2019年6月21日金曜日

【瀕死の習中国】チャイナ・セブンも死闘? 中国共産党幹部「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いしている」―【私の論評】中国共産党内の熾烈な権力闘争は、日本にとって対岸の火事ではない(゚д゚)!

【瀕死の習中国】チャイナ・セブンも死闘? 中国共産党幹部「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いしている」


「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いをしている」

 中国共産党のある高級幹部が、米ハーバード大学を訪れた際にこう吐露したことを、同大学のシニアフェロー、ウィリアム・オーバーホルト博士が昨年末、英BBCの番組で明かした。

 オーバーホルト氏は著書『中国・次の超大国』(サイマル出版会)で、1995年にアジア太平洋賞特別賞を受賞するなど長年のチャイナ・ウオッチャーとして知られる。

 米中貿易戦争について、同氏は「中国の指導者が決断をしない」と暗に習近平国家主席を非難している。週刊東洋経済PLUS(ウェブ版・2018年9月15日号)によると、同氏は「中国の成功は続かない」とも語っていたという。

 香港紙「アップルデイリー」も17日、評論家の話として、中国共産党の最高幹部、中央政治局常務委員7人(チャイナ・セブン)と、次に続く中央政治局委員を合わせた25人は、習一派の割合が高いが、習氏の新路線を強く信任しているわけではないと報じた。

 同紙によると、序列3位の栗戦書氏は習氏に近いが、序列2位の李克強首相と、序列4位の汪洋副首相、江沢民派で序列7位の韓正氏は、習氏に対して暗に批判的であるという。序列5位の王滬寧氏と、序列6位の趙楽際氏は、国内外の問題に不自然なほどシラけている、などを報じた。

 李氏と汪氏は共産主義青年団派の背景を持ち、習氏との関係はそもそも遠い。

 一方、プロパガンダを担う王氏は、一時、習氏を皇帝のごとく持ち上げてみせたが、実際のところ習一派の敵、江沢民元国家主席派の下で暗躍しているとの説が有力だ。

 上海の復旦大学で、国際政治分野の教授だった王氏は、別名「江派二号人物」と呼ばれた曽慶紅元国家副主席(元序列5位)に見いだされた。30年前の「天安門事件」以降、王氏は党指導理論のブレーンとなり、中央政策局主任の立場で、江沢民・胡錦濤・習近平の総書記3代に仕えた“頭脳”である。

 別の表現では、共産党の一党独裁体制を強化していく目的で、全国に多数いる教授の中から選ばれ、ロケット出世をしてきたのが王氏である。

 ふと、毛沢東時代の中国最高幹部内で起きていた死闘を思い出す。

 毛主席の後継者だった劉少奇氏は失脚し、獄中死した。その後、林彪氏とその一派は「毛沢東天才論」で持ち上げて懐柔しようと試みた。その裏で、暗殺とクーデターを企てたが失敗。ソ連へ亡命する林氏を乗せた飛行機が、モンゴルに墜落して死亡した。1971年9月13日の「林彪事件」である。

 現チャイナ・セブンも死闘の最中にあるとすれば、近い将来、何が起きてもおかしくはない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『中国・中国人の品性』(ワック)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)など。

【私の論評】中国共産党内の熾烈な権力闘争は、日本にとって対岸の火事ではない(゚д゚)!

昨日の記事に掲載したように、新華社通信のネット版である新華網は7日、アメリカとの妥協を主張する国内一部の声を「降伏論」だと断罪して激しく攻撃。9日には人民日報が貿易問題に関する「一部の米国政治屋」の発言を羅列して厳しい批判を浴びせました。

もはや対米批判の領域を超えて国内批判に転じています。それらの批判は捉えようによっては、習主席その人に対する批判であるとも聞こえます。

このような傾向は昨年からありました。昨年7月9日付『人民日報』(中国共産党機関紙)の第1面が奇妙だと話題になっていました。習近平主席の文字と写真がまったく掲載されていなかったからです。7月19日現在、同日以外、7月第1面はすべて習主席礼賛のオンパレードでした。

その2日後(同11日)の『人民日報』で、今度は、華国鋒批判が始まりました。これは、毛沢東型個人崇拝を復活させた習近平主席への“あてつけ”だったのではないかとの憶測が広まりました。

江沢民元主席、胡錦濤前主席、朱鎔基元首相等は「元老会」を形成しています。元老達は、習近平主席の個人崇拝志向に対し、不満を持っていると伝えられていました。

「元老会」が、海航集団・王健会長のフランスでの不審死をめぐり、その真相究明に動き出したとされていました。王岐山国家副主席には、海航集団を“私物化”している疑惑があったのです。

