2018年2月6日火曜日

[平昌五輪]韓国政府「万景峰号に食事や燃料、電気を提供」―【私の論評】この件で日米は文在寅にさらに圧力をかけやすくなった(゚д゚)!

[平昌五輪]韓国政府「万景峰号に食事や燃料、電気を提供」

 【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は6日、平昌冬季五輪(9日開幕)に合わせて五輪開催地である韓国北東部の江原道・江陵とソウルで公演する北朝鮮の芸術団を乗せ、東海(ブログ管理人注:正しくは日本海)岸の墨湖港(江原道東海市)に6日午後到着する予定の貨客船「万景峰92」について、食事や燃料、電気などを提供する予定だと明らかにした。

02年、釜山アジア大会の応援団を乗せて釜山の多大浦港に入港する万景峰92
(資料写真)=(聯合ニュース)
 同部の当局者はこの日、記者団に対し「2002年の釜山アジア大会などの前例に準じて(万景峰92に)便宜を提供する予定だ」と述べた。

 万景峰92はこの日午前に東海(日本海)の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を通過し、午後5時ごろ墨湖港に到着する予定だ。当局者は、この船に公演を行う三池淵管弦楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長率いる同楽団員114人と支援スタッフが乗船していると伝えた。

 芸術団の到着以降の日程については「現地で簡単な歓迎行事がある」とし、「(その後に)通常はリハーサルが予定されているが、細かいことは到着してから南北の連絡官の接触を通じて決めていく考えだ」と述べた。また、万景峰92の帰還日程については「まだ確定しておらず、協議中」だとした。

 万景峰92の韓国入港は、北朝鮮船舶の韓国海域航行を禁じる5・24措置(2010年3月の海軍哨戒艦撃沈事件を受け韓国が同年5月24日に実施した北朝鮮に対する制裁措置)に反するが、韓国政府は平昌五輪を成功させるために例外措置を取ることにした。

 この当局者は万景峰92が米国の独自制裁には該当しないと強調し、「米国側と協議し、制裁対象に当たらないことを再確認した」と述べた。

 北朝鮮芸術団の公演で南北が共演する可能性については「共演は時間的に難しい状況だ」とする一方、「南北が合同で行えるプログラムがあるか協議する余地があるとみている」と述べた。

ynhrm@yna.co.kr

【私の論評】この件で日米は文在寅にさらに圧力をかけやすくなった(゚д゚)!

朝鮮労働党機関紙、労働新聞によると、北朝鮮の芸術団一行は5日に列車で平壌を出発。金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の妹、金与正(ヨジョン)党宣伝扇動部副部長らが見送ったそうです。日本海側の元山(ウォンサン)で万景峰92に乗船しました。

北朝鮮は当初、芸術団を陸路で派遣するとしていたのですが、4日夜に突然、万景峰92を使うと通知しました。同船はかつて元山と新潟などを結んでいましたが、北朝鮮のミサイル発射や核実験を受け、日本政府が2006年から入港を禁じています。

韓国統一省当局者は6日、同船に食事や燃料を提供する意向を示ししました。同省は具体的には決まっていないと付け加えました。ブログ冒頭の記事にもある通り、「米国の制裁対象でないことを再確認した」ともいいますが、米側に配慮し、食材を提供しても米国産は除く考えだといいます。

それにしても、米国産を除いたにしても、食糧を提供することには変わりなく、米国産であろうとなかろうと、そもそも食事や燃料、電気を提供すること自体が国連決議違反になります。

そうして、北朝鮮の唐突な要求に押され、自国の制裁に例外を作った事実は残ります。同船の利用を押し通した北朝鮮に対し、韓国紙は「韓国を制裁から離脱させ、韓米間に亀裂を生じさせる意図がある」と指摘しました。

万景峰92は旧来の「万景峰」の役目を引き継ぎ、日朝間を往来、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者らの巨額の献金や金正日一家が使うぜいたく品を運んできました。密輸や不正送金の疑いに加え、船内で朝鮮総連幹部に指令を伝える“工作船”の顔もありました。

万景峰(初代)
初代の万景峰はロシア極東との往来に転用されました。露当局は最近、制裁で禁じられた貨物を積んでいるとして入港を拒否した。タス通信によると、北朝鮮を出港した貨客船「万景峰(初代)」が3日、ロシア極東ウラジオストク港沖で燃料切れとなり、救難信号を出しまました。万景峰は1月31日にウラジオストク港沖に到着しましたが、対北朝鮮制裁で禁止されている貨物を積んでいる疑いがあるとして、入港を拒否され、燃料が尽きた模様です。

万景峰号が韓国に入港する場合、韓国政府が2010年の北朝鮮による哨戒艦「天安」爆沈事件後に宣言した「5・24措置」や、16年に発表した独自の対北朝鮮制裁に違反します。これについて、韓国統一部は「五輪成功のために制裁の例外を適用する」との考えを明らかにしています。


 自国の哨戒艦が撃沈され、乗組員104名のうち46名が行方不明になったという事実があるにもかかわらず、自ら定めた制裁を状況がかわるとすぐに変えてしまうといのでは、この事件で亡くなった軍人の方々の遺族などはどう思うのでしょうか。あまりに情けないではないですか。

仮に、韓国政府が例外を認めても、国連安保理の制裁に違反する可能性があります。安保理決議は、制裁対象に指定された個人・団体によって直接・間接に所有・統制されています。もしくは違法な活動への関与が疑われる船舶について、加盟国への入国を禁止しています。

また、韓国入港中に石油精製品や食料品の供給が行われた場合は国連制裁違反に該当します。入港させる前には関係国との十分な協議が必要になるのでしょうが、韓国政府はそんなこと頓着なしに入港させてしまいました。

さらに、万景峰号は06年の1回目の核実験で日本への入港を禁止されるまで、ミサイルの部品の運搬、麻薬の密輸、違法送金にも関与していたことが分かっています。元韓国大統領府関係者は「韓国に入港する万景峰号は『大量破壊兵器拡散防止イニシアチブ』(PSI)の停船・捜索の対象になる可能性があるため、米国が注視しているだろう」と指摘しました。

韓国政府はこれまで、南北関係改善を理由に北朝鮮の無理な要求を受け入れ、その後で「制裁違反」との批判を避けるため事態収拾を図るという行動を繰り返してきました。今回も北朝鮮が訪韓2日前に通告してきたため、米国と十分な協議を行うことはできなかったものとみられています。

本来ならば、これはきっぱりと拒否すべき筋のものです。それでたとえ、北が平昌に来なかったとしても、それはそれで良かったのです。今回の件で、はっきりした決まりごとでも平気で変えてしまう韓国の体質が浮き彫りになりました。これは、日本の場合は日韓合意やその他のことで周知されていたことですが、これで他の関係諸国にも十分周知されたことでしょう。

米国のペンス副大統領は2日(現地時間)「(北朝鮮に対する)戦略的忍耐の時代は終わったという簡単で明瞭なメッセージを伝えるため(平昌)オリンピックに行く」と発言したました。ペンス副大統領は平昌冬季オリンピックの開会式に米国選手団幹部らを率いて出席します。

ペンス副大統領は米ペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説で「新しくなった米国の力で米国政府は北朝鮮を以前になかったほど孤立させるという真の成果を出しつつある」とした上で、上記のように述べました。ペンス副大統領は「北朝鮮が弾道ミサイル実験を続けて米国を脅迫する時、われわれはあらゆるオプションがテーブルにある事実を明確にするだろう」とも明言しました。

一方でペンス副大統領は韓国大統領府に対し、オリンピック開会式前後のさまざまな行事で北朝鮮関係者と鉢合わせしないよう特別な配慮を求めたといいます。北朝鮮との対話には一切応じない考えを明確にするためです。


ペンス米副大統領は6~10日、日本と韓国を訪問します。韓国では平昌冬季五輪の開会式に出席。北朝鮮が五輪参加を機に韓国に融和攻勢を仕掛ける中、安倍晋三首相や韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮に核放棄を迫る圧力路線で3カ国の結束を誇示する構えです。

米国は五輪参加を巡る南北対話を歓迎しながらも、北朝鮮が米韓同盟の分断を図るのを警戒。国務省の報道担当者は「南北関係の改善は北朝鮮の核問題解決と切り離して進めることはできない」と強調しており、融和姿勢の文氏に制裁緩和に走らないようくぎを刺す狙いもあります。

9日の開会式に出席する米側の代表団はペンス氏のほか、在韓国連軍司令官と在韓米軍司令官を兼ねる現職のブルックス氏など。代表団に軍人を加え、米国のプレゼンスを国際社会に示す狙いがあるとみられます。

一方、安倍首相も平昌五輪に参加することになっていますが、その背景にはトランプ大統領の意図もあります。ペンス副大統領は韓国に行く前に日本に立ち寄り、安倍総理にトランプ大統領の意図伝えたり、親北的な文在寅にどのように因果を含めるかを協議することになるでしょう。

今回は、日米共同により、文在寅に相当圧力をかけるのは目に見えています。その圧力で文がどう変わるのか見ものです。

それにしても、今回の「万景峰92」の件は、日米にとって非常に圧力をかけやすい状況をもたらしたと思います。文在寅も、北にいくら良い顔をしても本当は何も得ることないですが、日米に離反された場合とんでもないことになることを思い知ることでしょう。

まあ、思い知ったにしても、文在寅は半年もたてばすぐに忘れて、また北に良い顔をしようとするでしょうが、とにかく半年でも親北的な態度をつつしんでもらえば、それで良いでしょう。半年あれば、米国は軍事行動を起こせますし、軍事行動を起こさなかったにしても、北に対してかなり強力な制裁を課すことができます。

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2018年2月5日月曜日

【名護市長選】安倍政権支援の渡具知氏が初当選 「名護を変えての思い」―【私の論評】負けて当然だった「オール沖縄」と地元メディア、次は沖縄知事選で瓦解(゚д゚)!

