2016年3月26日土曜日

米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?―【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!

米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?


朝日新聞デジタル

大統領候補トランプ氏
米国の産業界に、米国の大統領選の共和党候補者の指名争いで首位を走る不動産王トランプ氏の言動を懸念する声が広がっている。貿易や移民など経済政策での極端な持論が、堅調な米国経済の足を引っ張りかねないと心配するからだ。

米大統領選2016

「危険な人物だ。米国が不況に陥る」。ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマン最高経営責任者は3月上旬、こう痛烈に批判した。「扇動家は大統領にふさわしくない」とも語った。ゼネラル・エレクトリック(GE)を長年率いた「カリスマ経営者」ジャック・ウェルチ氏も出演したテレビで、トランプ氏が優位な情勢を「残念ながら」と嘆いた。ともに共和党支持者だ。

トランプ氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)に反対し、中国やメキシコに35%の高い関税を課すとも主張。ホイットマン氏は「彼の貿易政策の間違いはひどい」と指摘する。米経済紙は「貿易戦争になる」と警戒感を高める。

ハイテク企業の集積地シリコンバレーの経営者らは、「移民敵視」発言に敏感だ。移民の力が技術革新を促してきた歴史があり、それを否定する考えに反対する。米メディアによると、アップルやグーグルなどの経営トップが3月上旬に共和党系会議に出席し、党の主流派議員も加わって、「トランプ対策」をテーマに話し合ったという。

「工場を米国外に移した会社(菓子大手ナビスコ)の『オレオ』は食べない」

トランプ氏の論調の一つには「大企業が工場を国外に移したため、労働者の生活が苦しくなった」というものがあり、支持者からは喝采を受ける。指名争いの勝利が現実味を帯び、一方ではウォール街の重鎮カール・アイカーン氏をはじめ、支持を表明する経営者も目立ち始めた。著名資産家ウィルバー・ロス氏は「いまは人気取りの発言もあるが、指名候補になれば大統領らしい政策を語るだろう」と述べている。(ニューヨーク=畑中徹)

【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!

上の記事でもわかるように、朝日新聞はトランプ氏が大統領になることについては、消極的なようです。記事の中では、朝日新聞得意の一応両論併記という形式にしていますが、ネガティブな扱いのほうが圧倒的に多いです。

朝日新聞は、他の記事を読んでいても、トランプ大統領誕生には消極的です。その記事の典型的なもののリンクを以下に掲載します。
「お前はクビだ」 トランプ氏のTV仕込み演出術を分析
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、確かにトランプ氏のことをポジティブには捉えてないようです。

以下にこの記事に掲載されていた、「ドナルド・トランプってどんな人」というチャートを掲載しておきます。


朝日新聞が、このような反応を示すのはなぜなのでしょうか?このヒントになるのが、以下の動画です。


この動画をご覧いただくと、トランプ氏は色物という見方は、必ずしも正しくはないことが良く理解できます。

さらに、トランプ氏の対抗馬のヒラリー・クリントン氏が良い候補者であるかどうかには疑問があります。

クリントン氏には、いわゆる献金疑惑があります。それに関する記事を以下に掲載します。

これは、昨年4月22日のZAKZAKの記事です。
ヒラリー氏、早くもピンチ… 献金問題浮上で選挙戦略に大ダメージ 
ヒラリー・クリントン氏
 女性初の米大統領に挑戦する民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、献金問題で苦境に立たされている。関係財団が外国政府から多額の献金を受けていたことをめぐり、メディアや共和党が追及姿勢を強めているのだ。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領も巨額裏金疑惑でピンチだが、ヒラリー氏は危機を乗り越えられるのか。 
 「(野党の出方は)予想していた。この手の攻撃はつきものだ」 
 ヒラリー氏は20日、ニューハンプシャー州で記者団にこう語った。共同通信が伝えた。 
 問題の財団は、夫のビル・クリントン元大統領が主宰し、温暖化や貧困への対策、女性の地位向上に取り組む慈善団体「クリントン財団」だ。 
 ニューヨーク・タイムズ紙によると、ヒラリー氏周辺の資金の流れを追った「クリントン・キャッシュ」を来月出版する作家、ピーター・シュワイツァー氏が、同財団に献金した外国政府や企業が、ヒラリー氏が長官時代の国務省から有利な取り計らいを受けていた-と主張している。 
 シュワイツァー氏は、レーガン政権で国防長官を務めたキャスパー・ワインバーガー氏との共著『ネクスト・ウォー-次なる戦争』(二見書房)でも知られる人物だ。
 AP通信によると、少なくとも16カ国の政府が最大1億3000万ドル(約155億円)を財団に献金していたという。この中には、女性の人権侵害が深刻なサウジアラビアなども含まれていたことが先に問題化し、同財団は外国政府からの献金を欧州4カ国とカナダ、オーストラリアの計6カ国に限定する方針を決めたばかりだった。 
 ヒラリー氏は12日の出馬表明に合わせて財団の理事職から退いているが、共和党側は「出馬する資格があるのか、有権者に疑問を抱かせる」(ポール上院議員)などと攻撃を強めている。

今後、複数の米主要メディアが、シュワイツァー氏の協力を得て調査報道を行う方針といい、ヒラリー氏の選挙戦略にダメージとなりそうだ。
この記事で掲載されていた、『クリントンキャッシュ』は、今年日本でも出版されています。以下にこの書籍に関して簡単に説明します。

米大統領選では、あれだけ大本命と言われたヒラリー・クリントン前国務長官が、民主党内の指名争いで、サンダース上院議員と大接戦になるほど追い込まれています。指名争い初戦のアイオワ州での党員集会では、両者はわずか0.3%差でした。

日本での報道からは、なぜかファーストレディーや国務長官を務めた「スーパー・ウーマン」ぶりしか伝わってこないだけに、この苦戦ぶりは私達には意外にも思えます。そこで、その謎を解く鍵になるのが、今年2月10日に発売された本書『クリントン・キャッシュ』(著・ピーター・シュバイツァー、監修・あえば直道)です。

クリントン・キャッシュ

著者のピーター・シュバイツァー氏はこれまでにも議員の不正行為などを果敢に暴いてきました。彼が今回、目を向けたのは、クリントン一家が運営している「クリントン財団」をめぐるお金の動きです。

著者は財団の財務情報や、各国での報道などを調べ上げ、同財団に海外政府や企業などが多額の献金を行ってきた事実を丹念に描き出しています。しかも彼らは、クリントン一家がアメリカ政府を動かし、自分たちに便宜を図ってくれることを期待して、お金を振り込んでいた可能性があるというのです。

こうしたスキャンダルにまみれたヒラリーは、ついに国民の過半数から「嘘つき」「信用できない」と思われるまでになってしまい、選挙戦でも痛手を被ったのです。こうした裏事情を知らなければ、大統領選の真相は見えてきません。ヒラリーの疑惑に斬り込んだ本書は、まさに大統領選を語る上で必読の書と言えます。

この書籍で、もう一つの重要な点は、「チャイナ・マネー」です。南シナ海に人工島を建設するなど、中国による周辺国への脅威は日を追って増すばかりです。日本にとっても、同盟国アメリカと連携して、いかに危険な行動を抑止していくべきかが問われています。アメリカ大統領選は、外交政策を担っていくのかという問題でもあります。


『クリントン・キャッシュ』を通じて浮き彫りになってくるのは、「ヒラリー大統領」は日本の安全にとってはマイナスであるという点です。外国からの献金をやすやすと受け取ってしまう一家に、アメリカの外交を任せられるのでしょうか。

