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2023年9月12日火曜日

政府からの「需要不足解消」はミスリード 望まれる政策は最後の「ひと押し」 増収分は減税で国民に還元を―【私の論評】消費減税は現状の日本で最も有効な政策!岸田首相は消費税減税で空前絶後の大サプライズを(゚д゚)!

まとめ
  • 内閣府は、需給ギャップがプラス0.4%と発表したが、潜在GDPの計算方法見直しによるもの。
  • 雇用指標からは、需要不足は解消されていないことがわかる。
  • デフレ脱却とは言い難く、政府には成長減税をすべきと指摘。

 内閣府は、4-6月期の需給ギャップがプラス0.4%と発表した。これは、コロナ禍前のピークだった19年7-9月期以来、3年9ヶ月ぶりのプラスである。しかし、潜在GDPの計算方法の見直しによって、需要不足が解消されたとは言い難い。

需給ギャップ AI生成画像

 まず、内閣府は、19年7-9月期の需給ギャップを0.3%と公表していた。そこから潜在GDPを算出すると、555.7兆円となる。しかし、今年1-3月期に計算方法を見直し、潜在GDPを550.8兆円と低く見積もった。

 筆者はGDPギャップを算出している。その際、失業率がほぼ下限とされる2.5%を達成するときに、GDPギャップがないと想定している。そのため、潜在GDPはかつての内閣府試算より2%程度高めになっている。

 さらに、潜在GDPは技術進歩によって一定程度上昇するので、これらの要素を考慮すると、需給ギャップはマイナス3%(15兆円)程度あると筆者は見ている。

 雇用関係のデータからも、需要不足が解消されていないことがわかる。有効求人倍率は7月に1.29倍と、3ヶ月連続で減少している。また、失業率は7月に2.7%と、4-6月より上昇している。

 これらのことから、内閣府の発表は、潜在GDPの計算方法の見直しによって、需要不足が解消されたように見せかけた、ミスリーディングなものである。

 実際の経済は、コロナの行動制限もなく上向きではあるが、デフレの完全脱却とは言い難い。政府には、税収の自然増収を成長減税として国民に還元し、経済をさらに活性化させるべきだ。

 これは、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】消費減税は現状の日本で最も有効な政策!岸田首相は消費税減税で空前絶後の大サプライズを(゚д゚)!

まとめ
  • 2023年7月、日本経済は前期比0.4%と鈍化。
  • 個人消費は低迷、設備投資は停滞。
  • 原油高や物価上昇で国民の生活苦が深まる。
  • 消費税減税は、国民の消費意欲を喚起し、経済を活性化させる最善策。
  • 消費税減税を実施しない限り、日本経済は衰退する。

日本経済は2023年4-6月期に実質GDPが前期比1.5%増、年率換算で6.0%増と3四半期連続のプラス成長となりました。これは、前期の反動増や、訪日外国人観光客の増加、自動車輸出の好調などによるものです。これは、同期の米中より高いものであり、驚くべきことでもあります。しかし、消費は低迷していました。

これについては、以前このブログでも解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

コラム:米国が中国上回る経済成長、今年最大の「サプライズ」に―【私の論評】マスコミが報道しない、日本が米中上回る経済成長、今年最大の「驚愕の大サプライズ」か(゚д゚)!
この記事から一部を引用します。
日本経済は2023年4-6月期に実質GDPが前期比1.5%増、年率換算で6.0%増と3四半期連続のプラス成長となりました。
サプライズ AI生成画像
これは、一般のエコノミスト予想を超える大幅増であり、コロナ禍からの回復が続いていることを示しています。
今期の実質GDPの内訳は、民間消費が2.1%減、住宅投資が7.7%増、設備投資が0.1%増、政府消費が0.4%増、公共投資が5.0%増、輸出が13.6%増、輸入が16.2%減でした。内需がマイナス1.2ポイント、外需がプラス7.2ポイントの寄与度でした。
結局のところ、大部分が輸出によってこの成長がなされたということができます。個人消費などを含め内需が依然
として低迷していたので、私はこの記事の結論で以下のように述べました。
日米経済には、不安要因もありますが、中国経済よりははるかに御しやすいことだけは間違いないです。岸田首相、このような有利な状況で、経済を良くできなければ、特に内需喚起策を実行できなければ、責任問題になると思います。
そうして、案の定7月以降は、輸出の鈍化や、内需の低迷などにより、成長率が鈍化しています。2023年7月のGDP成長率は前期比0.4%と本来の水準には戻っていません。7-9月期は引き続き成長が鈍化するか、マイナス成長になる可能性も大です。

その他次のような指標もあります。

家計消費の低迷

2023年7月の家計消費支出は前年同月比0.8%増と、2022年10月以降4か月連続の鈍化傾向となっています。また、2022年12月以降の平均成長率は0.4%と、先進国の中で最低となっています。

出典:内閣府「経済財政白書」

設備投資の停滞

2023年7月の設備投資は前年同月比1.8%増と、2022年10月以降3か月連続のこれも鈍化傾向となっています。また、2022年12月以降の平均成長率は1.0%と、先進国の中で最低となっています。

出典:内閣府「経済財政白書」

これらのエビデンスから、日本経済において需要が回復していないことがうかがえます。

具体的には、家計消費が低迷している理由として、以下のようなものが挙げられます。
  • 賃金の伸び悩み
  • 物価上昇
  • 雇用環境の悪化
設備投資が停滞している理由として、以下のようなものが挙げられます。
  • 不確実性の高まり
  • 海外経済の減速
また、製造業を中心に輸出は回復していますが、サービス業を中心に国内需要は低迷しており、日本経済全体の回復を阻害しています。

今後、日本経済が回復するためには、家計消費の拡大や設備投資の活性化が不可欠です。そのためには、上の高橋洋一が主張するように、税収の自然増収を成長減税として国民に還元し、経済をさらに活性化させ、さらにガソリンのトリガー条項を発動させたり、資源・エネルギー価格の高騰への対応策を打ち出し不確実性の低減をするなどの政策が求められるでしょう。

経済学者の田中秀臣氏も、上の高橋洋一の記事と同じような主張しをしています。以下にその記事のリンクを掲載します。
財務省の〝しょうもない計算ミス〟と動きが鈍い岸田政権 屁理屈は大概にすべき!消費低迷の特効薬は減税だ

以下に要約を掲載します。 

日本の消費が悪化している原因は、庶民のおカネの不足です。物価上昇により、庶民の生活は苦しくなり、消費意欲が低下している。

7月の家計調査によると、実質消費は5カ月連続の減少となりました。また、魚介・肉類など食品は10カ月連続の減少で、しかも消費減少への寄与度も大きい。

岸田文雄政権は、生活必需品の価格が高くなっても積極的な消費支援策を打ち出していない。例えば、ガソリン価格はレギュラーが1リットル当たり200円を超えた地域もあったが、岸田首相はガソリン価格抑制のための補助金の延期をなかなか決められなかった。

消費低迷の特効薬は、消費税減税だ。しかし、財務省やその影響にある政治家や専門家たちは、国民が減税まで買い控えるという理屈で、消費税減税に反対している。

この理屈は、バカげている。一時的な消費の減少を打ち消すだけで、それ以降は消費拡大が続くだろう。減税しないための屁理屈は、大概にすべきだ。

田中秀臣氏は、諸費税減税をすべきと主張しています。消費が低迷しているから、消費減税せよという主張は全く正しいと思います。

両者とも減税策を主張するのはなぜなのでしょうか。

補助金は、政府が特定の事業や企業に対して、資金を提供するものです。補助金の審査や配布は、市町村などの自治体が行うことが一般的です。そのため、補助金の事務量は膨大になり、自治体の行政力を圧迫します。また、補助金の審査は、公平性や透明性を担保するために、一定の時間を要します。その間に、経済対策の効果が遅れ、経済体躯が滞ってしまう可能性があります。

