2015年7月16日木曜日

又吉直樹さんが芥川賞を受賞 「火花」で―【私の論評】又吉さんのように「小さな変化に気づく人」になることがあらゆる分野での成功への近道だ(゚д゚)!


又吉直樹さん

第153回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は又吉直樹さんの「火花」(文学界2月号)と羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)に決まった。

芥川賞の又吉さんは昭和55年、大阪府寝屋川市生まれ。綾部祐二さんとお笑いコンビ「ピース」で活動中。今年1月、自身初の純文学作品となる受賞作「火花」を文芸誌「文学界」に発表。創刊約80年に及ぶ同誌を初の増刷に導き、単行本も新人作家としては異例の64万部に達した。受賞作は、理想や夢を追い求める若手お笑い芸人2人の輝きと挫折を描きだす。

贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。

【私の論評】又吉さんのように「小さな変化に気づく人」になることがあらゆる分野での成功への近道だ(゚д゚)!

又吉さん素晴らしいです。それにしても、又吉さん前からただ者でないと私は睨んでいました。それに関しては、このブログにも過去に掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
パンツやローヒール靴人気急上昇 震災で変わる女性ファッション―【私の論評】時流をつかめ!!本当に意味がわかっていなければ、未来はつくれない!!
2011年都内でバレーシューズを履いた女性

この記事は2011年8月のものです。震災直後であることと、日銀はまだ金融緩和に転じておらず、デフレの真っ最中でした。

そのような時代背景に、ファッションも大きく影響を受けて、ファッション雑誌を含む大方のファション業界筋の人々の予想ははずれ、女性もののバレーシューズがはやり、アパレルでは、ゆったり着られるもの。それと同時に、好まれる色も白やベージュ、サックスブルー(淡い青)が中心になったことを掲載しました。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、こうした当時の大方のファション業界筋の予測の外れについては、やはり時流の変化をつかみ切れなかったことに原因があることを指摘しました。

そうして、将来を予測する方法についてのドラッカーの至言と、その事例として又吉さんの例をあげました。それに関連する部分のみを以下にコピべさせていただきます。
将来を予測するのは、不可能、できるとすれば、すでに起こった未来を見つけるか創るしかない(ブログ管理人注:経営学の大家ドラッカーの言葉)
これは、商売の世界だけではなく、政治の世界でも同じ事だと思います。有権者がどのように変わりつつあるのか、政治家も政争にあけくれるだけではなく、こうした変化の底流はなんなのかを見定めていく必要があると思います。

そうでなければ、上の雑誌(ブログ管理人注:ファッション雑誌)の編集者のように、時流を見誤まるおそれがあります。さて、皆さんは、この現象をどのようにご覧になりますか?

ドラッカーは、「未来を予測することなど誰にもできない。できるとすれば、すでに起こった未来(まだ、少数であるが、将来主流派になるような事象)をつかむか、未来を自分でつくる(長期計画で変化をおこす計画をたてて、そのとおり実施すること)である」としています。

さて、ドラッカーのこの至言を実行するためには、時流をつかめなければ不可能だと思います。時流とは、直近の世相や、人々の変化と捉えるべきです。時流は過去と分断して、突然起こるものではありません。過去を知らなければ、時流を知ることはできません。時流を知ることができなれば、すでに起こった未来をみいだすことも、未来をつくりだすこともできません。

最近NHKテレビのテレビ番組で、「仕事ハッケン伝」で芸人の又吉さんがでているのを見ました。これは、6月9日(木)に放映された、「 ピース 又吉 × コンビニ業界」というタイトルでした。
ローソンの企画本部で自らの企画を説明する又吉さん
これは、お笑い芸い人のピース又吉氏がローソンの商品企画部に入社し新商品のキャッチコピーや販売促進方法を考えるという企画ものの番組でした。又吉氏の考えたコピーは、本職の期待をいい意味で裏切り、300点の出来と評されました。(ちなみに、コピーは最近ローソンで販売されたばかりのミニパスタのもの)
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女性に大人気のショートパスタ
あちこち取材をし、深く考えるという姿勢が高く評価されていました。
その次の仕事は、高齢者にコンビニに来ていただくというものでした。TVでは、又吉氏が「ムードローソン」というコンセプトの店づくりを提案していた。年輩の方の持つ「お店で話を聞いてほしい」というニーズに応えるものです。しかし、又吉は、この「ムードローソン」の要員に、「薬剤師」をと言ってしまったため、薬剤師を置くという案は否定されてしまいましたが、「ムードローソン」というキャラクターを店舗に設置する事は受け入れられています。

さて、この中で、特に、ローソンのショート生パスタのキャッチコピー、又吉さんが考えたキャッチコピーは、

「末っ娘が生まれました。かわいがってください。」

「命名:ショート生パスタ、双子姉妹です。」

担当女性社員に、バカ受けし、「絶対、売れる!!」と、大好評でした。さて、皆さんはこの事実をどう捉えますか。

なぜ、又吉さんが、300点もの点数を上司からいただいたのでしょうか?普通の人なら、このようなことはあり得ないと思います。無論、又吉さんに優れているところがあるからです。

一体どこが優れているのでしょうか?そうです。又吉さんが、芸人であることに多いに関係しています。良く考えてみてください、芸人というものは、お客が笑ってくれなければ、商売になりません。お客がどういう話をきけば、笑うのか、いつも考えているはすです。

