかるべき(゚д゚)!

上の記事を読めば、中国という国がまともでないことは誰にでも理解できると思います。中国には、日本でいうところの選挙というものがありません、すべての役職は指名制です。結局のところ、中国には我が国や先進国では当たり前の、選挙で選ばれる政治家は存在しません。


存在するのは、官僚だけです。習近平は、政治家ではなく、官僚です。中国では官僚が政治を司っているのです。選挙で選ばれた、政治家ではなく、官僚によって一国の政治が運営されるなどとは、まさに異常事態です。

このような体制のためだからでしょうか、中国では未だに民主化、政治と経済の分離、法治国家化が未だに不十分すぎるほど、不十分です。このような状況では、まともな国とは呼べるものではありません。このような体制は、国ではなく、マフィアなどのギャングの組織と本質的に何も変わりありません。

中国共産党政治局常務委員はギャングの幹部と考えると理解しやすい
だから、中国共産党政治局常務委員など、ギャングの幹部と考えると理解しやすいのです。ギャングの幹部だからこそ、血で血を洗うような抗争劇があったり、失脚すると殺されたり、自由を奪われたりするのです。

ギャングの親分が、組のために幹部同士の抗争はやめるようになどと遺言を遺したとしても、そのようなものが長続きするはずもありません。

習近平が「刑不上常委」(刑は政治局常務委員に及ばない)を破るのも当然のことです。何しろ、中国には選挙もないし、まともな法律もないのですから、禁とはいっても法律による禁ではなく、人による禁に過ぎないのですから、これがいつまでも有効に機能するはずもありません。

それから、比較すると日本では、官僚のことを悪く言ったりはしますが、それでも中国のそれと比較すれば、何ほどもこともありません。中国の官僚と比較すれば、日本の官僚の悪事など、清らかな天使の戯れ事のようなものです。

中国に比較すると、日本はまるで天国のようです。日本では、選挙で政治家が選ばれるのですから、馬鹿な政治家、無能な政治家がいれば、有権者が選挙で票を投じないことにより、政治家をやめさせることもできます。

また、昨日の「大阪都構想」の可否を問う選挙などもあり、住民が直接地域に関わる重大事に関わることもできます。

橋本市長は結局選挙には、負けたわけですが、だからといって、命が奪われるわけでもなく、自由を束縛されるということもありません。実際、橋本氏は昨日の記者会見で、敗れたにしても「民主主義は素晴らしい」と語っていました。

質問に答える橋下氏

民主主義は、ポピュリズムのような弊害ありますが、それでも選挙もない非民主的国家体制である中国の官僚制から比較すれば、はるかに良いです。両者の違いは、天と地ほどにかけ離れています。普通の日本人なら、とても中国の体制には耐えられないでしょう。

中国の人民も長いあいだ、こうした非民主的な体制に甘んじてきたわけですが、さすがに最近では耐え切れない人も大勢でてきたせいでしょうか、中国では建国以来毎年平均2万件以上発生したものが、2010年からは10万件を超えたといわれています。そのせいでしょうか、中国政府はそれ以来暴動件数を発表しなくなりました。

中国では、一昨日も大規模な暴動があったばかりです。そのニュースを以下に掲載します。
中国・四川省で暴動、200人負傷 高速鉄道ルート変更に抗議、警察と衝突300人拘束

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみコピペさせていただきます。
 香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは18日、中国四川省鄰水県で16日に市民ら約5万人が抗議行動をして警官隊と衝突し、200人以上が負傷、18日までに300人以上が拘束されたと伝えた。死者はいないという。

中国は官僚の不正行為が原因で、経済もこれから停滞し続けることが予測されます。経済も駄目、国家体制もマフィアと同様に最悪ということになれば、人民の憤怒のマグマはいずれ中国全土で大爆発することになり中国の現体制は崩れるとみるべきです。

こんな中国の習近平や、幹部どもが日本に対して、やれ「歴史認識」がどうのこうのとか、安部首相の靖国参拝がどうのと、いちゃもんをつけていますが、こんなことは、まずは自分の国をマフィアの組織のようなとんでもないものから、まともにしてからすべきことです。

橋下氏が示した昨日の住民投票による日本の民主主義!これがない中国は、この世界から消えてしかるべきと私は思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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沈むハリウッド、日米コンテンツ産業逆転の理由 ―【私の論評】ポリティカル・コレクトネスに蝕まれたハリウッド映画の衰退と日本のコンテンツ産業の躍進

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