現実には、あまりにも事務量が膨大なので、審査は形ばかりのことになっていることが多いです。コロナ関係の補助金でも、様々な不正行為が行われていたことは記憶に新しいと思います。それに補助金というと、Colabo問題等でいわゆる「公金チューチュー」スキームが思い出されます。まさに、補助金は不正の温床となる可能性もあるのです。

役場の補助金交付申請窓口に殺到した人々

一方、減税は、政府が国民や企業の負担を軽減するものです。減税の事務量は補助金に比べて少なく、経済対策を速やかに進めることができます。また、減税は、補助金のように特定の事業や企業に限定されず、国民や企業全体に効果が及ぶというメリットがあります。

マクロ経済的には、補助金も減税も、消費や投資を促進し、経済を拡大させるという点で同様の効果をもたらします。しかし、補助金は事務量が多く、経済体躯が滞りがちであるという点を考えると、日本はもっと減税策を活用すべきだと思います。

具体的には、消費税の減税や、低所得者向けの所得税・住民税の減税など、国民の生活を直接支援する減税策を積極的に実施すべきです。また、企業の設備投資や研究開発を促進する減税策も有効です。

補助金は、特定の事業や企業を支援する必要がある場合に、有効な手段です。しかし、一般的な経済対策としては、減税策の方が効率的であり、効果的であると考えられます。 特に今の日本はそうです。

さて、減税策自体は今の日本では有効であることは、ご理解いただけたと思います。では、減税の中でも、消費税減税をすることはどのようなメリットがあるのでしょうか。

現在の日本では、個人消費が低迷しており、経済成長の足かせとなっています。そのため、個人消費を促進する経済対策が最も効果的であると言えます。

消費税減税は、個人消費を促進する最も直接的な手段です。消費税は、国民の所得から直接的に税収を徴収する税金であるため、消費税を減税することで、国民の可処分所得を増加させることができます。可処分所得が増えることで、国民は消費を増やすようになり、経済全体の活性化につながります。

また、消費税減税は、国民の生活を直接支援する効果もあります。消費税は、日常生活で必要となる食料や日用品にも課税されるため、消費税減税は、国民の生活コストを下げることにもつながります。生活コストが下がることで、国民は余裕を持った消費が可能となり、経済の活性化につながります。

もちろん、消費税減税には、財政赤字の拡大や、インフレの懸念などのデメリットもあります。しかし、現状ではここ数年毎年一般税収は過去最大を更新し続けています。そうして、これは予想値を上回っています。予想値を上回った部分を、高橋洋一が主張するように、成長減税として消費税減税を実施すべきです。これだと財源の問題はありません。

具体的には、消費税率を5%に引き下げることが効果的であると考えられます。消費税率を5%に引き下げることで、国民の可処分所得を約10兆円増加させることができます。

デフレから完全脱却していないうえ、さらにエネルギー資源が高騰している現在、消費税減税が行われれば、かなりの効果があると考えられます。

内閣府の発表では、潜在GDPの計算方法の見直しによって、需要不足が解消されたように見せかけたり、財務省やその影響にある政治家や専門家たちは、国民が減税まで買い控えるという理屈で、消費税減税に反対しています。

岸田首相はこのような言説には惑わされず、消費税減税を実行すべきです。日本では、過去には消費税は増税される一方で、減税は一度もありません。安倍首相でさえ、三党合意の壁に阻まれ、二度消費税の増税を延期し、財務省にはじめて楯突いた首相として評価されましたが、最終的には在任中に二度の消費税増税をせざるを得ませんでした。

ここで、もし岸田首相が消費税減税に踏み切れば、大サプライズとして、国民や市場関係者などの評価は高まるでしょう。これは、大サプライズで終わらず、日本はデフレから完全脱却して、再び成長軌道にのることでしょう。

可処分所得の拡大で消費を増やす女性 AI生成画像

今のままだと、岸田政権はたとえ内閣改造を行ったとしても、支持率の低迷は避けられないでしょう。岸田首相は来年秋の総裁選に出馬できなくなる可能性もあります。たとえ、出馬しても総裁になれない可能性があります。

無論、今のまま、消費拡大策を行わなければ、誰が総理大臣になっても短命で終わると思います。挙句の果てに、いつか来た道のように、自民党下野ということになりかねません。

そのようなことにならないため、自民党の積極財政派は、今一度大きな声をあげ、自民党をそうして岸田首相を救って頂きたいと思います。

現状では、百田新党の動きや、維新の躍進、国民の動きもありますし、岸田政権が続投しても、大きな悪影響はないと思います。それよりも、来年の総裁選で、あり得ないような人が総理大臣になって日本を毀損することだけは避けたいところです。それに、大サプライズをした岸田首相なら、今後はまともな政策を実施することが期待できると思います。

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2023年9月25日月曜日

まさかの「岸田減税」あるか?田崎史郎氏が“爆弾発言”、木原誠二氏「やりゃいいんだよ」―【私の論評】保守派の願いを叶えよ!岸田首相は消費税減税を(゚д゚)!

まさかの「岸田減税」あるか?田崎史郎氏が“爆弾発言”、木原誠二氏「やりゃいいんだよ」

まとめ
  • 岸田政権は、野党の減税攻勢に対抗するため、経済対策で減税を検討している。
  • 田崎史郎氏や木原誠二氏の発言を根拠に、所得税や消費税の減税が有力視されている。
  • ネット世論からは冷ややかな声も上がるが、本格的な減税となれば、野党側は争点を失うことになる。
山形産のサクランボを試食する岸田首相

 岸田政権は、ガソリン税のトリガー条項発動や消費税率の引き下げなど「減税」を訴える野党に対抗するため、経済対策で「減税」を打ち出す可能性がある。

 政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、岸田首相周辺から聞いた話として、所得税や消費税の減税を検討していると発言した。また、木原誠二前内閣官房副長官も、減税をすべきだと主張している。

 しかし、ネット世論からは「選挙前の小手先」や「やるやる詐欺」といった冷ややかな声も上がっている。

 もし、岸田政権が本格的な減税を打ち出せば、衆院解散に突入した場合、野党側は数少ない争点を失うことになる。また、トリガー条項発動などガソリン減税に踏み出せば、長らく要求してきた国民民主を連立政権に加えるシナリオが一段と現実味を増す。

 果たして、岸田政権は「減税サプライズ」を打ち出すのか。その出方が注目される。

【私の論評】保守派の願いを叶えよ!岸田首相は消費税減税を(゚д゚)!

まとめ
  • 保守主義とは、既存の制度や秩序を守る思想である。
  • 保守派は、消費税減税を実現させるよう、岸田首相に求めている。
  • 消費税減税は、既存の制度や秩序を守るためにも重要である。
  • 消費税減税は、日本経済を活性化させるためにも重要である。
  • 岸田首相は、保守派の願いを叶え、日本の未来を守るために、消費税減税を実現すべきである。

増税のイメージがついてしまった岸田首相がやるべきことは・・・・

増税のイメージがついてしまった岸田政権が起死回生策を実行するつもりなら、減税サプライズが最も効果があると考えられます。所得税減税もありですが、最大のものはやはり消費税減税でしょう。これに関しては、このブログでは何度か掲載したことがあります。それらの記事のうちで、最近のもののリンクを以下にあげます。
政府からの「需要不足解消」はミスリード 望まれる政策は最後の「ひと押し」 増収分は減税で国民に還元を―【私の論評】消費減税は現状の日本で最も有効な政策!岸田首相は消費税減税で空前絶後の大サプライズを(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より一部を引用します。 

具体的には、消費税率を5%に引き下げることが効果的であると考えられます。消費税率を5%に引き下げることで、国民の可処分所得を約10兆円増加させることができます。

デフレから完全脱却していないうえ、さらにエネルギー資源が高騰している現在、消費税減税が行われれば、かなりの効果があると考えられます。

内閣府の発表では、潜在GDPの計算方法の見直しによって、需要不足が解消されたように見せかけたり、財務省やその影響にある政治家や専門家たちは、国民が減税まで買い控えるという理屈で、消費税減税に反対しています。

