2012年3月2日金曜日

ついにここまできたか! 今年中にGoogleから近未来型メガネが登場するらしいぞ−【私の論評】従来のものと比較してどこまで改善・改良されたのか?



漫画やSF映画の世界でよく目にする、コンピューターが内蔵されたメガネ。子供の頃に激しく憧れたあのアイテムが、2012年を迎えた今、本当に発売されようとしています。

海外サイト『dailymail.co.uk』に掲載されていた情報によると、スマホや携帯型タブレットPCなどの機能をすべて兼ね備えた近未来型メガネを開発したのは、Google。これは「仮装現実が体感できるようなアイテムを世に出そう」という思いの元、長年Googleが実現のために動いていたプロジェクトなのだそうです。

近未来型メガネにはアンドロイドOSが搭載されており、3Gから4Gのデータ通信機能はもちろん、カメラ機能やGPS機能、音声認識機能なども完備。これによって、周囲の状況を取り込んだリアルタイムの映像をメガネのレンズに表示して拡張現実体験ができたり、話をするだけでメガネに内蔵されたコンピューターを操作したりすることができるのだそう。

さらにこのメガネ、動きに反応するセンサーが付いているため、頭を動かすだけでも操作することが可能。そのほかにも、ネットやメール、電話など、パソコンやスマホそして携帯型タブレットPCが今まで果たしてきた役割をすべてまかなえるだけの機能がフル装備されているというのだから、わくわくしちゃいますよね。


ちなみに以前からささやかれていた近未来型メガネのビジュアルはというと、「形状はジョンレノンがかけているようなかたちの丸メガネで、フレームは黒。そこにボタンが付いていて、どこから見ても普通のメガネにしか見えない」というようなものでした。しかし今回明らかになったメガネのビジュアルは、有名サングラスメーカー『Oakley』で売っているような、ファッショナブルなデザイン。見た目も一気に近未来型に改良されたようです。

ここまで聞いて近未来型メガネに興味が湧いたというあなた、最も気になるのはお値段ですよね。未だ断言はできないそうなのですが、予測されている価格帯は、およそ20000円から48000円の間だと言われています。スマホとさほど変わらない価格ということは、もしかするとこのメガネ、爆発的に普及する可能性もあるかもしれません。

発売は2012年中、つまり今年中には行われるとのこと。当日はメガネを求めて、どこまでも続くなが~い行列ができそうですね。

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【私の論評】従来のものと比較してどこまで改善・改良されたのか?


このようなグラス以前にも、似たようながジエットが販売されていたこともあります。しかし、いずれも、動画がなどみられるとか、バソコンに繋いでバソコンの画面がみられるというものであり、グラス自体がコンビュータというものが、販売されたのは、今回が始めだと思います。そういう意味では画期的なことだと思います。


しかし、画期的とはいいながら、従来にも似たようなものがありながらも、ほとんど普及しなかったのにはわけがあると思います。その点を解消しなければ、このGoogleのグラス型のコンピュータも売れないわけです。本日はそのわけなど、いくつか掲載させていただきます。それとともに様々なwearable computerの写真を掲載させていただきます。


1.パソコンなどの出力装置が必要

従来のこの手のグラスは、結局パソコンやDVDプレーヤーなどの出力装着がなければ、使えませんでした。必ず、バソコンなどの出力装着が必要というのなら、なにもグラスでわざわざ見なくても、パソコンなどで見たほうがてっとりばやいということになってしまいます。やはり、この手のグラスは、単体で、画像、動画を写せるということが必須になると思います。しかし、少なくとも、これは、Googleのグラスはではこれはできるようです。

2.装着すると外の世界が見えなくなる。あるいは、いつも半透明。

この手のグラスは、従来は身につけると、一切外の世界が見えないというものがほとんどでした。これだと、バーチャルリアリティーの中だけ見せるというのであれば、それは、それで良いのでしょうが、場合によっては、危険でしす、閉塞感というものがあると思います。
これに関しては、片目だけ見せるとか、さらに、最近では画像も提示しつつ、外の世界も見えるようにしています。特に画像を見せつつ、外の世界も同時に見える場合など、たとえば、機械の組み立てなどの場合マニュアルと、機械の部品を同時に見ることができ、非常に便利てす。これは、たとえると、ジエット戦闘機のコクピット内のバイロットの前方の風防に計器などの画像を映し出すのと似ており、場合によって、非常に使い勝手が良いものと思います。 今後これが、実用化きされた場合、複雑な部品の組み立てとか、脳外科など様々な分野に活用され、これを利用した場合、多くの人たちの技量を短期間にかなりあげることができるようになると思います。

しかしながら、動画を集中して見るという場合には、やはり、外の世界も見えてしまうのは、良いことではありません。閉鎖して外の世界を一切みられなくするのと、外の世界も見えるようにすることを自由に選択できるのが、最も良いと思います。

このへんを新たなGoogleのグラスがどのように機能させているのか非常に興味のあるところです。


3.入力ができない

従来のこの手のグラスの場合は、まず、入力はできませんでした。無論、かなり長い文章を書くというのであれば、わざわざこのようなガジェットを使わないで、従来のように、パソコンのキーボードで入力してしまったほうが、便利だと思います。

しかし、全く入力できないということなれば、不便この上ないと思います。ここは、スマホやタブレットPCとコラボできるようになっていれば、便利だと思います。グラス画面に、スマホで文字を打ちながら、グラスには打ち出している文字が掲載されるようにすれば一番良いものと思います。

あるいは、もっと進めて、このグラスから、赤外線などが照射されて、たとえば、身近な机や壁などに、バーチャルのキーボードなどが、うきあがり、それをグラスを通して見ながら、文字を打ち込めるようにすれば、かなり良いと思います。

4.駆動時間が短い

このあたりも、従来のものであれば、4時間くらいが、最高だったように思いますが、これも、やはり、iPhone、iPadのように、9時間くらいは使えなければ、いざといときに非常に不便だと思います。それに工藤時間といえば、動力だけではありません。たとえば、画像や動画のコンテンツなども、短時間しか駆動できないようでは意味がありません。やはり、ぶっ続けで、6時間くらいは、提供し続けることができなければ、不便だと思います。



5.えらく嵩張る

この手のグラスは従来のものは、かなり嵩張るものが多かったように思います。写真でみる限りでは、多少嵩張るようではありますが、この程度だとある程度満足というところかもしれません。しかし、重さはどの程度になるかは、わかりません。やはり、すっきりして、普通のメガネのようであり、軽いほうが良いに決まっています。あまり機能を搭載すると、嵩張ることは避けられません。

であれば、単体で動かすよりは、スマホなどとコラボさせるのが良いのかもしれません。スマホであれば、現代人であれば、持って歩くのは、当たり前なので、そんなに億劫がる人もいないと思います。であれば、ついでに、このグラスで、直接電話のやりとりができるようにしたり、skypeや、Google+のハングアウトや、ビデオチャットができるようにしてしまえば、良いと思います。そうであれば、多くの人は、グラスをスマホの付属品として、というより、スマホの能力をさらに拡張するものとしてすんなり受け入れるようになるかもしれません。それに、便利この上ないものになる可能性が大です。

いずれにせよ、以上の5点に関して、Googleがどのように取り組んだのか、それを確かめてみたいものです。取り組みが的を射ていて、使い勝手がどの良いものになっていれば、それこそ、スマホや、タブレットのように売れるものになるかもしれません。いずれにせよ、このグラスに関しては注目です。追跡して、また動きがあれば、ブログに掲載していきます。




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2012年3月1日木曜日

【速報】2012年3月30日以降、すべてのFacebookページがタイムライン表示に切り替わります−【私の論評】こいつはかなり効果のあるプロモーションか!!