実際に、夫のビル・クリントン氏が大統領だった時代には、米民主党が中国からの多額の献金を受けて問題になったこともあります。この書籍から、「チャイナ・マネー」に弱い米大統領が誕生することの危うさを読み取っていただければ、幸いです。

ところで、アメリカはいわゆるエスタブリッシュメントとといわれる、ほんの一部の支配層が支配する国でした。そのエスタブリッシュメントのうちの多数派の中国に対するエンゲージメント派は、いずれ中国は民主化するであろうと見ているようで、中国は将来的にアメリカにとって自分たちが御せる良い市場になると信じているようです。

これに関しては、以下の動画をご覧いただければ、良く御理解いただけるものと思います。



この動画をご覧いただければ、アメリカでは中国に対して、簡単にいうと媚中派のエンゲージメント派と中国反対派のコンテインメント(封じ込め)派が存在しており、アメリカの富の大きな部分を握っているわずか上位0.1%のエンゲージメント(媚中)派が圧倒的に優勢であることを語っていました。

ただし、この動画の伊藤­貫は、ルトワックのような軍事や戦略の専門家ではないことと、アメリカに長期間滞在しアメリカのエスタブリッシュメントやエンゲージメント派に多大な影響を受けていると見られます。

そのためでしょうか、中国の軍事力を過大に評価しているところがあります。現実の中国の軍事力は、伊藤氏の想定よりはるかに遅れています。しかし、これはアメリカのエンゲージメント派の中国に対する見方なのだと思います。

さて、クリントン氏は、エンゲージメント派の操り人形であるばかりではなく、先ほども述べたように、チャイナマネーも受け取っているということです。そう考えると、クリントン氏はとても日本にとっては良い大統領候補とはいえないです。

そうして、無論のこと外国勢力からお金を受けているため、アメリカにとっても良い候補者ではありません。

これと対照的なのがトランプ氏です。トランプ氏は自身がとてつもない富豪なので、膨大な選挙資金も自ら調達できます。

トランプ氏以外の候補者は、多かれ少なかれ、エンゲージメント派に多大な影響を受けていることが考えられます。というより、上の動画に示されているように、オバマも含め、歴代の大統領はほんどが、エスタブリッシュメントの操り人形だったと見るべきです。

このような背景があるので、今のアメリカはエンゲージメント派にとって都合の良い社会になっているため、それに反発する人たちが、トランプ氏を支持するので、トランプ人気は衰えるどころか、さらに加熱しているのです。だから、トランプ・トレインという現象が起こっているのです。そうして、エンゲージメント派の力がいかに強大であったにしても、実数はアメリカの0.1%に過ぎないのです。

このような状況ですから、エンゲージメント派は、強大な権力を駆使して、アメリカ国内で、トランプ氏を糾弾するためのありとあらゆるキャンペーンを繰り返していることでしょう。

トランプ・トレインに乗り遅れるなという世論が巻き起こっている
トランプ氏というと、確かに過激な発言で不評を買っている部分がありますが、対抗馬であるクリントン氏はさらに不評を買っています。

トランプ氏は、莫大な資産と、自らきずいてきたビジネス・ネットワークを用いてヒラリーは諸外国にカネを無心したことについて、詳細な情報を収集しているものと思います。

トランプ氏は、いずれそれを公にして、勝利を収める可能性は十分にあります。ヒラリーが大統領になるよりも、トランプ氏が大統領になって、トランプ氏に改心してもらい、まともな政治をしてもらうほうが、アメリカにとっても、日本にとっても良いことだと思います。

それに、以前もこのブログに掲載したことがありますが、トランプ氏が大統領になったにしてもアメリカの政治制度からいって、トランプ氏が何もかも好き勝手にできるわけではありません。

まずは、二大政党制ということから、たとえ民主党から共和党に政権交代があったにしても、政治の継続性を保つことから、6割から7割くらいまでは、従来の政権の政治を受け継ぎます。政権交代して、前の政党との違いは、残り3割から4割で出すということになります。

さらに、平時においては、厳密な三権分立制が行われているアメリカにおいては、世界で最も権力のない権力者がアメリカの大統領です。

ただし、戦時になるとアメリカの大統領にかなりの権力が集中します。ただし、これも議会で戦争の決議がなされないかぎり、そうはなりません。だから、トランプ氏が大統領になったなら、とんでもないことになるという見方は間違いです。

トランプ氏もそのようなことは、当然知っているでしょうし、選挙キャンペーン中には過激なことを言っていても、仮に大統領になったとしたら、そのようなことはしないでしょう。ただし、実務で培ってきた、ずば抜けた交渉力がありますから、議員に対しての交渉力も従来の大統領に比較すれば、ずば抜けていることでしょう。おそらく、オバマなど足元に及ばないと思います。

もし、トランプ大統領が実現したとしてら、ここしばらくなかった、エスタブリッシュメントの操り人形でない大統領が登場することになります。



さて、以上のような背景を知ると、朝日新聞がトランプ氏を色物扱いするのは、良く理解できます。他のメディアも同じことです。

日本のメデイアは、最初からトランプ氏を色物扱いし、トランプトレインと言われるようになった最近でも、その姿勢を変えていません。

やはり、日本のマスコミは朝日新聞をはじめとして、多くが、アメリカのエスタブリッシュメントのエンゲージメント派と、中国の影響を多大に受けているのだと思います。

私は、チャイナマネーで動くクリントンと自腹で動くトランプとどっちが良いのかと問われれば、無論トランプと答えます。

とはいいながら、アメリカのエンゲージメント派は、自分たちの利権を守るために、ありとあらゆる手段を講じてトランプが大統領になることを阻むと思います。

日本では、朝日新聞をはじめとする、マスコミなどが、トランプ氏を色物扱いをしていて、トランプが大統領になると大変なことになると喧伝しています。しかし、現実には、ヒラリーが大統領になったほうが、アメリカのエスタブリッシュメント派がさらに勢いをつけることになるので、日本にとってはるかに危険なことになると思います。

そうして、それこそ朝日新聞を含む、日本の反日メディアの望むところなのです。だから、彼らは、ヒラリーの危険性を暴かず、トランプ氏の危険性を煽るのです。

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2016年3月25日金曜日

安倍政権の最重要課題は「デフレ脱却」と再確認せよ! 見当外れな批判と政局予想にダマされてはいけない―【私の論評】10%増税見送りは当然、次の政治課題はマイナス3%の消費税導入によるデフレからの早期完全脱却(゚д゚)!

