まとめ
- 自民党内で石破派とFOIP戦略本部の間に、政策・国家観を巡る深刻な構造的対立が進行中。これは単なる派閥抗争ではなく、党の再編を伴う可能性がある。
- FOIP戦略本部は対中抑止を軸とした安倍路線を継承し、保守派の再結集の中心として機能している。麻生・高市・旧安倍派が連携しつつある。
- 多くのメディアは、この構造的対立を「選挙戦術」やスキャンダルとして矮小化し、実質的に石破政権寄りの報道を続けている。本質的な政策対立は意図的に報じられていない。
- 参院選で自民党が敗北すれば、石破政権の居座りと立憲民主党との連携という事態が現実化し、自民党の保守政党としての輪郭が崩れかねない。
- 今回の選挙は、自民党の理念と国家戦略を問う「構造闘争」の節目であり、保守派の再結集と党再編が今まさに始まろうとしている。
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自民党の「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の初会合であいさつする麻生最高顧問(5月14日、党本部) |
しかし主要メディアはこの重大局面を「商品券配布」や「人事騒動」へと貶め、真正面から政策軸の対立を扱おうとしない。彼らは石破氏を「穏健で現実的な改革派」と位置づけ、その継続を好意的に受け止める姿勢を隠さない。メディアの多くがその方向性に与し、構造的な対立を意図的に報じない現実が、いま政党の分断を助長しているのだ。
メディアの視線の盲点──政策対立をなぜ報じないのか
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東洋経済表紙 |
確かに、メディアには「物語として描きやすい」に越したことはない。だが本来取り上げられるべきは、国家の方向性そのものを左右する構造的分岐だ。書きやすい「派閥対決」に逃げ込むならば、本質は闇に埋もれる。その傾向を変えるのは我々の視点と要求なのである。
都議選や政権支持率の低迷から、参院選では自民党が歴史的敗北を喫する可能性が高まっている。石破氏がそれでも政権に居座り、立憲民主党との連携に舵を切るような事態になれば、自民党は保守政党としてのアイデンティティを失う。その時、再び注目されるのがFOIP戦略本部である。
安倍派・麻生派の有志による「保守再結集」はすでに始まっている。今回の選挙敗北を契機に、党内の保守主流が明確な国家観と価値観を掲げ、構造的に再結集する流れが生まれるだろう。メディアが構造の視点を無視し続けるかぎり、政党の分断と理念の空洞化は加速する。報道に求められるのは、スキャンダルではなく政策の分岐点に注目し、それを読み解く眼を研ぎ澄ますことである。
結語──今、自民党は“国家の背骨”を書き換える闘いに直面している
今回の参院選は、単なる政権の勢いを問うものではない。自民党という政党のあり方、その先にある国家戦略を巡る構造的な転換点なのだ。 FOIP戦略本部は、それを支える保守派の砦であり、党再編の舵取りを担う存在である。読者は今こそ、報道の罠に惑わされず、構造的な視座でこの政界の動きを見届け、自民党と日本の未来を考える必要がある。
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