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先程Facebookページがタイムラインに切り替わると正式にアナウンスされました。

アナウンスによると、2012年3月30日以降、すべてのFacebookページがタイムラインに切り替わるとのこと。突然の出来事ですが、この大幅な変更は、Facebookページオーナーにとって要注意です。


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今のところ、先行してStarbucksNikeなど複数の企業が既にFacebookページをタイムラインに切り替えています。こちらの公式ガイドページで詳細と、下の方からいくつか既にタイムラインに切り替えている企業のFacebookページをチェックできます。

昨年の夏のf8でのタイムライン発表以降、かねてより噂されてきたタイムラインのFacebookページへの実装により、Facebookページ運用の仕方やページ内のコンテンツの組み方が劇的に変わる可能性もあります。

また、タイムライン仕様のFacebookページになったタイミングで、ファンからのメッセージが受け取れる機能が追加されたこともポイントのひとつです。

いずれにせよ、Facebookページオーナーの方はすぐに対策を!


【私の論評】こいつはかなり効果のあるプロモーションか!!

タイムラインについては、特に個人のベージは昨年よりできるようになっていたのは、皆さんご存知だと思います。しかし、本日このように全ページがタイムライン表示されるにおよび、今回のこの動きは、私は、Facebookによるかなり効果のあがるプロモーションであったように思われます。本日は、このことをfacebookに掲載されていた、健康的な女の子の画像とともに(笑)掲載させていただきます。


タイムライン表示に関しては、なにももったいをつけずに、「◯月◯日から切り替えます」として、すぐにでも切り替えても良かったようにも思われます。システム的に問題があるなら、順次切り替えて行っても良かったはずです。これに関しては、良くGoogleがそのようなことをやっています。たとえば、gmailでも、現在の機能、現在の表示方式に変わるまで、何回かにわたって、一度に全部のユーザーの表示や機能を変えるのではなく逐次やってきたことなど記憶にあります。そうして、実際にこのようにしたとしても、表示が変わるだけであって、表示内容に関して特に変わったり、あるいは、ユーザーの情報が変わってしまうこともないので、特にクレームなどは、なかったと思います。

こんなことからみて、私は、Facebookは最初から個人のベージも企業のページも、最初から全ページをタイムライン表示にするつもりではあったのですが、ユーザーに逐次変えさせることによって、ユーザーにそれを意図して意識して実施してもらうことにより、ユーザーにfacebookを印象付けるあるは、意識してもらうようにプロモーションの一環として行ったのだと思います。

1.ユーザータイムライン表示可能化の告知⇒2.一般ユーザーのタイムライン表示可能化⇒3.企業・ブランドユーザーのタイムライン表示可能化の告知⇒4.同・タイムライン表示可能化⇒5.全ページのタイムライン表示化

こうした段階を踏んで、通常だと、 1.と4.の段階しか踏まないものを、2.3.の段階を増やすことによって、facebookそのものおよび、タイムライン表示をユーザーに訴求したものと思います。この、2.3.の段階を増やすことにより、ユーザーへかなり訴求効果があったものと思います。こうしたことをしなければ、たまにしか、facebookを使わないという人なら、いつの間にか、表示が変わってしまったと思うだけに終わる人も多かったものが、他のメディアにも報道されたり、他のネットの世界でも話題になり、かなり多くの人にタイムラインはもとより、facebookのことも、訴求されたものと思います。


このブログにも掲載しましたが、中には、企業ページのタイムライン化される前に、いずれされるということで、わざわざ、企業ページのタイムライン化されることを前提として、たとえば、コカコーラなどの企業ページはこうなるに違いないというイメージを作成して、ネットに投稿する人まで現れました。こういう人は、特殊でしょうが、ここまでいかなくても、facebookや、他のSNS、他のサイトやブログでも、話題にした人はかなり多かったものと思います。


結果として、このプロモーションは大成功したのではないかと思います。ネットの世界では、様々なプロモーションがありますが、これは、eコマースでのプロモーション手法としてなかなか効果のある素晴らしい方式であることを認識すべきと思います。

なお、上記の写真は、Hot Facebook Girls(100pics)というサイトから、転載したものです。続きをご覧になりたいかたは、こちらのサイトをご覧ください!!それにしても、特にアメリカあたりのfacebookは、結構露出する女の子が多いですね。びっくりです。中には、本人に無断で、ヌード画像を掲載したという事件までおこったようです。それから、もっと露出がきついものもあるようですが、さすがに、そこまでいくと、facebook側から削除されることもあるそうです。それにしても、やはり、自分の美しいさかりの写真をぎりぎりの露出で掲載したいという欲求はあるのだと思います。こういう画像をタイムラインに掲載しておけば、後から本当に良い想い出になるのだと思います。こんなことからしても、タイムライン表示は画期的だと思います。



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2012年2月29日水曜日

もしかして“仕事をしたつもり”になってない?−【私の論評】原点はドラッカーに!! 読むなら原点を読もう!!

もしかして“仕事をしたつもり”になってない?

□ 結構、一生懸命仕事している
□ まわりもそれを認めていて、非難する人はいない
□ でも、成果があまり出ない
これに当てはまる人、いませんか? 正直、私はちょっとドキッとしました。

毎日くたくたになるまで働いて、その努力は認めてもらえても、結果が出せない……。自分は違うと思っていても“仕事をしたつもり”を意外とやってしまっているかもしれません。

なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?

