2010年1月11日月曜日

佐藤優氏の本も、首相が28冊まとめ買い-購入する書籍を間違えていないか?

佐藤優氏の本も、首相が28冊まとめ買い(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)


書店で購入する本を選ぶ鳩山首相=11日正午ごろ、東京都千代田区

鳩山首相は11日、東京・丸の内の大型書店を訪れ、28冊の書籍をまとめ買いした。

「暴走する資本主義」(ロバート・B・ライシュ著)や「新しい資本主義」(原丈人著)など経済関係のほか、「日本国家の神髄」(佐藤優著)や漫画本「虹色のトロツキー」(安彦良和著)などの本もあった。

通常国会直前のまとめ買いについて、首相は「1冊の本でも5分だけ読み、キーワードをつかむだけでも意味があると言われたが、5分かける28冊でも結構大変だ」と記者団に苦笑いを浮かべた。

また、成人の日のこの日、首相はインターネットの投稿・閲覧サイト「ツイッター」に「若い時は思いっきり生きて、いい思い出を作って欲しい」と書き込み、新成人を祝福した。

鳩山由紀夫首相が購入した本28冊は次の通り。(著者名は敬称略)

(1)「日本辺境論」内田樹

(2)「逝きし世の面影」渡辺京二

(3)「闘うレヴィ=ストロース」渡辺公三

(4)「日本国家の神髄」佐藤優

(5)「『情』の国家論」山本峯章、村上正邦、佐藤優

(6)「新自由主義か新福祉国家か」渡辺治、二宮厚美、岡田知弘、後藤道夫

(7)「文化力」川勝平太

(8)「ワールド・カフェ」アニータ・ブラウンら

(9)「ネオリベラリズムとは何か」デヴィッド・ハーヴェイ

(10)「新自由主義」デヴィッド・ハーヴェイ

(11)「談志 最後の落語論」立川談志

(12)「昭和史 戦後篇」半藤一利

(13)「レヴィ=ストロース講義」C・レヴィ=ストロース

(14)「暴走する資本主義」ロバート・ライシュ

(15)「日本型資本主義と市場主義の衝突」ロナルド・ドーア

(16)「日本語が亡びるとき」水村美苗

(17)「動的平衡」福岡伸一

(18)「確率論的思考」田渕直也

(19)「21世紀の歴史」ジャック・アタリ

(20)(21)「ブラック・スワン 上・下」ナシーム・ニコラス・タレブ

(22)「新しい資本主義」原丈人

(23)(24)「フラット化する世界 上・下」トーマス・フリードマン

(25)「金融危機後の世界」ジャック・アタリ

(26)「世界の経済が一目でわかる地図帳」ライフサイエンス

(27)(28)「虹色のトロツキー 7、8」安彦良和

購入する書籍の冊数、内容を間違えていないか?
本日は、本日は成人の日ということもあり、全国各地で成人式が開催されていました。また、性懲りもなく、あちことで、猿未満の脳の馬鹿者が騒いでいたようです。

こういう日は、さすがに官邸にも多少は余裕があるのでしょうか、鳩山首相は本屋にでかけて、まとめ買いをしたというニュースが入ってきていました。しかし、この大量の冊数と購入していた書籍の内容が気になりました。

いくつかの書籍の中身をみてみると、まず「暴走する資本主義」は、米国の資本主義と民主主義の保たれていた均衡が経済のグローバル化により崩壊する。 経済の力が消費者と投資家の権力を増大させ、「超資本主義」が民主主義を蹂躙する。 超資本主義が優勢になればなるほど、格差の拡大、雇用の不安定、環境問題などその負の部分が社会に蔓延するようになる。これらのプロセスがよく描かれている書籍です。しかし、この超資本主義の大失敗がアメリカ発の、昨年の金融危機に結びついたもので、現在では、無制限の資本主義は失敗することが明らかになっています。今更読んだからといって、アメリカと日本ではそもそも経済に関する課題が根本的に異なるので、あまり意味はないような気がします。