【名護市長選】安倍政権支援の渡具知氏が初当選 「名護を変えての思い」

当選し喜ぶ渡具知武豊氏(手前中央)=4日午後、沖縄県名護市
 米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾(ぎのわん)市=の同県名護市辺野古移設問題が最大の争点となった名護市長選は4日、投開票され、無所属新人で元市議の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏(56)=自民、公明、維新推薦=が、3期目を目指した無所属現職の稲嶺進氏(72)=民進、共産、自由、社民、沖縄社大推薦、立民支持=を破り、初当選を決めた。投票率は76・92%で、前回(76・71%)を0・21ポイント上回った。

 安倍晋三政権が全面支援した渡具知氏の勝利で、辺野古移設を加速させる環境が整い、移設の早期実現へ大きく前進しそうだ。

 初当選を決めた渡具知氏は「当選は『名護を変えて、もっと発展させてくれ』というみなさんの思いだと思う。これからが大事だ」と強調。普天間飛行場の名護市辺野古への移設については「国と県が係争中なので注視していく」と述べた。

 名護市長選は、辺野古移設を着実に進めたい安倍政権と、反基地を貫く「オール沖縄」勢力の象徴、翁長雄志(おなが・たけし)知事による「代理戦争」の構図だった。今秋に控える知事選の前哨戦にも位置づけられ、両陣営は国政選挙並みの総力戦を展開した。

 移設阻止を訴えてきた稲嶺氏が敗北したことで、翁長氏がこれまで移設反対の大義としてきた「民意」が崩れた格好。安倍政権にとっては、秋の県政奪還に向けて大きな弾みとなった。

 渡具知氏は自民党の推薦に加え、前回の市長選で自主投票とした公明党の推薦を受けた。市議時代には辺野古移設推進の立場をとってきたが、同党内の移設への慎重論に配慮し、市民生活の向上や経済振興などを争点として強調。政府との協調路線を打ち出し、稲嶺市政時代に停止されていた米軍再編交付金も活用した新たな名護市づくりに取り込むと訴えた。

 稲嶺氏は共産党はじめ革新勢力の組織的な支援を背に、告示前には渡具知氏に先行していた。選挙戦でも「辺野古に基地は造らせない」と移設反対を前面に掲げていたが、展望なき移設阻止に偏り過ぎた「空白の2期8年間」に対する不満が市民に徐々に浸透。国と対立し、市民の暮らしや地元振興などが置き去りにされた現状の打開を望む「民意」に退場を突きつけられた。市民の間に「辺野古移設は止められない」というムードが広がっていることも敗因となったとみられる。

 稲嶺氏の敗北により「オール沖縄」勢力の瓦解の流れも強まりそうだ。稲嶺氏と二人三脚で辺野古阻止を主導してきた翁長氏は、次期知事選への態度を明言していないが、再選出馬への戦略の見直しが迫られる。

 政府は昨年4月、辺野古沿岸部の護岸埋め立て工事に着手した。県は工事差し止めを求めて提訴したが、政府は工事を進めている。

【私の論評】負けて当然だった「オール沖縄」と地元新聞、次は沖縄知事選で瓦解(゚д゚)!

この選挙の結果は十分予想がつきました。昨年7月9日の那覇市議選で知事派後退し、過半数割れしました。私は一昨年の宜野湾市長選が分水嶺になり、そこから後の沖縄の選挙ではいわゆる「オール沖縄」が敗北する方向に向いていることを指摘しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
翁長氏打撃 那覇市議選で知事派後退、過半数割れ 県内3市長選全敗に続きお膝元でも―【私の論評】翁長知事の終わりの始まり。宜野湾市長選が分水嶺に(゚д゚)!
翁長雄志沖縄県知事
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部引用します。
任期満了に伴う那覇市議選(定数40)が9日(注:昨年7月)投開票され、10日未明にかけて開票の結果、翁長雄志沖縄県知事を支持する勢力が改選前(欠員5、総数35)の20人から18人に後退し、過半数を割った。
翁長氏は、今年実施された宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で新人を支援して自民党が推す現職・前職に挑み、全敗を喫していた。 
さて、以下には宜野湾市長選について引用します。
"
それともう一つの大きな敗因(那覇市議選)は、昨年(注:2016年)の宜野湾市長選の敗北から情勢が大きく変化したものと考えられます。

宜野湾市長選に出馬を表明する元沖縄県幹部の志村恵一郎氏。
右は翁長雄志知事=2015年10月23日、沖縄県宜野湾市
宜野湾市には、辺野古移設問題の原点である海兵隊の普天間飛行場があります。人口はおよそ10万人。その市長選で、志村恵一郎候補は、自民・公明が推す佐喜真淳候補に、得票率で10ポイント以上、票数で6千票近い差をつけられました。事前の「接戦」予測を大きく裏切る惨敗でした。

翁長知事と「オール沖縄」陣営が、宜野湾市民にここまで拒否された理由は決して複雑なものではありません。それは「戦うべきではない選挙で、戦えない候補を持ち出し、戦えない戦略で戦った」からに過ぎません。

翁長知事サイドが宜野湾市長選で候補者を立てようとした動機は、辺野古予定地での着工手続きをめぐって裁判で戦っている安倍政権に、反辺野古の結束の強さを見せつけることでした。

来るべき6月の県議選、夏の参院選(あるいは同日選)に向けて、選挙の年といわれる2016年を勝ち抜くキックオフにしたかったのです。沖縄県、辺野古の地元・名護市、普天間飛行場のある宜野湾市。この基地問題のトライアングルを固め、日本政府の訴訟攻勢への反証にしたい思惑があり、勝利の後は、翁長知事、名護市長、宜野湾市長の三者で訪米するというプランも立てていたとされています。

世論の流れを読むことに長けていた翁長知事は、もともと自身の選挙も他人を応援する選挙もともに強く、「無敗の翁長」の伝説もあるほどでした。加えて、自身の知事選を含めて、反辺野古を掲げた2014年の選挙では連戦連勝。自分が乗り出せば勝てる、という計算があったはずです。

しかし、宜野湾市は、普通に考えれば楽に勝てる場所ではありませんでした。長年の革新市政の下、市内の経済開発は大きく停滞。4年前の選挙で革新候補を破った現職の佐喜真氏は就任から積極的に経済開発にも取り組み、宜野湾市は明るさを取り戻しつつありました。市民の間には当然革新市政への拒否感が残っており、共産党も加わるオール沖縄はその点でも不利でした。

加えて、擁立した候補の志村氏は、父親が元県議会議長という血筋はありますが、政治家の経験は浅く、「あいさつでも原稿をつかえながら読み上げる姿にがっかりした」と宜野湾の人々は口々に語っていました。要は、タマが今ひとつだったのです。一方、佐喜真陣営はこまめに若者や女性の活動や集会に顔を出し、実際はディズニー系のホテルに過ぎない「ディズニーリゾート誘致」をできるだけ大きく宣伝して人々の経済的関心を引きつけていきました。

オール沖縄は保守から革新まで異なる背景の人々が集まったグループなので、勢いがあるときはいいのですが、守りに入ると弱いです。その欠点が出た選挙でした。

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手を
つなぐ参加者=2015年12月14日夜、沖縄県宜野湾市
宜野湾という地の利、候補者の人の利でともに不利であるところに加えて、この選挙でオール沖縄陣営は、普天間基地の移設に賛成しながら、辺野古移設に反対する「矛盾」への回答を明確に説明しきれなかった感がありました。この矛盾はどう考えても、合理的に説明して、有権者を納得させることは難しいものでした。

政治は有権者を説得するゲームです。利益誘導やしがらみが地方選挙では目立つと言われていますが、有権者は見るべき点はちゃんと見ているものです。「理屈」が通らない話をされても、判断能力のある市民にごまかしは効かなかったのです。

沖縄県全体の選挙であれば、あるいは、何とかなったのかも知れません。しかし、普天間基地を抱える宜野湾の人々は、代替基地を辺野古に造れない場合、普天間返還そのものが雲散霧消しかねないリスクがあるという冷たい現実を十分に意識していました。その点を明確にせず、普天間移設と辺野古拒否の両方をセットで宜野湾の人々に納得させるなどは、本当はかなり難しいことだったのです。

この宜野湾市長選挙は沖縄政治の分水嶺になった可能性もあります。その後今年に入ってからの選挙は、上にも掲載したように、これで、宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で敗北、那覇市議選でも敗北です。明らかに流れは変わったようです。まさに、翁長知事の終わりの始まりだと考えられます。
"
この流れは、余程のことがない限り、止めることはできないでしょう。今回の名護市長選の敗北は「翁長時代の終わり」を告げる序曲になりそうです。

「オール沖縄」の運命は、翁長知事が、敗北を受け止め、翁長知事を含めてオール沖縄陣営に油断や慢心がなかったかを真摯に振り返り、翁長知事が辺野古反対だけではない政治家であると県民に改めて信じさせられるかにかかっています。

その翁長知事は、4日の名護市長選で新基地建設反対を訴えた現職の稲嶺進氏が敗れたことに関し「私が(新基地建設阻止の)公約を掲げ、支えて頂いた県民の民意は生きている」と述べ、県民は新基地建設反対の意思を持っているとの認識を示しています。埋め立て承認を撤回する考えに変わりはないことも明言しました。