岸田首相はこのような言説には惑わされず、消費税減税を実行すべきです。日本では、過去には消費税は増税される一方で、減税は一度もありません。安倍首相でさえ、三党合意の壁に阻まれ、二度消費税の増税を延期し、財務省にはじめて楯突いた首相として評価されましたが、最終的には在任中に二度の消費税増税をせざるを得ませんでした。

ここで、もし岸田首相が消費税減税に踏み切れば、大サプライズとして、国民や市場関係者などの評価は高まるでしょう。これは、大サプライズで終わらず、日本はデフレから完全脱却して、再び成長軌道にのることでしょう。
そうして、この記事では以下のように締めくくりました。
現状では、百田新党の動きや、維新の躍進、国民の動きもありますし、岸田政権が続投しても、大きな悪影響はないと思います。それよりも、来年の総裁選で、あり得ないような人が総理大臣になって日本を毀損することだけは避けたいところです。それに、大サプライズをした岸田首相なら、今後はまともな政策を実施することが期待できると思います。

岸田首相が政権の安定と継続を願うなら、消費税減税こそ最大の手立てです。そうして、消費税減税はEU諸国などでもその効果は確かめられています。減税という大きな括りでは、米国をはじめとする多数の国々で、その効果は確かめらています。

保守主義の本質は、既存の制度や秩序を守り、社会の安定を維持することです。そのため、改革は必要に応じて行うものの、その際には既存の制度や秩序を壊さないように、慎重に進めることを重視します。要するに体操競技でいうところの、ウルトラCはしないということです。

具体的には、以下の3つの要素が保守主義の基本的な考え方として挙げられます。
  • 漸進主義:改革は、既存の制度や秩序を壊さないように、慎重に進めるべきである。
  • 実証主義:改革は、すでに確かめられた方法で実現すべきである。
  • 中庸:改革は、過激なものではなく、バランスのとれたものであるべきである。
女子体操

もちろん、保守主義にもさまざまな立場があり、必ずしもすべての保守派がすべての政策に反対するわけではありません。しかし、一般的には、上記のような考え方を共有しているといえるでしょう。

こうした正統的な保守主義の立場からすれば、LGBT法の拙速な成立は、これに反するものです。これを一つをもっても、自民党は保守政党とはいえません。他にも、自民党が保守政党とは呼べない理由はいくつもあります。

ただ、保守主義の立場からいえば、岸田政権がLGBT法成立の過程で行った拙速さは許さないものの、現状では岸田政権を継続しつつ、改革をすすめていくというのが、正統な行き方だと思います。しかし、その前提として、少なくともすでに効果が確かめられている、消費税減税などの減税策を実行すべき、というのが多数の保守派の本音だと思います。

さて、保守派のこうした願いを、岸田首相は、今年の秋に15兆円の補正予算と、消費税減税のサプライズで、叶えてくれるのでしょうか。

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2023年9月21日木曜日

岸田首相が掲げる〝雇用と投資拡大〟の経済対策 目途の「真水15兆円」指示できるかがカギ、財務省色の濃淡も注目―【私の論評】岸田首相の経済対策、15兆円規模で実現か?保守派は警戒を怠るな(゚д゚)!

高橋洋一「日本の解き方」

まとめ
  • 岸田文雄首相は新たな経済対策を提案し、「物価高から国民を守り、賃上げと投資の拡大の流れを強化したい」と述べた。
  • 経済対策の中核は雇用創出と投資促進で、インフレ目標を設定して賃上げを実現する方針を採用すること。
  • 真の需給ギャップがマイナス3%(約15兆円)であるとの見方から、経済対策の規模は15兆円が必要。
  • 望ましい政策は、マクロ経済の視点からは柔軟で、政権が優先する分野に財政を投入すること。
  • 改造内閣では大きなメンバー変更はなく、15兆円の経済対策の実現が注目されており、財務省の影響や政策路線が焦点となる。
 岸田文雄首相は新たな経済対策について、「物価高から国民を守り、賃上げと投資の拡大の流れをより強いものとする総合経済対策にしたい」と発言した。経済対策の規模や内容、改造内閣の顔ぶれから、実際にはどのような政策が出てくるだろうか。

岸田首相

 岸田首相は物価高などに対応する経済対策を来月中をめどに取りまとめると述べ、「必要な予算に裏打ちされた思い切った対策とする」として、裏付けとなる補正予算案の編成を指示する考えを明らかにした。

 まず、賃上げしたいなら雇用を作らなければならない。なので、冒頭の発言は「物価高から国民を守り、雇用と投資の拡大」という表現が正しい。

 マクロ経済学の言葉でいえば、物価と失業率の逆相関関係を示すフィリップス曲線上で、最低の失業率と最低のインフレ率を示す「NAIRU(インフレを加速させない失業率)」を目指すということになる。

 そのなかで、インフレ率に対応するのがインフレ目標だ。この状態になれば、「インフレ率プラス1~2パーセント程度」の継続的な賃上げが実現しやすい。

 こうした経済状況は、需給ギャップ(供給サイドの潜在GDPと、実際の需要サイドのGDPの差)がない状態で達成される。もちろん、ここでの需給ギャップは本コラムで筆者が繰り返して指摘しているもので、内閣府などが出している数字とは異なるものだ。

 先日の本コラムで、真の需給ギャップはマイナス3%(約15兆円)程度あるとした。この見方からいえば、マクロ経済的に必要な経済対策は、需給ギャップを埋める真水15兆円だ。

 こういうと、「民間需要が出てくるので、公的需要ですべてを埋める必要はない」という意見も出てくるだろう。もっとも、民間需要をどれだけ誘発できるかは不確定な要素が大きいので、安全サイドに立てば需給ギャップを景気対策規模の目途にした方がいい。先日の本コラムで、真の需給ギャップはマイナス3%(約15兆円)程度あるとした。この見方からいえば、マクロ経済的に必要な経済対策は、需給ギャップを埋める真水15兆円だ。

 その内容については、マクロ経済の観点からは何でもいい。ミクロ経済からみて、時の政権が重視するところに財政を充てればいいだけだ。

 岸田首相は、今回の改造を「変化を力にする内閣だ」とも語った。具体的な分野としては、ガソリン対策、災害対策、15兆円規模のGX(グリーントランスフォーメーション)投資、異次元少子化対策などを挙げた。

 今回の改造では、財務相、経済産業相、国土交通相、官房長官ら、具体的な分野のほとんどが留任閣僚なので、改造の顔ぶれによる変化はあまりないだろう。

 あとは、岸田首相が15兆円規模の対策を指示できるかどうかだ。対策全体の規模はまさに首相の判断によるところが大きい。木原誠二氏の後任で新たに官房副長官となった同じ財務省出身の村井英樹氏がどのようにアドバイスするかも注目だ。

 緊縮路線なのか、積極路線なのか、財務省色がどの程度なのかもわかるだろう。

【私の論評】岸田首相の経済対策、15兆円規模で実現か?保守派は警戒を怠るな(゚д゚)!