『仕事をしたつもり』によると、ルールや体裁を整えることこそが自分の仕事になってしまっていること、さらにそれに疑問を持たないことが原因とのこと。

例えば、会議。何枚もの凝った資料を作成するより、1枚の箇条書きの資料を用意し、空いた時間を考えることに費やすほうが有用なのではないでしょうか。例えば、おしゃれなお店の地図。デザイン重視のため、なかなかお店にたどり着けず、結局検索し直すことになっていませんか。

などなど、この他にもよく考えてみれば無駄だなあと思うことが、本書には多々事例として載っていて、「確かに……」と読み終わった後、ぐうの音も出ませんでした。

何も考えずに仕事をしたつもりでいれば、失敗しても咎められることはなく、残業するからお金も沢山もらえ、頑張っているように思わせることができるので、“仕事をしたつもり”は根深い慣習になっているようです。

でも、一見良いことづくしで得をしているようなこの状況は、ほんの目先の話で、今後転職や独立など転機を迎えたとき、仕事生活を全うできるかは不安がよぎります。

この甘い蜜を吸っている状況に危機感や退屈感を持った人は、どうすればいいのでしょうか。それは、
・「なぜ」としつこく考えること
・そもそもの目的はなんなのか前提を考えること
この2つを日々意識することだそうです。当たり前のことのようですが、意外と忘れがちかもしれません。

皆さんも“仕事をしたつもり”から抜け出してみませんか?

【私の論評】原点はドラッカーに!! 読むなら原点を読もう!!

さて、上の記事は書籍『もしかして"仕事ををしたつもり"になってない?』の内容を掲載したものですが、これを読んでいてすぐに、ピンときたのですが、これは、結局ドラッカーが著書でいっているところの、『貢献』ということだと理解できました。結局、いくら働いたとしても、上司、同僚、部下そうして会社あるいは顧客に貢献しなくては、何にもならないという、ある意味当たり前といば、当たり前のことです。




しかし、上の書籍では、この「当たり前」のことが意外とできていないことを主題としているのだと思います。この時点で、私には、全くこの書籍に対する興味を失いました。なぜなら、この書籍を読むくらいならドラッカーの『マネジメント』を読見返したほうが、はるかに価値があるように思えたからです。


特に、いわゆるマネジメントに関するものでは、ほとんどの書籍がドラッカーの焼き直しのようなものです。ドラッカー氏が残した書籍を超えるようなものはほとんどないと思います。そうして、いわゆ体系として掲載されている書籍に関しては、ドラッカー氏を超えることはないと思います。表面的には、なにやら新しいことを掲載されてるように見えても、結局は、ほとんどがドラッカーの焼き直しで、事例が新しいに過ぎません。


これを納得していただくため、ドラッカー氏の書籍から、『貢献』という言葉が含まれているものをいくつかピックアップしておきます。どの文章も、いくつかの書籍から私自身がまとめたものです。しかし、考え方はすべてドラッカー氏のものです。




〈知識労働者と貢献〉
組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである。組織の活動や業績とは、企業の場合新製品を出すことであり、市場で大きなシェアを獲得することである。病院の場合は、患者に優れた医療サービスを提供することである。組織のそのような能力に実質的な影響を及ぼすために、知識労働者は意思決定をしなければならない。命令に従って行動すれば良いというわけにはいかない。自らの貢献について責任を負わなければならない。




〈管理者について〉
管理者の仕事は、組織の目標によって規定される。しかも実体がなければならない組織の成功に対し、目に見える貢献を行わなければならない。管理者の仕事は、極力大きなものにしなければならない。明示的に制約されない限り、あらゆることについて権限を持つものとしなければならない。

彼らの仕事は上司ではなく、仕事の目標によって方向づけされる。それは、組織が遂行すべき課題のゆえに存在する。ほかに理由はない。事業全体の成果を指し示し、ここのところは私が貢献したと言えなければならない。情報の中継点にとどまってはならない。



〈組織の優劣について〉
組織の優劣は、平凡な人間をして非凡なことをなさしめるか否かにある。企業がどれほどのものかは、それら3つの問いに社員のどれだけが、なんのためらいもなく、即座にイエスと答えられるかによって知ることができる。その問いとは、

「あなたは敬意をもって遇されているか」「あなたは貢献するうえで必要な教育訓練と支援を受けているか」「あなたが貢献していることを会社は知っているか」である。

どのように、優れたビジネスモデルにしても、組織構造にしても、人のエネルギーがあってこそのものである。だが、そのためには最高の力を発揮してもらい、最大の貢献をしてもらうための手立てを講じなければならない。



〈組織の精神について〉
“業績への貢献”を企業の精神とするためには、誤ると致命的になりかねない“重要な昇進”の決定において、真摯さとともに、経済的な業績を上げる能力を重視しなければならない。致命的になりかねない“重要な昇進”とは、明日のトップマネジメントが選び出される母集団への昇進のことである。それは、組織のピラミッドが急激に狭くなる段階への昇進の決定である。

そこから先の人事は状況が決定していく。しかし、そこへの人事は、もっぱら組織としての価値観に基づいて行なわれる。重要な地位を補充するにあたっては、目標と成果に対する貢献の実績、証明済みの能力、全体のために働く意欲を重視し、報いなければならない。

さて、これはドラッカーの書籍から、『貢献』というキーワードを含んでいる文章わたしが恣意的にいくつかピックアップしたものです。ドラッカーの書籍には、この『貢献』ということばが頻繁にでてきます。

そうして、皆さん私の言いたいことはもうおわかりでしょう。この書籍などの著者の方々には、商売の邪魔をしているようで申し訳ないのですが。やはり、読むならドラッカーを読みましょうということです。たとえば、上の書籍きっとわかりやすく書いているのだとおもいます。

だから、とっつきやすくて最新は良いかもしれません。しかし、上記の書籍では、おそらく、マネジメントの一部分をピックアップしているのみで、全体を体型的に述べているわけではないと思います。だから、書いてある事例のときは良いかもしれませんが、ドラッカーの書籍のように、体型的に原理原則が書かれているわけではありません。であれば、いずれ、読んでも忘れてしまうことのほうが多いと思います。しかし、ドラッカーの書籍の場合は、全体像が浮き彫りにされています。特に、「マネジメント」はそうだと思います。後から何度読み返してもまた、新しい発見があったりします。

いずれにしても、かなり多くの書籍が結局部分的にドラッカーの書籍を局面ごとに焼き治して、ドラッカーの書籍とは異なる事例を掲載して一見理解しやすそうにみせているだけといっても過言ではありません。

だからこそ、ドラッカーを読むべきと思います。皆さんは、どう思われますか?



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2012年2月28日火曜日

橋下バブルに踊る懲りない“シロアリ”たち―【私の論評】潰し屋に惑わされることなく、今は国家についての認識を高めて自分自身を信じるべき!!

