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2010年8月17日火曜日

「小日本」の大と「大中国」の小―中国のGDPの意味合いは、先進国のそれとは全く異なりすぎる!?

「小日本」の大と「大中国」の小(この内容すでにご存じの方は、この項は読み飛ばしてください)
ローラ・チャンの日中国旗を背景にしたグラビアは中国で物議をかもした
【大紀元日本8月3日】中国人民銀行の易綱(イーガン)副総裁は7月30日、国内メディアのインタビューに、「経済成長の質にいろいろな問題が存在しているにもかかわらず、中国はすでに日本を超え、世界第二の経済大国となった」と話した。数字で裏付けされていない同氏の発言に、多くの専門家が疑問を呈した。


GDPの指標は実質的な意味を持たない


中国の著名な経済学者・劉正山氏は、「中国経済の全体的な構造が整っていない状況下で、GDPを唯一の評価指標とするやり方は、各省の政府にひたすらにGDPの成長を追求させてしまう。GDPの数字を大きくする最も有効な方法として、投資を拡大するほかない」と中国の経済状況を注釈した。


中国社会科学院金融研究所の易憲容(イーシェンロン)研究員は、近年の中国GDPの急成長は、主に不動産市場の急成長からきたもので、バブルを含んだGDPの高さを追求しても意味がないとコメントした。


「GDPの成長はいったい何の役に立つのか?何のためにGDPの成長を追求するのだろうか?政府の面子のためか、それとも日本を超えるためだろうか」と同氏は疑問を投げかけた。


「小日本」の大と「大中国」の小


「大」を追求しがちな中国人は、日本のことを「小日本」と呼び、自分の「大」に誇りを持つ。この傾向は経済報告書の中でも窺える。


中国社会科学院は2006年1月に国際情勢白書を発布し、総合国力のランキングをリストアップした。中国は第6位、日本は第7位となっていた。


言い換えれば、中国経済の総価値では日本に及ばないが、総合国力では日本を超えている。中国経済総量がイギリスとフランスを越えた後、経済大国と自称する中国は世の中に次のような幻覚を与えた:世界第二の経済大国・日本を超える。


実際の状況はどうであるか。資料によると、日本経済は20世紀の60年、70年代からテイクオフし、GDPの年平均成長率は連続18年間10%以上を維持。80年代中期になると、はじめて旧ソ連を超え、世界第二の経済大国となった。同時に日本の一人当たりのGDPが初めてアメリカを抜いた。


90年代に入ってからバブルの崩壊と共に経済が停滞状態に陥ったが、2004年の日本のGDPは4万6234兆ドルで、一方、中国は1万9317兆ドルに留まっており、日本のGDPは中国の2.4倍となり、一人当たりに換算すると、日本は世界5位、中国は世界107位で、日本のわずか30分の1であった。


財富分配の公平性の角度から見ると、G7の中で日本は貧富格差の最も小さい国であった。日本のジニ係数はわずか0.285で、日本は十数年で西洋列強を追いつき、しかも経済総量と一人当たりの両方の指標で西洋列強を超えた。一方、国連の統計によると、中国は今でも依然として2.35億人が貧困線以下で生活しており、18%の中国人は一日の生活費が1ドルにも満たない。中国の都市と農村部間の格差は6:1で、世界記録を更新するほどの開きだ。


中国は日本を抜いて世界第二の経済大国となったという発表に、最も興奮を覚えるのは共産党高官と成金富豪たち。中国経済改革の犠牲者となった弱者にとっては全く無関係な話だろう。


実は鄧小平から江沢民、さらに胡錦涛へと交替してきた中国共産党は、既得権益を保つために、「(政権)安定第一、GDP第一」の畸形改革を行い、いわゆる経済の高度成長に至った。

各種の統計データによると、中国経済の高度成長の裏には債務の底なし沼がある。各級政府の財政赤字、国際、社会保障の借金と金融不良債権を全部あわせると16兆元あまりだ。この巨額の債務を中国最下層にいる国民たちに負担させている。富の公正性から言うと、「小日本」の大がさらに「大中国」の小を際立たせる。


経済成長データを半減してもまだ水増し


アメリカピッツバーグ大学のトマス・G.ロウスキ(Thomas G. Rawski)経済学教授の研究によると、中国の実際の経済成長率は、公表した数字の3分の1にも及ばない。中国で著名な郷鎮企業家の孫大午氏によると、かつて中央高層に面会した際、「中国の経済成長データは半減してもまだ水増しされた状態」と直言したことがあるという。


アヘン戦争前の清政府の経済は世界経済の3分の1を占めていた。1900年になると、中国経済の世界経済に占める割合は6.2%まで下がっていた。約100年後の1997年になると、その割合はわずか3.5%である。現在、経済データを見ると、中国経済は大躍進しているように見えるが、実際のところ、中国のGDPはアメリカの9分の1に過ぎず、中国の全体的な経済規模は、アメリカのニューヨーク州に相当する程度である。


中国共産党政権がGDP成長率を盛んに吹聴する背後には、ほかならぬ二つの目的が挙げられる。ひとつは、国民に当局の統治能力を認めてもらうためである。一旦中国経済の真相が国民に知れたら、全面的な経済危機が起こり、中共政権に壊滅的な打撃を与えかねない。


もうひとつは、外国の投資を引きつけるためである。外国の投資を利用して、脆弱となった国内経済を支え、同時に、西側社会を制裁したり誘惑したり、台湾および台湾を支持する西側社会を脅かす。その結果、西側社会は現在の中共政権を制裁する勇気を持たず、現行の中共政権を存続させざる得なくなるのである。