まとめ
  • 岸田首相が15兆円規模の経済対策を支持できるかどうかは、岸田首相の経済政策の方向性と、党内勢力や支持率の影響を受ける。
  • 岸田首相が経済対策を行ったとしても、その後の財政再建に向けて増税に踏み切る可能性が高い。
  • 国民は、現政権がいつでも増税を検討していることを意識し、警戒しておくべきである。
高橋洋一氏は上の記事で「緊縮路線なのか、積極路線なのか、財務省色がどの程度のかもわかるだろうと」としています。岸田首相が15兆円規模の対策を支持できるかどうかに、焦点をあてています。

自民党世耕幹事長

この点については、私自身は、世耕幹事長の発言等から、意外と実現する可能性は高いのではないかと思います。以下にその発言の内容を掲載します。
政府がまとめる経済対策について、自民党の世耕参議院幹事長は19日の記者会見で、15兆円から20兆円規模の対策を講じるべきだとの考えを示しました。

世耕氏は、電気やガス料金の負担軽減策に加え、投資を後押しする施策や低所得者への支援策なども盛り込むべきだと述べました。

世耕氏は、過去には増税や緊縮的な財政で経済の勢いの腰を折ってきた歴史があると指摘し、経済がよい局面に入りつつある中でさらに加速させる対策が必要だと強調しました。
ただ、本当に警戒すべきは、このような経済対策を行った後です。

内閣改造後の閣僚の顔ぶれをみると、鈴木俊一財務相が留任し、首相側近の官房副長官に財務省出身の村井英樹氏が就任しています。両氏とも、増税派です。

木原稔氏

一方、「非緊縮派」の立場からは、初入閣の木原稔防衛相が、積極的な財政政策を支持する党の財政政策検討本部のメンバーとして知られています。

今回人事には「増税・負担増」批判や保守派への配慮も見られますが、全体的に見れば、政府の財政政策が強く財務省に依存する方向に進んでいることが明らかです。さらに、岸田首相の経済政策は党内勢力や支持率に影響を受けやすいものです。

首相が大規模な経済対策と補正予算を採用したとしても、その後の「負担増」路線には警戒が必要です。

岸田首相が経済において、真の変化を実現したいのであれば、補正予算で少なくとも真水15兆円程度の資金が必要です。本来なら消費減税が望ましいところですが、実現が難しいでしょう。

次期衆院選対策として大胆な策を打ち出しても、選挙後に「デフレ脱却宣言」をし、財政再建に向けて動き出す可能性があるかもしれません。国民は、現政権がいつでも「増税」を検討していることを意識し、警戒しておくべきです。それを予感させるようなことはすでにあります。
  • 防衛費の増額
2022年12月8日、岸田首相は、防衛費の増額をめぐり、自民・公明両党に税制措置の検討を指示しました。2027年度時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針で、増税の開始時期は経済情勢などを見極めて決定するとしています。
  • 少子化対策
2023年7月20日、岸田首相は、少子化対策の財源確保に向け、社会保険料の引き上げを検討する考えを示しました。具体的には、医療保険と介護保険の料率を引き上げる案が有力となっています。
  • 社会保障制度の持続性
2023年8月3日、岸田首相は、社会保障制度の持続性を確保するためには、消費税の引き上げも検討すべきとの考えを示しました。ただし、現時点では具体的な検討は行われておらず、2024年度末の税制改革大綱で議論される見通しです。

9月20日 税金に関して本音をポロリと出した岸田首相

これらのエビデンスから、現政権は、防衛費の増額、少子化対策、社会保障制度の持続性など、さまざまな政策の財源確保のために、いつでも「増税」を検討する姿勢にあることがわかります。

国民は、現政権がいつでも「増税」を検討していることを意識し、警戒しておくべきです。

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2023年10月12日木曜日

所得税や消費税の減税浮上 法改正で実行可能、社会保険料減免する手も 衆院「減税解散」なら岸田政権は負けない公算大―【私の論評】減税は、国民の自由と繁栄を促進する(゚д゚)!

高橋洋一「日本の解き方」

まとめ
  • 政府の経済対策をめぐり、減税が論点になっている。
  • 減税を行う場合、税法の改正が必要になる。
  • 所得税については、低所得者には減税と給付金を併用することで恩恵を拡大することができる。
  • 消費税については、社会保障目的税であることは減税の障害にはならないという指摘がある。
  • 社会保険料の減免も広く国民が利益を享受できる方法として提案されている。
  • 自民党内でも減税を求める声が高まっており、岸田首相は与党の議論を踏まえた上で経済対策を決定する予定である。

 政府の経済対策をめぐり、減税が論点になっている。岸田首相は賃上げ税制などの減税措置を打ち出しているが、与野党から所得税や消費税の減税を求める声も出ている。

 減税を行うには、税法の改正が必要だ。税法改正の実際の作業は財務省によって行われるが、税法を成立させるのは国会であり、改正の方向性を決めるのは政治家だ。

 所得税については、低所得者には減税と給付金を併用すれば、恩恵を大きくすることがでる。また、消費税については、社会保障目的税であっても減税は可能だ。日本以外にも多くの先進国で消費税が導入されているが、社会保障目的税になっているのは日本だけだ。

 社会保険料の減免も、国民に利益を享受できる方法だ。ただし、社会保障の財源がなくなるので、一般会計から社会保障特別会計への一般財源の繰り入れが必要になる。

 自民党内でも、減税を求める声が上がっている。岸田首相は、与党の議論を踏まえて、効果的な経済対策を検討するとしている。

 次回の臨時国会で衆院を解散できれば、「減税解散」となり、岸田政権は有利になる可能性が高い。減税は、国民の支持を集める効果的な政策だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 これは、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】減税は、国民の自由と繁栄を促進する(゚д゚)!

まとめ
  • 消費減税は、商品の買い控えなどの社会混乱を招くという主張は、事実に基づいていない。
  • 日本の税収は、経済活動の正常化や賃上げの加速により、今後も増加する見通しである。
  • 減税は、人々が稼いだお金をより多く手元に残し、好きなように使ったり投資したりできるようにすることで、経済成長を促進する。
  • 減税は、国民に利益をもたらすだけでなく、政府歳入の増加にもつながる。
  • 岸田政権の減税政策は、国民に利益をもたらし、経済を強化する正しい政策である。

「消費減税すると、商品の買い控えなどで社会が混乱する」という事例は、私も聴いたことがありません。そもそも、減税で社会混乱を招いたという事例はほとんどありません。増税で社会混乱というのなら、枚挙に暇がありません。

日本の一般会計税収は、2022年度に3年連続で過去最高を更新し、71兆円台となりました。これは、2021年度の67兆円を約6%上回る額です。2023年度の税収は、経済活動が正常化し、賃上げも加速したことから、一段と増加する可能性が高いとされています。予算を大幅に上回るのは確実です。この上ブレ分を国民に還元するのは財政政策としてまともな考え方です。

ロシアの報道機関スプートニクも発表する日本の税収

減税が本質的に社会の混乱や苦難を引き起こすことはありません。そうでないと主張する人々は、イデオロギー的な理由から自由市場経済政策や財政保守主義に反対するのが一般的です。このような主張をする人は、日本だけではなく世界中に存在します。

こうした人々は、自分たちの大きな政府を求める考え方に都合の良いように、減税の効果を誤魔化し、歪曲します。どのような政策変更も、特に経済がすでに苦境に立たされている場合であっては、社会的な課題をもたらすかもしれないですが、国民や企業の手に多くの資金が戻ることのメリットは、潜在的なマイナス面をはるかに上回ります。

ましてや現在のように過去三年で、予算を上回る場合はなおさらです。経済の自由と成長は機会を生み出します。減税は、人々が稼いだお金をより多く手元に残すことを可能にし、それは基本的にまともな政策といえます。

現在減税に反対する人は、慎重な減税と歳出抑制の組み合わせこそが、いかなる場合も財政的に責任のあるアプローチであると頑なに考えているのでしょう。減税は現在の日本においては、国民に利益をもたらし、経済を強化する正しい政策です。

減税は常に良い政策であり、政治家がそれを追求するのは正しいです。たとえ批評家たちがそれを "国民を釣る "と誤って評したとしてもです。減税によってより多くの資金を国民の手に取り戻すことは、基本的に良い統治です。

減税は、人々が自分のお金をより多く手元に残し、好きなように使ったり投資したりできるようにすることであり、経済成長を促進します。これは、企業活動、雇用創出、社会全体の機会を押し上げることになります。

減税は一時的に政府歳入を減少させるかもしれないですが、減税によって促進される経済活動は、長期的には最終的に税収を増加させます。これはラッファー曲線として知られる実証済みの効果です。


日本はもとより世界中の政府は、減税と財政改革を追求するのが賢明でしょう。それはより大きな繁栄と自由をもたらします。政府が「減税で国民を釣る」という考えは、誤ったプロパガンダです。

