2015年9月9日水曜日

大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!

大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず

表および写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 この国のメディアでは、時として不思議なことが起こる。政府が9月中旬までの法案成立を目指し、参議院で大詰めの審議を迎えている安全保障法案に関する報道だ。8月下旬、安保法案に反対するデモが全国で行われると、一斉にこう報じられた。

 〈安保法案 一斉「NO」〉〈「ウォッチ安保国会」若者発デモ、悩んで学んで〉(ともに朝日新聞8月24日付朝刊)

 〈黙っていたら「戦争法案」採決される 全国一斉デモ 64カ所〉(毎日新聞8月24日付朝刊)

 さらに、各地の地方版でも、〈学生ら安保法案反対訴える〉(朝日新聞同日付、宮城県版) 〈安保法案「9条を壊すな」1100人参加し集会 岐阜〉(毎日新聞同日付、岐阜県版)などと、反対の声が報じられた。

 デモが行われたことは確かにニュースではある。だが、朝日の8月の世論調査では30%、読売調査では31%いるはずの「賛成」派の声は、ほとんど聞こえてこない。

 報道が持つ役割の一つに「権力の監視」があることは論を俟たない。だからといって「反対」の声ばかりが取り上げられ、3人に1人はいるはずの「賛成」の声が黙殺されているのは不可思議だ。普段は「少数派の声」を取り上げるのが得意な朝日が、今回に限ってどうしてそれを無視するのか。

 賛成派がなぜ安保法案を必要と考えているのか、あるいは賛成でも反対でもない人々が法案や国会審議をどう見ているのかをすくい上げ、国民的議論にすることが必要であるはずだ。

 その意味でさらに不可解なのは、新聞各紙が海外の安保法案賛成の声をほとんど伝えていないことである。

 目の前の南シナ海で中国の脅威を肌で感じているフィリピンのアキノ大統領は、6月に参院で演説し、「日本との関係は地域の自由を確保するための最前線にある」「日本は平和維持のため、国際社会に責任を果たす上でより積極的な立場を取っている」と安保法案を評価した。やはり南シナ海で中国の攻勢に晒されているベトナム、マレーシアも、「日本の平和への貢献を歓迎」すると表明している。

 ほかにもアメリカはもちろん、イギリス、フランス、オーストラリアなど先進国各国が安保法案に賛成の立場を示しており、ドイツのメルケル首相は「国際社会の平和に積極的に貢献していこうとする姿勢を100%支持する」とまで述べている。

 5月に開かれた日EU定期首脳協議の共同声明では、〈「積極的平和主義」に示された世界の平和と安全の促進と維持における取組を歓迎し、支持する〉との評価が盛り込まれた。そうした国々をはじめ、世界40か国以上が安保法案や日本が掲げた「積極的平和主義」を支持するとしている。

 アキノ大統領の参院演説についてはさすがに朝日や毎日も報じたが、日本各地の反対デモを逐一報じるように、「世界の賛成の声」を詳細に報じた記事は見当たらない。

 本誌は、憲法を形骸化させる安倍政権の手法には賛成できない。憲法を都合良く解釈し、小手先の法改正で国を守るあり方を変えようする強引な姿勢は、日本の針路を危うくするものだと考える。

 ただ、だからこそ今、日本国内の声とともに、法案に賛成している国はどのような理由で賛成しているのか、そして、日本に期待されている国際的な役割は何なのかを海外の声からすくい上げ、議論の材料にすることが必要なのではないか。それがないまま議論を進めても、いつまでもイデオロギー対立を繰り返すばかりだ。

【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!


最近、参院で審議中の憲法解釈の変更による、集団的自衛権の行使を含む安保法制に関しては、国内でも多くの議論がなされましたが、おおむね国外(とくにASEAN諸国)では「支持」「歓迎」の声が数多く聞かれます。ブログ冒頭の表にはありませんがイギリスでも「支持」が表明されており、一部に懸念する声もあるものの、世界的な安全保障に対する日本への期待は大きいです。

国内の世論調査では、「憲法改正した上で集団的自衛権の一部行使容認すべき」という声がもっとも多く、その気持ちもよく分からなくはありません。でも、今回各国から「支持」の声を引き出せた背景には憲法改正ではなく、解釈の変更によって進められたものだからこそという側面もあることを忘れてはならないはずです。いずれにしても、日本はやっと普通の国になろうとしているというのが海外の多くの見方であり、今後の日本の世界に対する行動がその評価を決めていくことになるでしょう。