橋下バブルに踊る懲りない“シロアリ”たち

<あの竹中平蔵まで虎視眈々>


こりゃあ、橋下特需だ。表舞台から完全に消えていたメンメンが、「橋下ブレーン」を名乗るだけで、やたらとスポットライトを浴びている。その筆頭が、大阪市の特別顧問に就いた中田宏・前横浜市長(写真上)(47)と山田宏・前杉並区長(写真下)(54)だ。テレビの報道番組に出まくり、新聞や雑誌のインタビューを受けたりと引っ張りダコ。現職市長として地元・大阪で多忙の橋下に代わって、在京メディアで「船中八策」を解説して回り、「新しい政治基盤をつくるために働きたい」と鼻息が荒い。


だが、この2人には厳しい視線も向けられている。
「2人揃って首長職を任期途中で放り出した“無責任”政治家。日本創新党をつくって一昨年の参院選に出馬したけれど、ともに当選ラインから大きく外れて落選しました。橋下市長にくっついているのも知名度アップの売名行為にしか見えません」(永田町ベテラン秘書)
橋下特需で仕事が増えているのは「維新政治塾」で講師を務めるという東国原英夫・前宮崎県知事(写真下)(54)も同じ。ネット証券4社合同で3月に開催する講演会で「どげんかせんといかん」というお題で話をするが、講演会全体のテーマは「激動する世界を見すえた資産運用」。どげんして、この男が呼ばれたのか?

橋下に群がる“シロアリ”はゾロゾロ出てくる。小泉政権で閣僚も務めた竹中平蔵・慶大教授(60)と、経営コンサルタントの大前研一氏(69)も関係をアピールしている。



「竹中氏も大前氏も、以前から橋下市長が教えを請う間柄です。橋下さんはああ見えて、目上の人への対応は謙虚で丁寧。竹中氏は『大都市の競争力強化は国の経済力を高める』と言って応援していますし、大前氏は『独裁者・橋下徹を肯定する』という論文を書いた。2人とも政界では昔の名前になりつつありますが、橋下氏にくっついて再登板を狙っているのでしょう」(事情通)



橋下との仲を触れ回って、東京・大阪・名古屋の3都構想を訴える大村秀章・愛知県知事(51)もシロアリだ。一県知事が上京したって通常は全く注目されないのに、橋下との仲介役ぶっているから「石原都知事と会談した」とか「亀井静香に会った」とニュースになる。



だが、過去から這い出たシロアリたちが、どれほどのものなのか。国民はよーく凝視した方がいい。

(日刊ゲンダイ2012年2月25日掲載)


【私の論評】潰し屋に惑わされることなく、今は国家についての認識を高めて自分自身を信じるべき!!




私は、「過去から這い出たシロアリたちが、どれほどのものなのか。国民はよーく凝視した方がいい」という上記のサイトの一文の「国民」という単語を「橋下さん」と変えるべきであると思います。なぜ、このようなことを言うかといえば、良くも悪くも、現在橋下さんは、台風の目になりつつあります。しかし、私自身は、橋下さんは、まだまだ、国政に関してはかなり疎いと思いますので、まずは、今のところは、上記でいうシロアリ(その根拠は薄弱なものもありますが)と呼ばれる人や、他の人が、いずれ時がたてば、潰し屋さんになるかもしれないことを認識すべきです。これは、自民党の総裁や、民主党の代表がコロコロ変わったことでも理解できます。時がたてば、潰し屋さんになるかもしれない人たちに惑わされることなく、今はまずは、日本という国家に対する認識を高めていただきたいと思います。これについては、経済に関して、以前このブログにも掲載したことがあります。

ただし、橋下さんは、今でも自分自身は、「国政はまだ」と語っているので、安心はしているのですが、国政にどうのということで動くのは、早くても、次の次の衆議院議員選挙のときくらいにすべきであって、それより早くすれば、おそらく、失敗するものと思います。

それにしても、最近の動きに関しては、拙速さが目立つようになってきていると思います。そのさいたるものが、『維新八策』です。以下にその骨子のみ掲載しておきます。(無論全部読む必要などさらさら、ありません。ただ、項目がかなり多くというか、あまりにも多すぎであることを実感していただきたく、以下に掲載しました)
(1)統治機構の作り直し
・国の仕事を絞り込む=国の政治力強化

・内政は地方に任せる=地方・都市の自律的経営に任せる

・被災地復興は、被災地によるマネジメントで→復興担当大臣などは被災地首長

・国家の面的全体運営から点と点を結ぶネットワーク運営

・中央集権型から地方分権型へ

・国と地方の融合型から分離型へ

・地方交付税の廃止

・自治体破綻制度

・税源の再配置

・国の仕事は国の財布で、地方の仕事は地方の財布で=権限と責任の一致

・地方間財政調整制度=地方共有税制度の創設

・地方間で調整がつかない場合に国が裁定

・都市間競争に対応できる多様な大都市制度=大阪都構想

・道州制

・首相公選制

・参議院改革→最終的には廃止も視野

参議院議員と地方の首長の兼職=国と地方の協議の場の発展的昇華、衆議院の優越の強化

(2)財政・行政改革

・プライマリーバランス黒字化の目標設定

・国会議員の定数削減と歳費その他経費の削減

・国会改革=役人が普通のビジネス感覚で仕事ができる環境に

・首相が100日は海外へ行ける国会運営

・政党交付金の削減

・公務員人件費削減

・大阪方式の徹底した究極の行財政改革を断行

(3)公務員制度改革

・公務員を身分から職業へ

・価値観の転換

・安定を望むなら民間へ、厳しくとも公の仕事を望むなら公務員へ

・大阪式公務員制度改革を国に広げる

・外郭団体改革

・大阪職員基本条例をさらに発展、法制化

(4)教育改革

・格差を世代間で固定化させないために、最高の教育を限りなく無償で提供

・教育委員会制度の廃止論を含む抜本的改革

・首長に権限と責任を持たせ、第三者機関で監視

・教育行政制度について自治体の選択制

・学校を、校長を長とする普通の組織にする

・大学も含めた教育バウチャー(クーポン)制度の導入

・生徒・保護者による学校選択の保障

・大阪教育基本条例(教育関連条例)をさらに発展、法制化

(5)社会保障制度

・受益と負担の明確化(世代間格差の是正)

・年度毎のフローでの所得再分配だけでなく、一生を通じてのストックによる所得再分配

・一生涯使い切り型人生モデル

・現行の年金制度は一旦清算=リセット

・年金の積立方式への移行(最低ライン)

・さらに、資産のある人は、まずはその資産で老後の生活を賄ってもらう→掛け捨て方式(ストックでの所得再分配)

・何歳まで努力をしてもらうのか、老後いくらを保障するのかを設定=事前告知→それに合わせた保険料を設定

・保険料は強制徴収(税化)

・リバースモーケージ(所有不動産を担保に年金のような融資を受ける仕組み)の制度化

・持続可能な医療保険制度の確立=混合診療解禁による市場原理メカニズムの導入

・持続可能な生活保護制度の確立=就労義務の徹底

・ベーシックインカム(最低生活保障)制度の検討

(6)経済政策・雇用政策・税制

・新エネルギー、環境、医療、介護などの特定分野に補助金を入れて伸ばそうとするこれまでの成長戦略と一線を画する「既得権と闘う」成長戦略~成長を阻害する要因を徹底して取り除く