「新しい資本主義」は、まあ、読んでおいて悪くはないですが、あくまで、ミクロ経済のことが中心です。総理大臣でもあり、マクロ経済に関する知識を得るべき総理が読んだとしても、分野が異なるし、現状ですぐに役に立つものとも思えません。

「日本国家の神髄」は、過去の歴史を総体として顧みて、日本人と日本国家が生き残る知恵を発見する。大東亜戦争敗北後、米占領軍に封印された『国体の本義』。日本国民に忘れ去られたテキストから、平成日本の理想論を導き出すという内容です。日本の伝統文化を振り返るという意味では悪くはないと思います。何しろ、民主党は、日本の伝統文化など無視しがちですから。しかし、この書籍購入の目的が「親中・反米」のための理論武装のため一環であるとすれば、問題です。

漫画本「虹色のトロツキー」に関しては、単なる漫画本であり、舞台ははるか昔の満州国ということもあり、全くのレジャーのための読み物というところです。これを二冊購入ですか?

購入する書籍の内容は、その人の関心の分野や、その人の知性の程度も現れるものです。いつも、スポーツ新聞ばかり読んでいる人は、知性が低いことは確かです。

上記の書籍リスト経済に関しては、もうすでに既知の事実であるか、ミクロ経済に関するもののみであることから、あまり、現在の経済状況など反映していないものです。特に、民主党幹部に関しては、鳩山さんはじめ、国債を擦るとすぐに財政破綻をすると、野党のときにさんざんぱら言ってきたというよな、恥ずかしいマクロ経済音痴です。まあ、亀井氏は例外ですが、民主党の人間ではありません。これは、今までの言動、行動などから明々白々です。前麻生総理は、漢字の読み間違いなどをからかわれていましたが、これなど、民主党幹部のマクロ経済音痴から比べれば、大した問題ではありません。未曾有という漢字が読めなくても、マクロ経済学の本は読めます。漢字の読みなどよりも、マクロ経済の筋道を知っていたほうが、経済対策、雇用対策には、はるかに役立ちます。

だから、知識を仕入れるとすれば、今はマクロ経済ものにすべきと思います。少しでも、マクロ経済に明るくなるべきと思います。そういった意味では、たとえば、昨年ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマンの書籍とか、日本人よりも日本通のリチャード・クー氏の書籍などが良いと思います。とにかく民主党幹部のマクロ経済音痴は酷すぎます、このままでは経済が駄目になってしまうのは必至です。日本国内でマスコミや国民はだませても、海外の専門家からは冷ややかな目で見られています。日本国内でも文芸春秋などの雑誌で、酷すぎるマクロ経済音痴に関しては徹底的に分析されて、徹底的に叩かれていました。

他人の読む本にケチをつけるのも気がひけるのですが、今の政局を考えた場合、方向ハズレの書籍を購入したり、この時期に漫画本を含む28冊もの書籍を購入するのは、いかがなものかと思います。まわりにいろいろな人がいるでしょぅから、気になる書籍はそういう人に購入してもらい、どのような書籍だったか、要約を聞いてから、実際に読むなどのことをしても良いと思います。それよりも、何よりも、現時点なら書籍を読むよりもまともな経済学者などから短期間で集中的にレクチャーしてもらうほうが早いかもしれません。

麻生さんは、ホテルのラウンジで飲んでいただけで、批判を浴びました。ホテルのラウンジで、それも、何人かの人と飲むということは、度が過ぎなければ、気分の転換や、コミュニケーションを深めることや、生情報を得るということにも良いものと思います。それに、麻生さんに限らず、歴代の総理大臣も、政局が本当混乱しているときとか、予算審議の直前など、大量の書物を購入するなどのことはしていないでしょう。見当はずれの書籍を多数読むということは、ホテルのラウンジで飲むことよりも、はるかに時間の無駄だと思います。お金の遣いかたも、時間の使い方も非常に鷹揚です。さすが、お坊ちゃまと言わざるを得ません。


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