仮に、昨年の時点で王副主席が失脚すれば、習近平主席への打撃は計り知れないものになっていたはずです。「元老会」はこの事件を契機として、習主席に対し巻き返そうと試みていたのではないでしょうか。それが『人民日報』の紙面に表出したのかもしれません。

一方、昨年7月4日、不動産会社に勤める董瑶琼という若い女性が、上海の海航ビルに貼ってあった習近平主席のポスターに、墨を塗るという事件が起きました。

董瑶琼とされる女性

董瑶琼は、「共産党独裁に反対」を唱え、習主席を批判しました。実に、大胆な行動でした。ネットでは称賛されました。だが、まなもく董は公安に捕まり、その後、行方不明になりました。

その他にも異変は多くありました。その中でも特筆すべきは、アリババのマー会長の電撃辞任劇です。

マー会長は、昨年9月10日にロシア・ウラジオストクで開かれた「東方経済フォーラム」に参加するためにロシア入していたのですが、「1年後の来年9月10日に会長を辞任する」と電撃的に宣言したのです。

これについては、様々な憶測が飛びましたが、私も推測してみました。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
アリババ創業者突然の引退宣言、中国共産党からの「身の危険」…企業家が次々逮捕・亡命―【私の論評】習近平がすぐに失脚すると見誤った馬会長の悲運(゚д゚)!
昨年「東方経済フォーラム」に参加したプーチン大統領とマー会長

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、マー会長の辞任は、習近平失脚の時期を見誤ったこととしました。上でも述べたように、昨年7月9日付『人民日報』(中国共産党機関紙)の第1面に習近平主席の文字と写真がまったくなかったという出来事がありました。

他にも、習近平にまつわる珍事もありました。これをみてマー会長は、習近平の失脚の時期は近いと判断し、行動したのでしょう。ところが、習近平は意外にしぶとく、少なくともここ1年くらいは失脚することはありえないというのが実体だったのでしょう。実際、習近平は現在でも失脚していません。

そのため、習近平側からの報復を恐れて、はやばやと引退する旨を明らかにしたのでしょう。以前はこの変わり身の速さが、馬雲を救ったのでしょうが、今回はこれが災いしたようです。これが、真相ではないかと私は思います。

さて、当時から習近平政権は「自由化」・「民主化」に背を向けていました。そこで、中国共産党による「支配の正当性」は、経済発展しかない状況でした。

しかし、その経済が近年は全く振るいません。それどころか、最近では米国による対中国貿易戦争は、完璧に冷戦の次元に高まりました。

そうなると経済がこれから上向くとことは当面ないでしょう。そうなると、長老や反習近平派の不満は蓄積される一方です。さらに、香港の200万人を集めたデモは、中国本土への刑事事件容疑者の引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」の改正案を事実上の廃案に追い込む勢いです。

こうなると、習近平は八方塞がりです。まさに、中国共産党内部では、チャイナセブンと政治局員らが壮絶な権力闘争を展開し「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いをしている」のでしょう。

そうして、気をつけなければならないのは、普通の国だと、米国から冷戦を挑まれたりすれば、挙国一致でこれにあたったりするのですが、中国はそうではないということを認識しておくべきです。これは、トランプ政権と議会が、超党派で中国に挑もうとしている米国とは対照的です。

さらに、忘れてはならないのは、中国は外交でもなんでも中国内部の都合で動く国であることです。中国では、たとえ対外関係であっても、自国の内部の都合で動くのです。普通のまともな国なら、対外関係と内部とは分けて考え、内部の都合により対外関係が動くなどということはありません。

しかし、中国の場合はそうではありません。反習近平派が、尖閣問題を中国内部の権力闘争に利用すること等は十分にありえることです。元々中国は、巨大国家であるがゆえの「内向き」な思考を持っており、しかも古代からの漢民族の「戦略の知恵」を優れたものであると勘違いしており、それを漢民族の「同一文化内」ではなく、「他文化」に過剰に使用することによって信頼を失っています。

孫子の兵法書

このような中国の特性から、習近平を貶めるために、反習近平派が手持ちの人民解放軍や民兵をつかって、尖閣を占領するなどということも十分ありえることです。それらが、日本の自衛隊によって駆逐されれば、習近平の権威は一気に落ち込み、半習近平派は権力闘争で勝利を収めることができるかもしれません。

もし、その確率が高いと判断した場合は、実行することも十分にありえます。その逆に、習近平派が尖閣を占領すれば、権力闘争に有利と判断すれば、これも実行するかもしれません。

熾烈な中国内部闘争ですが、日本としてもそ行方を注意深く見守るべきです。内部の抗争だけであるとみていると、ある時とんでもない飛び火があるかもしれません。まさに日本にとっては対岸の火事ではないのです。

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