2018年7月12日木曜日

立憲民主に“ブーメラン”直撃! 猛批判の自民懇談会と同じ日にパーティー挙行、多数のビール瓶が…―【私の論評】与野党に限らず、国民を不幸にする経済センスのない政治家は要らない(゚д゚)!

立憲民主に“ブーメラン”直撃! 猛批判の自民懇談会と同じ日にパーティー挙行、多数のビール瓶が…



 安倍晋三首相は11日、岡山県を訪れ、未曾有の被害が出た「平成30年7月豪雨」の被災地を初めて視察。立憲民主党など左派野党は、災害の危険が迫る5日夜に、安倍首相や自民党議員が衆院議員宿舎で懇談会を開いたことを猛烈に批判しているが、実は、立憲民主党の衆院議員も同日夜、枝野幸男代表や、蓮舫副代表らも出席したパーティーを開いていた。ネット上は「ブーメラン直撃」と炎上している。

 「ライフラインの早期復旧へ、スピード感をもって取り組む。全力で対応する。自治体が安心して復旧に当たれるよう、財政措置を講じる」

 安倍首相は10日、自民党広島県連所属の国会議員と官邸で面会した際、被災地支援策について、こう強調した。11日の岡山視察に続き、広島県や愛媛県も近く訪問する方向だ。

 こうしたなか、他人の批判だけは天下一品といわれる立憲民主党の蓮舫氏は10日、「赤坂自民亭」と呼ばれる5日夜の懇談会に、安倍首相や小野寺五典防衛相ら約50人が参加したことを、「責任感が欠如している。気象庁が警戒を呼び掛けていた夜だ。まさかと思った」と、国会内で記者団に語った。

 政権・与党は常に緊張感を持ち続けるべきであり、批判は当然だ。

 ただ、立憲民主党が災害への危機感を持っていたのか、疑問を感じる事実がある。何と、「赤坂自民亭」と同じ日に、同党の手塚仁雄(よしお)衆院議員(51)=比例東京=が、東京・永田町の憲政記念館で「手塚よしお政治活動25周年感謝の集い」というパーティーを開いていたのだ。

 手塚氏のブログによると、来賓者には、枝野代表や蓮舫氏のほか、長妻昭代表代行、辻元清美国対委員長、野田佳彦前首相や菅直人元首相ら、旧民主党政権をほうふつさせる面々が名を連ねていた。

 出席者がネットにアップした写真には、壇上で挨拶する枝野氏らとともに、多数のビール瓶が写っていた。

 夕刊フジは11日朝、手塚氏を電話で直撃した。

 手塚氏は、5日夜にパーティーを開いた事実を認め、「乾杯用にビールとかは出ていると思う」と話した。ただ、ネット上で疑問・批判が出ていることなどについては、「文書で対応する」として詳細な回答を避けた。

 政治評論家の伊藤達美氏は「まさにブーメランだ。災害発生後に、政府・自民党の対応を批判する野党の理屈は、結果論に過ぎない。前のめりになって、いつものブーメランが直撃する事態になっている。大災害をここぞとばかりに政権批判に利用する姿勢はどうか。ここは与野党が結束して、被災者の救出と復旧、対策などに全力を尽くすべきだ」と話している。

【私の論評】与野党に限らず、国民を不幸にする経済センスのない政治家は要らない(゚д゚)!

こうした政治利用はどちらの側からみても見苦しく、やめるべきです。被災地の当事者の方がこうした懇談会などを不快に思うならやめた方が良いかもしれませんが、被災地ではそれどころではなく必死に対応しているはずです。こうした会合などを批判するのは、政治的に利用したい第三者でしょう。

そもそも、政治家には会合はつきものである。もし会合なしの政治家がいるなら、民の声を聞かないという意味で政治家たる職務を果たしていないともいえる。

   自民党や立憲民主党も、身内の会合を政治家が喜々としてSNSで発信することもいかがなものかという批判もあるでしょうが、今やそうした時代です。

「手塚よしお政治活動25周年感謝の集い」というパーティーはSNSで公開されていた

しかも、与党でも野党でも、もし政治家が会合をしていても、政府や官僚はきちんと動いています。今回の豪雨でも、特別警戒警報は早い段階で出されていました。こうした災害では、必ずしも政治家によるトップダウンは必要ではありません。

政治家は、政府がうまく機能していない場合に重要な決断をする役目であり、官僚のように災害対応の日常業務を行うわけではありません。かつての民主党政権のように、片手の脇に大量の資料を小脇に抱えもう一方の片手に電卓をもち政治家が官僚の仕事をして、政治家としてのパフォーマンスをアピールしていたのは滑稽以外の何ものでもありませんでした。

この滑稽さは、一般企業でいえば、取締役が資料と電卓を持って、財務部や経理部の仕事をしているようなものです。まともな企業のまともな取締役ならこんな滑稽なことなど決してしないでしょう。