安倍政権の最重要課題は「デフレ脱却」と再確認せよ! 見当外れな批判と政局予想にダマされてはいけない


1年前から予見していた

来年4月の消費増税先送りと7月衆参ダブル選挙への流れが加速している。「増税先送りでダブル選」予想を繰り返し公言してきた私としては、このテーマは「いまさら感」もある。ここでまた書くのは気が引けるが、政治観察論として見ると面白いので、おさらいしておこう。

私が初めて増税先送りとダブル選予想をメディアで話したのは、昨年8月21日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44837)に書いたように、同7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』である。

テレビだけだと証拠が残らない可能性があるので念のため、当時連載していた同17日発売の『週刊ポスト』コラム「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)にも書いておいた。

昨年7月といえば、安保関連法案をめぐって国会が大荒れで「再来年の増税がどうなるか」などマスコミはまったく注目していなかった時期だ。そんな中、なぜ私が「増税先送りでダブル選」と読んだかと言えば、景気の先行き不透明感が強まる一方、内閣支持率が低下していたからだ。

安倍晋三政権がもっとも注視しているのは、いつも景気動向である。

それは政権が成立して以来、変わらない。安保関連法案を「戦争法案」とレッテル張りしていた野党や左派マスコミは「安倍政権は戦争に夢中になっている」と勝手に思い込んでいるのだろうが、残念ながら、まったく勘違いだ。

当時もいまも変わらず、最優先の政策課題は「戦争」ではなく「デフレ脱却」である。「なんとか景気を良くしてデフレを脱却したい」と願っているのだ。

ここの理解を間違えると、政局の読み筋も間違える。それはそうだ。「首相が何を重視して政権を運営しているか」という出発点の理解がトンチンカンだったら、その先を読めるわけがない。それは当たり前なのに、野党も左派マスコミも大方の政治評論家たちもトンチンカンを続けている。

どうでもいい政局話に拘泥してはいけない

なぜそうなってしまうのか。それは結局、野党や左派マスコミ、政治評論家たち自身が「デフレを脱却しなければならない理由」と「どうしたらデフレを脱却できるか」を理解していないからだ。そもそも政権の出発点にある政治課題を根本から分かっていないのである。

それは彼らの言動を見ていれば分かる。野党や左派マスコミは「景気を良くしたい」と心底から思っていない。彼らが声高に唱えているのは、景気回復ではなく「格差是正」である。

だから安倍政権がどれだけ真剣に景気回復を考えているかを理解できないし、理解しようともしていない。何をしてもケチをつけるだけだ。その結果、野党や左派マスコミが政局見通しを誤っても、それは自分に跳ね返ってくるだけだから、それも良しとしよう。

政治評論家たちに至っては景気も格差是正も時々、思い出したように言葉の端に付け足すくらいで、夢中になって追っかけているのは権力闘争の行方である。

そうは言っても、野党が与党を転落寸前まで追い詰めた局面はないから、首相官邸内で「官房長官がどうした」とか「内輪喧嘩が始まった」とか、どうでもいいようなゴミ話を知ったかぶりして喋っている。そんな調子で大局観をもって政権運営を見通せるわけがない。彼らは見通しを喋るのを商売にしているのだから、罪が深い。

話を戻そう。昨年7月には景気に暗雲が垂れ込めていた。

それは街角のタクシー運転手らに聞いた景気ウオッチャー調査に表れていたし、なんといっても中国・上海の株価暴落が始まっていた。政権支持率の低下に加えて、景気が危ういのに増税で参院選突入となれば、敗北は必至である。だから、増税先送りで政権選択選挙(=ダブル選)に持ち込むシナリオが浮上する(詳細は先のコラム参照)。

実際、翌8月には2015年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報で実質GDPが前期比年率1.6%減のマイナス成長に陥った。この時点で「景気がこの先、大きく落ち込む」ことが確実になった。不動産バブル崩壊に加えて、株価バブルも崩壊した中国が世界経済の足を引っ張るのは、もはや必至だったからだ。

いっそ5%に戻すべき

以来、15年12月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/46714)、16年1月15日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/47386)などテレビ、ラジオ番組も含め、私は終始一貫して増税先送りでダブル選見通しを公言してきた。

安倍政権が首相官邸で開いた国際金融経済分析会合でノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ、クルーグマン両教授が唱えたのも、べつに目新しい見方ではない。ようするに「世界経済が大低迷しているから増税は先送りすべきだ」という当たり前の話である。

それは中国経済の様子を見ていれば分かるし、3月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48092)で書いたように、先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結論をみれば、各国が財政出動で景気テコ入れをしなければならない局面であるのは明白だった。

政府も3月の月例経済報告で景気判断を5ヵ月ぶりに下方修正した。

つまり、いまは増税どころか、実は減税が求められる局面という話である。経済記者は「財政出動」と聞くと、すぐ歳出拡大を思い浮かべるが、減税も財政政策の一環だ。それとも記者たちは「財政は歳出だけで、歳入は関係ない」と思っているのだろうか。

たぶん、そう思っているはずだ。私は「減税は税制の話であって、財政出動とは別」と訳知り顔で解説する経済記者に出会ったことがある。こういう記者は経済学の教科書を読んだことがなく、もっぱら財務官僚(それも主計局)の話を聞いて記事を書いているのだ。

記者たちは経済政策に対する理解がトンチンカンだから、補正予算を検討する一方で増税に執着する財務省のトンチンカンぶりが理解できないのである。

安倍首相の経済ブレーンである本田悦朗内閣官房参与は正しく7%への消費減税を唱えているが、私は中途半端な減税ではなく、いっそ5%に戻すべきだと思っている。そういう立場からみると、両教授が増税延期を唱えたのは、実は控えめすぎるくらいである。

相変わらずピンぼけの野党
さて増税先送りとなれば、ダブル選は必至だ。それは「野党がだらしなくて政権側の勝利が確実だから」というような、そこらの政治評論家が言いそうな理由からではない。衆院を解散してもう一度、国民に信を問わねばならない必然性があるからだ。

安倍首相は14年11月の衆院解散に際して「リーマンショック級の異変がない限り、17年4月に消費税を10%に増税する」と国民に約束した。

いま中国のバブル崩壊に端を発した世界経済の低迷はリーマンショックを上回る可能性さえあるから、増税先送りは適切である。ただし、そうだとしても「先送りの判断でいいかどうか」再び国民の声を聞くのは、政治的にまったく正統である。

国民生活に大きな影響を及ぼす増税の是非をめぐって国民の声を聞く。それが衆院解散の大義でなくて、なんなのか。安倍政権は増税断行を強く示唆していたのだから、むしろ解散しなかったら、国民置いてきぼりの政治判断になってしまう。

野党はここへきて増税反対を言っている。野党が反対する増税を、その通り政権が先送りするのだから、増税先送りはもはや与野党の対立軸にならない。すると、ダブル選の与野党対立軸は何になるか。あるとすれば、例の「戦争法反対」くらいだろう。

そうなると、北朝鮮が核とミサイル実験を繰り返し、南シナ海や尖閣諸島で中国の脅威が強まる中「戦争法反対」では、野党のピンぼけぶりが一層、鮮明になるだけだ。

せめてノーベル賞の教授たちが増税延期を言う前に「減税が必要だ!」とでも言っておけば、経済政策で巻き返すチャンスがあったかもしれない。だが、それもいまとなっては手遅れだ。いまから減税を言い出せば「このコラムを読んだから」とバレてしまうに違いない。かくて、安倍政権はダブル選に突き進む。

■長谷川 幸洋

【私の論評】10%増税見送りは当然、次の政治課題はマイナス3%の消費税導入によるデフレからの早期完全脱却(゚д゚)!