以上について、新聞はもとより、テレビなどのメディアもほとんど報道しません。

このような世界情勢をほとんど報道しないメディアによって、現在多くの人々が誤った認識に基づき、安保法制の成立に反対しています。

このことに及ばず、マスコミは安保問題に関しては、明らかに一つの意図にもとづき、報道統制をしています。

マスコミが安保法制に関して重要なことで、ほとんど報道しないことは他にもあります。それは、あげればきりがないほど、多数に及びます。それを全部とりあげていては、膨大なものとなるので、ここでは、安全保障に関するものだけあげます。

これらはこのブログでも過去に掲載してきたことですが、まとめて掲載したことはなのです、簡単に以下にまとめておきます。

憲法9条に関する憲法学における京都学派の見解

まずは、日本では憲法学者のほとんどが、安保法案を違憲としていますが、別の見方もあります。それは憲法学でも、京都学派に属する憲法学者らの見方です。

佐々木惣一氏は憲法第九条の条文そのものに即して以下のように詳述しました。

佐々木惣一氏
憲法によれば、国家は、戦力、武力による威嚇及び武力の行使については国家が国際紛争を解決する手段としてする、というものという標準を設け、かかる戦争、武力による威嚇及び武力の行使を放棄している。 
故に、国際紛争を解決する手段としてではなく、戦争をし、武力による威嚇をし、武力を行使することは、憲法はこれを放棄していない。即ち禁じているのではない。このことは、前示憲法第9条第一項の規定を素直に考究すれば、明瞭である。 
同条項によりて、国家は、戦争、武力による威嚇及び武力の行使の三者を放棄する。換言すれば、してはならぬ、と定めている。が、併し、これらの行動を全般的に放棄しているのではなく、その行動を、国際紛争を解決する手段として、することを放棄する、のである。 
故に、国際紛争を、解決する手段以外の手段として、戦争することは、憲法により禁ぜられているのではない。国際紛争を解決する手段以外の手段として、戦争をする、という場合としては、例えば、わが国が突如他国の侵略を受けることがあって、わが国を防衛するために、その他国に武力を以て対抗して、戦争をするが如きは、明らかにこれに属する。(略)故に、いわゆる自衛戦争は憲法の禁ずるところではない。(佐々木惣一『憲法論文選(三)』)
この見解は、現在全く顧みられることもなく、そうしてマスコミもほとんど報道しません。

憲法解釈による集団的自衛権の行使に関する誤解

さて、次には、メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘です。

それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。

そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。アメリカ軍の基地を日本国内に設置することそのものが、すでに集団的自衛権の行使であることを日本のマスコミはほんど報道しません。

日本に米軍基地が存在すことそのものが、集団的自衛権の行使である
朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己法制局長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。

佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は明らかに変わっています。佐藤内閣以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。

この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。

集団的自衛権の行使ができないなどという見解は、単なる妥協の産物に過ぎないのですが、今のマスコミはまるで日本が終戦直後から集団的自衛権に関しては、「日本は行使できない」という考え方を貫き通してきたような報道ぶりで、これを正しく伝えません。

そのため、日本では多くの人々が、憲法解釈による集団的自衛権の行使に関して正しい認識を持っていません。

さらにまだあります。

安倍総理の「アジアの安全保障のダイヤモンド」

それは、安倍総理の独自の構想である、「アジアの安全保障のダイヤモンド」です。これについてもほとんど報道されていません。これについては、このブログでも何度か掲載したことがあります。その中の一つのリンクを以下に掲載します。
安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近-【私の論評】鳩山の構想は報道しても、安部総理の構想は一切報道しない日本のマスコミの存在意義を問う(゚д゚)!
昨年会談した安倍晋三首相とインドのモディ首相
安倍総理は、民主党からの政権交代により、自民党政権が成立する直前の衆院選挙後に、この構想を海外のサイトに海洋安全保障強化を図るための、日本とハワイ(米国)、オーストラリア、インドの4カ所をひし形に結ぶ「安全保障ダイヤモンド構想」を提唱していました。

安倍総理は、この構想を発表するだけではなく、政権発足後から、外遊をかさねて、各国のリーダーたちに対して、この構想を実現するための努力を継続してきました。

このような外交の努力があったからこそ、このブログの冒頭に掲載されているように、安倍政権による安保法案が、海外から高い評価を得ているのです。もし、この構想や安倍総理の外交がなければ、このような高評価を得ることはできなかったでしょう。

