2013年11月12日火曜日

中国政府への武装蜂起宣言の会議開催 人民解放軍の参加者も―【私の論評】中国の発展に不可欠の社会構造改革に、必須の政治改革を拒否する共産党中央政府に未来なし!習近平は、ラストエンペラーになる(゚д゚)!

中国政府への武装蜂起宣言の会議開催 人民解放軍の参加者も
 
10月上旬、アメリカ・テネシー州の州都ナッシュビル。貸し切られた某ホテルに、100人を超える中国系の人たちが集まっていた。世界約30か国から極秘のうちに参集した彼らは「中国民主運動海外連合会議」のメンバーだ。各地域で民主活動家をまとめるリーダー級の人物ばかりである。

彼らはホテルの会議室で議論を交わし、今後の活動の指針として、合意文書を作成した。日付は〈2013年10月16日〉、タイトルは〈中国民主革命檄文(げきぶん)〉だ。文書の内容を一部、紹介しよう(編集部訳)。

日本でもかつてあった武装蜂起 2.26事件

〈中共統治グループは、国内の各民族を抑圧する人民共通の敵である。(中略)抑圧され、略奪された人民よ、団結して立ち上がろう。造反して武装蜂起し、全体主義暴政を転覆させよう〉〈自由に民主的、平等、法治のもとにある幸福な故郷を築こう。人民には平和を求める権利がある。武装し、暴力で抵抗し、軍事クーデターといった手段で暴政に終止符を打とう〉

武力を用いて現政権を打倒することを呼びかけている。民主化組織としては、かなり過激で、扇情的な内容といっていいだろう。しかし、この“闘争宣言”を書き上げた「連合会議」は、そもそも、そうした暴力的な行動で民主化を目指す組織ではなかった。

発足は1998年秋。トップ(主席)を務めるのは、国内外で運動のシンボル的な存在である魏京生氏だ。魏氏は、1970年代後半から民主化運動の主導者となり、2度の入獄、計18年の服役を経験し、アメリカに亡命。現在もアメリカを拠点として活動する。共産党政権に“何か”が起きた時、民主政権のリーダーとして内外から期待される人物である。

本誌は、魏氏の側近で、「連合会議」の執行委員・アジア代表を務める民主活動家・相林氏に接触した。相氏は天安門事件以前に日本に留学しており、事件後も中国に帰国することなく、日本を拠点に民主化活動を続けてきた。相氏もテネシーでの会議に参加し、〈革命檄文〉の執筆に携わった。

「これほどの檄文が作られたのは、私たちの組織ではもちろん初めてのこと。過去の中国の歴史を振り返っても、王朝末期、悪政に対して決起した革命軍が掲げたぐらいのものでしょう。それだけの覚悟で書き上げたものです。

私たちが方針を変えた大きな理由は、習近平体制に対する失望です。習氏は国家主席就任前から“汚職・腐敗の撲滅”を掲げてきた。それに期待感を抱いていたが、大きな間違いでした。習体制になってから、多くの上級官僚が摘発されたが、失脚者の中に、習氏の出身母体である太子党はひとりもいない。“反腐敗キャンペーン”の姿を借りた派閥闘争、政敵の排除に過ぎないのです。

そして習一派は蓄財に励んでいる。官僚の汚職を指摘した活動家や、それを報じたジャーナリストは、本来はキャンペーンを後押しする存在なのに、次々に逮捕・拘束されたことがその証拠です。

私たちは30年間、平和革命を目指してきたが、一向に事態は進展していない。貧富の差がますます拡がり、庶民の生活が苦しくなる中で、あと30年も待てません。過去の王朝がそれで滅びたように、私たちも暴力革命に舵を切ったのです」

以前からも「連合会議」メンバーは北京当局から徹底的にマークされてきたが、今回の檄文起草にあたり、当局が神経を尖らせていることは想像に難くない。それでも会議には中国国内からも30人ほどのメンバーが、偽名などを使って秘密裏に参加した。

「実は、今回の会議には人民解放軍の関係者も身分を隠して参加しました。軍事クーデターを考えた時、軍との連携は不可欠です。

軍は共産党の指揮下にあるとはいえ、良識的な人物もたくさんいます。天安門事件の時には、“人民を殺したくない”と出動を拒んだ将校もいた。現在も、“人民解放”の名の通り、庶民を悪政から解放したいと考え、私たちと連携する軍関係者もいるのです」(相氏)

※週刊ポスト2013年11月22日号

【私の論評】中国の発展に不可欠の社会構造改革に、必須の政治改革を拒否する共産党中央政府に未来なし!習近平は、ラストエンペラーになる(゚д゚)!