・徹底した規制緩和による新規参入、イノペーション

・現在存在する社会インフラの徹底した選択と集中

・ストックの組み替え=高度成長時代に造られたストックを成熟した国家にふさわしい形へ

・経済活動コストを抑え、国際競争力を強化

・マーケットの拡大=自由貿易圏の拡大→TPP/FTA

・大きな流れ(円高、海外移転など)に沿った対策=大きな流れを人工的には変えられない

・労働集約型製造業の海外移転は止められない

・貿易収支から所得収支、サービス収支の黒字を狙う

・円高による輸入業の儲けを輸出業の損失へ=円高による為替差損益の調整制度(ソブリンデリバティブ)

・高付加価値製造業の国内拠点化

・サービス産業の拡大=ボリュームゾーンの雇用創出→IR型リゾートなど

・医療・介護・保育の分野では一方的な税投入による雇用創出をしない=ユーザーの選択に晒す

・産業の淘汰を邪魔しない=産業の過度な保護は禁物

・人は保護する=徹底した就労支援

・労働市場の流動化、自由化→衰退産業から成長産業へ、外国人人材の活用

・教育機関による人材養成=グローバル人材の養成

・女性労働力の徹底活用

・フローを制約しない税制=民間でお金を回す(使わせる)税制

・一生涯使い切り型人生モデル

・資産課税=固定資産税は現金化、死亡時に精算(フローを制約しない)

・使った分(設備投資、給料、消費)は消費税以外は非課税

・国民総背番号制によるフロー・ストックの完全把握

・(全商取引の把握=非課税となる要件)

・国民総確定申告制

・超簡素な税制=フラットタックス

・減免、特措法などは原則廃止

・夫婦、障害者、事業承継が課題(方策の一例~一定規模の事業で雇用創出をしている場合のみ、事業承継を認める?それとも原則通り一代限り?資産の売却?)

・脱原発依存、新しいエネルギー供給革命

(7)外交・防衛

・自主独立の軍事力を持たない限り日米同盟を基軸

・加えてオーストラリアとの関係強化

・日米豪で太平洋を守る=日米豪での戦略的軍事再配置

・2006年在日米軍再編ロードマップの履行

・同時に日本全体で沖縄負担の軽減を図る更なるロードマップの作成着手

・日米地位協定の改定=対等

・国際標準の国際貢献の推進

・国際貢献する際の必要最低限の防衛措置

(8)憲法改正

・憲法改正要件(96条)を3分の2から2分の1に緩和する

・首相公選制

・参議院の廃止をも視野に入れた抜本的改革

・衆議院の優越性の強化


以上は、船中八策(せんちゅうはっさく)という幕末維新期、土佐藩脱藩志士の坂本龍馬が、慶応3年(1867年)に起草した新国家体制の基本方針、とされるものを意識して作成されたのは、いうまでもないことですが、これをもともと、の船中八策と比較してみると、あまりにもチマチマしすぎているようにみえます。

ちなみに、下にもともとの、船中八策を掲載しておきます。

一、天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
一、上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事。
一、有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事。
一、外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
一、古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
一、海軍宜シク拡張スベキ事。
一、御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
一、金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。
以上八策ハ方今天下ノ形勢ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之ヲ捨テ他ニ済時ノ急務アルナシ。苟モ此数策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張シ、万国ト並行スルモ、亦敢テ難シトセズ。伏テ願クハ公明正大ノ道理ニ基キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。
公議政体論のもと、
憲法制定
上下両院の設置による議会政治
不平等条約の改定
海軍力の増強
御親兵の設置
金銀の交換レートの変更

など、当時としては画期的な条文が平素な文章として記されています。福井藩の政治顧問であり、龍馬との親交もあった横井小楠の思想からの影響も指摘されています。

8番目の経済政策は、海援隊を組織して貿易を行なっていた龍馬らしい着眼点といえます(金銀の交換レートが国内と国外で異なっていると、二国間で金銀の交換を行なうだけで利益を上げられるので、貿易や物価安定に好ましくない)。

薩土盟約や土佐藩の大政奉還建白書、五箇条の御誓文にまで連なる内容を持っています。 明治政府が憲法の制定と議会開設まで、政府機構を何度も変更し迷走したことを考えると、時代を先取りしていたと言えます。(下の写真は、宮内庁が公開する坂本龍馬自筆の薩長同盟裏書=宮内庁提供)




坂本龍馬の文章はいずれも、非常に、わかりやすい簡潔なものだと思います。それに比較すると、維新八策は、本当にチマチマしていて、まるで、役人が書いたような文章で、なぜこのように下位の部分まで書いてしまうのか理解に苦しみます。こんな細かいことを書き連ねてしまえば、実際に活動していく上で、かなりの制約になると思います。これでは、何かどこかの企業の長期経営戦略か何かのようにみえてしまいます。維新の会は、まだまだ、出来上がったばかりです。まだ、国政に参加しているわけでもありません。それに、トップの橋下さんは、未だ大阪市長です。

維新八策は、企業であれば、設立趣意書のようなものだと思います。設立趣意書が、長期経営戦略のようであっては良いはずがありません。であれば、あんなに書き連ねるのは間違いだと思います。本来はどんな会派なのかはっきりさせ、さらに、結局何をやりたいのかはっきりさせるだけで良いのであり、そのやり方まで細かく書き連ねることは間違いです。こんなことからも、橋下さんには、今は良いブレーンがついていないことをうかがわせます。

そうして、なぜ、上のように細かなことまで書いてしまうのかといえば、いわゆる、シロアリさんたちなのだとおもいます。このシロアリさんたちの思ったことで、あまり、咀嚼されていないことでも、拙速に入れてしまったのだと思います。ここでは、わざわざ書きませんが、これが、多分このシロアリさん、あれは、多分このシロアリさんと特定できそうな部分さえあります。まずは、大括りで、どのような国にしたいのかを前面に打ち出すだけで良いのであって、そのやり方は、それこそ議論百出で、つめていくというのが正しいやり方だと思います。

それから、こういうものの失敗例があります。それは、ご存知民主党の政権交代のときのマニフェストです。あれだけ、詰めの甘い段階で、いろいろと具体的に書いてしまい、結局はなに一つ実行できず、実行できる見込みもありません。結局、あまり細かな方法論まで書いてしまって、後から収拾がつかなくなるなることの典型例だったと思います。これを反面教師にすべきだったと思います。

橋下さん、今は、大阪市長なのですから、あくまで、市政に専念すべきです。橋下さんは、特に国政レベルではまだまだ、経験不足です。特に経済に関しては、まだまだ、国レベルのマクロ経済など理解していません。その他も疎いところがあります。だからこそ、府知事時代にそうであったように、市政専念していく中で、どうしても、国がやってもらわなければ困る部分、国政を変えなければならない部分がでてきたら、まずは、それを中心に国政に働きかける、それと同時に国政のことも、民主党の歴代の総理大臣がやってきたように、シロアリのいうことのつまみぐいせず、自分の頭で考えて学んでいくという姿勢を当面崩すべきではありません。

そうでなければ、せっかく獲得したスターの座から引き摺り下ろされることになりかねません。そうなれば、今のところ良い悪いかは断定はできませんが、とにかく日本の政治改革の運動の一つともなりえる、灯火が消えかねません。この動きがどうなるかは、このブログにも最近掲載したように、何よりも橋下さんが、自らを本当に信じられるか信じなれないかが分水嶺になると思います。橋下さんの動向については、今後も追跡し、何か変化があればまた掲載します。

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2012年2月27日月曜日

ネットスーパーをスーパー便利にする拡張機能−【私の論評】ネットスーパーと通常のeコマースとは異なる?!