憲法解釈の変更による、集団的自衛権の行使を含む、安全保障法制の成立は、「アジアの安全保障のダイヤモンド」の実行を担保するものでもあるのです。

国連憲章と、他国憲法等に関して

マスコミが報道しないことは、まだあります。それは、国連憲章の第51条にはすべての国が、自国
を防衛する手段として、自然権としての集団・個別の両方を含む自衛権を行使できる旨の条文が定められています。

さらに、他国の憲法では、集団的自衛権に関しては、あまりのも当然の権利であり、それをわざわざ憲法の条文にしていない国々が多いです。

ドイツの集団的自衛権について

集団的自衛権とは、同盟に属するほかの国が攻撃された場合、自国が攻撃されたことと同等にみなして、他国を防衛するために戦う権利です。

例えば、ドイツが加盟している北大西洋条約機構(NATO)は、典型的な集団的自衛組織です。もしポーランドが外国から攻撃された場合、ドイツはほかのNATO加盟国とともに、ポーランドを防衛するために戦う義務を負います。その代わり、ドイツが他国に攻撃された場合は他国の防衛援助を受けられます。

ドイツ連邦軍のヴィーゼル空挺戦闘車
このようにしておけば、ポーランドも、ドイツもロシアなどから攻撃される確率はかなり低くなります。もし、ロシアがポーランドを攻撃しようと企てたとして、実際に攻撃をはじめれば、ロシアがポーランドのみを攻撃するつもりであっても、これはNATOに属する国々全部を相手にすることになるわけですから、余程のことがない限りこのような冒険はしません。だから、戦争の抑止になるのてす。

このように集団的自衛権とは、元々は、戦争を抑止するためのものです。現在世界では、過去のように、ロシア(当時はソ連)がポーランドを攻撃するようなことは考えられませんが、さりとて、そのような状況が未来永劫にわたって続くとは限らないので、抑止力としての集団的自衛権を行使することが安全という考えかたです。

それから、ドイツは個別的自衛権を認められていません。ドイツには、ドイツ独自の軍隊であるドイツ連邦軍もありますが、基本的にはNATOの指揮下でしか動けません。 そのた、個別的自衛権行使出来ません。

これは、根底には、個別的自衛権の方危険だという考えがあります。個別的自衛権の行使は、当外国の判断だけで、実施することができるので、戦争になりやすいという理屈です。

集団的自衛権の場合は、周りの同盟国が、ある国が戦争をしようとしたとしても、それが同盟国の利益に相反する場合など、戦争を思いとどまらせるという行動に出ることが、考えられますから、集団的自衛権のほうが安全という理屈で、ドイツは個別的自衛権を行使しないようにしているのです。 

以上全部で6つの論点は、日本の安全保障を考える上で、不可欠であり必ず理解しておくべき事柄です。これらの、論点を知らなければ、まともに議論することはできません。

この重要な論点をマスコミはほとんど報道しません。これでは、多くの国民がまともに安全保障を語ることができないのが当たり前です。

そうして、マスコミにだけにおよばず、多く野党もこの論点を欠いています。そのため、国会の審議もまったく見当外れの不毛な時間の無駄遣いになっています。

このような重要な論点を全く報道しないということは、ある意味報道統制と同じです。これは、一体どこの国のための報道統制でしょうか。

とう考えても、日本国民や、日本政府のための報道統制とはいえないです。これは、安保法制が成立しなかった場合誰が一番得をするかを考えてみれば、すぐに理解できます。

一番、得するのは、中国です。そうして、このブログにも過去に掲載してきたように、中国は現在権力闘争のまっただ中です。習近平は苦しい立場に追い込まれています。中国の現体制は崩壊する可能性もあります。

そんな最中に、日本で安保法制が成立しなかった場合、中国はますます南シナ海や、東シナ海で暴虐の限りを尽くすことが簡単になります。そうなると、習近平にとっては、願ったりかなったりです。海外に対して、強く出て、中国の権益を増加させ、国内でも地盤を強化できます。

日本のメディアは、習近平応援メディア
何のことはない、結局日本のマスコミは、習近平応援のため、日本国内で情報統制をしているのです。その情報統制により、重要な論点を知らず、今回の安保法制を「戦争法案」として反対しデモをする人だちは、習近平応援デモをしているだけです。

こんなマスコミもういりません。本当に、ほとほと愛想が尽きました。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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