10%増税など実施すれば、安倍政権は崩壊します。経済が理解できていない、与野党の政治家は、増税で経済が悪化したのではなく、アベノミクスはそもそも失敗だと思い込むか、政治的駆け引きのための道具にして、与党議員は安倍おろしに奔走し、野党はここぞとばかり、政権交代への橋頭堡をつくるため奔走することになります。

この奔走が激化し、いずれにせよ、安倍政権は崩壊し、安倍政権以外の政権ができあがります。しかし、そうなっても、次の総理大臣が経済を全く理解していなければ、景気の低迷は続きます。

そうして、現在中国の経済は落ち込むのは目に見えていますし、それ以外にも原油価格が落ち込み、産油国である新興国の経済が落ち込んでいます。さらに、世界各地に地政学的リスクが存在し、いつ何がおこり、経済に悪影響を及ぼすかもしれない状況にあります。

最悪の場合、リーマン・ショック級もしくは、それ以上の経済の悪化を招くかもしれません。そうすると、日本は再度失われた20年に突入することになります。

そうなると、また、新たな政権は短期政権で終わります。これを3〜4回繰り返しても、経済を理解しない総理が擁立され続けたら、いずれ民主党への政権交代への麻生政権のようになり、民進党かあるいは、他の政党、もしくは野党を統合した連列政権に、結局政権交代されてしまい、自民党は下野することになります。

実際、リーマンショツクのあった、2008年前後には、短期政権が続きました。以下に歴代の総理大臣の在任期間を含む表を掲載します。


しかし、その後の野党も経済を理解していないので、これも3年続けば良いくらいで、また自民党に政権交代することになります。

しかし、それでも経済を理解しない人間が、総理大臣になれば、また先の繰り返しで、数ヶ月から長くて1年少しくらいのスパンでしかもたない政権が続くことになります、そうして、3年前後で政権交代が続くことになります。

こんなことを20年も繰り返していれば、政治はさらに腐敗し劣化し、経済などを含む国力は地に落ち、すぐに日本が破綻するということはないでしょうが、いずれ日本も先進国から発展途上国にまで落ち込んだ、今日のアルゼンチンのようになることでしょう。

このブログに以前掲載したように、 アルゼンチンと日本に関しては、1971年にノーベル経済学賞を受賞した、アメリカの経済学者・統計学者サイモン・グズネッツーは以下のように語っています。

サイモン・クズネッツ
「世界には4つの国しかない。 先進国と途上国、そして、日本とアルゼンチンである」1900年初頭、アルゼンチンは黄金期を迎えていました。世界を制するのはアメリカかアルゼンチンか。そう言われるほどの国力を誇っていたのです。

実際、その当時の国民1人あたりのGDPは、およそ2750ドル。同じ時期の日本は1130ドルでしたから、日本の2倍以上の経済力があったことになります。

この関係が逆転したのは、1967年のこと。高度経済成長に沸く日本、そして停滞・後退を始めたアルゼンチン。

戦後の混乱から、奇跡的な発展を遂げた日本は、資源がほとんどない小国でありながら先進国の仲間入りを果たしました。一方アルゼンチンは、豊かな資源がありながら、工業化に失敗し、衰退しました。

途上国から先進国になった日本と、先進国から途上国になったアルゼンチン。どちらの事例も非常に稀なことであり、それをもってグズネッツは前述の言葉で世界には4種類の国があると説明したのです。

しかし、日本が先に掲載したように、10%増税などという愚かな政策を実施した場合、日本は数十年後にそれこそ、アルゼンチンのように、先進国から発展途上国に仲間入りすることになりかねません。

日本も、アルゼンチンのようにアルゼンチン・タンゴを踊るようになってしまうかもしれません。

そんなことにならないため、10%増税阻止はもう規定事実であたり、当然のことであるという認識を持つべきです。そうして、安倍総理はそのような認識でいることでしょう。それは、以下の橋本政権と、現在の安倍政権の比較をみても容易に理解できることです。

安倍内閣と橋本内閣の比較

しかし、8%増税でも経済が悪化したわけですから、当然のことながら、消費税を増税前の5%にするという考え方が出てくるのは当然のことです。

今後の政治課題は、10%増税を見送るのは当然のこととして、消費税減税をするかどうかになることでしょう。

消費税を5%に減税するという考え方は、長谷川 幸洋氏のオリジナルのように掲載されていますが、そうではありません。私の知る限りでも、評論家で経済アナリストと自称しておられる、森永卓郎氏も提言していました。

その他、経済学者の田中秀臣氏も、経済アナリストの中野剛志氏もそのように提言していました。

私はさらにもっと過激な提言をしたいと思います。

上のチャートに掲載したように、橋本内閣で日本で初の3%増税が導入されました。チャートにもあるように、橋本内閣は増税の半年後に支持率が急落し、2年半で退陣ということになりました。なぜ、そのようなことになったかといえば、増税後経済が低迷したからです。

そうして、橋本龍太郎氏は後に、3%増税は失敗であったことを認め、国民に謝罪しました。

そもそも、3%増税が失敗だったのです。経済が良くないときに増税して失敗するのは当然でした。橋本内閣は、増税ではなく減税をすれば良かったのです。できれば、3%減税をして、その時に同時に金融緩和を実行すればよかったのです。そうすれば、橋本政権はもっと長期政権になった可能性もあります。いずにせよ、この増税から日本の経済は低迷して、後に失われた20年と呼ばれることとなりました。

さて、ここから、私の提言です。

そもそも、3%増税で橋本政権は失敗して、その後は、5%増税、8%増税がなされて、それがことごとく失敗しています。であれば、消費税そのものをなくしてしまうか、本来橋本政権で実施すべきであった減税を実施するべきです。

そうして、ここからが私の提言です。まずは、消費税そのものを完璧になくすのです。5%どころか、0%にするのです。しかし、これでは、橋本政権がすべきだった減税という政策を実施するには至りません。

そうです。橋本政権が実施すべきだった、減税政策を現在実行するのです。そうです、マイナス金利ならぬ、マイナス消費税を導入するのです。

具体的には、マイナス3%減税を導入するのです。お客様が小売店で、100円の買い物をした場合、マイナス3%の消費税ですから、お客様から商品の代金として、100円を頂いたら、3円をお客様に返却するのです。

ただし、そのようなことは面倒でしょうから、現実的には、正札に100円と書かれている商品を売るなら、最初から97円で売るのです。これで、マイナス3%増税ができます。しかも、何も面倒な手続きがいらず、店頭ですぐにそれができます。

プラスの消費税だと、お店側では、いちいち計算をして、納税するという事務作業が必要です。積極財政にもいろいろあります、たとえば給付金もそうですが、これだと給付金のための役所の手続きが結構煩雑です。

しかし、マイナス金利の場合は、何も煩雑な手続きはいらず、電卓やレジで、3%を代金から引くようにする表示ができれば、すぐに実行可能です。

そうして、その効果は凄まじいものがあると思います。これを実行しつつ、追加金融緩和も実施します。

これだと、かんり短期間に日本経済は、デフレから完全脱却し、また成長軌道に戻り、失われた20年のマイナスを取り戻すことができます。

無論いつまでもこれを続けるわけにはいかないと思います。これを続ければ、当然のことながらインフレが加熱します。そうなった場合は、まずは金融緩和をやめ、次に緩やかな金融引き締めを次に、マイナス消費税のとりやめ、その次にプラス消費税の導入などと段階を踏んで実行すると良いと思います。

そうして、各々の施策を実施するための経済状況の目安を最初から設置しておき、順次実行していくと良いと思います。

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結局のところ、日本の政治は官僚特に財務官僚が主導しているところがまだまだ大きいです。官僚が政治に関与することは一概に悪いことではありませんが、意思決定はその時々の空気に流されることなく政治家、政府が地頭を使って行うべきものです。それすらも、官僚に譲ってしまえば、民主主義は成り立ちません。それを実感していただける三冊の書籍を以下にチョイスさせていただきこました。

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2016年3月24日木曜日

「五体不満足」の乙武洋匡氏が不倫を謝罪 「慕ってくださる方々を裏切る行為」と公式サイトに 妻も「私にも責任の一端」とコメント―【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?