そうです、又吉さんは、芸人という立場で、又吉さんなりのやり方で、時流をつかんでいるのです。だからこそ、高得点をあげることがてきたのです。これが、時流をとらえていない人が適当にやれば、このようなことには絶対になりません。
後日確認したのですが、このミニパスタは確かにバカ売れししました。この頃から、又吉さんは、ただ者ではないと感じていました。後で、無類の読書好きであることから、芸人の仕事のほかにもきっと何か大きなことをするに違いないと思っていたら例の「火花」が出版されました。そうして、今日の芥川賞受賞です。

この快挙には、いろいろな要因があると思います。今回の芥川賞受賞の評価対象となった、書籍の書評や、又吉さんの生い立ちなどのことは他のメデイアに任すこととして、ここでは私の得意な方向からこれに迫りたいと思います。

人々から支持され成功する、経営者、政治家、芸人、作家というよりあらゆる分野で支持され成功する人材になるためには、実はある一つの共通の特性があります。それは何かといえば、「小さな変化に気づける人になる」ということです。 又吉さんには、間違いなくその特性があります。そうでなければ、上記のような企画ができるはずもありません。

しかし、これだけでは何のことやらおわかりならないと思いますので、下に若干説明を加えます。

いつの時代でも、頭が良いだけでも、情報・知識が豊富であっても、この「小さな変化」にまず気づかなければ、将来の大変化、それもすでに現在身の回りに起こっていて、それが将来大変化になるような変化、いってみればあらゆる仕事に必要な最も重要な変化に気づくことはできません。

小さな変化に本当に気づく人は、変化が大きくなる前の小さな変化の時から気づきますから、今の時代の流れ、すなわち「時流」を知ることができます。このような能力を欠くと、芸人はもとより、他の仕事でも人でも本来の務めを全うすることができません。

それぞれの立場において、「小さな変化に気づく人々」の後塵を廃するだけで、いつまでたっても周りの人や、世間から認められ、支持されるようにはなることができません。

政治家もそうです。現在の日本の安全保障の環境は過去から現在までの間に大きく変わっているのに、左翼やメディア、それに野党政治家などのように、その変化にはかなり鈍感です。60年安保のときと、ほとんど変わっていません。このような人たちには、永遠に「時流」を知ることはできません。

時流はもとより、小さな変化に鈍感な人々
いわゆる市場関係者や、与野党を含めた政治家、官僚、マスコミの多くは過去においては、デフレが日々人々の生活を悲惨なものにしつつあったという「小さな変化」を見逃し、それどころか、リフレを批判し、大増税キャンペーンを実行し、とうとう昨年4月には8%増税が実行され、最初から予想された通り大失敗しました。

「時流」をつかめない人が、まともな仕事をしようとしても、できるものではありません。その逆に「時流」を本当に知ることができる人は、政治家や経営者、芸人、作家などあらゆる方面で成功することができます。

そのためには、小さな変化に気づけることが、時流に気づく第一歩となります。これは、性別、学歴、年齢はいうまでもなく、個々人が前もってもっている知識、情報にかかわらず、最も重要な要素です。

そのためにも、最初はまずは、身の回りの「小さな変化」に気がつくようにならなければなりません。それが、大きな変化に結びつくのかどうかは、別にしてまずは小さな変化に気づく人になり、いくつもの変化を察知して、それがどうなっているかをみていくうちに、いずれ必ず将来の大きな変化にたどりつくことができます。

まずは、自分の周りの人たちの変化に気づくことができない人や無関心な人は、どのような「小さな変化」に気づくことはできないでしょう。あなたの周りの人も、絶えず変化しているはずです。髪型、ファッション、態度、言葉遣い、その他いろいろあります。これを日々見逃しているようでは、もう時流からはかなり乗り遅れていると自覚すべきです。


みなさんは「ゆでガエルの法則」をご存知でしょうか。ビジネス環境の変化に対応する事の重要性、困難性を指摘するために用いられる警句のひとつです。

2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れます。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡するというものです。大きな変化も、最初は小さな緩慢な変化から始まります。しかし、この小さな変化にきづくことができなければ、最悪の場合はゆでガエルになって死んでしまうということになります。

まずは小さな変化に気づけるように、日々努力して、それが社会的に意味のある変化なのかどうなのかを判断できるように訓練して、さらにそれを自分の仕事と関連づけて、認識できるようになれば、いずれ必ず大きな大変化に気づくことができます。その時、世界はあなたのものです。社長にだって、政治家だって、作家でも、芸人でもミュージシャンになっても、何でも成功することができます。

そうして、又吉さんの場合は、暇さえあれば本を読むという無類の読書好きということも加わって、今回の芥川賞選定に結びついたのだと思います。

やはり、読書もどの分野であれ重要です。作家という立場では、当然表現方法を学ぶとか、時代の空気を読むためにも必要不可欠だと思います。それ以外の立場の人でも、読書は重要です。自分では体験できない多くの人の追体験を読書ですることができますし、無論情報を体系的に得ることができます。

ニュースや、ネットの断片的情報だけでは、「小さな変化」を知り、それを自分の仕事に結びつけるということは不可能だと思います。又吉さんのように若い頃から読書に慣れ親しみ、さらに小さな変化に気づくことが重要です。

いつまでも、何も変わらない、変えられなような人になって無為な人生を送るよりは、又吉さんのように、本職でも成功し、場合によっては他の才能を開花させるような人になれたほうが良いに決まっています。

多くの人が、このような精神をもって、これから努力すれば、これから日本にも又吉さんのようにクリエイティブな人がたくさんでてくるかもしれません。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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