減税は成長であり、国民に経済生活のコントロールを取り戻すことなのです。だから私は、岸田政権の減税推進を全面的に支持しますし、自由主義経済を重視するいかなる国の政府も支持します。

批評家たちは常に文句を言い、政治的利益のために健全な経済改革を台無しにしようとするでしょう。しかし、事実は事実です。減税は効果的であり、経済を強化し、国民の手に大きな力を与えることによって、社会全体に利益をもたらします。

これこそ、良い統治の実践です。成長と機会を高めるために政府がすべきことは、このようなアプローチです。減税は常に良いことであり、反対派が主張するような「国民を釣る」ことではありません。私はこのような政策を全面的に支持します。

インボイス制度は大きな問題とはいえないが、増税への危機感は続く

ただ、岸田政権は選挙後に増税ラッシュにするようなことだけは、やめてほしいです。このような疑念が多くの国民にあるからこそ、今回の岸田政権の減税政策を素直に喜べない人も多いというのは事実です。

せっかくの良い政策を増税で台無しにして、国民の反感を買うような愚かなことはすべきではありません。ただ、現時点の減税政策は疑う余地のない正しい政策です。これは、素直に支持すべきでしょう。

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2023年10月2日月曜日

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」―【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」

まとめ
  • 自民党、衆院解散をちらつかせて減税を実現?


 自民党の森山裕総務会長は1日、北海道北見市で講演し、新たな経済対策で「減税」が検討されていることを踏まえ「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と述べた。衆院解散の大義になり得るとの考えを示した発言とみられる。

 経済対策の指示に当たり、岸田文雄首相は9月26日に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と強調し、税や社会保障負担の軽減などに取り組むとした。森山氏は「非常に重い表現だ」とも指摘した。

【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

まとめ
  • 国民にとって減税は良いことであり、政府が税金を過度に取ることは問題である。
  • 自民党の森山裕総務会長は減税に国民の承認を求めることを支持し、これは政府が過度に経済を制御すべきことを前提としてるように受け取られる。
  • 多額の税金徴収は自由主義経済の理念に反するものであり、経済の回復を妨げている。
  • 政府は税金を低く抑え、市場を邪魔しないようにするべきで、その役割は制限されるべきである。
  • 自由主義経済の基本原則は国民投票を必要とせず、政府の責任とすべきである。

国民にとって減税は常に良いことです。国民は自分のお金のために一生懸命働いているのに、政府はすでにそれを税金で取りすぎています。選挙で減税の審判を国民に仰がせるようなことはすべきではありません。

減税で大喜びする日本の有権者 AI生成画像

自民党の森山裕総務会長は優先順位を間違えているようです。減税のために国民の承認を求めるということは、政府は税金は自分たちのものだと考えていることを端的に示しているといえます。確かに、国民は、正しい方法で投票すれば、より多くのお金を手元に残すことができるということにはなりますが、実に奇妙な物言いです。

そもそも多くの税金を徴収するというのは、自由主義経済の立場に反します。ここ数年、一般税収は毎年のように過去最大を更新しています。そうして、税収の予定を大幅に超えています。この状況なら上ブレ分を減税し、自由市場を機能させるべきです。それこそが、経済回復の近道です。

この立場からすれば、森山氏の発言は、実に奇妙なものです。その根底には、国民の自由にまかせるよりも、政府のほうが多くの経済活動を制御できると思いこみがあるものとみえます。だから、減税には国民の審判が必要という考え方になるのでしょう。

これは、傲慢であり、自由主義経済下では、そもそも政府役割は制限されるべきものです。税金をなるべく低く抑え、お役所仕事を減らし、市場の動き邪魔をしないようにして、人々が自分たちの生活を送り、経済が成長できるようにすることこそが、政府の役割です。

自由主義経済を謳歌する日本の女性たち AI生成画像

ただ、全くの自由放任主義にすれば、自由主義経済を破戒するような人たちや、動きがでてくることを規制するというのが政府の一つの役割であり、それはあくまでも自由主義経済を守るためという前提で行われるべきものです。その限度を超えて、政府がなにもかも制御できると思い込み、限度を超えて政府の役割を強化するのは、社会主義や共産主義の考え方です。

減税に関する意思決定をまるで国民投票のように選挙で決めさせようとするのは、大きな政府を志向する官僚にさらなる権力を与えることになりかねません。自民党はそのことをよく覚えておくべきです。

国民の意見を反映させることは必要ですが、減税や限られた政府といった自由主義経済の基本原則は、国民投票を必要とすべきではないです。

それは、政府が実行すべき義務です。保守派は、国民を信頼し、自由の力を解き放つべきことこそ、政府が実施すべき責務であることを信じています。

義務で実行すべきことを、国民の信を問うという物言いをすることは、自由主義経済を否定し、社会主義を信奉する人が語ることと受け取られても仕方ないと思います。

私は、自民党が早く基本的な理念に立ち返る道を見つけることを願っています。もちろん、自民党の議員の中には、自由主義経済を信奉している人も多いようですが、結果として官僚の能力に過度に期待する、社会主義的な経済を信奉している人も多いようです。

社会主義経済の失敗により塗炭の苦しみを味わう人々 AI生成画像

これは、自民党が自由主義経済を信奉するというのなら、なんとしても是正すべきことです。

ただ、私自身は、無論減税には大賛成です。特にこのブログにも何度も述べているように、特に消費税減税は大賛成です。

政府としては、減税案をまとめて、それを公約とすれば良いです。それを審判するのは無論有権者による選挙による結果であり、それは減税に限らず、すべての公約が対象であり、森山氏が減税なら「国民の審判仰ぐ必要」があるという物言いは、多くの人が違和感を抱くと思います。

ただ、政府は無論消費税減税をすべきです。私は、減税、その中でも消費税減税はすべきと思っています。それが、現在最も有効な経済対策であることは、このブログでも何度が述べてきたことです。

無論、岸田政権が減税をして支持率をあげたいという気持ちもわかりますし、そうすべきと思いますが、それをするなら、もっと良い方法で国民と直截にコミュニケーションをとるべきです。

最近岸田政権が最近発表した、様々な複雑で国民がその真価を理解するのが難しい経済対策パッケージをいくつも打ち出すより、直截に「消費税税率を5%に引き下げます」などと公表すべきです。それで、国民はすべてを瞬時に理解し納得します。

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2023年9月15日金曜日

「日本保守党」決意と提言第1弾 ミサイル発射の北朝鮮へ制裁拡大を要請 フォロワー数20万超え、前倒しで党名公表―【私の論評】日本保守党のはっきり見えてきた使命と戦略!これに伴う戦術も見えつつある(゚д゚)!

「日本保守党」決意と提言第1弾 ミサイル発射の北朝鮮へ制裁拡大を要請 フォロワー数20万超え、前倒しで党名公表

【有本香 以読制毒】

まとめ
  • 作家の百田尚樹氏と有本香氏によって設立された新党「日本保守党」が正式な党名を発表。
  • 党名は「日本保守党」で、保守政治を目指す志を表している。
  • 党名発表の日程は、SNSアカウントの急速なフォロワー増加により、予定よりも早く前倒しで行われた。
  • ただし、日本保守党は国政政党ではなく、政党要件を満たす必要があり、資金面での制約が厳しい。
  • 保守党は自民党に対抗する存在として位置づけられ、ネット上で支持を広げている。政治を「正論」で展開し、国内外の問題に対処する使命を掲げている。

有本香氏 御本人の「x」から引用

北朝鮮のミサイル発射と岸田文雄首相による内閣改造が行われた13日、作家の百田尚樹氏と有本香氏によって設立された新党が、その正式な党名を発表した。この新党の名称は「日本保守党」で、略称は「保守党」。この党の名前は、そのままの意味で、「保守」の政治を志向していることを示している。

