2008年11月23日日曜日

2025年、国民国家システムは消滅 米情報機関が予測-この予測の信憑性は?

NICの一こま

2025年、国民国家システムは消滅 米情報機関が予測

【ワシントン=梅原季哉】米政府の全情報機関の分析予測を統括する国家情報評議会(NIC)は20日、2025年の国際情勢を複数のシナリオで予測した 報告書を発表した。米国の政治経済的影響力が相対的に低下し、国際社会は多極化に向かうと予測。資源競争や不安定化のリスクは増えるとの見通しを示した。

 報告書は、経済のグローバル化などによって、国民国家で構成される国際社会システムはほぼ形をとどめなくなると分析。従来の西側経済発展モデルに代わ り、中国やインド、ロシアに代表される「国家資本主義」が力を増すだろうとした。とりわけ中国は、世界第2位の経済大国となり、「今後20年間、どの国よ りも世界に影響を及ぼす位置にある」との見方を示した。ただし、中国やインドは、国際社会のシステム全体を変えることよりも国内の発展になお関心を向けて いるとも予測した。

 米国は単独国家として最強であり続ける可能性が高いものの、経済力や軍事力は低下、内政と外交上の間で困難な選択を迫られるとした。ドルは唯一の基軸通貨の地位を失いかねないとも見ている。

 不安定要因としてのテロリズムが撲滅される可能性は低いが、中東諸国で経済発展が続けば、国際テロ組織が大衆にアピールする力は低下する可能性も あるとして、特にアルカイダ自体は衰退する可能性も指摘した。朝鮮半島では、完全な統一国家ではないにせよ、南北の何らかの形の国家連合が実現する可能性 は高い、との見方を示した。

 日本については、総論の中での言及は少ない。ただし、欧州諸国と並んで高齢化が課題になるとして、長期的な衰退の可能性も指摘した。

 日本に個別に触れた分析としては、国力は「中の上」クラスを維持するものの、内政、外交とも政策見直しを迫られるとした。内政面では、おそらく一 党支配の構造は完全に崩壊するとして、自民党がいくつもの党に分裂する可能性もあり、政党の離合集散が続く可能性が高いとみた。

外交では、米中両国の政策によって左右されると指摘。その上で(1)成長する中国と経済的関係を深めるが、軍事力への懸念から安全保障面では米国と 接近(2)中国経済が崩壊するか軍事的脅威が高まり、日本は米国と連携して中国の孤立化をめざす(3)米国がアジア関与を低め、日本は中国と接近(4)米 中が政治軍事的に接近、日本も地域諸国に同調してこの流れに従うとの四つのシナリオを提示している。

 NICによるこの種の報告書は97年に始まり、今回が4回目。外部の学識経験者らとの意見交換も踏まえて作成された。機密情報に基づき断言する予測文書ではなく、あくまで複数のシナリオを提示するのが目的としている。

この予測の信憑性は?

この予測の信憑性はどうなのだろう。まずは、この組織について以下に掲載します。

国家情報会議(NIC: National Intelligence Council)とは、情報共同体からの情報に基づき、アメリカ合衆国大統領のために中・長期的予測を行う諮問機関である。

1947年、その前身である報告・評価室(ORE: Office of Reports and Estimates)が創設された。1950年、OREを改組して国家評価室(ONE: Office of National Estimates)が創設された。1979年、OREは現在の国家情報会議に改編された。

15~20年間に渡る世界の政治情勢の予測の外、同機関は、国家情報評価(NIE: National Intelligence Estimates)と称されるより短期的な評価を大統領のために作成している。NIEは、大統領と政府閣僚が受領する。NIEの作成には、諜報機関だけではなく、例えば大学教授等、民間人も参加している。

NICは、最近まで中央情報長官(DCI: Director of Central Intelligence)の機構に含まれていたため、その作成物はCIAがコントロールしていた。

以下にNICのURLを掲載します。

http://www.dni.gov/nic/NIC_home.html

さて、上記のサイトをみると今回のレポートに関しても掲載されていますが、Global Trends 2010というのも掲載されています。

http://www.dni.gov/nic/special_globaltrends2010.html

2025年の予測などに関して、いまからどうのこうの言っても信憑性は明らかにはならないと思うので。まずは、この内容に関していくつか気がついたことを掲載します。これは、1997年11月に提出さけています。この時代には完全にCIAがコントロールしていたことになります。