習近平

現在の中国共産党中央政府に対して、義憤を感じてこれを倒そうという勢力当然のことながら出てきて当然です。このブログにも過去に何回も掲載してきたように、中国では建国以来毎年平均で2万件の暴動が発生していました。ここ数年では、毎年平均8万件ともいわれています。しかも、これらには、300人未満の暴動は含まれていないそうです。これは、いくら中国の人口が多いとはいってもかなり異常です。

たとえば、日本は人口が丁度人口が中国の1/10程度ですから、1/10にして比較しても、2,000や8,000はやはり多すぎです。日本で、年平均で2000、8000などレベル暴動が起こっている状態を想像してみてください。これはかなり異常なことです。異常どころか、内乱状態です。

それに日本の場合、いわゆる暴動にまてなった争議などここしばらく絶えてないです。日本国内で、政府や官僚に対する批判や、不満の声があがったとか、社会の対する不満があったにしても、不満は不満であって、だからといって暴動にはなりません。ましてや、中国のような数や規模の暴動など考えられません。

中国では暴動が日常茶飯事

日本では、いわゆる日本駄目論が幅を利かせているようですが、この事実をもってしても、中国駄目論は、妥当ですが、日本駄目論は論外です。それだけ日本は、様々な基盤が整備されているし、平和であり、所得格差も少ないです。犯罪件数も、1994年度以降減少しています。これに対極的なのが現代中国です。

この中国、30年ほど前から、鄧小平の指導のもと改革開放路線がとられ、積極的な経済成長を実行してきました。そのため、経済はかなり拡大しました。しかし、鄧小平がこの路線を推し進めるときに、語った「富める者から富め」スローガンのまま、富める者だけが富み、そうでない人々は置き去りです。ますます、貧富の差は広まるばかりです。

中国の改革開放路線は、根本的に西欧数百年、日本が数十年で行った、社会構造変革による改革とは異なります。日本や、西欧先進国の場合は、社会構造を変革し、経済的中間層を増やし、この中間層が富裕層から比較すれば、小規模ではありますが、活発な経済活動をするようになり、それによって国を富ませ栄えさせ、貧困を撲滅し、さらに中間層が様々な社会活動をすることによって、豊かな社会を築くことに成功しました。

しかし、中国の経済発展は、西欧型先進国の経済発展とは異なり、キャッチアップ型であり、世界各国の民間や政府に対して、中国の人口の多さ将来の市場の発展をアピールし、これらに期待感を抱かせ、投資などを呼び込みそれによって発展してきたという違いがあります。

そのため、経済は発展しても社会構造は昔のままという歪(いびつ)な構造を生み出してしまいました。そもそも、中国では社会の基本である民主化、政治と経済の分離、法治国家化がかなり立ち遅れています。民主化については、現在でもまともな選挙もないという国柄です。政治と経済の分離については、中国は国家資本主義であり、不可分に結びついています。法治国家化についても、いまでに法律はあいまいで人によって動いています。少なくとも、中国はこの三つをなんとかしなければ、とても近代国家とも呼べる国ではありません。

中国の与党共産党は11月9日から11月12日にかけて北京で第18期中央委員会の第3回全体会議を開催する。

そうして、中国共産党中央政府は、今後も社会構造変革をしようという気は毛頭ありません。それは、最近のニュースでもはっきりしています。本日、以下のようなニュースがありました。
中国共産党、三中全会控え政治改革を否定=人民日報 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、中国 共産党は8日、第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)の開幕を翌日に控え、いかなる政治改革も行わないとする文章を党機関紙・人民日報を通じて発表したとしています。

そうして、共産党は中央党史研究室の名前で発表した文章の中で、中国は党の指導の下でのみ繁栄できると指摘。「中国の特色ある社会主義」の道を歩み続けると表明し、党による統治を脅かしかねない欧米式の政治システムを模倣することはないとの認識を示しています。

日本が明治維新で躍進したときには、欧米式の政治システムを研究して導入しています。そうして、日本がその後世界の大国となったのは、明治、大正、昭和の間に社会構造を変革し結局中間層を増やしそれらが活発な経済活動を行うようになったからです。特に、戦後の高度成長はこれによって達成されたものです。

少なからずの人々が、日本が貿易立国だとして、日本は資源が少ないから輸出によってなりたってきたし今もそうだなどとの幻想を持っていますが、それは全くの間違いです。日本のGDPに占める輸出の割合は、現在15%ほどに過ぎません。これが、10年以上前には8%に過ぎない時期もありました。

日本の繁栄は、数の多い中間層の活発な経済活動による内需によるものであり、貿易などによる外需によるものではありません。実際、現在はデフレでこの中間層による経済活動が停滞しています。そうして、円安で貿易が増えても、一部の大企業が潤うだけで、国民全般が潤っているわけではないことをみてもこのことは理解できます。

日本では、経済活動が停滞しているものの、中間層の数は、他の先進国と比較しても今でも最高水準にあります。もし、デフレが解消されれば、これらの中間層の活動が再び活発化して、経済の大躍進がはじまります。多くの日本駄目論者には、このことを信じられないでしょうが、これが日本の真実です。

中国の少数民族の中間層?

これに比較すると、中国の経済的中間層は3億人いると中国では発表していますが、日本のそれと比較すれば経済的には無視しうるほどに小さいです。なぜなら、日本の中間層と比較すれば、年収などまだまだ足元にも及びません。日本のような経済的にもある程度恵まれた、中間層を形成するには、社会構造の変革が必須です。そのためには、ある程度の民主化、政治と経済の分離、法治国家化は、必須です。しかし、これらの基本ともなる、政治改革を否定し続ける中国には未来はありません。

未来のない中国がいつまでも続くはずはありません。いずれ、「中国民主運動海外連合会議」のようなグループ等にとって変わられてしまうのは必定です。そうなれば、習近平はラストエンペラーになってしまいます。

私はそう思います。皆さんはどう思われますか?

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