この党名発表が13日に行われた背後には、北朝鮮のミサイル発射や内閣改造とは関係なく、興味深い経緯がある。百田氏と有本氏は、SNS(旧ツイッター)上で「百田新党(仮称)」という名称でアカウントを開設し、急速に多くのフォロワーを獲得した。このため、党名発表は当初「10月17日」と告知されていましたのだが、予想外の反響により、フォロワー数が20万を超えたら前倒しで党名を発表するという目標が13日に達成されたためだ。つまり、ネット上での国民の声や期待に押され、党名発表が早まったというわけだ。

しかし、日本保守党は現在、国政政党としての地位を持っていません。公職選挙法、政治資金規正法、政党助成法、政党法人格付与法に定められた政党要件を満たす必要がある。これらの要件には、国会議員の所属人数や選挙での得票率が規定されており、要件を満たさない場合、政党としての認定や資金の受け取りに制約が生じる。

そのため、資金面では制約が厳しい状況にあり、国民に直接訴えることが必要だ。一部の自民党支持者は、百田氏やネット上のフォロワー数が多いからといって、この新党が何を達成できるのか疑問視している。しかし、日本保守党は「正論」を基に日本を守ることを使命とし、そのメッセージは多くの支持を集めている。特に、北朝鮮のミサイル発射に対する強い反応は、国民の期待を反映している。

この新党は、自民党に対抗する存在として位置づけられており、ネット上での支持を拡大させている。保守党は、「痛快」と評される現象を生み出し、国民の関心を引き付けている。しかし、奇をてらったネーミングや策を掲げることはせず、「正論」に基づいて政治を展開していくとの方針を強調している。

日本保守党は国民の声を力にして、国内外の重要な問題に対処しようとしている。その初めの一歩として、北朝鮮のミサイル発射に対する制裁拡大を訴え、多くの支持を受けている。この新党は、日本政治に新たな風をもたらす可能性を秘めている。

これは元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】日本保守党のはっきり見えてきた使命と戦略!これに伴う戦術も見えつつある(゚д゚)!

まとめ
  • 日本保守党の使命は、「保守」の政治を志向し、「正論」を基に日本を守ること。
  • 戦略は、国民の声を力にして、国内外の重要な問題に対処する。
  • 具体的な戦術は、SNSやYouTubeを活用して知名度を高め、国民に訴えかける。
  • 選挙では、自民党内のリベラル・左翼勢を標的にし、政策や行動を批判・公開して有権者の意識を高める。
  • 自民党内の保守派と他の野党の保守派との協力を醸成し、政治の世界で保守派同士の協力を推進する。

日本保守党の使命や戦略や戦術がある程度見えてきたように思います。

使命に関しては、上の有森香氏の記事でもある程度垣間見ることができます。以下に有森氏の記事より、使命に関わる部分を列挙します。

・日本保守党は「保守」の政治を志向「正論」を基に日本を守ることを使命とする

戦略は、以下とみられます。

・国民の声を力にして、国内外の重要な問題に対処する

この戦略に基づく具体的な戦術に関しては、まだ具体的には、みえてきませんが、百田氏と有田氏の発言からうかがい知ることができる部分があります。

以下は昨日の百田尚樹氏の動画です。


百田氏のこの動画を視聴したり、過去の百田氏、有森氏の発言や、上の記事などから、まずは昨日私がこのブロクに掲載したように、過去にすべての新党がやろうとして失敗した、数の力により権力を得て改革をすすめるようなやり方はしないと見えます。

質的に変える戦術の一つは、まずは「X」等のSNSで自民党を超すほどのフォロワーを獲得して、徹底的に知名度あげることであると思います。これが「国民の声」を力にする第一歩だと思います。その他、YouTubeなどの動画でも様々な情報を発信し、知名度を徹底的にあげていくことでしょう。

ここでは、元放送作家百田氏やジャーナリストの有森氏の能力が遺憾なく発揮されるでしょう。

知名度があがれば、SNS等で「正論」を多くの国民に訴えることができます。さらに、党員やサポーターを増やすことができます。それとこれは、大事なことですが、SNSで多くの国民を味方につけることは、過去に多くの権力者が失敗してきた、独善的な行動や考え方を防ぐことにもなります。政党を主催し行動することは、たとえそれが目的ではないにしても、大きな権力を手にすることには変わりはないです。

スマホでSNSを利用する人々 AI生成画像

党員やサポータが増えてくれば、資金面でも、選挙活動でもかなり有利になります。

さて、その後はどうするかといえば、候補者を擁立して、国民からの資金やサポートを活用して選挙戦に挑み当選者を出すことになると思います。議員がいない政党は正式な政党にはなり得ませんから、当然のことながら、日本保守党は国会に議員を送り込むことでしょう。

ただ、選挙への取り組み方は、従来のとにかく議員数を増やすというやり方とは一線を画すでしょう。まずは、当落選上にある、自民党の候補者で、「正論」から外れた左翼・リベラル的な発言や行動をする候補者や議員を見出し、これを標的にして選挙活動をすすめるでしょう。

まずは、当該議員の保守層の正論からいえば、不適切な発言や行動を指摘し、それを徹底的に批判しあらゆる手段を講じて全国規模で拡散するでしょう。これは、選挙戦を有利にすすめるだけではなく、有権者に対して論点を明確にすることになります。いままでは、盆踊りにきてくれたからとか、墓参りにきてくれたから、あるいはテレビてみたから、くらいで投票してきた有権者が政策などを意識するようになるでしょう。

日本の盆踊り

似たような選挙区で、他党にまともな候補者がいれば、その議員を応援するなどの選挙協力もするでしょう。何しろ、日本保守党は、数を増やすことが主眼ではないですから、使命を達成できることに役に立つと判断すれば、熱心に応援するでしょう。

そうして、選挙で勝つのが一番良いのですが、たとえ負けたとしても、なるべく接戦に追込むことで、当該議員が脅威を覚えるくらいまでは善戦できるようにするでしょう。

現在の国会議員が、一番気にしているのは、まず選挙です。はっきりいえば、選挙に勝てるなら何でもします。日本保守党に接戦に追い込まれて恐怖心を感じた議員は、次の選挙で間違いなく勝ちたいならば、「正論」から外れた政策を支持することをやめたり、あるいは積極的に支持しなくなるでしょう。

自民党でありながら、リベラル・左翼的な行動をすれば、確実に日本保守党の標的にされるという認識が根付くようにするでしょう。

自民党の中の保守派の議員は、日本保守党を自分たちの敵とはみなさなくなるでしょう。同時に他の野党の保守派も日本保守党を敵とはみなさなくなるでしょう。こうなれば、日本保守党はかなり有利に選挙選を戦えるようになるでしょう。

これによって、従来の政党間の協力だけではなく、政治の世界の中で、保守派同士の協力が醸成される可能性が高まります。それが実現すれば、保守党はたとえ規模が小さくても、いわゆるキャスティングボードを握る可能性があります。これは、海外の保守派にも伝わり、海外の保守派とも協力できるようになるかもしれません。こういうところから、新たな強力な戦術が生まれるかもしれません。

当面このような活動を続けていけば、党勢が拡大し、次の段階では、自民党のリベラル・左翼大物を標的にすることもできるでしょう。

このような活動を続けることによって、日本保守党は自民党内の当面リベラル・左翼勢の弱体化をすすめていくことでしょう。

ただ、弱体化するだけでは、また逆戻りする可能性もあります。日本保守党はそれに対して楔を打ち込むこともするようになるでしょう。ただ、その段階に進むまでは、まだまだ時間がかかります。おそらく自民党内のリベラル・左翼勢の弱体化を完了するまででも最低10年くらいはかかるでしょう。

ただ、その過程においても、日本保守党は、自民党のリベラル・左翼勢の行動をなるべく抑制するように動くでしょう。たとえば、LGBT法の成立などという極めて拙速なことはできないような状況を作り出せると思います。抑制ということでは、意外とはやい時点で実現する可能性があると思います。

これらのことは、文章にしてしまえば簡単にも思えますが、その実かなり難しいことです。これは、おそらく百田氏や有本氏でなければ、誰にもできないかもしれません。ただ、あらゆる状況が彼らを味方していると思います。

とにかく、既存の新党のように改革に失敗することなく、成功していただきたいです。それは、多くの国民の切なる願いであると思います。

そうして、何よりも空から安倍元総理が応援してくださっていると思います。頑張れ日本保守党!