「五体不満足」の乙武洋匡氏が不倫を謝罪 「慕ってくださる方々を裏切る行為」と公式サイトに 妻も「私にも責任の一端」とコメント

乙武氏
ベストセラー「五体不満足」で知られ、自民党が夏の参院選での擁立を検討している作家でスポーツライターの乙武洋匡(ひろただ)氏(39)に不倫騒動が浮上した。「週刊新潮」が最新号で「『乙武クン』5人との不倫」などと題して報道。乙武氏は24日、この記事を受けて「慕ってくださっている方々を裏切る行為であり、決して許されるものではありません」などと公式サイトとツイッターで謝罪した。

乙武氏は2001年に結婚し、2男1女の父。週刊新潮は、20代後半の女性と年末年始にパリなどに海外旅行に出かけたことや、国内でも密会したことなどを伝えている。乙武氏は同誌の取材に不倫を認め、記事によると、この20代後半女性以外にも親密交際した女性が2人おり、「一晩限り」の女性たちもいたことを明かしている。

乙武氏は作家活動に加え、教員や教育委員を歴任。ごみ拾いボランティアも主催している。

【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?

乙武氏といえば、夏の参院選に出馬するという噂がありました。朝日新聞には、以下のような記事が掲載されていたので、今回の不倫騒動がなければ、出馬の予定であったのは間違いないようです。

"

自民、乙武洋匡氏擁立で最終調整 参院選「目玉候補」に

自民党は夏の参院選に、「五体不満足」などの著書で知られる作家の乙武洋匡(おとたけひろただ)氏(39)を擁立する方向で最終調整に入った。東京選挙区か比例区での立候補を検討。4月上旬にも正式発表する。

乙武氏は、障害とともに生きてきた経験をもとに執筆や講演活動を続けており、安倍政権の掲げる「1億総活躍社会」に合うとして、同党の「目玉候補」に浮上した。早稲田大学在学中に出版した「五体不満足」はベストセラーに。2007年から3年間、小学校教員を務めたほか、東京都教育委員なども務めていた。
"
乙武氏は、不倫騒動後にテレビなどでインタビューを受けたときに「参院に出馬されるそうですが」と聴かれて、はっきりとは否定していませんでした。

今回の不倫騒動がなければ、「出馬します」とか「その予定です」と答えたのだと思います。

そんなところに降って沸いたように、不倫騒動が持ち上がってしまったため、大方の予想ではおそらく、参院出馬はこれでなくなったと見ているようです。

しかし、乙武氏の発言からは、今のところ出馬は完璧に断念したという発言はありません。おそらく、自民党のほうとしても、はっきりと断念するというのではなく、様子見というところなのだと思います。

そうして、私自身は、乙武氏は出馬を断念はしていないと思います。

さてブログ冒頭の記事には、本当はまだ続きがあって、「以下は乙武氏のコメント全文」と続き、乙武氏と、奥さんの謝罪文が掲載されています。

この記事でも、それを引用したいと思います。内容は、同じなのですが、ここでは敢えて、「謝罪文公式サイト」からそのまま引用します。画像をキャプチャーしたものを以下に掲載します。


これは、報道機関などにFAXで送信されたものと同じものです。これは、ある放送局には朝四時に送られてきたそうです。

私は、この乙武氏の反応は事の是非は別にして、リスク管理の観点からいって非常に優れたものだと思います。

この観点からいうと、乙武氏もしくは乙武氏に協力しているとみられる、リスク管理の軍師は、かなり良い管理を行っていると思います。

以下、乙武氏の倫理問題は全く別にして、リスク管理の観点のみから、今一度この出来事をみなおしてみましょう。

まずは、乙武氏が週刊新潮で不倫に関するインタビューを受けたときに、「5人の女性」と不倫したとはっきり述べています。これは、おそらく、マスコミなどか調べた場合、おそらくこの5人に関しては、調べることが可能であろうということで、隠し立てせずに最初に5人と語ったうえで謝罪したものと思います。

これを1人、2人などと言ってしまえば、週刊誌やさらに他のマスコミが調べて、別の不倫が発覚などということになるよりも、はるかに傷口は少なくてすみます。

乙武氏に近い人の間では、乙武氏は奔放な人柄であることは周知の事実だったようです。そのため本当は、さらに多くの不倫相手がいたかもしれません。しかし、それは別にして、とにかく5人まではマスコミ等が丹念に調べれば、調査可能と判断して、5人という具体的な数をあげたものと思います。

その後に、朝の四時前後という非常に早い段階で、謝罪文を発信しています。これだと、テレビやラジオだと、当日中にこの事実を報道してもらえる可能性が非常に高いと判断したのだと思います。

新聞でも、紙ベースの新聞には間に合わないかもしれませんが、ウェブ版なら確実に間に合いますし、紙ベースでも夕刊になら確実に間に合います。

そうして、謝罪文に関しても、内容は簡潔で、要領を得たものであり、それも乙武氏のものだけではなく、奥さんの仁美さんのものまで出しています。

そうして、その内容も謝罪文としては、非の打ち所のないものであり、特にすでに夫婦間で不倫に関しては、コンセンサスがとれており、その上でこれからも、夫婦としてともに歩んでいくことが掲載されています。

そうして、この謝罪文は、「謝罪文公式サイト」にも同じものが、かなり早い時期に掲載されています。このサイトへのリンク先を以下に掲載しておきます。
http://ototake.com/
そうして、この掲載されているサイトがすごいのです。すごいとは、一体どういうことかというと、これに関しては「ふくゆきブログ」という個人ブログの内容をご覧いただくとわかると思います。そこから、以下にその内容をそのままコピペさせていただきます。
今回、不倫で有名になった乙武さんの謝罪文はAWSのS3で構築してる。技術的にもプロの犯行だ。S3とは、ざっくり言うとAmazonさんが運営してるほぼ絶対落ちない静的サーバのことです。http://ototake.com をDNSで全部S3に降ってる。要するに謝罪文しか表示しないけど絶対落ちないサーバをAmazonさんから短期的に借りる。今後、芸能人の謝罪文はAWSのS3というソリューションが増える。GMOさんは芸能人に強いのに営業しないのかな。CAと組んで謝罪文サーバとか売ればいいのに。これは、芸能人のサイトを運用している人には重要な事例だ。教科書にのるかもしれない。むしろ、今後の謝罪ページのセオリーになるかもしれない。昔に比べて、DNSの浸透は爆速になったので、こういうのが可能なんだろな。
今まで、ototake.comを無視して、短期的にS3にDNSを降ることで、以下のメリットが有る。
・いくらアクセスが来ても落ちない。さすがAmazon。・別のサーバなので昔のototake.comの記事が速攻で見られなくなる。(googleキャッシュ、webarchiveとかweb魚拓以外)・謝罪モードが終わった時の復旧が楽。正直、メディア対策として、メリットは大きい。今後、参考にすべきだ。
乙武氏もしくは、そのリスク管理の軍師がAmzonが運営しているこのようなサイトに謝罪文を掲載することを意思決定したということです。

twitterなどのSNSで謝罪などすれば、炎上の恐れもあります。実際、乙武氏のツイッターのタイムラインをみてみましたが、炎上ぎみです。そうして、乙武氏は沈黙しています。ブロックなどはしてはいなようで、タイムラインに批判が結構並んだ状態になっています。

これもリスク管理的にみると、正しい措置です。ここで、乙武さんがいちいち批判に対して、応えていれば、ますます傷口を広げるだけになると思います。また、下手にブロックなどすれば、ブロックされたということが、ツイッターなどのSNSに掲載され、傷口を広げることになります。

