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2017年8月27日日曜日

なぜ日銀の金融政策では、AIをうまく活用できないのか―【私の論評】AIは2013年以前の日銀がいかに愚かだったかをより鮮明にする(゚д゚)!

なぜ日銀の金融政策では、AIをうまく活用できないのか

問題は「不透明さ」と「常識の欠如」

最近人間はチェスではAIに負けている
 日銀の政策決定は「不透明」

日本銀行の金融政策を分析・予測するために、AI(人工知能)を用いる試みが、行き詰まっているとの報道があった。AI分析の一例としては、黒田東彦総裁の記者会見や日銀の出す「金融経済統計月報」をAIが読み込み、その特徴から追加緩和などの可能性を予測するものなどが考えられていた。

クレディ・スイス証券もAI分析を取り入れた「日銀テキストインデックス」なるものを公表していたが、計画が行き詰まり2016年に公表を取りやめている。だが、はたして本当に日銀の金融政策をAIで予測することは不可能なのだろうか。

まず、そもそもクレディ・スイス証券が開発したのは「テキストマイニング」というもので、「AI」というと少し大げさだ。経済学におけるテキストマイニングとは、もとはと言えば様々なニュースから株価を予測するモデルのことを指す。

具体的には、黒田総裁の会見など、日銀のテキストから物価に対する見方を数量化して、実際の金融政策と照らし合わせるというもの。「AI」と聞くと最新技術かと思うが、実は古くから採られてきた手法である。

中央銀行の金融政策決定に関する研究は、有名なものではスタンフォード大教授のジョン・テイラー氏が1993年に示した「テイラールール」がある。

このルールに基づくと、政策金利は、現実のインフレ率が目標インフレ率を上回るほど、また実質GDP成長率が潜在GDP成長率を上回るほど引き上げられ、反対に下回れば引き下げられる。このルールに基づいて分析を試みれば、実際の金融政策は9割方予想できると言われている。

もっとも、このルールは、FRB(米連邦準備制度理事会)では有効だが、日銀では通用しない。というのも、日銀がどのようなセオリーで金融政策決定をしているか、不透明なところが多いからだ。クレディ・スイス証券の分析が上手く機能しなかったのも、それが理由として考えられる。

 日銀の金融政策は「常識」が欠けていた

実際、日銀の金融政策はほかの先進国のそれとは大きな違いがある。たとえば他の先進国では、金融政策は物価の安定と雇用の確保のために行うというのが「常識」とされている。このため、インフレ率と失業率が、望ましい値から乖離しないように金融政策が行われている。

ところが、日銀のこれまでの金融政策には、「雇用の確保」が重要な目的であるという「常識」が欠けていた。だから、海外の予測モデルは日銀の金融政策に適用できなかったのだ。

しかも日銀の公表文書は基本的に日銀事務方が書いているが、これはずっと金融政策の「常識」を反映しない従来の日銀スタイルで書かれてきた。クレディ・スイス証券がそうした文書を分析しても、金融政策をうまく予測できなかったのは仕方ないだろう。

この7月、民主党時代からの日銀審議委員2名が退任した。これをきっかけに潮目が変わり、欧米的な経済モデルを取り入れようと意識改革が行われるかもしれない。

そうして金融政策の方法論さえしっかりしていけば、政策予測は決して難しいことではなくなる。筆者の感覚では、自動車の完全自動運転か日銀の自動金融政策の完成か、どちらが早いかというところだ。

【私の論評】AIは2013年以前の日銀がいかに愚かだったかをより鮮明にする(゚д゚)!

私はAIというと、あの名画『2001年宇宙の旅』のHAL9000を思い出してしまいます。以下のこの映画から、HAL9000が人に対して反乱を起こす場面の動画を掲載します。


この、今でいう人工知能でもある、HAL9000。何故HALは反乱を起こし、人間を殺害するに至ったのでしょうか。

これは一般的には「正確な情報を正確に処理する事を義務づけられた人工知能であるHALは、乗組員にはモノリスの情報を隠しながらも、同時にモノリスと地球外知的生命体の調査は行うように命令されていたため、何も知らされていない乗組員と共同生活の中でその矛盾に苦しみ、一種の精神疾患のような状態に陥った」、「挙動不審なHALの状態に乗組員は危機感を憶え、高度な論理回路だけ切断するという検討を始めた。それを自身の死刑宣告だと判断したHALは人間を排除し、知的生命体の調査は自身の能力だけでするしかない、と考え実行に移した」とされているようです。

この説明を納得するか否か、また他の説明が可能か等はここでは検証しません。個人的には十分納得できるレベルだと思います。

そうして、日本銀行の金融政策を分析・予測するために、AI(人工知能)を用いる試みが、行き詰まるのもこれと同じ理由です。

映画『2001年宇宙の旅』の監督スタンリー・キューブリック氏
正確な情報を正確に処理する事を義務づけられたAIが、方やマクロ経済の常識ともいわれる理論に従ってインフレ率と失業率が、望ましい値から乖離しないように構築されているのにもかかわらず、日銀のこれまでの金融政策には、「雇用の確保」が重要な目的であるという「常識」が欠けていて、とんでもない政策をとってきたからです。

この日銀の政策を正しいものとして、インプットすればAIは自己矛盾を起こし、制御不能となります。これでは、AI(人工知能)を用いる試みが、行き詰まってしまうのも無理はありせん。過去の日銀の政策をみると、景気が落ち込み本来緩和すべきときに引き締めを行い、それで景気が悪くなってもさらに引き締めを行い、それがためにデフレになっても、引き締めるか緩和はしないというものでした。