中国のGDPの意味合いは、先進国のそれとは全く異なりすぎる!?
さて、上の記事で、中国のGDPの発表がいかに、出鱈目であるかおわかりになったと思います。まあ、私自身は最初からこの数字は全く信じていなかっので、別に驚きもしません。それに、何か、いつもだとマスコミが大騒ぎで報道しているようですが、何かあまり騒ぎませんね。テレビなどほとんど報道されていません。

これって、最初は、日本のマスコミがまともになったのかと思ったのですが、そうではないようです。そうです、もし中国がGDPが世界第二の経済大国になったなどと日本国内でマスコミが大々的に報じたとすれば、それこそ、日本国内から、もう中国などいくら困っても何があっても、一切支援するなという声が巻き起こるからです。まあ、日本のマスコミは親中的ですから、おそらく、中国の指導などに従っているのだと思います。そんなところでしょう。そうでなければ、大騒ぎの様相を呈していたと思います。

中国政府としては、痛し痒しという所だと思います。しかしながら、一方では、投資を呼び込むために大躍進をしている中国のイメージを植えつけたいという考えもあり、何か今回の中途半端な発表になったのだと思います。

上の記事を補足しておくと、中国では一般に最低GDPの成長が6%を割ると、雇用を吸収できません。日本などとは根本的に異なります。ここしばらくの中国の雇用状況をみていると、大学の新卒のかなりの就職難があります。確かに、10年ほど前から大学生の数をかなり増やしたということも影響しているとは思いますが、大学生全員が自分の専門能力を活かした職につきたいと考えているとは思えないですから、とにかく職がないという現状から、私は、現実には、中国GDPの成長率は、6%を割っていると考えています。火のないところは、煙はたたないという言葉がありますが、中国のGDPにはそんなところがたくさんあります。

このブログにも掲載しましたが、今年のはじめのころでしたか、一つの省だけを除き各省のGDP成長が、全国平均値を全部上回るなどというあり得ない発表がありました。これは、中国国内でも、特にネットユーザーから非難が集中しました。

昨年もボロがでました。経済成長にともない鉱工業経済がかなり伸びているというにも関わらず、その後に別の機関が電気消費量が大幅に減退しているという統計を発表したというものです。これは、大きな矛盾です。鉱工業生産が増えれば、電気消費量は増えるのが当たり前です。そうして、ほとんどお笑い種ですが、その後中国中央政府は、中国全体の電気消費量を発表しなくなりました。

まあ、現実には、中国のGDPが、日本を追い越すには、あと20年~30年はかかるでしょう。さらに、一人当たりのGDPということになれば、100年かかっても無理です。

数十年かかっても、アメリカのGDPを追い越すなどというのは、夢のまた夢です。これは、はっきりしています。アメリカは、2050年いたるまで、今のままの増加率で人口が増え続けます。その後も、増えます。しかし、中国は、あの悪名高い一人っ子政策で、もう人口の伸びが鈍化しており、少子高齢化傾向がはっきりしています。2035年あたりからは、人口減に転じます。

良く、アメリカの時代は終わったとか、終わるなどと言っている人もいますが、そんなことはないと思います。アメリカは移民を受け入れているということから、2050年を過ぎても、現在の増加率で人が増え続けていきます。他国は、中国は無論のことですが、特に先進国はすべて人口減傾向です。

それに、アメリカには貧困層が未だ沢山いますし、将来も大幅に減ることはないでしょう。この貧困層が、それこそ、アメリカン・ドリームを実現しようとして頑張り続けることになります。だから、アメリカの活力は当面衰えないでしょう。アメリカを侮ってはいけません。

私自身は、いい加減に多くの人が中国幻想や、アメリカ凋落幻想から目覚めるべき時と思います。

しかし、真実ばかりが良いことばかりといえません。日本は、このへんで中国の言質をとるべきではないでしょうか?これから、中国が日本に金をたかったり、援助を申し入れてきたとき、「中国のGDPが日本を追い越した」ということから、すべて断れば良いのです。中国が遺憾の意を表すれば、日本側は、世界第二位の経済大国が何をいうか、自分でそうなったと言ったではないか、そんな国は、自分のことは自分でやりなさいと言ってやれば良いのです。

しかし、民主党政権や、日本のマスコミは、大中国の味方ですから、そんなことは言わないんでしょうね。

現代中国の中央政府は、企業でいえば、中小企業の経営者みたいなものと考えておけば良いと思います。無論例外はありますが、中小企業が銀行からお金を借りようとするときに、提出する決算書など、かなり粉飾決算されているのか普通です。だから、銀行の審査部など、在庫などチェックしたりしてから、審査します。

先進国の情報関係の部署は、銀行の審査部などよりはるかに上をいっています。だから、いろいろ分析して、中国の本当の姿は、十分に理解していると思います。しかし、銀行の審査部が審査内容をペラペラしゃべらないように、各国情報関係の部署も調査した内容なと外に出しません。

しかし、今年の年頭に、アメリカが台湾に武器を供与して、米中関係が悪化したなどのことがありましたが、このようなときに情報関係の部署の情報が生かされているのだと思います。中小企業などの債権者、銀行の審査部などの内容をうかがい知ることはできません。だからこそ、自分で調査・分析したり、当該企業の担当や、会社の様子からその会社の実力を読み取ったりします。

国際関係でも、同じことです。特に、中国の経済と直接利害関係のある方は、中国側の発表や、日本のマスコミの報じることなどに惑わされないで、自分で調査・分析し、アンテナを研ぎ澄ましておく必要があります。今や、中国だけが、成長株ではありません。特に、インドなど、親日的ですし、これからかなり発展していくことが期待できます。いずれにせよ、何をするにも、自己の判断が重要です。


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