これではもうこの大きな流れは止めることができないでしょう。

それと、忘れてはならないのは、名護市長選の「オール沖縄」の敗北は沖縄地元メディアの敗北でもあるということです。

本日は沖縄タイムスに以下のような記事が掲載されていました。
【記者の視点】名護市長選 敗者は日本の民主主義 | 沖縄タイムス+プラス 
「N5」護岸建設予定地で海側へ投下される石材=2017年11月6日、
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機から)
この記事、沖縄タイムスの記事にしても、あまりに酷い内容なので、以下に全文引用します。
 名護市長選の陰の勝者は、安倍政権だった。そして陰の敗者は、この国の民主主義だった。

 直前の世論調査でも、市民の3分の2が辺野古新基地建設に反対している。それでも稲嶺進氏が落選したのは、工事がじりじりと進んだことが大きい。市民は実際に止められるという希望が持てなかった。

 稲嶺氏自身は公約を守り、民意を体現して阻止に動いてきた。日本が民主主義国家であるなら、工事は当然止まるはずだった。

 安倍政権は、既成事実を積み重ねて市民の正当な要求を葬った。民主主義の理想から最も遠い「あきらめ」というキーワードを市民の間に拡散させた。

 稲嶺氏の2期目が始まった2014年に辺野古の工事に着手。抗議行動を鎮圧するため本土から機動隊を導入し、16年の東村高江では自衛隊まで使った。

 力を誇示する一方、辺野古周辺の久辺3区に極めて異例の直接補助金を投入した。今回の選挙直前には、渡具知武豊氏が当選すれば新基地容認を明言しなくても再編交付金を出すと言いだした。何でもありなら、財源を巡る政策論争は成り立たない。

 安倍政権は名護の選挙の構図自体を4年かけて変え、市民から選択の余地を奪った。大多数の国民がそれを黙認してきた。

 渡具知氏も「辺野古の『へ』の字も言わない」という戦略で、暮らしの向上と経済振興を語った。市民は反対しても工事が進むならせめて、と渡具知氏に希望を託した。基地問題からは、いったん降りることにした。それを責める資格が誰にあるだろう。

 民意を背負えば、小さな自治体でも強大な権力に対して異議申し立てができる。沖縄に辛うじて息づいていたこの国の民主主義と地方自治は、ついにへし折られた。(北部報道部・阿部岳)

記事を書いた阿部岳記者は以前、沖縄に講演に来た百田尚樹氏とバトルになったことで注目されたそうだが、テレビのインタビューに対し、「中間中立で報道しているという気はない」「沖縄の立場に偏っている」などと公然と語っていました。
朝日放送「キャスト」より
選挙結果よりも自社の世論調査の結果を重要視し、その通りにならないと民主主義国家ではないとこのような恨み節を吐くというのではどうにもなりません。

そもそも、「民主主義の敗北」とは、クーデターや、選挙結果を無視した権力奪取のことです。 正しい手続きによる選挙の結果を認められない態度こそ、民主主義の否定です。名この記者は、名護市長選挙そのものや、投票した人の選挙権は無視するというのでしょうか。本当にとんでもない記事です。


上の写真は、今回の選挙の出口予想の「世代別投票先」を示すグラフです。若い世代と高齢者世代とで、ここまでくっきり分かれるのかと驚きました。これは、ある意味で「ネット世代」と「オールドメディア世代」の差でもあると考えられます。

RBC出口調査では、以下の写真のような結果になっています。


若い世代のこのような投票行動を「あきらめ」と呼べるものでしょうか。どう考えても無理があります。

今回の選挙では、沖縄の地元メデイアも負けたということだと思います。上記のような、ハチャメチャな記事を書くようでは、地元新聞ももう焼きが回ったとしか思えません。次の知事選では、翁長氏が敗北し、いずれ沖縄の地元新聞も崩壊するのではないでしょうか。特に、若い世代は地元新聞など今でも、そうして将来にわたっても購読することはないでしょう。

「オール沖縄」も沖縄の地元新聞も、もう世の中の流れが変わっていることを読めないようです。それは、国政レベルでの野党や、大メディアも同じです。これから先、老人は長生きしないし、今はその多くがあまり重要な地位についていない若者たちが、新しい国、新しい社会、新しい地域、新しい企業・組織を築いていくという事実を忘れているのだと思います。

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2018年2月4日日曜日

【中国GDP】17年中国GDP、地方合算が中央発表を52兆円超過 “水増し”鮮明、信憑性にも疑念―【私の論評】自転車操業の中小企業なみの粉飾決算をする金無し中国に最早魅力なし(゚д゚)!

【中国GDP】17年中国GDP、地方合算が中央発表を52兆円超過 “水増し”鮮明、信憑性にも疑念

GDP速報値を発表する中国国家統計局の寧吉哲局長=1月18日、北京
 中国全土に31ある省クラスの地方政府が3日までに個別公表した2017年の域内総生産(GDP)統計を産経新聞が独自に集計したところ、中国国家統計局が1月18日に発表した全土のGDP統計総額(速報値)を2兆9769億元(約52兆円)も超過していたことが分かった。

 中国ではかねて地方政府による統計の“水増し”疑惑が指摘されてきた。習近平指導部は昨年から、地方の統計当局を監視する組織の設置など対応策を強めたが、効果は限定的で、中国の統計全体の信憑性も疑われる事態となっている。

 国家統計局は、香港とマカオを除く全土の17年GDPを名目で82兆7122億元と発表。地方政府からの報告も参考にした公式統計だった。だが、中国中央テレビ(CCTV)などが報じた地方政府の個別統計を合算したところ、中央の発表を3・6%上回った。

 地方GDPの合算が中央統計を超過した額は、省クラスで国内11位の上海市(3兆134億元)にほぼ匹敵する規模となった。

 中国は昨年4月、「統計執法監督局」を新設して地方の統計当局を監視する態勢を強化し、8月には統計の捏造を厳罰に処する「統計法実施条例」を施行。横行するデータの水増しなどの撲滅に本腰を入れた。

 その結果、内モンゴル自治区や天津市で財政収入や工業生産額などの水増しが相次ぎ発覚し、GDPを下方修正させた。物価変動の影響を除く17年の実質成長率で、内モンゴルは前年比4・0%、天津市は3・6%と、いずれも全国平均の6・9%を下回った。昨年1月には遼寧省が意図的な統計捏造を認めている。

 その一方、17年の成長率で10・2%だった貴州省を始め、31地方のうち22地方までが6・9%を超過。中央と地方の整合性がとれなかった。省クラス最大規模の広東省(8兆9879億元)は7・5%だった。

 習指導部は経済成長を量から質に転換させる方針を打ち出しているが、地域の経済成長が地方政府の幹部の人事評価に反映される時代が長く続いたため、統計の捏造体質がしみついている。インフラ建設を重複してカウントするなどの手口も横行している。

 地方政府の統計水増しは00年代後半から顕著になってきた。中国の成長率は鈍化が続いてきたが、17年の6・9%で7年ぶりに前年を上回り、経済が加速に転じたことになっている。

【私の論評】自転車操業の中小企業なみの粉飾決算をする金無し中国に最早魅力なし(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事、私を含め多くの方々にとってはもはやニュースでも何でもないでしょう。中国の地方政府のGDPの合算が中央の統計を超過していることなど、数年前から多くの人が知っている事実です。

上記では、地方と中央での統計のズレを報道していますが、そもそも中央の統計も出鱈目であることは、今では多くの人が知っていることです。

中国経済の統計数値は、日本をはじめとする先進国のものとは全く性質や性格が異なるものと受け止めるべきです。それは、統計数値というよりは、「政治的メッセージ」に近いものです。

地方政府から中央政府に対する「政治的メッセージ」であり、中央政府から世界に向けて発信する「政治的メッセージ」です。

きわめて信憑性が低い中国のGDP成長率
中国当局は先月18日、2017年国内総生産(GDP)は物価変動を除く実質で前年比6.9%増となったと発表しました。当局は、昨年のGDP成長率は成長率目標「6.5%前後」をクリアし、7年ぶりに前年を上回り加速したとしました。しかし、海外メディアから中国当局のGDP統計の信ぴょう性を疑問視する声が上がりました。

中国当局の発表では、中国のGDP規模は2012年の50兆元、14年60兆元、16年70兆円と17年の80兆元と年々拡大してきた。成長率では、10年から14%までは毎年減速したが7%台を維持してきました。しかし、成長率は15年に7%台を割り6.9%まで下落しました。16年には、成長率が6.7%とさらに落ち込んだのです。

米紙・ニューヨークタイムズ(1月18日付)の報道によると「中国の年間成長率データは安定している。しかし、他の多くの国とは異なり四半期GDP成長率も安定していて、データは疑わしい」との見解を示しました。

同紙によれば、「政治が主要原因だ。地方政府の幹部らは、中央政府が設定した目標を達成しなければならない圧力に常に直面している」と延べました。

同報道によると、ニューヨークに本部を置く経済調査機関「全米産業審議会(Conference Board)」が中国経済を研究して得た17年GDP成長率は、中国当局の公表よりやや低いといいます。

また、英シンクタンク「イノド・エコノミクス(Enodo Economics)」が計算した中国経済の成長率は当局の公表より低い結果となっています。

中国当局のGDP統計の信ぴょう性は常に疑問視されてきました。昨年1月、遼寧省当局が省レベル政府として初めて、過去省内の経済統計データの水増し問題を認めました。

また、内モンゴル自治区当局は今月初め、16年度の工業増加値を約4割水増ししたと発表しました。

さらに、天津市濱海新区当局は先月11日、同区の16年度GDP規模は実際6600億元余りで、このほど発表した1兆元ではないと改めて公表しました。

このようなことの背景には、中央政府はGDP成長率を基準に、地方官員の昇格などを決めてきたということがあります。また、中国のGDP統計手法においては、かなり多くの不明瞭なところがあるため、地方幹部にとって捏造しやすいということもあります。