まず、気がついたのは、今回の金融危機に関する事柄には一切触れられてないということです。ジョージ・ソロスや経営学の大家であるドラッカー氏でさえも、少なくともこのときくらいから、今日の金融危機そのもを正確には予測はできていませんでしたが、アメリカ流の何の規制もない自由主義経済に関して警鐘を鳴らしていました。こうした内容にはいっさい触れられていません。

ドラッカー氏は、「2002年」の時点で、それまでの論文をまとめたものと新たに付け加えたものをまとめて「ネクスト・ソサエティー」という書籍にして出版しています。これなどを見ていると、もう1997年時点で、先進国も新興国もすでに「今世紀末期から来世紀初頭にかけて、それまでとは全く異なる社会に突入する」という趣旨のことを述べていました。そうして、経済よりも社会に着目すべきことを訴えてきました。

1997年というと、まだブッシュ政権にはなっていませんでしたが、ブッシュ政権はドラッカー氏が主張したことは全く無視して、「金融・経済」一辺倒で政策を推進しました。そのため、社会保障費も削減するなどして、結局はアメリカの社会を壊し、挙句の果てに今回の金融危機のきっかけを作り出してしまいました。

これに関してはノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏も、ブッシュ政権に対する執拗で辛らつとも思える批判を繰り返していました。氏も、表現の仕方は違っていても、健全な社会にならなければ、実体経済も悪くなってしまうことを主張していたのだと思います。最近の調査では実にアメリカの9割の人々が、自らを負け犬か落ちこぼれと考えていて、この10年間はジニ係数など貧困を示す指標があがり続けているいるということを表明していました。これは、アメリカ社会の欠陥を物語るものであって、アメリカの社会の欠陥が今回の金融危機にまで結びついていることは間違いないと思います。

「Global Trends2010」においては、金融危機に関しての危惧や、影響など全く表明していません。また、この中でロシア社会など新興国の社会などについては多少記載がありますが、肝心要のアメリカ社会に関しては何の記載もありませんでした。

さらに、「Global Trends 2025」に戻って考えてみると、世界が多極的なるというのは判るのてすが、「経済のグローバル化などによって、国民国家で構成される国際社会システムはほぼ形をとどめなくなる」というくことはありえません。今世紀中くらいなら起こりそうですが、2025年では早すぎると思います。何か、アメリカの覇権が相対的に低下することの言い訳のように感じられます。さらに、こんなことを言っておきながら、中国やインド、ロシアに代表される「国家資本主義」が力を増すということを言っていること自体が矛盾を感じます。

すでに産業革命の時代の初期から、国家間の経済的な相互依存性は国家主義的な情熱よりも強く作用するするはずであると説かれてきました。最初にこれを言ったのはカントでした。「国家の死滅」を現したカール・マルクスも、1950年代、60年代のバードランド・ラッセルなどの最高頭脳が、国民国家の死を予告してきましたが、その通りにはなりませんでした。

旧ソ連邦のミハエル・ゴルバチョフ氏も、国民国家よりも、経済的な結びつきの方が強いだろうと考えていたのが、旧ソビエトの解体でそうではなかったことがはっきりしました。

少なくとも、今の2008年時点でも、政治的な情熱と国民国家の政治が、経済的な合理性と衝突したときには、必ず国民国家のほうが勝利してきています。それを考えると、「国民国家で構成される国際社会システムはほぼ形をとどめなくなる」ということは25年時点ではありえないと思います。

それどころか、私は「政治的な情熱と国民国家の政治が経済的な合理性と衝突したときは、必ず国民国家のほうが勝利しているという」という原則から考えると、今金融危機の影響下にあり、経済的な合理性からは程遠い状況にある中国は、いくつかの国民国家に分裂することのほうが、余程確率が高いと思います。まさに、金融危機後で中国で現在頻発している暴動などは、従来の暴動とは異なり、いくつかの国民国家に分裂する予兆ではないかとさえ思っています。

最後に、この「Global Trends」を読んでみて思ったのは、どの内容を読んでみても、当たり障りがなく、あまり参考にはならなかったように思います。やはり、こういうレポートは、各方面の専門家で構成された委員会ですから、やはりいろいろ部署の思惑なども入ることと、国際政治的な思惑なども反映されていて、決定打にかけるものになってしまうのだと思います。

2010年と2025年「Global Trends」を見て思ったのてすが、やはり予測というものはあたらないということです。「Global Trends2010」で金融危機のことをはっき、予測できなくても、その強い懸念などが示されていれば、今頃金融危機は回避できたかもしれません。こうした予測レポートなどは話半分で解釈しておくというのが妥当な線だと思います。


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