会見に臨む朝日新聞の木村伊量社長(マイクを持っている人 |
【産経新聞号外】朝日「命令違反で撤退」吉田調書記事取り消し[PDF]
《東京電力福島第1原発事故をめぐり、政府が吉田昌郎所長(当時)への聞き取り調査の結果をまとめた「吉田調書」について、朝日新聞社が11日午後7時半から記者会見を開いた》
《問題の記事は、5月20付の朝刊。調書は非公開扱いになっており、「所長命令に違反、原発撤退」として大々的に取り上げた。朝日が問題にしたのは、東日本大震災から4日が経過した平成23年3月15日の朝の第1原発の所員の対応だった》
《「第1原発の所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ離れた福島第2原発へ撤退した」と断じた上で「東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた」「葬られた命令違反」と東電の対応を批判していた》
《しかし…。産経新聞は8月18日付朝刊で「命令違反の撤退はなし」と解釈が正反対の内容の記事を報じた。調書の内容を精査、当時現場にいた複数の元所員からも裏付け取材を行い掲載した》
《他社も追随した。NHKは8月24日、読売新聞は8月30日付朝刊、共同通信も同日に配信し、いずれも「命令違反ではない」と指摘。読売は社説で「朝日新聞の報道内容は解せない」と疑問を呈した》
・・・・・・・・・・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・・・・・・・・・
《東京電力福島第1原発事故をめぐり、政府が吉田昌郎所長(当時)への聞き取り調査の結果をまとめた「吉田調書」についての朝日新聞社の会見が続く》
《朝日新聞は会見で、5月20日付朝刊の「所長命令に違反、原発撤退」とした記事の誤りを認め撤回。その上で木村伊量(ただかず)社長は、社内の態勢が整った後で自らの進退についても決断すると言及している》
記者「進退を明らかにするのは、慰安婦問題か、それとも吉田調書か」
木村社長「慰安婦問題については、冒頭に説明させていただきましたが、8月5日の検証の中で至らざるところがあったと。遅きに失したということについては遺憾に思っていますし、おわびさせていただきたい」
「しかし、検証の内容につきましては、全く自信を持ったものですし、慰安婦問題をこれからも、こうした過去の問題はあったにせよ、それをきちんとした反省の上で、われわれはこの問題を、大事な問題、アジアとの和解問題、戦地の中での女性の人権、尊厳の問題として、これからも明確に従来の主張を続けていくことは、いささかも変わりません」
「今回の、この吉田調書報道をめぐるおわびについて、大変深く反省をし、全体的に責任も感じていますので、私は最終的に判断すると明確に申し上げたい」
《木村社長は慰安婦問題については、これからもスタンスを変えないことを明確に宣言した》
《続いて、記者は吉田調書の問題に質問を戻す。誤った報道がなされた要因として、朝日新聞側は、記者の思い込みやチェック不足を挙げた》
記者「記者の思い込みやチェック不足があったということだが、具体的に思い込みというのはどういうものか」
杉浦信之取締役編集担当「命令があったということから、命令違反があったという思い込み。そこから、さまざまな今回の問題が生じました」
記者「調書からは命令違反があったというのは、どうしても読めない。意図的なねじ曲げではないのか」
杉浦取締役「私自身としては、ねじ曲げはなかったと思う。しかし、結果として、ご指摘があったことを、真摯(しんし)に受け止めます」
記者「吉田所長ら遺族への謝罪の考えはあるのか」
杉浦取締役「記者会見を開き、それを紙面化しておわびも申し上げることが最初のわれわれに課せられたものだと考えています。今後のことは、これから考えていきます」
《取材班は“誤報”の批判が寄せられた後、検証紙面を何度か希望していたいという》
記者「取材班は検証取材をしたいとしていたというが、自分たちが間違ったことを認識していたということか」
杉浦取締役「検証は、われわれが今やっているものとは違うと思います」
記者「正当性を検証するというものか」
杉浦取締役「どちらかというと、そういう側面があると思います」
記者「他紙の取材を受ける過程で間違いに気づいたのか」
杉浦取締役「調査の指示は当然出していましたが、取材班とは別の、独立したデスクや新たな目で、記事や資料を精査する者をさらに投入する中で、今日の判断になりました」
《まだ質問を望む記者もいたが、進行役が打ち切り、2時間近く続いた会見は終わった。木村社長らはフラッシュがたかれる中、厳しい表情で会見場を後にした》
=(完)
上の記事膨大なものなので、最初の出だしと、一番の最後の部分のみ掲載しました。全編をご覧になりたい方は、元記事を御覧ください。
なお、会見そのものの木村社長による冒頭発言の動画を以下に掲載しておきます。
この記者会見にの内容そのものに関しては、他の様々なメディアに掲載されていますので、そちらをご覧になって下さい。ただし、新聞報道だけだと、偏りがあるので、識者などのブログも参照していただいたほうが良いと思います。
その一つとして、以下にURLを掲載しておきます。
朝日新聞の「構造的問題点」とは?~「吉田調書」等をめぐる誤報問題について~ 古谷経衡 | 評論家詳細については、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、朝日新聞の継続的な不始末に関して、”願望”が招いた誤報と歴史的悲劇としています。
そうして、以下のように結んでいます。
そうして、朝日新聞は、今回、読者の信頼だけではなく(かくいう私も購読者だが)、誤報に基づき世界から日本の評価が貶められたという事実を重く受け止め、この二つの大きな誤報問題を「一部の記者のミス」などではなく、「願望で事実を観測した結果の構造的問題」であると認め、信頼回復・再生への一里塚とするべきである。これは、確かにそうだと思います。ただし、 「願望で事実を観測した結果の構造的問題」のその背景を説明してはいません。