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2023年10月5日木曜日

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定―【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定

まとめ
  • 自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表。
  • 声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めている。
  • 声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べている。
  • 青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示している。

 自民党の若手議員らによる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は、政府に対し、新たな経済対策として、消費税率の5%への時限的引き下げと、20兆円規模の「真水」補正予算案を検討するよう求める提言をまとめました。

 議員連盟の中村裕之共同代表は、政府の減税措置が企業に偏っていると指摘し、物価高に苦しむ生活者に減税の実感が伝わる形をとるよう求めました。

 また、提言では、企業の資金繰り支援や、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向けた国内の生産拠点の設備投資支援なども要望しました。

 議連は近く、世耕弘成参院幹事長や萩生田光一政調会長、政府側に提言を手交する予定です。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

まとめ

  • 自民党の若手議員による消費税減税要求の動きは、2020年にも行われていた。
  • 当時も消費税減税は行われず、景気は緩やかに回復しているものの、個人消費は低調である。
  • これを成長軌道に乗せるためには、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税を行うべきである。

責任ある積極財政を推進する議員連盟の中村裕之共同代表

このような動きは、三年前にもありました。

三年前の2020年3月30日にも、自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表しました。

声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めていました。

声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、新型コロナウイルスが経済に強大な影響を及ぼしており、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べました。

また、青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、当時の安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示しました。

結局このときも、その後の菅政権においても、消費税減税は行われませんでした。ただし、コロナ対策として、安倍政権は60兆円の補正予算を組み、菅政権は40兆円を組みも両政権あわせて100兆円の補正予算で、コロナ対策を行いました。

この100兆円は、当時の需給ギャップに相当する額であり、経済対策としてはまともな政策であったといえます。そうして、この補正予算は、安倍元総理の言葉でいうと、「日銀政府連合軍」で国債を発行して日銀がそれを買い取るという方式で賄われました。

巨額の国債を発行するととんでもないことになると考える、人たちもいましたが、それは違うということが現在明らかになっています。この時期の大量の国債発行で、財政に深刻な問題が生じていれば、今頃財務省を筆頭にして、「それみたことか」と言わんばかりに、マスコミも、それを大々的に喧伝したでしょう。そのような、発表や報道はありません。

ただ、この政策は補助金によって実施されました。補助金支給の意思決定は、政府が行いますが、その審査や給付の事務手続きは市町村等の地方自治体が行うので、事務量が莫大になるため、執行の遅れや漏れが生じるのです。事務量が膨大になるため、審査は形式的なものならざるを得ず、補助金給付で様々な不正が発生していることを皆さんもご存知だと思います。中には、大手企業の事業所でそれが行われていたことが、報道されたりしました。

ただ、その執行漏れも、岸田政権によって実行され、景気は上向き、さらに円安メリットも加わり、日本経済は成長しました。ここ数年、毎年税収が過去最高を更新し続けていることが、それを示しています。

ただ、現状でもなお、15兆円以上の需給ギャップが存在していることは明らかであり、個人消費は低調です。円安により輸出がそれを補う以上の伸びを示したので、株価も上がり、日経平均株価は33年ぶりの高値水準にあり、3万円台で値固めを続けているので、景気は悪くないようにもみえます。

しかし、2023年6月の短期経済見通しによると、2023年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%と予想されています。物価上昇や海外経済減速による下振れ懸念が残るものの、内需を中心に緩やかな景気回復が続くと見込まれています。

日本銀行の消費活動指数(旅行収支調整済)を見ると、今年1-3月期は前期比+1.4%、4-6月期は同ー0.6%であり、均してみると緩やかな増加に留まっています。

これを成長軌道に乗せるためには、やはり少なくとも、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税などをするのが最善の経済政策です。現在の失業率の水準から試算すれば最低でも10兆円、日本経済の潜在能力から推測すると最大20兆円の需給ギャップが存在しています。

鈴木俊一財務相

鈴木俊一財務相は「規模ありき」を否定していますが、いまの日本に必要なのは、「まず規模ありき」といえます。また消費の低迷が著しいのですから、消費税の減税で国民に経済成長の成果を還元すべきでもあります。

経済対策は、マクロ的には「規模ありき」であり、十分な量がなければ、対策は目的を成就することはできません。マクロ的にみれば、何をしても効果はあります。バラマキ否定論者は、マクロ経済を知らないただの愚か者です。バラマキこそ正義です。経済が良くない時に、バラマキを否定して、結局緊縮財政を推進しようとする輩こそ、悪です。

だからこそ、ヘリコプターマネーなどと言われるのです。バーナンキ氏は、「日銀はトマトケチャップを買え」と言うのです。ただ、補助金ばかりでは、執行遅延や漏れや不正が起きやすく、しかも消費が低迷している現状では、現状ではすぐに効果が期待できる消費税減税が良いと言っているのです。そうして、一部は補助金として、特に現在の政権の持ち味を出したい分野に集中的に注げば良いです。

ここで岸田政権が減税を掲げて解散しなかったら愚かとしか言いようがありません。まずは、減税を大義とした解散ができますし、消費税・所得税減税+給付金を打ち出せば、よほどのことがない限り、大勝利ですし、実体経済も良くなり国民も満足すると思います。まずは、量ありきで、15兆円以下の経済対策では無意味です。

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2023年9月14日木曜日

岸田内閣総理大臣 内閣改造直後の記者会見―【私の論評】かつて安倍元首相が語った「変なこと」だらけの岸田政権の行末は(゚д゚)!

岸田内閣総理大臣記者会見

岸田総理は、2023年9月13日に内閣改造を行い、新内閣を発足させた。その直後の記者会見の内容を以下に掲載する。

岸田首相

まとめ
  • 内閣改造は、岸田政権の新たな一歩、新たなスタートだ。
  • 内閣改造で、岸田政権の目指す「新しい資本主義」を実現するための体制を強化した。
  • 経済、外交、安全保障など、各分野で、課題を解決し、日本の未来を切り拓く。
  • 国民の皆様と力を合わせて、この難局を乗り越え、日本を強く、豊かにしていきたい。

この2年間は、正に国民の声を丁寧に聴き、国民の皆様と協力しながら新しい時代の扉を開いていく、そうした取組を進める毎日だった。

「変化を力にする内閣」

岸田総理は、内閣改造にあたり「変化を力にする内閣」と位置づけた。その背景には、グローバル化や技術革新など、世界が大きく変化していることがある。このような変化をチャンスに変えて、国民の暮らしを豊かにしていくことが重要だと考えている。

「変化をチャンスに変える」

岸田総理は、内閣の重点課題として、経済、社会、外交・安全保障の3つを掲げた。

経済については、成長と分配の好循環を実現するため、新しい資本主義の加速を図る。また、物価高への対応や若者の所得向上にも取り組む。

社会については、少子化対策や認知症対策など、待ったなしの課題への対応を強化する。

外交・安全保障については、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に取り組む。

「新しい資本主義の加速」

岸田総理は、新しい資本主義を「経済成長と分配の好循環を実現するための経済政策」と定義している。具体的には、賃上げや人への投資、研究開発投資の促進などを通じて、成長と分配の好循環を実現することを目指している。

「社会課題への対応強化」

岸田総理は、少子化対策や認知症対策など、待ったなしの課題への対応を強化すると述べた。また、デジタル化による地方創生や、国際的な花粉症対策にも取り組む。

「外交・安全保障の強化」

岸田総理は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に取り組むと述べた。また、日米韓の連携強化や、インド太平洋の安定に貢献していく。

【結論】

岸田総理は、内閣改造により、変化を力にして、国民の暮らしを豊かにしていくという決意を示した。

【私の論評】かつて安倍元首相が語った「変なこと」だらけの岸田政権の行末は(゚д゚)!