しかし、このままだと、乙武は何も応えないということで、傷口を広げることになるところですが、そこは「謝罪専用サイト」設置して、そこに謝罪文を掲載するということで、そこには、一般の人がコメントできない形式で謝罪文だけが掲載してあるということで、これも傷口が広がらないような措置がなされています。

この一連の流れをみると、おそらく乙武さんには、やはりリスク管理のプロがついているのだと思います。

それにしても、そもそも、不倫をしなければ、このようなリスク管理も必要なかったのであり、脇が甘いと言われてしまえばそれまでではあります。しかし、人間は誰しも失敗することはあるので、乙武さんの今回の不倫騒動を単なる不倫の問題の側面だけみていては、何も得ることはありませんが、これをリスク管理の観点からみると、非常に良い事例になると思います。

さて、今のところその観点からいえば、初期対応では管理がうまくいって、同じ不倫騒動でもあの議員退職した、宮崎議員の対応などと比較すれば、プロ級の対応で終わって傷口をあまり広げない措置がなされています。これは、あのSTAP細胞騒動で揺れた、理研のリスク管理よりも数段上です。

2014年4月の会見時の小保方さん
そうして、このような対応をしていることから、乙武さんはまだ、参議院議員に出馬することを諦めていないのだと思います。さらに、参議院議員になれなくても、今回のことで傷ついたイメージできるだけ回復したいと考えているはずです。

そうして、乙武さんの背後にリスク管理のブロがついているとすれば、そのブロは自民党からの公認を得るために、次の手を打つことと思います。

それがどのような手なのか、リスク管理の観点から興味がつきないところです。もし、乙武さんが参院に出馬できたり、あるいは参議院議員になれたとしてら、このプロはただものではないということになると思います。

それから今回は、掲載しませんでしたが、乙武氏は自身のパーソナルブランドを長期間にわたり積み上げ着実につくりあげてきたのですが、それが今回のことでかなり毀損されてしまいました。これをどのように修復していくのかも興味のつきないところです。


私たちは、どのような人からも学ぶことはできます。多くの人が倫理問題のみで思考停止しているようですが、リスク管理や、パーソナルブランドに関して、乙武氏から学べることは多くあります。

この、ブログでも、倫理問題に関しては触れたとしても何の益にもならないので、これからも触れることはありませんが、今後こうした観点から、乙武さんの行動や言動に何か変化が見られた場合、また掲載させていただきます。

【追記】

本日3月25日(金)に追記を加えることにしました。タイトルも少し変えました。

最初のタイトルは『【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研より数段上(゚д゚)!』というものでしたが、本日になって『【私の論評】乙武氏のリスク管理はSTAP細胞騒動で揺れた理研と同レベルか?』にタイトルを変えました。

なぜそのようにしたかといえば、リスク管理の観点からみると、本日に至るまで、記者会見をして謝罪をしないからです。やはり、今回のような件については、自ら記者会見を開催し、謝罪をすべきだったでしょう。

さらに、今回の場合奥さんも謝罪していることから、奥さんも会見場に来て、質問等に応えるべきであったと思います。

しかし、今に至るまで、謝罪会見はないし、その予定も公表されていないことから、リスク管理の観点からすると、これは及第点はあげられるような内容ではありません。

考えるに、乙武さん自身は、選挙がどうのこうのというより、やはり家庭、特にお子さんを省みて、これ以上子供のために晒し者にはなりたくないという思いがあったのかもしれません。

だから、リスク管理をうまくやること、パーソナルブランドの毀損を補うことをやめて、子供のことを第一に考えたのだと思います。

乙武氏がそのように決断したというのであれば、それはそれで良いと思います。何しろ、乙武家は家族であって、企業でもないし、役所でもないのですから・・・・・。

本日は、以下のような記事が産経新聞に掲載されていました。
5人不倫の乙武氏、参院選出馬断念か 夫婦での謝罪コメントに政治への強い未練が…
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、乙武氏の不倫は、あまりにも代償の大きいものだったようです。

乙武氏は、まだ政治家になることを諦めていないというのなら、謝罪会見を実施したでしょうが、それはしませんでした。

これは、これ以上家族、特に子どもを守ろうという意図の現れではないかと思います。少なくとも、私はそう信じたいです。
【関連記事】

手記出版「あの日」…小保方さんは何を語っているのか―【私の論評】小保方さんの手記ではみえないSTAP細胞問題の背後にある危機(゚д゚)!






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2016年3月23日水曜日

【朝日新聞研究】朝日の手法は報道というよりキャンペーン 「日本死ね」問題と安保法制反対の類似―【私の論評】「日本死ね」は、福島産の小麦粉で作ったラーメンに「人殺し」というのと変わりなし(゚д゚)!


待機児童問題を報じる朝日新聞の紙面

保育所の待機児童問題に関するブログが評判になって、自民党がその対処に躍起となっている。

それは、「保育園落ちた日本死ね!!!」と題する匿名のもので、「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか」などと記している。

待機児童問題は深刻かつ重要だが、実に品のない言葉遣いで、日本国家を呪詛(じゅそ)しているように読める。

ブログは2月15日に出され、民主党の女性議員が同29日の予算委員会で取り上げた。その後、広く話題となったが、これには朝日新聞の報道も影響しているようだ。

朝日新聞はまず、3月2日の投書欄で地方公務員の女性が自己の体験に基づいて「乱暴な文章だが気持ちは分かる」と紹介し、4日夕刊には「待機児童問題 広がる共感」という記事を掲載した。それによると、ブログの筆者は30代前半の女性と名乗ったこと、共感する人々が多いこと、政府の答弁に反発する声があることなどが述べられている。

翌5日には、天声人語がこの問題に触れ、6日には前日に行われた、国会前の抗議行動を、カラー写真入りで報じている。安倍晋三首相が国会で「匿名である以上、確認しようがない」と答弁したのに対し、自分たちが実際の体験者だと名乗り出たもので、子供連れで「保育園落ちたの私だ」といった、プラカードを掲げている。

原発反対、安全保障法制反対の行動と極めて酷似している。朝日新聞の記者が写真を写しているから、事前に連絡があったのだろう。

9日には「ブログ『保育園落ちた』共感広がる」「政権一転 改善へ意欲強調」と、自民党も対応乗り出したと報道した。10日には総合面で「保育制度充実を 2万7千人署名」「『保育園落ちた』きっかけ、国に訴え」と、母親が子供連れで、署名を塩崎恭久厚労相に提出したことを伝え、生活面でも「『保育園作れよ』実現するには」と、識者の意見を報じている。

その後も、12日には天声人語で一連の動向を絶賛し、13日には社説で総括的に取り上げている。まことに連日の報道で、これは報道というより明白なキャンペーンではないのか。その目的は安倍政権にダメージを与えて、政権交代に導くことにあるように思えてならない。

しかも、その手法には、大いに疑問がある。そもそも、正しいと思ったことを言うのなら、どんな表現をしても構わないのだろうか。

今回は「日本死ね」という刺激的な表現が使われて、注目を集めた。

だが、「死ね」とは、朝日新聞が徹底的に批判した、かの「在特会(在日特権を許さない市民の会)」のヘイトスピーチ(憎悪表現)と、変わらないではないか。あまりにも極端なダブルスタンダードである。

■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。

酒井信彦氏

【私の論評】「日本死ね」は、福島産の小麦粉で作ったラーメンに「人殺し」というのと変わりなし(゚д゚)!