そんなことをしても、取締役は仕事をしたとはいいません。取締役の仕事の本質は、企業にとって意味ある決定と方向付けを行うことです。企業のエネルギーを結集することでああり。問題を浮かびあがらせることです。

政治家の仕事も本来、国の統治にかかわることに集中すべきであって、官僚の仕事をすることではありません。


民主党政権時代の政策で治水対策が遅れを取ったことは否めない

しかし、旧民主党は結局、政治主導の名の下にするべきでない官僚の仕事をしてしまい、その挙げ句の果てに、財務省の掌(てのひら)で、政治的な事業仕分けを行ったために、公共事業費は大幅なカットとなって、必要な予算を付けられず、その後の治水対策で後れをとるはめになってしまいました。

そうして、治水対策の遅れは、90年代から続く財務省(旧大蔵省)の緊縮主義の継続にあります。特に、90年代真ん中からの名目公的資本形成(政府のインフラへの投資など)が急減してしまい、2010年代に入る直前にはほぼ半減してしまいました。しかし、民主党がこれを加速したことは否めないです。


政治家に限らず、被災地以外の人は、できるだけ平常の生活を維持する方が良いです。被災地への旅行を予定していたのであれば、一時的に延期するのはやむを得ないでしょうが、時期をみて延期していた旅行も実施したほうが良いです。

被災地以外で妙な自粛ムードが広がると、経済的な「二次被害」になる可能性すらあります。それは、自然災害を超えた「人災」にもなりうるので、注意すべきです。

そうして、震災や今回の水害などのときには、中央の政治家はなるべく現場に任せて、カネの問題に特化すべきです。さらに、中央であろうと地方であろうと、政治家は官僚の仕事が上手くいかいないときに意思決定するのが役目であると心得るべきです。

あまり災害時に現場の話にまでしゃしゃりでる必要はないです。今回の水害では、当面は予備費3,500億円で対応し、次が補正予算ということになるでしょう。

さて、その補正予算が問題です。防災のためには増税ではなく、長期の国債(復興国債など)を発行してお金を集めるのが経済学のすすめる常套手段です。その方が経済的負担を将来にまたがって分散することができて望ましいからです。

また長期国債を新たに発行すれば、それを日本銀行の現状金融緩和政策によって無理なく吸収でき、むしろ経済の安定化に大きく寄与するになるはずです。そうすれば「財政危機」などの心配もありません。

しかも、現状では日銀が金融緩和で国債を市場から大量に買い取ったため、品薄状態になっています。しかも、国債金利は最低の水準です。この状況では、どう考えても国債を大量に発行して震災や、水害対策にあてるべきです。

しかしかつて東日本大震災のときに、財務省と緊縮主義の政治家たちは、「復興税」を推進しました。今回はどうなることでしょうか。

自然災害の復興は国債で賄うのが普通。古今東西、日本の復興税だけが例外!

今回も政治家たちが、「復興税」などのような増税で防災対策などをするなどの愚かな意思決定をしてしまえば、彼らは政治家の仕事を放棄したとみなされても致し方ないでしょう。

こんな馬鹿なことを決定する、経済の根本が何もわかっていない政治家ならいりません。そのような政治家は、増税によってかつてのように、デフレ・円高で国民を塗炭の苦しみに追いやることになるなどにはまったく無頓着で、財務省のいいなりだからです。

与野党に限らず、懇談会がどうのこうのなどということは本当にどうでも良いことです。旧民主党の政治家は、「コンクリートから人へ」などとして、緊縮財政を先導しました。

自民党の経済オンチの政治家の中には、「経済対策といえば公共工事」と単純に思い込んでいるものも多いと聞き及んでいます。金融政策や、減税、給付金などの他の積極財政のことは頭に思い浮かばないようです。

いずれにしても、経済オンチの政治家は国民を不幸にするだけで、全く存在価値がありません。

無論経済オンチは駄目とはいっても、何も経済を詳細にいたるまで完璧に理解していなければならないなどということはいいません。それこそ、電卓を叩いて、細かい計算をするようなことは官僚がすべきです。ただし、経済において、何が正しいのか何が間違いかを理解できるセンスだけは持っているべきです。そうして、財務官僚の嘘を見抜けるくらいのセンスはほしいです。

そうして、それはそんなに難しいことではありません。3日でもあれば、理解できるマクロ経済の基本中基本を知ることと、短期と長期で統計をみて、財務官僚のいったことと、現実の経済の乖離をみるだけのことです。それで十分に経済センスは磨かれます。

それでも疑問が生じるなら、まともなエコノミストに聴くことです。本気で、経済センスを磨くつもりがあれば、まともなエコノミストの選択眼が養えるはずです。それでも、センスが身につかないというなら、そのような政治家には政治の世界から退場していただき、経済センスを持っている政治家だけで、政治をすべきです。それで、政治家が足りなくなるというのなら、経済を理解できる新たな人を政治家にすべきです。

しかし、そうなると10年〜20年はかかってしまうかもしれません。なぜなら、与野党に限らず、政治家のほとんどは経済センスがないからです。情けないです。

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