また、各地方政府がGDPデータねつ造を自白したのは経済情勢の悪化を反映したものでもあると考えられます。地方政府の財政は中央政府からの資金に頼っています。GDP成長率をねつ造して好景気をでっちあげると、中央政府からの補助金が少なくなります。

今、各地の住宅の在庫率が高く、国有企業も赤字経営で、地方政府の税収が減っています。この状況の下で、地方政府が仕方なく実態を白状した可能性があります。

董大勝氏
中国国営新華社通信の過去の報道によると、国家審計署(日本の会計検査院に相当)の元副審計長の董大勝氏は、15年3月中国人民政治協商会議(政協、国政助言機関)の関連会議に出席した際、過去数年中国の経済データのねつ造は「非常に深刻だ」と発言しました。

前述の「全米産業審議会」はニューヨークタイムズに対して、17年中国経済が減速から加速に転じたにもかかわず、「成長率の大部分は、債務によって生み出された」との懸念を示しました。

一方、米シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」研究員のベン・スティル氏とベンジャミン・デラ・ロッカ氏が先月11日、CFRホームページに評論を掲載し、中国経済に潜む債務拡大リスクを警告しました。

両氏は、15年と16年中国株価大暴落以降、中国当局は景気刺激策として信用を拡大し、赤字経営の国営企業に対して与信を続けてきたとしています。

「短期的に、中国経済は信用と投資の拡大によって、成長が加速する。しかし長期的に、信用と投資拡大で不良債権が急増するだろう。現在最大の問題は、中国がどれほどの不良債権を抱えているのか、そして今後またどれほどの不良債権を作り出すのかにある」と指摘しました。

両氏の研究では、11年から16年まで中国民間企業の収益が18%の増加に対して、国有企業の収益は33%減となっています。また、中国債務総規模に占める国有企業の負債の割合は10年の59%から16年の80%に拡大したとしています。

「不良債権を計上すれば、中国の本当のGDP成長率は当局が発表する6.9%の半分もないだろう」。

また、両氏は中国当局は現在も、債務返済能力のないゾンビ企業に対して与信をしていると批判しました。両研究員は、将来中国では債務危機発生の可能性が高いと強い警戒感を示しました。

最近このブロクでは、中国の外貨準備は外国からの借金によって賄われていることを掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
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詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事では中国の外準の増加は外部からの外貨による借金で支えられているだけで、外準が増えることは中国経済の強さではなく、脆弱(ぜいじゃく)さを物語っていることを紹介しました。

外準を外貨で賄う、GDPが多いようにみせかける、これって何かに似ていると思いませんか。そうです。自転車操業しているにもかかわらず、粉飾決算をして業績が悪くないようにみせかけている中小企業のようです。

このような中国にはもう魅力も何もありません。未だに、日本で親中派、媚中派の方々が大勢いるというのが不思議です。

今の中国、経済的にも政府はもとより民間もかかわりを持つべきではありません。どうしても関わるというのなら、いずれ自分も大きな火の粉をかぶる覚悟がないととてもできません。日本にとって、中国に対してそこまでする義理があるとは到底思えません。

自転車操業の中小企業なみの粉飾決算をする金無し中国に最早魅力なしです。拝金主義の権化である今の中国は金だけが取り柄でしたが、今やそれすらなくなった中国はただの図体がでかいだけの発展途上国の集合体のような存在に変貌しつつあります。

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2018年2月3日土曜日

トランプ大統領が金正恩政権殲滅の姿勢 駐韓米大使「白紙」で韓国切り捨て、五輪後の“軍事発動”不可避―【私の論評】日米は無責任国家韓国に対峙しながら、北の脅威に対抗していかなければならない(゚д゚)!


トランプ氏の照準は、正恩政権の「殲滅」に定まったのか =1月30日、ワシントン
ドナルド・トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権を殲滅(せんめつ)する姿勢をあらわにした。上下両院合同会議で1月30日(米国時間)に行った一般教書演説で、北朝鮮の「核・ミサイル開発」を、米本土の「脅威」と言い切り、一切譲歩しない考えを明らかにしたのだ。駐韓米大使の内定取り消しも、「従北」の文在寅(ムン・ジェイン)政権への“警告”とみられている。平昌(ピョンチャン)冬季五輪後の「軍事オプション発動」という選択肢は不変のようだ。 

 「北朝鮮の非道な独裁政治ほど、国民を残忍に抑圧してきた体制はない。向こう見ずに『核・ミサイル』を追求し、すぐにも米本土の脅威になり得る」「北朝鮮の政権の邪悪な性質に目を向けるべきだ」

 トランプ氏は一般教書演説で、正恩政権をこう非難した。北朝鮮への批判は5分を超え、異例の長い時間となった。

 正恩体制の存続を許さないトランプ氏の決意は、議場に招いた顔ぶれにも表れていた。

 北朝鮮で約1年半も拘束され、昨年6月に昏睡(こんすい)状態で帰国した直後に死亡した米国人大学生、オットー・ワームビア氏の両親や、悲惨な体験をした脱北者の姿があったのだ。

トランプ氏の一般教書演説の会場に招待されたオットー・ワームビア氏のご両親
 米国は過去、北朝鮮に何度もだまされ、結果的に「核・ミサイル開発」を許してきた。その過去と決別するかのように、トランプ氏は「これまでの経験は、自己満足や譲歩は攻撃と挑発を招くだけだと教えている。私たちをこの危険な立場に陥れた過去の過ちを繰り返さない」と述べた。

 一般教書演説の発言だけでなく、トランプ氏の決意は具体的行動にも移された。

 平昌五輪を前に、「南北融和」に前のめりとなっている韓国・文政権に強烈な「冷や水」を浴びせた。駐韓米大使に就任するとみられていたジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏の内定が「白紙」となったのだ。駐韓米大使が「ほぼ1年不在」という異常事態が続いている。

ビクター・チャ氏
 韓国系米国人であるチャ氏は、国家安全保障会議(NSC)で「日本・朝鮮半島担当部長」を務めたほか、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の次席代表も担当した。

 米紙ワシントン・ポストの記事によると、昨年12月のホワイトハウスの要請を受け、韓国政府はアグレマン(同意)まで出していた。だが、北朝鮮政策などをめぐる考え方の違いがあり、ホワイトハウスは別の候補者選びに動き出したという。

 韓国・中央日報(日本語版)は1月31日、「アグレマンまで受けた大使内定者を指名しないのは非常に珍しい」と指摘した。

 チャ氏の内定撤回は、北朝鮮政策をめぐる方針の違いだけではないとの見方もある。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「米政府での駐韓大使の位置付けは、駐日大使に比べて低く、NSCの元部長であるチャ氏には“格下げ”に近い。さらに、駐韓大使は、文政権が進める『太陽政策』に厳しい態度を取っていく必要があり、韓国系のチャ氏にはありがたくない。チャ氏自身が降りた面もあるのではないか」と説明する。

 トランプ政権の人事に韓国は戦々恐々としている。

 朝鮮日報(同)は同月31日、《駐韓大使人事撤回で見えた米の対北強硬姿勢、戸惑う韓国政府》という見出しの記事を報じた。

 記事では、韓国政府が、トランプ政権の対北姿勢が予想よりも強硬なことが分かり、韓国政府が当惑していることを紹介した。さらに、専門家の話として、北朝鮮が核とICBM(大陸間弾道ミサイル)の保有を続けることを主張すれば、「対北攻撃が現実化する可能性も排除できない」と伝えた。

 前出の島田氏は「米国は、北朝鮮に軍事攻撃をする場合でも、韓国と相談する気はないだろう。大物を駐韓大使に持ってくると、かえって傷がつきかねない。大使不在でも代理はいる。米外交の世界で、もともと低かった韓国の位置付けが、ますます低下したということではないか」と話した。

 朝鮮半島は五輪終了後、「未曾有の危機」を迎えるのか。

【私の論評】日米は無責任国家韓国に対峙しつつ、北に対抗していかなければならない(゚д゚)!