ネットスーパーをスーパー便利にする拡張機能


こんにちは。日本生まれのアメリカ育ち、世界中の「面倒くさい」の解消を追究している、enthumble(アンサンブル)です。

ネットスーパーを使われるあなたへ。今回は、ネットでのお買い物をさらに便利にする方法をご紹介します。


例えば、「イオンネットスーパー」を利用するとしましょう。使ってみて感じるのが、商品を選ぶのが意外と面倒ということ。1ページごとに20個の商品しか表示されないので、1回の買い物で「次の20件を表示」という小さなボタンを何度も押すことになります。ページを行ったり来たりするのも億劫です。これでは、やっぱり実際の店舗の方がラクだね...と言われかねません。

そこで、Firefox/Chrome/Operaなどのブラウザを使用している方は、次ページを先読みする拡張機能「Autopager」を導入しましょう。導入すると、ネットスーパーの「次の20件を表示」というボタンを押さなくても、その先のページが自動的に読み込まれて表示されます。つまり、ページをスクロールするだけで商品が延々と表示されるわけです。まるで、スーパーマーケットの棚を端から端まで見ているかのような気分になれますよ。

今では、私たちはスーパーの店頭で、バーコード検索をして、商品情報を得ることができる

この拡張機能、もともとはGoogleなどの検索結果を連続して表示するものとして有名でした。そのため、検索サイトをそこまで使わない...という方が導入していることは少ないと思います。現在は有志のおかげで、対応webページも増えているようです。商品比較のためにページを行ったり来たりするネットスーパーにはぴったりの拡張機能となっているので、この機会に是非試してみてください。

Autopager(Firefox/Google Chrome/Opera)

(enthumble)

【私の論評】ネットスーパーと通常のeコマースとは異なる?!

私は、上のentumbleさんの語っておられることが、一瞬何のことか、よくわかりませんでした。しかし、最後まで、読んでみて、何となくわかりましたが、この違和感は、何なのだろうともう一度よく考えて、はたと気づきました。本日は、そのことを掲載します。


まず、entumbleさんと私の違いの一つ目は、おそらく、近くにネットスーバーではなく、リアル店舗のスーバーがあるかないかの違いだと思います。私の家からは、ダイエーが歩いて3分間のところにあります。半分ダイエーの駐車場に家があるようなものです。あまり、大きなダイエーではないのですが、それでも、食糧品などはだいたい揃っていますし、他の日用品も結構あります。そのためでしょうか、私自身自身はいわゆる、ネットスーパーなるものは、見たことはあるのですが、実際に買い物をしたことがありません。だから、ネットスーバーを見ていて、enthumbleさんのように、イライラしたことは一度もありません。



それから、もう一つこれは、私自身のことですが、私がeコマースを利用するとすれば、たいていは、Amazonであり、それも、バソコンとか、タブレットなどのがジエットとか、食糧品にしても、いわゆる、日常品ではなく、たとえば、御節料理とか、ある程度価格以上のものです。そうして、これらの場合、買い物はいわゆる、楽しみとしてのショッピングです。

しかし、ネットスーバーであれば、購入するものといえば、こうした楽しみとしての、ショッピングではなく、日々の決まりモノとか、重いもの、嵩張るものだと思います。entumbleさんも、このような買い物はをされているのだ思います。であれば、日々使うものを多数比較しながら、ざーっと見ることが必要なのだと思います。そんなときに、わざわざ、20個ずつ表示されるのではイライラしてくるということなのだと思います。それこそ、スーバーの棚の端から端までみるように見ることができれば、かなり便利なのだと思います。要するに、楽しいショッピングというわけではなく、なるべく合理的に素早く買い物をしたいというニーズがあるのだと思います。

対して、私などの場合は、Amazonで買い物するのは、日々購入するするものではなく、せいぜい、年に数回とか、場合によっては、数年に一度買うものであり、買うこと自体が非日常的であり、楽しみであるということです。そのためでしょうが、結構時間をかけて、何回も見ることがあり、また、そのこと自体が結構楽しかったりします。


やはり、eコマースでも、業態により、要求される、機能は異なるということです。ネットスーバーには、ネットスーバーという業態の機能が必要だということです。にもかかわらず、ネットスーバーでも、通常のeコマースのような商品の見せ方しかできないようになっていて、それが、イライラの原因になるということだと思います。



こう考えるとeコマースにも、まだまだ、改善の余地があるのだと思います。そういわれてみれば、このブログでは、Googleが、不動産検索システムや、ファションサイトで失敗していることを掲載したことがあります。これらの失敗も、ひよっとすると、この事例のように意外と商品の見せ方などのことに原因があったのかもしれません。

最近、Amazon Showcaseなるアプリが提供されるようになりましたが、これは、個々のユーザーの興味の対象を表示する新しい方式で、それこそ、 enthumbleさんのようなニーズに対応するという意味もあるのだと思います。


Amazon Showcaseの画面


いずれにせよ、eコマースでも、リアルの店舗と同じであり、業態によって、商品の見せ方など、変えなければならないということです。これを忘れると、あまり業績をあげられないということなのだと思います。


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2012年2月26日日曜日

アップル創業者、12日で辞めた理由を語った−【私の論評】結局は、自らを本当に信じられるか信じられないかが分水嶺になる!!

アップル創業者、12日で辞めた理由を語った:


故スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)、スティーブン・ウォズニアック(Steven Wozniak)の2氏とともに、米アップルの共同創業者である、ロン・ウェイン氏(78 Ron Wayne,写真上)が、創業からわずか12日で会社を去った理由を語っている。

自身のフェースブックで語ったもので「私が離れたのは、コンピュータへの熱意が欠けていたからではありません。リスクの高さや、成功するだろうと思っていましたが、しかし、それがいつになるのか? わたしは何を犠牲にすればそこに辿り着けるのかわからなかったのです」としている。

ウェイン氏はゲーム会社アタリで働く時代に2人と知り合い、1976年にアップル立ち上げに参加。株式持ち分は10%だった。株式は、結果的にわずか800ドルで売却している。

ただ、20代であった2人と比べ、ウェイン氏は40代。また、個人の事情として負債を抱えていたことなど厳しい面もあったことは知られている。これ以上はリスクを背負いきれない中での起業だけに、心中は察するものがある。

ウェイン氏は「わずか4年で300人のミリオネアの一人になれるのだったら、4年間とどまっていたでしょう」とも語っている。とどまっていれば、大富豪になっていたことは間違いない。

退社後は、エンジニア、イラストレーター、作家などとして活躍し、現在は78歳となり、ネバダ州でリタイア生活を送っている。

昨年10月には、亡くなった元盟友ジョブズ氏への哀悼の意を公式サイトで明らかにしている。

  【私の論評】結局は、自らを本当に信じられるか信じられないかが分水嶺になる!!