まず最初にはっきりさせておきたいのは、あまりにも当たり前のど真ん中なのですが、ある個人の子供が保育所が落ちたことと、日本が死ぬ生きるとは、そもそも全く何の関係もありません。一億総活躍社会を目指すということと、一個人の子供が保育園に入れなかったことも直接関係はないです。個人が活躍できるできなことと、日本の生き死には全く関係ありません。

このブログ記事は、個人の問題と国や社会の問題等をごちゃまぜにして、ないまぜにして論じているという点で、全く無意味です。無論、保育所の問題を批判するなとはいいません。だからといって、このような発言をしたり、ブログに書いたりすることは意味がありません。物事は、きちんと分けて論じなければ、筋が通りません。自分の私生活が思い通りに行かないことと、日本という国家を同列に並べること自体が非常に異様で、奇異です。

そうして、このブログの作者には、国とか社会に自分が属している観念がないようです。本当になんと言ってよいのか、無様な個人主義とでも評したくなるような利己的な内容です。

完璧な国や完璧な社会などもともと存在しません。その不完全な社会を変えていこうするのは、正しいことです。しかし、そこで、「日本死ね」などという発言をしてしまえば、自分の属している、社会、国を否定することになります。

社会や国を否定するなら、そこから出ていくしかなくなります。そもそも、この方は、そこまで深く物事を考えていたり、覚悟があって書いているとは到底思えません。利己的な上に、浅薄です。

ちなみに、「日本死ね」という言葉が掲載されていたブログのリンク先を以下に掲載します。


ブログ冒頭の記事で、坂井氏は今回の朝日新聞の「日本死ね」報道に関して、"これは報道というより明白なキャンペーンではないのか。その目的は安倍政権にダメージを与えて、政権交代に導くことにあるように思えてならない"としていますが、まさにこの通りであると思います。そうして、よくもこのような「死ね」などと掲載しているブログを、キャンペーンの中心に据えたものだと思い、朝日新聞もかなり異常だと思います。

このキャンペーンという言葉、戦時中の朝日新聞による、戦争煽り報道を彷彿とさせます。結局、何を煽るかということでは異なりますが、朝日新聞は、創業以来キャンペーン姿勢は、今も昔も微塵も変わっていないのです。以下は、戦時中の朝日新聞の紙面です。



このブログ、「死ね」という言葉も汚いですが、全般的に言葉が汚いです。

それにしても、最近では普通に「日本死ね」とか「安倍死ね」などという言葉が何のためらいもなく遣われています。「死ね」などという言葉を安易に遣って良いはずがありません。

どうして、このような言葉遣いがこの日本で横行するようになってしまったのか、本当に残念なことです。このように「死ね」という言葉が、日常的に横行するようでは、いじめで「死ね」と安易に言ってしまう、中高生が出てくるのも無理からぬことであると思ってしまいます。いや、それどころか、企業内のパワーハラを助長することにもなると思います。


何しろ、言葉遣いや立ち居振る舞いなど本来国民の規範ともなるべき国会議員が国会での審議の最中に「死ね」という言葉を含んだ文章を読み上げてみたり、朝日新聞のような大手全国紙が、平気で「死ね」などという言葉を取り上げ安倍政権妥当キャンペーンを実行してみせたりするのですから、中高生あたりでも、自分の考えを実現するために「死ね」という言葉を遣うことにお墨付きを得たようなものです。

本来ならば、ブログにいくら「日本死ね」という言葉が書かれてあったにしても、国会の審議では、趣旨説明をして、「切実な訴えがあった」とか、「過激な言葉を遣って訴えていた」くらいで留めるべきだったでしょう。

これでは、国会議員や、大手新聞がこぞってヘイトスピーチを奨励しているようなものです。これに対して、政府側も、いくら火消しのためとはいえ、実際に政府がそのヘイトスピーチわ受けて安易に動いてしまったことにも、憤りを感じます。これでは、「日本死ね」などの過激な言葉遣いをすれば、政府も動かせるという前例を作ってしまったようなものです。政府側も、もうこのような挑発には絶対に乗らないようにすべきです。

そうして、このようなことを助長したのが、衆院予算委員会で質問した山尾志桜里議員(民主党)であり、朝日新聞をはじめとする、マスコミです。そうして、これではまるで、国会議員や新聞が、個人ブログの下請けをやっているようなものではありませんか。最近では、国会議員が週刊誌の下請けをやっていると思っていたら、それ以下の議員も存在したということです。

「日本死ね」という言葉を受けて、政府も動くなとはいいませんが、それにしても、もっとやり方があったと思います。そもそも、政府がこの問題について、過去に何もやってこなかったということはありません。過去においては、保育所数は劇的に増えているのですが、待機児童の数は少なくなっていないという事実もあります。これについては、以下にグラフを掲載しておきます。



上記のグラフをみても明らかに、保育所数は増えています。H26年までは、確かに少しずつ待機児童数が減っています。しかし、H27年は増えています。

だからといって、私は、政府は十分やっているから、批判には当たらないというつもりはありません。政府や直接対応する地方自治体に対しては、どんどん批判をすべきと思います。それは、実施しても良いと思います。でもやり方というものがあります。

また、今までの解決方法ではなかなかうまくいかないということで、高橋洋一氏がこの問題をシェアード・エコノミーで解決すべきであることを提言しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
待機児童問題を解決する、ある大胆な提案
しかし、私が主張したいのは、そのようなことではありません。あくまで、品位の問題と、論点をはっきりさせた、議論をすべきであるということを言いたいのです。そうして、国会議員や、マスコミが本来実施すべきことを実施しないことに対する憤りも感じます。

本来であれば、「死ね」などという言葉遣いなど、いくらそういうブログの投稿があったからといって、それをそのまま国会で審議中に読み上げたり、大手新聞がそのまま引用したりすることなど、すべきではありません。

国会議員なら、ただたんにブログを読み上げて、政府を批判するにとどまらず、改善方法、改革方法を提言すべきでした。ブログ見た、それを公の場で読み上げて批判するというだけなら、別に国会議員でなくてもできます。

マスコミも、朝日新聞のようにただただ、批判するだけではなく、この問題の背景を分析するなどして、報道すべきです。待機児童問題は、前から指摘されていることであり、何も今始まった問題ではありません。それを単なる安倍政権打倒キャンペーンにつかうというのでは、まともではありません。

「死ね」は小学校でも禁止されている言葉
こんなことで良いはずがありません。社会には、待機児童問題に限らず、なかなか自分の思い取りにならないことなど山程あります。それに対して、自分の思い通りにならないからといって、「死ね」という憎悪表現を語ったり、ブログに書いてみたり、またそれを国会議員や大手新聞がそのまま引用するなど、本来絶対にあってはならないことです。そうしてそれに、総理大臣が振り回さるようなことがあってはならないです。

そんなことをいちいち許容していては、総理大臣はありとあらゆる人の不満を聴かなければならないことになり、本来の仕事など何もできなくなります。

そうして、私も、このブログで、民主党の幹部などをかなり辛口で批判することもありますが、さりとて、「死ね」などという言葉を用いたことはありません。さすがに、このような言葉を用いるのは、憚られます。当然のことながら、このような言葉遣いをすれば、自分の人格が疑われでしょうし、そもそも、最初からこのような言葉遣いなどできません。それが、まともな人間(最初大人と書こうと思いましたが、それではまともな子どもたちに対して失礼なので人間に改めました)というものです。