さて、上記にもあるように、駐韓米大使に就任するとみられていたジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏の内定が「白紙」となりました。そうして、駐韓米大使が「ほぼ1年不在」という異常事態が続いています。これは、やはり上の記事にもあるように、米外交の世界で、もともと低かった韓国の位置づけが、ますます低下したとみるべきでしょう。


日本外交の世界でも、韓国の位置づけはかなり低下しました。菅義偉官房長官は昨年の1月6日の記者会見で、韓国・釜山での慰安婦像設置を受け、「極めて遺憾だ」として駐韓日本大使の一時帰国など4項目の対抗措置を発表しました。会見の詳報は以下の通りです。
2015年の日韓合意において、慰安婦問題が最終的で不可逆的に解決される、このことを確認をしている。それにも関わらず、2016年の12月30日、韓国の市民団体によって、釜山の日本国総領事館に面した歩道に慰安婦像が設置されたことは、日韓関係に好ましくない影響を与えるとともに、領事関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳を侵害するものと考えており、規定に照らして極めて遺憾だ。 
これを受けてわが国は当面の措置として、(1)在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(2)長嶺安政・駐韓国大使および森本康敬・在釜山総領事の一時帰国(3)日韓通貨交換(スワップ)の取り決めの協議の中断(4)日韓ハイレベル経済協議の延期。その措置を採ることを決定した。
ただし、北の脅威が迫る中、半島有事のときの邦人救出などのからみもあって、当時の岸田文雄外相は昨年4月3日、外務省で記者団に対し、日本に一時帰国させている長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事を4日に韓国へ帰任させる方針を明らかにしました。

長嶺安政駐韓大使
ただし、政府は昨年6月1日、韓国・釜山の森本康敬総領事(60)を退任させ、後任に道上尚史ドバイ総領事(58)をあてる人事を発表しました。政府の方針に異を唱えたことで、事実上更迭されたと見られています。

以上のように、日米政府ともに外交上韓国の位置づけを低下させています。これは、当然といえば、当然です。なぜなら、韓国政府は日米両政府からみてあまりにも無責任だからです。

そうして、米国では政府だけではなく、マスコミも韓国、文在寅大統領の無責任ぶりも避難しています。

米国の有力大手紙WSJは昨年11月7日付の社説で以下のよう見出しを掲げましたた。
 South Korea’s Bow to Beijing(韓国、中国にひざまずく)》 
 米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」をめぐり、中国から“報復”を受けていた韓国は最近、中国と、(1)米国のミサイル防衛システムに加入しない(2)日米韓の安全保障の協力は3カ国軍事同盟に発展しない(3)THAADを韓国に追加配備しない-ことで合意したとされる。
 WSJは、こうした文氏の「媚中外交」と、北朝鮮に融和的な「従北」姿勢を徹底批判した。文氏の掲げる「バランス外交」を「中国の圧力に直面し、自国や同盟国の安全保障に関して譲歩もいとわない姿勢は、バランス外交とは程遠いものだ」とし、「文氏が取った一連の行動は、(北朝鮮の)金正恩(キム・ジョンウン)氏を包囲するための同盟関係を損なうものとなった」と指摘しました。

韓国政府の無責任ぶりについては、日米両政府やマスコミだけではなく、米国の著名な戦略家もそのような批判をしています。

米戦略国際問題研究所のエドワード・ルトワック上級顧問は、「文芸春秋」12月号の池上彰氏との対談で、韓国のリスクとして(1)北朝鮮による軍事侵攻への備えとして、政治と経済の中枢を軍事休戦ラインから南に離すべきだという40年来の提言を放置している(2)延坪島砲撃にほとんど反撃しなかった(3)文大統領は北に資金を流そうとしている-の3点を指摘しています。
ルトワック氏

背景にはソウルが北からの攻撃に無防備で、米軍が軍事的選択を大幅に失っているという認識があるのでしょうが、韓国を「無責任」で「自国の安全保障問題に向き合わない国」と看破して「無視してもいい存在」とまで断じています。

ルトワック氏は、以前から韓国の無責任な態度を批判しています。2012年の"The Rise of China vs. the Logic of Strategy"という著書では以下のように指摘しています。
(韓国は)北朝鮮からの攻撃にたいして即座に確固とした態度で相応の報復をしようとしていない。 
これからもわかるように、実際のところ韓国政府は、米国と中国に依存する従属者となってしまっている。米国には全面戦争の抑止、そして中国には、一時的な攻撃にたいする抑止力を依存しているのだ。 
その公言内容から考えると、韓国らは明らかにこうしたやり方を好んでいる。 
ところがこれはアメリカにとって満足できる状況ではない。なぜなら韓国を北朝鮮から庇護するコストとリスクを、アメリカは独力で背負わなければならないからだ。 
さらに、韓国への影響力は中国と折半しなければならない。中国は「北朝鮮への締め上げを中止するぞ」と脅かすことで、常に韓国政府を締め上げることができるからだ。 
今のところ韓国が中国にたいして声を上げることはない。中国政府にたいして恭しい態度をとっているからだ。そして悲しくなるほどの熱意を持って、中国指導者が北朝鮮を厳しく統制してくれることをありがたがっているのだ。
 そうして、このルトワック氏は南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ」と主張しています。

これについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ」―【私の論評】ルットワックの真骨頂は綺麗事を排して、リアリズムに徹すること(゚д゚)!
グアムから朝鮮半島にかけて行われた米韓合同軍事演習
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事ではルトワック氏は、2年ぶりの南北会談はまたも問題先送りで終わるだろう。北朝鮮がアメリカに届く核ミサイルを完成させる前に、核関連施設を破壊すべきだ」と主張していることを掲載しました。

朝鮮半島は五輪終了後、「未曾有の危機」を迎えるのかどうかは、わかりませんが、少なくとも米軍による核関連施設の本格的な爆撃は十分あるものと考えるべきでしょう。それに続いて、すぐに陸上部隊の派遣するか否かは今の段階では半々だと思います。

なぜなら、空爆は米国の意思によって十分にできることですが、地上戦では無責任な韓国を信頼できないからです。おそらく、地上戦があっても韓国軍があからさまに米軍に敵対するということはないにしても、ここぞというときにサボタージュされたり、裏切られたりする危険性は拭い去れないからです。

おそらく、米軍はまずは爆撃などにより、北朝鮮の核関連施設を破壊し、様子をみてから必要があれば、地上軍を投入するという段階を踏むことになると思います。

米軍が爆撃するときは、無論のこと米国はこの爆撃に関して、韓国に対して事前通知をすることはないでしょう。なぜなら、通知すれば、それが金正恩氏や中国に伝わることが必定だからです。通知は、爆撃がほぼ終了して勝敗の帰趨が明らかになってからということなるでしょう。

無論、日本に対しては、事前に通知があることでしょう。日本はかつての日本とは違います。特定秘密保護法が機能しています。

いずれにしても、今後日米は、いかなる北朝鮮対応も、韓国には事後通告ということですすめることになると思います。

北有事で在韓邦人、米国人救出で自衛隊出動という事態が生じたとしても、韓国に事前通知することはないでしょう。なぜなら、知らせれば、それこそ北にすぐそれが伝わり、ことさら邦人や米人を危険に陥れる可能性があるからです。おそらく、日米共同で実行することになると思われます。

それにしても、日米は本来味方になるはずの無責任国家韓国と対峙しながら、北の脅威に対抗していかなければならないのです。ますます、日本国内の米軍の存在が重要になったということです。

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2018年2月2日金曜日

【メディア政争】「ワイドショー政治」の罪作りな実態 小池百合子氏が2度の選挙に勝ったワケ―【私の論評】小池氏はなぜワイドーショー政治を選んだのか(゚д゚)!


小池氏は「選挙はテレビがやってくれるのよ」と語っていたという
 小泉純一郎首相の就任(2001年4月)を境に、テレビのワイドショーが「政治ネタ」を扱うことが増えたことは間違いない。「政局の天才」である小泉氏は、前例を破って「ぶら下がり」と呼ばれる取材を毎日受け、ワイドショーの主役となることで「政敵」を次々と倒していった。

 小泉劇場を放送すれば、そこそこ数字(視聴率)が稼げ、制作費が格安で済んだ。おまけに、政治家をイジったり、たたいたりする分には、相手から反撃がない。民間人や一部芸能人をネタにするのと違い、リスクがない。まさに良いことづくめ。テレビはこの“麻薬”に溺れたのだ。

 小泉氏のメディア戦法をマネたのが、小池百合子都知事である。

 小池氏は知事就任から1年、「『都政の闇』を暴くヒロイン」としてワイドショーの主役であり続けた。だが、肝心の「闇」が何だったのか、1年後の今、明確に答えられる視聴者はほぼ皆無だ。それどころか、ワイドショーの制作・出演者でも同様だろう。

 この空疎な現象を、筆者は「ワイドショー政治」と呼ぶが、その罪作りな実態を表すデータを紹介しよう。

 1年前の今ごろ、ワイドショーが盛んに取り上げていたのが、東京・千代田区長選(17年2月5日投開票)だ。任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が、同年1月29日の告示から2月5日の投票締め切りまでの、某テレビ局の全報道番組と情報番組の放送時間を集計している。

放送法の「政治的公平性」確保のため、全局とも選挙期間中は候補者や政党の扱いを平等にするよう努めたが、この「平等」にトリックがあったとしたら、いかがか。

 確かに、選挙報道そのものは、計約1時間50分のうち、各候補・陣営をほぼ同じ40分前後ずつ伝え、時間的公平を確保していた。だが、質的には大いに疑問が残る。

 というのも、この区長選は「小池氏と、自民党『都議会のドン』内田茂氏の代理戦争」などと強調され、報道されていたからだ。「代理戦争」と呼ばれることを、小池氏側は歓迎し、自民党側は嫌がっているとも報じながら、執拗(しつよう)に「代理戦争」とテロップを表示、連呼し続けた。

 結果として、小池氏の推す、現職の石川雅己区長への応援基調となっていたのである。

 さらに選挙報道以外に、小池氏が伊豆大島の「きょん」退治に乗り出すとか、イベントに出席したなど、小池氏に好意的な話題が計7時間も流れていた。うち約3時間半は、小池氏の姿が流れた。これを「公平」とはとても言えない。

 人は高頻度、あるいは長時間視界に入るものに、無条件に好意を抱く。これを心理学で「単純接触効果」という。ワイドショーが生じさせたこの効果で、小池氏は2度の選挙(=千代田区長選と、同年7月の都議選)を勝ったのだ。

 こうしたテレビの「罪」に、私たちは厳しい目を向けるべきだ。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)など多数。

【私の論評】小池氏はなぜワイドーショー政治を選んだのか(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にはでていませんでしたが、小池百合子東京都知事はなぜワイドショー政治を行ったのでしょうか。