確かに、ロン・ ウェイン 氏は、アップルにとどまっていれば、ミリオネアになっていたことでしょう。それだけてではありません。それなりに努力していいれば、今日のIT業界ににおいて、いずれかの分野において、指導的立場にあったかもしれません。(下は、左ウォズニアック氏と、右ジョブズ氏)


しかし、私たちは、 ウェイン 氏を責めることができるるでしょか?私たちは、確かに ウェイン 氏のように、後から考えると誰もが認めるようなからとてつもない幸運に恵まれていたことを知るという機会に恵まれることはほとんどないかもしれません。しかし、もっと小さなことで、お金持ちになるチャンスや、リーダー的立場になれる機会など、本当は、山のようにあったかもしれないし、これからもあるかもしれません。

しかし、いわゆる成功者として、自他共に認める人は実際には少ないことから、現実には、 ウェイン 氏のように、滅多にないチャンスにお目にかかることはないにしても、小さな機会は身の回りにたくさんあるにもかかわらず、ほとんどの人が、それを逃しているのではないかと思います。

ドラッカー氏は、以下のよう著書に記しています。
人は、自らが自らに求めるものが少なければ成長しない。しかし、多くを求めるならば、何も成長しない者と同じ程度の努力で、巨人にまで成長する。また、成果をあげ続け、成長と自己変革を続けるには、自らの啓発に自らが責任を持たなければならない。ただし、無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。
また、以下のようにも語っています。
最高のキャリアは、あらかじめ計画して手にできるものではない。自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をしたものだけが手にできる。なぜならば、自らの所を知ることによって、普通の人、単に有能なだけの働き者が、卓越した仕事を行えるようになるからである。
そうして、自らの強みに本当に集中できれば、自信が湧いてくるはずです。そうして、本当の意味で、自らを本当に信じることができるようなります。そうなれば、自らが、みずからに求めることが多くなるはずです。そうなったとき、お金でも、社会的地位でも、目指すものに、凡庸な人物と同じ努力でより近づけるのだと思います。

しかしそこからさらに、一流となるには、何かを犠牲にしなればならないということです。これに関しては、このブログで、あのグリーの創業者である、田中氏の名言をとりあげたことがあります。これに関しては、当該ブログをご覧になってください。(下の写真は、映画が「レジェンド・オブ・メキシコ』で共演したエヴァ・メンデスとサルマ・ハエック。彼女たちがセレブになれたのは、セクシーだったからだけではない、セクシーな女性なら、世の中にゴマンといる。世の中にゴマンといるセクシーな女性がすべてセレブというわけではない)


本日は、人生の先輩である方と、昼食をともにし、特にお金について、お金持ちになれる人と、そうではない人の違いについてうかがいました。結局は、この方が言われていることも、ドラッカー氏の言っていることも同じことだと思いました。この方が、語っておられたことは、結局は自分自身を信じることについてでした。実際に、自分が一見無駄金に見えるようなことでも、使っていて、それがなぜ、使えるかといえば、どこかで、失敗しても、それは自分なら、取り返せという自信があり、だからこそ、様々な事柄に挑戦できたということです。

その自信はどこからくるかといえば、いろいろと、語っておられましたが、言い方は異なるものの、ドラッカーの言っていることと、同じであると私には聴こえました。お金でも、社会的地位においても、結局は、自分自信を信じることができるか、できないかが、分水嶺になるのだと思います。

上の記事で、ロン・ ウェイン 氏は、「私が離れたのは、コンピュータへの熱意が欠けていたからではありません。リスクの高さや、成功するだろうと思っていましたが、しかし、それがいつになるのか? わたしは何を犠牲にすればそこに辿り着けるのかわからなかったのです」と語っています。

もう、ロン・ ウェイン 氏がミリオネアや一流になれなかった理由はおわかりでしょう。そうです、いわゆる成功者といわれる人と比較をすれば、大きなチャンスに恵まれたとき、彼は自分自身を信じられなかったということです。それに、一流となるためには、何かを犠牲にせざるを得ないということを理解できなかったということです。

ただし、ここに一言ロン・ ウェイン 氏の名誉のために、掲載しておきます。彼が、大きなチャンスを逃して、ミリオネアになれなかったり、IT業界で指導的な立場になれかなかったとしても、彼が不幸で、反対にこれらを手に入れたスティーブ・ジョブズ氏が幸福であったとは、一概にはいえません。私自身は、ジョブズ氏は幸福であったと信じたいです。しかし、それは、ジョブズ氏のみが知ることです。


上のドラッカー氏の言葉を思い出してください。「自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をしたものだけが手にできる」。この中に、価値観という言葉がでてきます。この価値観に合致しなければ、いかに大成功したようにみえても人は幸せにはなれないということです。逆に、価値観に合致していれば、たとえ、何かを犠牲にしても、幸福でいられるということです。


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2012年2月25日土曜日

【朝まで生テレビ】討論番組なのに井戸実社長がほとんどしゃべらずTwitterに没頭! 井戸ファン「沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ」−【私の論評】何もしないことが、正しい選択肢であることもある!!

【朝まで生テレビ】討論番組なのに井戸実社長がほとんどしゃべらずTwitterに没頭! 井戸ファン「沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ」:


レストランの『ふらんす亭』や『ステーキハンバーグ&サラダバー けん』を運営する株式会社エムグラントフードサービス。その代表取締役社長・井戸実氏が、テレビ朝日の人気生番組『朝まで生テレビ』に出演している。

しかし、放送開始からまったくしゃべらず、沈黙モードに突入しているというのだ。しかも放送中にスマートフォンをいじってTwitterに書き込みをしているのである! 全国に放送されているのに、なんという度胸!

井戸社長は他のコメンテーターが激論しているなか、スマートフォンをいじってTwitterに書き込みをしているだけで、ほとんどしゃべらないのである。討論番組なのに、沈黙しているのである。

他のTwitterユーザーや視聴者たちが「はやくしゃべってください!」と書き込みしても、「無理(笑)」「むり」と書き込みして沈黙モード。

この件に対して、インターネット上で24時間ずっと井戸社長をウォッチングしている井戸ファンのN氏はこう語る。「なぜわからないんですか? 井戸社長は沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ。しゃべらないことがメッセージなんです。素人には難しいと思いますが、これが井戸流なんですよ」(N氏 談)

確かに、そういわれてみればそんな気がしなくもない。沈黙することで、何かしらのメッセージを視聴者や若者たちに伝えているのかもしれない。沈黙で雄弁に語る。さすが、井戸社長である。

 

<続報>

【朝まで生テレビ】井戸実社長が生放送中に番組に飽きる / Twitterで本音をポロリ「ね。眠い」

 
私の論評何もしないことが正しい選択肢あることもある!!


