2023年8月22日火曜日

コラム:米国が中国上回る経済成長、今年最大の「サプライズ」に―【私の論評】マスコミが報道しない、日本が米中上回る経済成長、今年最大の「驚愕の大サプライズ」か(゚д゚)!

コラム:米国が中国上回る経済成長、今年最大の「サプライズ」に

 2023年の経済状況は、予想外の展開を見せている。年初のコンセンサスでは、中国と米国の経済の動向は大きく異なるものとは考えられていなかった。当初、中国は「ゼロコロナ」政策のもとで急速な成長を遂げ、一方で米国は連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げによりリセッションに陥ると予測されていた。

米国経済のソフトランディング AI生成画像

 しかし、その後の展開は異なった。中国の成長は鈍化し、一方で米国経済は「ソフトランディング」を遂げ、持続的な成長を続けている。これにより、世界の2大経済の展望は予想外に分かれ、従来のモデルや経験則が通用しない状況となった。

 具体的な経済指標を見ると、中国の成長率は鈍化しており、第2・四半期の成長率は0.8%で、前期比減速している。一方、米国は第2・四半期の成長率が年率換算で5.8%と急速に回復し、前期比で大きく伸長している。

 バークレイズのエコノミストチームによれば、中国の成長率は予想よりも低く、年間成長率は目標に届かない可能性がある。一方で、中国の潜在成長率は高いものの、その国内総生産(GDP)が米国を追い抜く時期については見解が分かれている。ゴールドマン・サックスは2035年をその時期と予測しているが、他の専門家は少なくとも20年はかかるとの見方もある。

 中国の経済には底力があるとの意見もあるが、成長率の急速な変動や経済の弱さに対する懸念も存在する。今後の経済の動向は不確実であり、従来の予測手法やモデルが適用しにくい状況が続いている。

 これは、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】マスコミが報道しない、日本が米中上回る経済成長、今年最大の「驚愕の大サプライズ」か(゚д゚)!

上の記事では、"米国が中国上回る経済成長、今年最大の「サプライズ」"としていますが、一方日本はどうかというと、日本経済は2023年4-6月期に実質GDPが前期比1.5%増、年率換算で6.0%増と3四半期連続のプラス成長となりました。

サプライズ AI生成画像

これは、一般のエコノミスト予想を超える大幅増であり、コロナ禍からの回復が続いていることを示しています。

今期の実質GDPの内訳は、民間消費が2.1%減、住宅投資が7.7%増、設備投資が0.1%増、政府消費が0.4%増、公共投資が5.0%増、輸出が13.6%増、輸入が16.2%減でした。内需がマイナス1.2ポイント、外需がプラス7.2ポイントの寄与度でした。

民間消費はGDPの大部分を占めるため、その動向が経済全体に大きな影響を与えます。しかし、今期の民間消費は、行動制限のないポストコロナで増加すると期待されていたものの、0.5%減とまた低下してしまいました。

住宅投資は、2022年7-9月期まで5四半期連続のマイナスで低迷していましたが、10-12月期に0.9%増とプラスに転じ、今期は1.9%増と底打ち感があります。ただし、設備投資は0.0%と横ばいで力強さに欠けています。

政府消費は0.1%増、公共投資も1.2%増と政府部門は頑張りましたが、民間部門がいまいちで、国内需要は0.3%減とふるいませんでした。

しかし、GDP実額は実質年換算で560.7兆円とコロナ前のピークである19年7-9月期の557.4兆円を超え、過去最高となりました。これは、輸出の増加や住宅投資の回復が主な要因となっています。

要するに円安による外需によって成長したということです。とはいいながら、成長したということは、事実です。年率換算では、米国は5.8%増、日本は、6.0%増です。

内容としては、米国のほうが良いようですが、それにしても日本は、米国を上回る成長をしているわけであり、これを上の記事のように表現すれば、日本が米中上回る経済成長、今年最大の「驚愕の大サプライズ」にと評しても良いと思います。中国の経済成長を追い抜いたなどということは過去にはなかったと思います。

コロナ禍から回復しつつある日本 AI生成画像

2023年4-6月期の日本の名目GDPは、前期比12.0%増、年率換算で12.0%増となりました。内需は0.9ポイント、外需は11.1ポイントの寄与度でした。GDPデフレーターの対前年同期比は3.4%でした。

これらの数字を見ると、消費減、輸出増、輸入減という特徴があります。消費減は国内需要不足、輸入減も同じく国内需要不足がその背景にあります。輸出増は、中身を見ると自動車とインバウンドなので、これは円安が効いています。

GDP速報は前期比1.5%増で、月例経済報告で公表されているGDPギャップはマイナス0.7%なので供給過剰状態です。ただし、国内需要が弱すぎであり、内閣府の試算における供給上限が低すぎる可能性もあります。

輸入物価の上昇が一段落し、食品や生活用品など国内での価格転嫁が広がっています。名目GDPも大幅に伸びているため、税収は好調です。したがって、今は増えた税収を成長減税または成長給付金として国民に還元するのが正しい政策です。

例えば、ガソリン価格が上昇している現在、10月から補助制度が切れますが、バブル以降最大を更新し続ける税収増なのですから、補助制度の継続か、ガソリン価格のトリガー条項を発動すべきでしょう。

あとは、輸出産業を抱える大企業以外の中小企業が多い国内産業を支援するなどの方策をとるべきでしょう。以上で述べたような分析をした上で、岸田政権は強力な経済対策を打ち出すべきです。それで支持率は上がる可能性があります。

岸田首相

日米経済には、不安要因もありますが、中国経済よりははるかに御しやすいことだけは間違いないです。岸田首相、このような有利な状況で、経済を良くできなければ、特に内需喚起策を実行できなければ、責任問題になると思います。

今後、このような状況が続き、サプライズとは呼べなくなる可能性もあります。そうして、中国のGDP統計はデタラメといわているので、実は日米よりもかなり悪いことも考えられます。

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