様々な理由を考えることができるでしょう。まずは、小池百合子氏本人が小泉純一郎首相時代の小泉劇場という劇場型政治が行われた時に初当選していたということがあるでしょう。

小池百合子氏の「トリックスター」ぶりは小泉純一郎元首相を彷彿とさせる。写真は2005年の衆院選
彼女は、いわゆる小泉チルドレンです。自身が当選した背景や当時の小泉首相に対する作られた熱狂を分析すれば、ワイドーショー政治の分析は十分可能だと思われます。

さらに、小池百合子氏本人もメディア出身の人物で、かつてはテレビ東京でニュースキャスターを務めていました。つまり小池百合子氏もタレント候補だという事になります。メディア出身だという事は、メディアとのパイプがあるのは間違いないでしょうし、何しろメディアを使って国民を操る術を知っていると考えられます。

WBSの初代キャスターだった小池氏。WBSは1988年4月スタート。当時小池氏は36歳
小泉劇場で当選した元ニュースキャスターの人物。そんな人物が自治体の長になった暁には、その人物が行う政治がワイドショー政治になることは、十分予想できました。

しかしながら、本人にワイドショー政治をやる気があっても、実際にそれができる社会環境でなければ、ワイドショー政治は機能しません。

つまり東京都民にワイドーショー政治が通用しなければ、それは機能しません。ところが現実には、都民は小池百合子氏の放つワイドショー政治に惑わされ、千代田区長選挙で過去最高の投票率を記録してしまいました。だからこそ、小池百合子氏はこれに大きく舵を切ったと考えられます。

ではなぜ小池百合子氏は東京都政でワイドショー政治が成功するであろうと大きく舵を切ることができるほどの確信を持てたのでしょうか。それにはいくつかの理由が浮かび上がりますが、それはやはり日本にはメディアを鵜呑みにしている国民が多いからでしょう。

とりわけて東京はその傾向が強いです。その象徴とも言える人物が、現在立憲民主党の参議院議員である、蓮舫氏でしょう。蓮舫氏が当選する東京都なのだから、ワイドショー政治を行うのはたやすいと小池氏は考えたのでしょう。

蓮舫氏
蓮舫氏はネット民から嫌われている人物です。理由としては様々なものがありますが、主に二重国籍に対する十分な説明を現在に至るまで行っていないからでしょう。

そんな蓮舫氏は元々はテレビ界出身のいわゆるタレント候補です。蓮舫氏が政治家に当選したのは2004年7月に行われた参議院選挙の比例区で当選してからです。その後今日まで一度も票を落としたことがないというある種のベテランでもあります。

ところが、そのようなベテランの蓮舫氏はこれまでに何か政治的な功績を残したといえるでしょうか。目立った活躍と言ったら実際には財務省に仕切られた、ほとんど無意味な事業仕分けぐらいでした。

ネットでは二重国籍の問題を世に知らしめたことが功績だという皮肉もあるくらいです。仮にこれが功績だとしても、蓮舫氏は功績らしい功績をこの10年以上の間に一つぐらいしか残していないことになります。

もし、これを功績でないとすれば、何も功績がない人物が2016年参議院選挙でも東京選挙区でトップ当選を果たしてしまったのです。なぜ、功績のない人物がずっと議席を失わないで、しかもトップ当選をし続けているのでしょうか。

それは単純に東京都民が蓮舫氏の活動や人物を全く見ないで、知名度だけで投票しているからです。それ即ちメディアで目立った元芸能人だからという理由だけで、蓮舫氏を熱狂的に支持している都民が多いという事です。つまりワイドーショー政治に煽られて蓮舫氏を支持する都民が多いということです。

「知名度だけでも投票する人が多い東京都なのだからワイドショー政治をするのはたやすい」そう考えたので小池百合子氏はワイドショー政治に大きく舵を切ったのでしょう。。

それに、そもそも東京都民が、知名度だけで政策や人物については全く考えないで政治家を選び政治を決定するとしいう事実の前には、まともに政治を行ったとしても注目されないとも言えます。

だからこそ、ワイドショー政治の仕込みや仕掛けという大掛かりなことをして自身の支持拡大を行ったとも推測できるます。小池百合子氏本人がどう考えていようとも、東京都の政治を成功させるにはワイドー政治で都民を惑わせるのが近道だったということです。

ワイドショー政治の主体であるワイドショー民
私自身は、小池百合子氏は東京都民を見下すつもりでワイドショー政治を意図的に行ったわけではなく、東京都という自治体の社会環境を踏まえた上でワイドショー政治を行わざるをえない面もあったのだと思います。

 では、もし小池百合子氏がワイドショー政治を行っていなかったら、どうなっていたでしょうか。私は早い時期から逆にメディアに叩かれていたのではないかと思います。小池百合子氏本人は元々自民党出身です。

結局自民党と癒着しているという疑惑を持ちかけられて、反自民のマスメディアからいらぬ疑いで袋叩きにあっていた可能性もあります。だから小池百合子氏は反自民を掲げたのでしょう。反自民を掲げれば同じ反自民のマスメディアから攻撃されることはなくなります。小池百合子氏本人もメディア出身の人物で、メディアの力というのを十分に承知していたはずです。

さらに、舛添要一の辞任劇も小池劇場に繋がったものと考えられます。舛添要一氏本人はネット民を中心に嫌われていた人物です。そうして例の舛添氏の豪遊などのお金のスキャンダルも、元はと言えばネットが発端のスキャンダルです。

これについては、ネットで騒がれている間はマスメディアでは報道すらされていませんでした。マスメディアはネットの騒動から遅れてこれを報道することにななりました。

そうして、これをマスメディアが大々的に報道した途端に、舛添氏は全国民を敵に回すことになってしまいました。これほど東京都政におけるマスメディアの影響力は根強いものがあるのです。

この舛添要一氏の辞任劇もまた小池百合子氏には大きな影響を与えたでしょう。だから舛添氏とは異なった透明性のある東京都政を打ち出して、舛添氏とは違うことをアピールしたのです。

舛添要一氏
その上で、自民党を敵に回してメディアからの攻撃を避けて、透明性アピールのための都政の闇を暴く行為に走ったのです。つまり小池百合子氏はメディアに攻撃されることを恐れて、ワイドーショー政治に踏み切ったのです。その結果、ものの見事にメディアに惑わされた都民の支持を獲得することに成功し、その勢いのまま夏の東京都議会議員選挙を迎え大成功したのです。

ここまでは、大成功でした。昨年の衆院選でも小池知事は東京都知事でありながら、希望の党を設立し、代表に就任しこれも大成功するとみられていましたが、結果はご存知の通り、大失敗です。選挙戦の直前までは、小池百合子氏のワイドーショー政治は十分に機能して、誰もが希望の党はかなりの議席を獲得すると考えていました。

選挙戦スタートこそ大いに盛り上がりを見せた「小池ワイドショー政治」でしたが、公示日前に小池代表が放った(民進党出身議員の一部を)「排除いたします」という一言から、流れは大きく変わってしまいました。


私自身は、この「排除いたします」という発言そのものが、小池氏の勢いをそいだのではないと思っています。その本質は、「排除いたします」という象徴的な発言などにより、マスメディアが希望の党、特に小池氏の本質は「改憲勢力」である点に焦点をあてはじめたということです。

元々、護憲派的立場のマスメディアが今のまま、小池氏をワイドショー政治のヒロインにまつりあげ続け、小池氏の希望の党が大勝利してしまえば、国会での護憲勢力はますます小さくなることに危機感を感じて、今度は小池氏を徹底的にワイドショーなどで叩き始めたのです。

まさに、今度は「ワイドショー政治」が小池氏に対して、逆機能を果たしたのです。「ワイドショー政治」で大勝利を得た小池氏は今度は「ワイドショー政治」により大敗北を喫することになったのです。

以上のように、小池都政を語る上ではマスメディアは欠かせないというのは確かです。実際にメディア報道に惑わされて東京都民は東京都政や東京都知事を決めてきたという経緯があります。

逆に言えばそれは、東京都政はマスメディア次第だという事でもあったと思います。現在小池百合子氏は相次ぐ横暴ぶりから一部の人々から独裁者扱いされていますが、本当の独裁者は、報道で国民を操ることができるマスメディのほうかもしれません。

小池百合子氏は言ってしまえば、マスメディアの単なる操り人形だとも言えるかもしれません。だから小池百合子氏はメディア受けするワイドショー政治を行ったのです。もしこれが本当だとしたら、東京都は本当に、民主主義が存在するのでしょうか。

豊洲市場を視察した小池知事
今豊洲の問題でネットを中心に小池百合子氏に対する非難が集中しています。確かに豊洲の移転延期で本来使われることのなかったはずのお金が、維持費として使われてしまっているのは、非難される点です。

しかしながら、小池百合子氏をただ非難すればそれで済む問題なのでしょうか。確かに豊洲問題に関しては小池百合子氏に責任があります。だがなぜ小池百合子氏はあのような行動をしたのでしょうか。

そもそも豊洲問題はメディアが複雑にさせた問題です。確かに小池百合子氏もメディアが複雑にさせた問題に便乗してしまったのも事実です。ではなぜ便乗してしまったのでしょうか。それは便乗せざるを得ない状況だったからだという見方もできなくはありません。

そもそも小池百合子氏は今一度安全を確認した上で、問題がなければ早期に移転することを決めていました。だから豊洲の調査をもう一度行ったのです。その結果、飛躍したメディアによる間違った報道が横行し、実際に豊洲は危険だという風評被害が生まれてしまっいました。