私は、残念ながら、この朝まで生テレビはみていなかったので、実際にテレビの中で井戸社長のやっていることが、「沈黙」によって本当に訴えかけになっているのかどうかは、判定できません。しかし、世の中には、確かに何もしないことが、正しい選択肢であることもあります。(下は朝まで生テレビの過去の番組)

 

 

ドラッカーは、意思決定について、以下のように述べています。

 

何も決定しないという代替案がつねに存在する。

意思決定は外科手術である。システムに対する干渉であり、

ショックのリスクを伴う。

よい外科医が不要な手術を行わないように、不要な決定を行ってはならない。 

 

何も決定しないというのは、何もしないことではないのです。今は何も決めないという意思決定をしているのです。そう考えれば確かに、上の井戸社長の沈黙は、何もしないことを選択したのかもしれません。これに感しては、私はテレビを見ていないので、どなたかこれを判定できた方がいらっしゃれば、コメントをお寄せいただきたいものです。

 

かつて、ドラッカー氏は、「ネクスト・ソサエティー」という書籍で、日本の官僚に対する異説ということで以下のように記載しています。このことについては、以前のブログにも掲載したことがあります。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、その中に、いわゆる官僚による先送り(当面何もしない)戦術に関して掲載しています。その部分のみ、以下にコピペしておきます。

日本では、先送りが有効であるというものである。日本はこの40年間(現時点では50年間)、解決不能さされていた社会問題を、問題の解決ではなくむしろ先送りによって二度までも解決してきた。もちろん、今日の金融システムにおける構造上の脆弱さと資金的な余力を考えれば、今度ばかりは先送り戦略もうまくいかない。しかし経験的には、日本の先送り戦略には一概に不合理とはいえないものがある。

 

日本の政治家、官僚、経済界などの政策形成者にとっては、大事なのは経済よりも社会であって、先送りこそ合理的な戦略というものである。

 

成功した二つの先送り戦略とは、「農村部の非生産的な人口を何もしないことにより解決したこと」すなわち、都市部への農村部からの大移動です。

 

次に「非生産的な小売業の革新。小売業の革新に関しては、結局検討はしたが何もせずに、解決している。50年前と比較すると今日、流通業の問題は社会的にも経済的にもほぼ解消している」。非生産的だった家族経営の商店は、今でも残っていますが、特に都市部では、そのほとんどが小売チェーンのフランチャイズ店になっています。今や、日本の小売業は、世界で最も効率的な流通システムになっています。そうして、かなり利益もあげるようになっています。

 

逆に失敗は、しなくても良いことをして失敗していることがほんどです。

 

たとえば、1980年代において、他国なら不況とはみなされないような程度の景気と雇用の減速を経験したとき、そこに変動相場制移行によるドルの下落が重なり、輸出依存度の高い産業がパニックに陥りました。官僚は圧力に抗しきれず、欧米流の行動をとりました。景気回復のために予算を投入しました。しかし、結果は、惨憺たるものでした。先進国では最大規模の財政赤字を出しました。株式市場は高騰しました。都市部の地価はさらに上昇しました。借り手不足の銀行は憑かれたように投機家に融資をしました。そうして、ご存知のように、バブルははじけ、こうして金融危機がはじまりました。

 

ドラッカーは、日本の官僚は、先送り戦略で成功し、逆にしなくても良いことをして失敗したことを、指摘しています。

 

とくに、1980年代には、余計なことをして、インフレを助長して、その結果として1990年代に入ってバブルが崩壊して大変なことになっています。

 

最近の状況は、上記とは異なりますが、何やら1980年代と似ていなくもないような気がします。財政規律ばかり重んじて、とにかく政府の借金さえなくなれば良い、またなくならなければ、何もできなくなるという危機感から、増税を目論んでいます。しかし、このブログでは何回も掲載してきたように、デフレの最中の増税は、さらにデフレを深刻化させるだけです。そうなれば、税収も増えません。このことは、橋本内閣のときの増税の結果もそうであったし、さらに古くは、1930年代のアメリカの金融恐慌の原因もそうでしたし、それに引き続く日本の昭和恐慌の原因もそうでした。まったく、人間というものは、本当に喉元すぎれは熱さを忘れであり、歴史に学ぶことができないのだと思います。

 

増税論議は、財務官僚が主導していることは間違いないですが、まさに、彼らは1980年代と似たようなことを全く反対のやり方で、実行しようとしています。愚かなことです。

 

このままだと、1990年代にバブル崩壊という大きな経済反動があったように、2020年代には、昭和恐慌か、それをしのぐ規模の、大恐慌がおこる可能性が大です。

 

ここは、本来は、井戸社長のように、何もしないことのほうが、はるかに良い結果をもたらすと思います。日本国内では、昨年3月11日に大震災が発生し、さらには、深刻な原発事故がありました。昨年の夏あたりで、すでに、阪神淡路大震災のために投じた資金を上回ったと言われています。さらに、震災の復興は、何が何でもやらなければなりません。そのための財源がないというのなら、何も増税などせず、過去にも何回も行われてきた、建設国債を発行すれば良いことです。

 

何も特殊なことをせず、黙って当たり前の真ん中を実施していれば、市場に復興資金がでまわり、これが、デフレ克服に良い影響を及ぼします。もうすでに、マネタリーベースは、かなり増えています。マネタリーベースが増えれば、過去の経験則からいえば、1年後くらいから景気は良くなり出します。さらに、継続的に震災復興や、原発事故対応の大規模な除染活動などをすれば、さらに、資金が投下されます。そうなれば、デフレは黙っていても、克服されるわけです。

 

そんな最中に、増税などしてしまえば、元の木阿弥になり、デフレからさらに、脱却できなくなります。公務員の給料が下がり、さらに増税ともなれば、デフレをさらに加速させるだけです。国家公務員の賃金が下がれば、それにあわせて、いずれ地方公務員の賃金も下がります。こんなことをやっていれば、火に油を注ぐようなものです。増税するのに、公務員の賃金が高いままであれば、国民の合意を得られないというのなら、まずは増税をやめることです。そうして、積極財政と、金融緩和を同時に行うべきです。しかし、これをやりたくないというのなら、いっそのこと、増税もやめ、公務員の賃金カットもやめ、何も余計なことはすべきではありません。

 

ここは、上記の井戸社長の沈黙戦術のように、増税などのようなことはせず、やったにしても、過去に何回も実施してきたような、建設国債の発行とか、当たり前の真ん中のみをすべきです。余計なことをすれば、過去の過ちを繰り返すだけになります。

 

 

 

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