まとめ

  • 岸田政権の移民受け入れと日韓通貨スワップは、国民の声を無視あるいは軽視したものであり、批判の声が少なくない。
  • 岸田政権が継続すべきとは思うが、内閣改造により、より多くの国民の声を反映した政策を実現し、政治の信頼回復を図っていく必要がある。
  • 従来の政治変革の手法である「数の力」による改革は限界がある。
  • これからは、政治の質を変えていくことが重要である。
  • 政治の質を変えるには、様々な力や能力を駆使する必要がある。

岸田首相は、内閣改造直後の記者会見で「国民の声を丁寧に聴き」と述べていますが、具体的にはどのような「国民の声」を聞き入れてきたのでしょうか。いくつか、以下で検証してみましょう。

LGBT法については、岸田首相は「多様性を尊重する社会の実現」を掲げ、LGBTのカップルに対する婚姻の平等や、同性パートナーシップ制度の導入などを目指しています。しかし、LGBT法に関しては、米国でも州によっては、反LGBT法案を制定する州も多く、評価が定まっていないという事実があります。

多くの日本人はLGBTという言葉すら意識していなかったと思います。法案が検討されはじめてから、それが報道されるようになって初めて知ったという人も多いのではないかと思います。にもかかわらず、十分に内容を知らされこともなく、拙速に法制化されてしまいました。これはとても「国民の声」を聴いたとはいえないです。むしろ、これを促進する議員らの声を良く聴いたといえるでしょう。

男女共用トイレ

移民に関しても、岸田首相は積極的に見えます。民間有識者による政策提言組織「令和国民会議(令和臨調)」は7月22日、都内で発足1周年大会を開きました。

出席した岸田文雄首相(自民党総裁)は人口減少を踏まえて「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と語りました。移民促進については、岸田首相は「人口減少社会への対応」を掲げ、外国人労働者の受け入れ拡大を進めようとしているようです。これは、少子高齢化が進む日本社会において、労働力不足を解消するための措置と言えます。

ただ、欧米では、移民政策は失敗しています。深刻な社会問題をもたらしています。また、多くの国民、特に被用者である多くの国民は、移民問題についてはさほど大きな関心はないのではないかと思います。どちらかという、日本では経営者サイドが外国の安い労働力を入れたがっているとはいえますが、大多数の国民が移民問題に大きな関心を持っているとはいえないでしょう。

増税悪魔の暗躍 AI生成画像

減税忌避&ステルス増税については、岸田首相は「財政再建」を掲げ、税収の確保に注力しています。これは、高齢化による社会保障費の増大や、コロナ禍による財政赤字拡大を背景にしたものと言えるでしょう。ただ、政府の一般税収は近年では、毎年過去最大を更新しており、減税しないとかステルス増税は、多くの国民の反発を招くだけでしょう。

日韓通貨スワップについては、岸田首相は「日韓関係の改善」を掲げ、日韓通貨スワップの再開に向けた協議を進めています。これは、日韓両国の関係改善を図るとともに、韓国経済の安定化に貢献するための措置と言えるでしょう。

ただ、日韓通貨スワップ協定は、日本にとってはメリットがない協定であり、実質的には日本による韓国への片務的な経済援助措置であるという指摘があります。これは、過去に様々な反日活動を行い、それに対する釈明も説明もない韓国に対してあまりに寛大な措置として、反発する国民も多いでしょう。

日韓通貨スワップ協定 AI生成画像

これらの政策は、いずれも岸田首相が掲げる「新しい資本主義」や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みとして位置づけられます。しかし、その過程で、財務省の主張する財政面での制約という根拠に乏しい声を聞き、国際社会との調整といいながらバイデン民主党政権の声を聞き、国民の声を無視あるいは軽視したという面は否めないでしょう。

かつて、安倍元首相は「変なことをすると、運も逃げていく」と語っていました。この発言は、安倍元首相が自身の政治家としての信念を表明したものであり、彼が政治家としてのキャリアを積む中で何度も口にしていた言葉の一つとされています。私から言わせると現状の岸田政権が実施しているのは、まさに「変なことだらけ」であると思ってしまいます。

日本保守党の結党は、岸田首相の政策への不満や、政治の行き詰まりに対する国民の失望感の表れと言えます。岸田首相は、内閣改造により、より多くの国民の声を反映した政策を実現し、政治の信頼回復を図っていく必要があるでしょう。

私自身は、岸田政権を支持しているというわけではないのですが、当面岸田政権には当面継続してほしいと思っています。なぜなら、現状ではポスト岸田は、茂木氏や河野氏が考えられ、いずれが首相になったにしても岸田首相よりさらに「変なことだらけ」になってしまう可能性が高いと思われるからです。

もし、菅政権が継続されていたとしたら、菅氏は、自身の政治信条などとは別に、安倍政権の政策のほとんどを継続したでしょうから、現状よりは「変なことだらけ」にはなっていなかったと思います。無論、私自身は菅氏自身を支持しているわけではありませんが、安倍政権の政策を岸田氏よりは、継続したであろうと考えるので菅政権の継続が望ましかっただろうと思うのです。

私は、安倍政権が終了して以来、首相が変われば変わるほど「変なことだらけ」になるのではないかと危惧しているのです。だからこそ、岸田政権はここしばらくは継続してもらいたいと思うのです。ただ、このままでは行き詰まりは見えています。

だから、岸田首相自身に自己変革をしてもらい「変なこと」をなるべく減らしていただきたいのです。

そうして、百田氏による「日本保守党」の結党、維新の躍進、与党との協調も排除しない国民民主党の動きもあります。

これらの動きが重なって「変なこと」が減っていくのが望ましいと思います。そうして、岸田政権下で「変なこと」が減っていき、時間の経過とともに、新たな動きができ、日本の政治が制度も含めて良い方向に変わっていくという筋書きがベストだと思います。

かつての政治変革の手法は、新党を結成するか、結成する動きをみせて流れをつくりマスコミなどで新党に旋風を吹かせ、選挙でなるべく多くの議員を当選させ、徐々に党の勢いを拡大させ数の力で変革していくといものだったといえると思います。

例えば、1993年に結成された「新党さきがけ」は、自民党から離党した議員らが中心となって結成され、1993年の総選挙で67議席を獲得しました。その後も新党結成の動きはありました。

しかし、ご存知のようにこのような動きはことごとく失敗しています。今後も成功する見込みはなさそうです。にもかかわらす、あえて百田尚樹氏が「日本保守党」を結成した意図は、従来のように数の力で、政治変革をしようというのではなく、質的に日本の政治を変え「変なことだらけ」になることを防ごうとしているのではないかと考えます。

安倍元首相が語っていたように「変なこと」さえしなくなれば、誰が首相になろうと、いずれの党が政権与党になろうが、少なくとも国民に対する悪影響はないわけで、言葉や表現は違うものの、百田氏は、結局日本の政治を数による権力によって変えるのではなく質的に変えようとしているのだと思います。

自民党や立憲民主党に存在する保守派議員を分裂させたり、大量に新党に引き抜いて、数の力で優位にたつこと等考えていないと思います。そもそも、そのような力は「日本保守党」にはないでしょうし、そのようなことをしても無意味です。

もう数の力で政治を変えるのではなく、様々な力や能力を駆使して、政治の質を変えていく時代に突入しつつあるのではないかと思います。それを如実に示しているのが現在の自民党です。議員数は一番多いのですが、自民党がうまく機能しているとはとても思えません。

さらに、自民党内の最大派閥である現在の安倍派をみても、数の力が政治的に優位に立てる手段ではないことは明白だと思います。ただ、未だ数の力は侮ることはできません。ただ、数の力で政治改革はできないのは明らかになりつつあると思います。

日本の政治が誰が総理大臣なろうが、どの党が政権につこうが、少なくとも「変な事」だらけになるようなことがなくなれば、その先に二大政党制とか、まともな政権交代などができるような政治風土になるのではないでしょうか。逆に言うと、現状では政治の質を変えない限り何をしても無駄だと思います。

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