仮にそれを小池百合子氏がメディアの間違いですと正したところで、豊洲問題は沈静化することはなかったでしょう。それこそメディアvs小池百合子氏の構図になり、さらにそこに小池百合子氏を落としたいという一派が加わって、小池百合子氏は一気に劣勢に追い込まれていたでしょう。

小池百合子氏のあの移転判断はまともな戦略に基づいて行った可能性もあります。その結果起こったことは、更なる事態の悪化でした。これ即ち、今の東京都ではまともな政治は不可能だという事なのかもしれません。小池百合子氏が本当に暴きたかったことは、まともな政治ができない東京都の真実の姿なのではないでしょうか。

私が言いたいのは、小池百合子氏を非難するだけで終わらせてはいけないという事です。なぜ小池百合子氏はあのような政治決断を下したのでしょうか。それに対する答えを導かなければ、いつまで経っても小池都政のようなワイドショー政治は、終わることがないだでしょう。

小池百合子氏がワイドショー政治を行ったいる背景には、東京都の異常性を十分に理解していたということがあったと思います。私は小池百合子氏を擁護しているわけではありません。問題の本質を、見極めてほしいと言いたいだけです。

 本当に小池百合子氏ただ一人に問題があるだけなのでしょうか。それを東京都民の方々には、考えて頂きたいです。そして本当の問題が何なのかを見極めてほしいです。本当の問題はテレビ局の姿勢なのです。

東京都政の本当の問題がわかり、それを克服することができれば、東京都政はより良い政治を行えるかもしれません。それは、日本政治にも言えることかもしれません。

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2018年2月1日木曜日

参院予算委 アベノミクスの問題点を追及―【私の論評】主な原因は高齢化!「エンゲル係数が~」と叫ぶ輩は悪意に満ちた馬鹿(゚д゚)!

参院予算委 アベノミクスの問題点を追及



アベノミクスで国民生活は豊かになったのか。31日の参議院予算委員会で民進党の小川参院議員会長は、国民の生活は苦しくなっていると追及した。

小川議員は、アベノミクスが始まってから家計の消費支出の中で、食費の割合を示す「エンゲル係数」が上がっていると指摘した。

小川議員「国が行った調査で、エンゲル係数が上がってる国民の生活は苦しくなっている。これがアベノミクスの実質じゃないですか」

安倍首相「厳然たる事実の一つは、やはり働く場所があるということだろうと思います。47すべての都道府県において(有効求人倍率が)1倍を超えた、これは高度経済成長期にも、あるいはバブル期でもなかったことでありました。それはやはり、この景気回復の波が全国津々浦々に及んでいるということであります」

安倍首相はこのように、有効求人倍率が上がったことなど成果を強調した。

一方、この日も野党側は、茂木経済再生担当相が支部長を務める政党支部が、地元の有権者に線香や手帳を無償で配っていたことを追及しているが、朝の与党幹部の会合では、29日の衆議院予算委員会で茂木経済再生担当相と野田総務相が談笑していたことについて、「緊張感に欠けている」との声が上がった。野田総務相は公職選挙法を担当していて、公明党の井上幹事長は「なれ合いに見える。しっかり両大臣に注意してほしい」と述べたという。

【私の論評】主な原因は高齢化!「エンゲル係数が~」と叫ぶ輩は悪意に満ちた馬鹿(゚д゚)!

最近の日本で、エンゲル係数があがる理由は高齢化によるものです。これについては、以前このブログに掲載しました。

その記事のリンクを以下に掲載します。
エンゲル係数「上昇」の深層 「生活苦」と「食のプチ贅沢化」の関係―【私の論評】フェイクを見抜け!上昇の主要因は高齢化(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より近年日本などでエンゲル係数があがるのは高齢化によるものであることを示す部分のみ引用します。
"
エンゲル係数について今一度確認してみます。総務省の「家計調査」から2人以上の世帯について、食料費(外食を含む)と消費支出の比率をみると、12年の23・6%から、15年に25・0%に上昇しています。

もっとも、23・1%を記録した07年までは低下傾向だったが、その後上昇に転じています。上昇傾向は最近起こったのではなく、継続している現象です。

実は、07年以降のエンゲル係数上昇は、日本に限らず他の先進国でも起こっています。例えば、欧州連合(EU)の28カ国でみても、07年に23・2%まで低下した後で上昇し、14年は23・8%となりました。特にフランスやイタリアでは07年以降の上昇が大きいです。

07年以降のエンゲル係数の上昇が先進国で共通している背景には、リーマン・ショック以降、景気が落ち込んだのですが、食費は切り詰めにくいので結果的にエンゲル係数が上昇したためと考えられます。そうした世界の動きに加え、日本では、14年4月の消費増税の影響で所得が伸びなかったことの要因が大きいです。

さらに、高齢化の影響もあってエンゲル係数が伸びた面もあります。以下の図をご覧になって下さい。

データ出典 総務省統計局「家計調査報告」 以下同じ

これは、世代別のエンゲル係数の動きを示したものです。この図から明らかな通り、基本的には、若い世代ほどエンゲル係数が低く、高齢世代ほどエンゲル係数が高くなっていることが分かります。

高齢世代のエンゲル係数が高くなる理由は、多くの場合、主な収入源が、年金と貯蓄の取り崩しに限られる中、消費支出を切り詰めざるを得ない一方で、生きていくのに必要な食費は、消費支出全体の減少よりは減らない(経済学的には、食料などの必需品は需要の所得弾力性が小さい)ため、エンゲル係数が大きくなって見えるためです。

次に、下図をご覧ください。

これは各年のエンゲル係数を、世代別に分解したものです。この図から分かりますように、近年、日本のエンゲル係数に占める60歳世代以上(緑色の棒+青色の棒)のウェイトが上昇していることが確認できます。つまり、最近のエンゲル係数の上昇には高齢化が影響しているということです。これは、他の先進国でも似たような状況にあるものと考えられます。

さらに、下図をご覧ください。


この図はエンゲル係数の変化に対して、各世代のエンゲル係数の変化の寄与度を示したものです。同図からは、やはり高齢世代、特に70歳世代以上のエンゲル係数の上昇(緑色の棒)が、日本全体のエンゲル係数の上昇をけん引していることが確認できます。

もし、高齢化がエンゲル係数に与える影響が2005年水準のままであれば、他の条件が一定のもとでは、エンゲル係数は順調に低下し、例えば2016年では21.2%とまで低下していたものと、簡単な計算により確かめることができます。

結局、エンゲル係数の趨勢的な上昇をもたらしているのは、高齢化と先に述べたものも加わったことが主要因であり、アベノミクスの影響ではないということです。

以下の表は、2015年から2016年にかけての世代別エンゲル係数の変化に対して、どのような食料品項目がどの程度の影響を与えたかを分析したものです。












この表によれば、2015年から2016年にかけて各世代のエンゲル係数を押し上げた一番の要因は調理食品への支出です。調理食品は、お弁当、お惣菜、冷凍食品、揚げ物等への支出です。これは共働き世帯が増えつつある、あるいは高齢世代では自炊するより出来合いのものを買ってきた方が安く上がる等の結果であると言えるでしょう。

以上の通り、最近のエンゲル係数上昇の背景は、大きく分けると2つあり、1つは世界の動きに加え、日本では、14年4月の消費増税の影響で所得が伸びなかったこと、もう1つは高齢化の進行です。そうして、高齢化の進行のほうが大きいといえます。
"
数年前から、ポツラ、ポツラと安倍政権になってからエンゲル係数があがっていると指摘する識者がでてきていました。そのうち、国会で本格的にこれで安倍政権を追求する議員がでてくるのではないかと思っていましたが、その通りになりました。

まともな人なら、他の先進国のエンゲル係数も上昇していることに気づくはずです。そうして、なぜそうなるのかというのを調べれば、高齢化が主な原因であるとの事実に行き着くはずです。

では、小川氏のような人々は、こんなことさえ気づかないほど愚かなのでしょうか。私は、そうではないと思います。悪意があるだけです。とにかく、なんでも安倍批判に利用しているだけだと思います。

SNS上では、「安倍首相がエンゲル係数の新定義?」という論評が巻き起こっています。確かに首相の説明は、不十分だったかもしれませんが、これを鬼の首とったように喜ぶ人は、悪意のある馬鹿としか言いようがありません。

首相の説明不十分を逆手にとって「エンゲル係数が悪化したのはアベノミクスのせい」と正真正銘の大嘘を広めるのがこの種の連中のやり口なのでしょう。まさに悪意の塊の見本です。

エンゲル係数だけを取り出して、金融緩和を否定したり、日本は貧困化した、というのは本当にただのトンデモ理論でしかあり得ません。小川氏のように、政治的な思惑でエンゲル係数を利用したい人間が大勢いることがわかって、良いです。

良い目印になります。「エンゲル係数が~」と叫ぶ輩は馬鹿で悪意に満ちているということです。

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2018年1月31日水曜日

【メディア政争】大新聞・朝日は一体、どうしたのか “弱者”の声に過剰反応、司法訴え言論で勝負せず―【私の論評】森友・加計事件は、朝日による「安倍疑惑」という大きな捏造である(゚д゚)!