私は、この問題の背景には、まず、朝日新聞社という企業のリスク管理体制がまったくなっていないことがあげられると思います。
それは、上記の記事にも、これに関する産経新聞の号外の末尾にもあるように、「過去の記事を検証するための第三者委員会設置を明らかにした」という社長の発言からも明らかです。
今頃、このような委員会を設置するという甚だしい、リスク管理意識の低さです。
そうして、このリスク管理体制の低さの根本問題として何があるかを考えた場合、朝日新聞社の大義が不明確であることがあげられます。
大義というと、曖昧ですが、それは朝日新聞社の使命、目的、目標、すなわち経営理念が明らかではないことです。
これは、何も最近のことではなく、創立以来はっきりしていないというところがあります。これは、倉山満氏も辛辣に指摘しているところです。
倉山満 http://t.co/Z8HDLqMvxw 「あの頭上に輝く朝日新聞に一言 言いたいと思います。あなた達は左翼ではありません!ただの流行通信です‼︎」 「日本は敗戦国のままじゃ嫌だ‼︎」 戦後レジームからの脱却 pic.twitter.com/IjAiLEdqu5
— Shhh… (@neo_touj0u) 2014, 6月 3
実際朝日新聞は、流行通信です。戦前、戦中は、日米戦争を徹底的煽り、戦後になると、いわゆる左翼的な勢力さんざん持ち上げ支援するような報道を行ってきました。おそらく、朝日新聞にも昔から社是などか額縁に入れられて、飾られているのかもしれません。しかし、それは駄目な会社にみられるように、単なる飾り物に過ぎなくなっている可能性が高いです。
“朝日新聞社是”という言葉でインターネットを検索してみると、肝心の社是についてはありませんが、以下のようなものが出てきます。
安倍叩きは朝日の社是とは、朝日新聞主筆(当時は論説主幹)の若宮啓文の言葉である。
朝日新聞はご存知のように、保守系の国会議員をバッシングすることに掛けて熱心である。
特に自由民主党の総裁である安倍晋三に対しては怨念めいたバッシングを繰り返し、朝日新聞の社説欄『天声人語』においても批判を繰り返している。
そんな中、小川榮太郎著『約束の日:安倍晋三試論』において政治評論家の三宅久之と、朝日新聞主筆の若宮啓文の対談において以下のようなエピソードが紹介されている。
三宅「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか
若宮「できません」
三宅「何故(なぜ)だ」
若宮「社是だからです」
特定の政治家を叩き、おとしめることが社是である新聞社とはどんな存在だろうか。
それは、むしろ政治的意図をあらわにしたプロパガンダ機関というべきだが、社論を決定する地位にある人物がこう述べたというから驚く。
メディアが権力者を批判するのは当然だが、著者が指摘する「明白なウソ」「虚偽のストーリー」による安倍叩きに正当性はあるのか。
また同書『約束の日:安倍晋三試論』においては
「安倍の葬式はうちで出す」
この安倍内閣当時の朝日幹部のグロテスクな言葉が繰り返し引用される。安倍叩きが、朝日の社是などということはどう考えても成り立ちません。
社是とは、企業の使命をも含むものであって、使命として安倍叩きををするというのなら、仮に安倍総理の政治生命が終わったとすれば、朝日新聞も使命を終えて、廃刊しなければならないことになります。
論説主幹といえば、一般には、主筆といわれ、、新聞社の社長や上級役員などの幹部が就任する場合が多く、幹部中の幹部です。
なお、朝日新聞においても主筆は読売新聞同様、4本社編集・報道局長(編集部門)と論説主幹(論説部門)の上に立つポストとされていましたが、船橋洋一が主筆に就任する際、主筆規定が「主筆は社論を定め、筆政を掌る」から「主筆は記事、論説を総覧し紙面の声価を高める」と変更されて、権限は大幅に弱められました。
しかしながら、幹部であることにはかわりはなく、その人物が上記のような発言をしていたということが、朝日新聞の体質をがどんなものであるか、理解できます。
朝日新聞社の経営理念などなきに等しいのです。
朝日新聞社の経営理念などなきに等しいのです。
それに、主筆の権限を弱めた朝日新聞社においては、社長や役員の権限が増大したということから、最近の一連の不祥事の責任はやはり、経営者にあるといえます。いずれにしても、経営者の責任ということでは免れないのです。
それにしても、朝日新聞社においては、明確な経営理念がないことは明らかです。
朝日新聞の経営理念については、最近もこのブログに掲載したばかりです。
その記事のURLを以下に掲載します。
池上彰氏コラム掲載拒否 30人超の朝日記者がツイッターで異議-【私の論評】人は自分のために生きていけるほど強くはない。大義を知らない朝日新聞の記者のように、多くの国民が国家に対する大義を忘れてしまえば、日本国家はいずれ崩壊することになる(゚д゚)!
明確な、経営理念がないからこそ、上記の若宮のような社是発言が出てくるのです。
松下幸之助氏による経営理念 |
それがないからこそ、朝日新聞は単なる流行通信になってしまうのです。
朝日新聞は、早々にまともなリスク管理体制を整えるべきです。しかし、この管理体制を整えるためには、会社の大義すなわち、会社の社会的使命をはっきりせる必要があります。
無論、経営理念がしっかりしていたからといって、会社の運営がうまくいくとは限りません。ただ、お題目を掲載するだけでは、何も変わりません。実際に、経営理念にもとづき、その下の行動規範や、規則・規範が明確にされて、社内の誰もが、その職位において、どのような行動をしなけばならないのかを明確にして、その通りに実行されなければなりません。
その過程おいては、まともな教育やコミュニケーションを図るようにしなければなりません。
このような一連の行動を起こさなければ、朝日新聞は、今まで通りのただの流行通信に成り果て、いずれ世の中から姿を消すことになります。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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