言葉遣いといえば、最近これまた酷い事例がありました。

バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)の20日の放送で、男性アイドルグループ「TOKIO」が完成させたラーメンについて、 ミステリー作家の藤岡真(しん)氏(65)がツイッターに「福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」などと書き込んだことから批判が殺到、藤岡氏が謝罪する騒動になりました。 

以下にそのツイートをそのまま掲載します。

TOKIOが作ったラーメンは「世界一うまいラーメンつくれるか!?」という番組企画の一環で、福島産の最高級小麦「春よ恋」が使われていました。これについて藤岡氏は20日の放送後、「TOKIO。究極のラーメンて、福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」「未だに『食べて応援』している馬鹿がいて頭が痛くなる」などとつぶやいたのです。

これに対し、ツイッターでは「文筆活動家にもかかわらず、言葉を全く大切にしていない。 

自分の発言が、福島県に在住している全ての人に対する侮辱で、農家や検査に携わった人達への中傷だ」「こういう人がいるから風評被害ってなくならないんだろうね」などと批判の声が殺到しました。

この騒ぎに藤岡氏は問題となったツイートを削除。23日のツイッターで「わたしの無神経な発言が、多くの皆様を傷付けることになり、大変申し訳なく思っております。
 
福島県の皆様、TOKIOの皆様、鉄腕ダッシュの関係者の皆様に深くお詫び致します。本当に、申し訳ありません」と謝罪し、ツイッターを休止すると書き込みました。

作家百田尚樹氏は、この出来事について以下のようにツイートしています。
このツイートの◯◯さんとは、前後関係から、藤岡氏だと思います。
この作家哀れですね。こんなバカ真似をして何になるというのでしょうか。しかも、年齢は65歳です。このような発言をツイートしてはいけないことくらいわかりそうなものです。

しかし、この藤岡氏のツイートと、「日本死ね」のブログとは、本質的には似たようなものです。自分の思い取りにいかないから、その鬱憤を晴らすために、過激な「言葉遣い」をするという点では本当に似ています。しかも、福島産の小麦粉を用いたラーメンと、殺人とは何の関係もありません。

何も関係ないものを並列に並べて、自分の鬱憤を晴らすために論じるという点では「日本死ね」と似たような論法です。

そうして、今の日本では、このようなことが横行しています。藤岡氏の場合は、たまたま国会議員がとりあげるわけでもないし、大手新聞が取り上げるわけでもないので、彼一人だけが非難されるという結果に終わっているだけです。

こんなことを書くと、「日本死ね」のブログを書いた人は、待機児童問題で困っているではないかと、藤岡氏は何も困ってはいないではないか、言われる方もいらっしやるかもしれません。しかし、藤岡氏は、百田氏のツイートからも類推できるように、売れる本が書けないというどす黒い情念と、執念があるようです。

しかし、世の中には、待機児童問題や売れる本が書けないことなどよりさらに困っている人も大勢いるのです。たとえば、日本の若者の自殺者数は、先進国中では最高の水準にあります。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。
若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、本当にこれは深刻な事態です。日本の自殺者そのものは、デフレの真っ最中の時には、三万人台でしたが、2011年あたりから減り2万人台になり、最近も減る傾向にあります。これは、まずは最近は従来よりは、経済が良くなったこともあり、さらに毎年政府は、自殺対策に予算を割いています。この両方が、功を奏して自殺者数が減ったのだと思います。

ところが、若者の自殺者数が他先進国に比較して、突出して多いということは今でも変わりがありません。

自殺された若者の関係者や、特に親御さんは悲嘆にくれているでしょう。そうして、なんとかならなかったものかと考えておられることでしょう。そんな人たちからすれば、「日本死ね」のブログは、とんでもないものと映るに違いありません。

あのようなヘイトスピーチで国が動くというのなら、自分たちだって、そうしたかったと思うかもしれません。しかし、そのようなことをしても、亡くなった方は生き返らないのです。そんなことよりも、私たちは、若者の自殺者を少なくするような社会を目指すべきです。そんなときに、憎悪表現を用いて、政府や社会を非難しても何の解決にもならないのです。

それに、あの拉致被害者の家族の方々はどう思われるのでしょうか。北朝鮮や政府に対して、ヘイトスピーチをしたりば、問題が解決するはずもありません。最初からそんなことは、わかりきっているので、そんなことをする方もいません。

「日本死ね」「人殺し」などの言葉が横行する日本社会、本当にどこか病んでいるとしか言いようがありません。その根底には、経済でけではなく、言い知れない、どす黒いルサンチマンがあるに違いありません。

さて、福島のことを話題に出しましたが、福島には、福島の放射線量について、丹念に調べてレポートにまとめた素晴らしい高校生たちがいました。それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文―【私の論評】発言するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
福島の高校生たちが調べた被ばく線量に関する結論

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、福島県など国内とフランス、ポーランド、ベラルーシ各国の高校生の外部被ばく線量を比較研究してきた福島高スーパーサイエンス部は、被ばく線量について「ほとんど差はない」と結論づけ、論文にまとめたことを掲載しました。そうして、この論文は英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」に掲載される運びとなったことも掲載しました。

そうして、私はこの記事の結論として、以下の内容を掲載しました。
いずれにせよ、何か発言したり行動するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行えと、声を大にして言いたいです。
これと同じく、国会で発言したり、新聞が報道する際には、エビデンス (証拠・根拠、証言、形跡)をもとにすべきです。

そういうと、ブログもエビデンスではないかというかもしれません。しかし、ブログの記事とか、人の発言そのものはエビデンスとはいえません。それは、単なる一次資料(事実)にしかすぎません。エビデンスと、資料は異なります。

エビデンスとは、この高校生達が実施したように、体系的な調査を経てある程度事実を分析したうえで初めて得られるものです。

国会議員が国会で発言したり、新聞が報道をする際には、単なる一次資料に基づくだけでは不十分です。ある程度調査をした後、エビデンスにしてから、発言、報道をすべきです。

そうして、この高校生たちの比較研究の論文には、憎悪表現など含まれていません。含まれていれば、そもそも、ニュースにもならないし、学術論文に掲載されることもなく、誰にも評価されず、単なる理科実験で終わってしまったことでしょう。

これが、当たり前であって、憎悪表現を含むブログなどに注目した、国会議員や朝日新聞は、どこか根性がひね曲がっています。おそらく、待機児童について書かれたブログであっても、憎悪表現など一言も遣わずとも、人の心を打ったり、琴線に触れるようなものがあるに違いありません。

私自身も、いくつかそのようなものを見たことがあります。そのようなものを用いれば、多くの人々の共感を得られたかもしれません。

そうして、このような愚かな国会議員や、新聞、そうして「殺人」などという言葉を遣う作家に比べて、この高校生たちのような行動こそ、社会人としてまともな行動なのです。それをできない、国会議員や朝日新聞など、しばらくの間は、ショッキングな話題で、一見成功したようにも見えますが、時を経れば、効果は薄れ、来るべき選挙のときにはそんなことは、有権者の頭にほとんど残っていないことでしょう。残っていたにしても、悪いイメージだけで、とても安倍政権の打倒につながるものではなく、かえって逆効果になることでしょう。

最後の結論として、上下左右など全く関係なく、すべからく社会人が発言・発信するなら、特に公に発言・発信するなら、いかなる場合も憎悪表現は禁忌とすべきです。そうして、当然のことながら、発言・発信は、エビデンスに基づいてするべきです。

これが、あまりにも常識的なのですが、当たり前の社会人のあり方です。これができない、国会議員や新聞記者やデスクや作家など、もう一度小学生から常識を学び直すべきです。

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