朝日新聞本社
 朝日新聞は昨年末、『徹底検証「森友・加計事件」-朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』で名誉を傷つけられたとして、著者で文芸評論家の小川榮太郎氏と、発行元の飛鳥新社を東京地裁に提訴した。


 天下の大新聞が、こう言っては悪いが一介の物書きと、朝日新聞から見れば零細企業に過ぎない出版社を訴えたことに驚いた。賠償請求額が5000万円というケタ外れぶりにもびっくりした。

 これで、朝日新聞を批判する言論の一部は確実にしぼむ。勝ち負け以前に、個人の著者や中小出版社には裁判を戦うだけでも大きな負担だ。うっかり朝日新聞を批判して訴えられたらたまらないと、口をつぐむ論客は今後増えるだろう。

こうして、「自主規制の空気一丁上がり」となるのは、朝日新聞がよくいう「多様な言論」に逆行する道ではないか。

 疑問を感じた私は、同じ飛鳥新社が発行している『月刊Hanada』(3月号)に、「これは典型的なスラップ訴訟だ」と題する一文を急ぎ寄稿した。詳しくは同誌を購読いただきたい。

 スラップ訴訟とは、大企業や公的機関などの「社会的強者」が、個人などの権力を持たない「弱者」を訴え、その言論や活動を封じようとする恫喝(どうかつ)的、威圧的な訴訟を指す。

 一体、朝日新聞はどうしてしまったのか。

 権力の監視役を自任し、総理のクビもとれる力を持っていた大新聞が、小川氏や飛鳥新社といった「弱者」の声に、なぜこれほど過剰反応するのか。権力と対峙(たいじ)する言論機関である朝日新聞が、なぜ言論で勝負せず、司法という「権力」に助けを求めるような挙に出たのか。

 そのあたりの心理は、今後じっくり解明していきたい。

 その前に、小川氏が著書で指摘した中で、昨年の国会審議の大半を費やした「モリカケ騒動」のポイントとなった、一本の記事の真相が、司法の場で明らかにされるかどうかが気にかかる。

 昨年5月17日、朝日新聞1面トップを飾った「加計学園の新学部『総理のご意向』 文科省に記録文書」という記事である。記録文書の写真が添えられていたが、一部だけにスポットが当たって周囲が暗く、いかにも「秘密の文書」感たっぷりの演出がされていた。

 だが、暗くてよく読めない部分には、「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」と、真逆の意味にとれる記述があったのだ。小川氏はこのあたりを著書で指摘している。

 仮に、小川氏の指摘が正しければ、いずれ朝日新聞に対し、当該記事が空転させた国会の審議時間や、それに伴って浪費された国費の賠償をという、国民からの訴えが起きてもおかしくないと思うが、いかがか。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)など多数。

【私の論評】森友・加計事件は、朝日による「安倍疑惑」という大きな捏造である(゚д゚)!

朝日新聞社は「事実に基づかない内容で本社の名誉や信用をいちじるしく傷つけた」として小川氏と飛鳥新社に対し5,000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。訴状によれば、謝罪広告は「朝日・読売・毎日・日経・産経・東京」の各紙において「社会面記事下、横9cm、縦2段」など掲載条件まで指定されています。

朝日新聞は12月25日に提訴を報じた自社記事の中で広報担当執行役員の談話を紹介していますが、「事実に反する記載が数多くありました」「本社には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけています」と非難した上で「事実に反した誹謗・中傷による名誉毀損の程度はあまりにもひどく、言論の自由の限度を超えています」として「やむを得ず裁判でこの本の誤りを明らかにするしかないと判断しました」と提訴に至った理由を説明していました。
これに対し小川氏も12月25日深夜にFacebookを更新し「訴状の初見の印象からの簡単なコメントをまず発表します」と反論しており、前述の執行役員の言葉に対しては「笑止千万とはこのこと」と一笑に付し、裁判に訴える手法を選んだ点について「自説を証明できる膨大な紙面と圧倒的な読者数を誇る朝日新聞社の取る道としてあってはならぬ最悪の邪道と言う他ありません」と呆れると共に、訴状についても小川氏が12月5日に送付した朝日新聞社への回答を「ほぼ全く踏まえていません」と指摘しています。
小川氏は朝日新聞からの質問に「全て丁寧に反論しています」と主張、朝日新聞側が今回「具体的にどう違うか指摘し訂正を求めましたが(中略)応じませんでした」としている点について「私との言論戦から逃げて、まるで私がろくな回答をせず不誠実な対応をしたかのような印象操作の上で、訴訟を挑んできた」と非難、今回の提訴に対しては「裁判は当然徹底的に受けて立ちますが」「朝日新聞が社会的に決して逃れられない形で訴えてゆく所存です」と語っています。
また、小川氏は投稿の中で慰安婦報道問題など複数の朝日新聞報道問題を挙げ「再三にわたる『言論の自由の限度を超えた』捏造」と指摘、これらを「なかったかのようにしておきながら」「巨額の賠償請求訴訟を起こすことは自由社会を破壊する言論弾圧に他なりません」と朝日新聞側の姿勢を厳しく批判すると共に今回の提訴によって「言論人の中には、朝日新聞を批判することが訴訟リスクを含むと考え、批判を手控える方も出てくるのではないでしょうか」と懸念を示していますが、朝日新聞に対しては既に数多くの批判が出ており、複数の著名人からも苦言が呈されています。
自民党の山田宏参議院議員は「『○○猛々しい』とは、朝日のこういった姿を言う」、産経新聞の阿比留瑠比氏も「いくらでも反論できる紙面を持ちながら、個人の言論への嫌がらせのよう悪質な手法をとるとはね…。最低ですね。」、またジャーナリストの有本香氏も「越えてはならない一線を越えたと思う」とした上で「社内の人達はこれをよしとしているのかねえ」と疑問を添えています。
評論家の石平氏は今回の提訴を「戦後70数年の偏向報道に対する日本国民の戦い」と位置づけており「小川さんの著書を一人一冊ずつ買って読もう」と呼びかけ。著書購入は小川氏の秘書も「この機会にご購読を!」「読んでご判断を!」としていますが、同時に小川氏のTwitterアカウントでは小川氏が理事長を務める日本平和学研究所へのサポートを呼びかけるツイートを再投稿しました。
小川氏は12月26日の午前にも当日の朝日新聞紙面を添付する形で再びFacebookに投稿を寄せており、「彼らには社会的な責任を取らせます」「朝日は自滅へのパンドラの箱を開けてしまいました」と述べています。
朝日新聞の言い分は不可思議です、たとえば朝日新聞のコラム「素粒子」一つとっても大問題です。例えば、「首相を侮辱すれば私人を証人喚問。首相夫人の説明を求めたら採決強行。内閣支持率が53%あるからいいのだと」。全く因果関係のないものを関係づけています。

「安倍晋三記念小学校と書いてあったか。財務省が出した黒塗りの書類。『ずぶずぶ』で品が悪けりゃ癒着と言おう」。「安倍晋三記念小学校」は全く事実と違います。 

安倍晋三首相は昨日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史氏への答弁で、森友学園が「安倍晋三記念小学校」の校名を記した設置趣意書を財務省に提出したとの朝日新聞の昨年5月の報道について「真っ赤なうそだった」と重ねて批判しました。朝日の報道を前提に議論され、疑惑が広がったとの認識も示しました。

朝日放送はイメージ画像として「安倍晋三 記念小學院」の画像を報道した
首相は、森友学園が財務省に提出した小学校名は「開成小学校」だったと説明。朝日の報道を根拠に「忖度(そんたく)されたのではないかと(国会で)質問されたが、そうではなかった」と強調しました。

首相は昨年11月の衆院予算委でも朝日新聞の当時の記事を取り上げ、学園前理事長の籠池泰典氏の話を「うのみにした」と批判していました。

 朝日がこんなむちゃな非対称的な状況で個人や弱小出版社を訴える姿を見ていると、「安倍政権は安倍首相夫妻への重大な人権侵害に対し、きちんと提訴せよ」と言ってやりたくさえなります。


「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」著者の小川榮太郎氏が1月25日、訴訟に関する特設サイトを公開しました。

これは小川氏と小川氏が理事長を務める日本平和学研究所が開設したもので、URLは「asahislapp.jp」。サイト名は「朝日新聞5000万円訴訟の記録」となっています。


コンテンツは「私たちの主張」「5000万円訴訟の経緯」「朝日の代表的な過去の事例」と共に「本の贈呈運動」として全国の朝日新聞販売店に対し「徹底検証・・・」をプレゼントする運動についてのページが含まれています。

プレゼント運動は「徹底検証・・・」を購入し、朝日新聞の販売店に郵送または手渡しで書籍を「プレゼント」、その後サイト上で報告するという流れで、小川氏側では報告のあった販売店を公表していくとしており、「この活動で発生した印税につきましては、著者の収入とせず、然るべき団体に寄付します」と明記されています。

小川氏は「asahislapp.jp」上で朝日新聞による提訴を「言論機関による言論封殺」「こんな裁判を認めては、今後の日本の『言論の自由』は大幅に制限される」と訴えており、「私たちは、これは『スラップ訴訟』であると考えます」と主張しています。

また「朝日の代表的な過去の事例」を紹介したページでは朝日新聞による過去の誤報がまとめられており、サンゴ事件や慰安婦報道問題なども紹介されています。

サイト開設について小川氏はFacebookで「今後、裁判の経緯や有識者の見解など更新してまいります」としており、同時に現在「徹底検証・・・」の新聞広告が各新聞社から拒否されているとしてこのように協力を求めています。

小川氏は、"私は新聞各社に対しては、民事訴訟での一律な広告掲載拒否を見直すよう強く主張するとともに、新聞広告が出せない状況で国民に広く「森友加計の安倍疑惑が朝日主導の捏造だったこと」を知らせる輪を広げていただきたいと切望します。"と語っています。

今回の森友・加計事件は、朝日による「安倍疑惑」という大きな捏造(ねつぞう)です。これをあいまいにしたまま、小川氏による名誉毀損(きそん)案件としてごまかすことは絶対に許されません。

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