このAI他のシステムと結びついてはいないで、直接害を及ぼすことはありませんが、もし銀行のシステムなどと結びついたとしたら、大変なことになるかもしれません。それこそ、とんでもない金融政策を打ち出し、それがために大勢の人が苦境においこまれ、途端の苦しみに追いやられら、自殺する人もでるかもしれません。

実際、日銀の間違った金融政策が是正された2013年あたりから、それまで自殺者が3万人台だったのが、2万人台に減っています。これについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
“安倍辞めろ”の先にある「失われた20年」とデフレの再来 雇用悪化で社会不安も高まる―【私の論評】安倍首相が辞めたら、あなたは自ら死を選ぶことになるかも(゚д゚)!
自民党候補の応援演説を行った安倍晋三首相=7月1日午後東京都千代田区

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より失業者と自殺者の推移のグラフとその説明のみを以下に引用します。

ところで、自殺者数と景気は相関が高いことが知られていますが、この数年間の経済状況の改善と、さらに自殺対策にここ数年経費を増加させていく方針を採用していることもあり最近は自殺者数が減っています。類似の事例はホームレス対策にもいえ、ホームレス数は景気要因に関わらず対策費の増加に合わせて減少しています。 
自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。 
自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると
平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。 
日本がデフレに突入した、97年あたりからそれまで、2万台であった自殺者数が、一挙に3万人台になっています。このグラフをみただけでも、経済政策の失敗は自殺者数を増やすということがいえそうです。
再度「2001年宇宙の旅」に戻ります、私がかねてから、疑問に思っていたのは、「どうしてキューブリックとクラークは人工知能が反乱を起こして、クルーを殺すという設定を持ち出して来たのか?」ということです。

実はその裏話の一部始終がクラークの著書『失われた宇宙の旅2001』で語られています。当初はクルー全員が無事に木星圏にたどり着き、ビック・ブラザー(巨大なモノリス)の詳細な調査が行われる予定でした。その後、スペース・ポッドに乗り単独でビックブラザーの調査に向かったボーマンが変化したモノリスに飲み込まれる、という流れになっていました。

最終的にこの案はボツになり、ボーマンだけが生き残る事になりました。その理由は明確ではありませんが、木星探査のプロセスを映像化するには予算が足りない、または当時のSFX技術で映像化するにはハードルが高すぎる(実際木星を映像化するだけでも悪戦苦闘していました)など理由はいくらでもありそうですが、クラークは「そもそもオデッセウスも唯一の生存者だから」と説明しています。つまり神話との共通性を示唆したかってのでしょう。

『2001年宇宙の旅』の原作者アーサー・C・クラーク氏
ではどうやってボーマン以外の乗組員を殺害するのか?当初は「ホワイトヘッド(映画ではプールに名前が変更)のポッドが故障により暴走しアンテナと衝突、ホワイトヘッドは回収不可能になりアンテナも失われる。その後人工冬眠中のクルーも蘇生に失敗する」というものでした。

これは「偶然にも事故が連発する」という説得力のないもので、当然のようにボツになりますが、同時にヒントももたらされました。上記の原案の中には「ボーマンがアンテナ回収のためポッドで離船しようとした際、人工知能HAL9000(この時はアテーナという名前でした)にそれを断られる」というシーンがあります。これをふくらませて「全システムを管理する人工知能が反乱を起こしクルーを殺害する」という案に落ち着きました。

つまり「HALの反乱」はボーマン一人を生き残らせるための後付けの設定でしかなかったのです。当然先に述べたその原因も後付けです。でもこれによって興味深い偶然が起こります。

つまり「人間と人工知能、同じく知性を持った二つの種のどちらが未来を勝ち取るかという生存競争」という側面がこの物語に付加されたのです。これにはキューブリックもクラークも「しめた」と思ったに違いありません。クラークはこの解釈を効果的に続編『2010年宇宙の旅』(これ以降も)に取り込み、キューブリックは『A.I.』で正面からこの問題に取り組む予定でした。

こんな裏事情を知ってしまうと「な~んだ」となってしまうかも知れません。クラークは「意図したものもあれば、偶然そうなったものもある」と語っています。その偶然がどの部分を指すのかはともかく、この素晴らしいアイデアは、彼らが繰り広げた「際限のないブレーンストーミング」の結果呼び込み事のできた偶然ではない「必然」だったいえるでしょう。

いずれにせよ、中央銀行による金融政策は、HAL9000が担当した、木星探査のための宇宙船全システムの制御という膨大で、複雑なものと比較すれば、極めて単純です。

システムの定義から、定量的なものは完璧に無視して、定性的なものだけとりあげれば日銀のシステムは、以下のようになります。

「不景気になりそうになった場合は適当な時期に金融を緩和する。デフレのときはただちに金融緩和をする。景気が過熱しそうな場合は、適当な時期に金融引締めをする。ハイパーインフレなら、ただちに金融引締めを行う。判断のための指標としては、貨幣の通貨量、物価と雇用状況を用いる」

という具合に、非常にシンプルなものです。無論、定量的なものまであらわすとなるとかなり複雑になります。

HAL9000の心臓部 メモリバンク
一方HAL9000の場合は、「木星まで、行って無事帰還する」などのように定義したとしたら、これは定義などとはいえず、単なる全システムの目的に過ぎません。日銀のシステムの目的は「日本国の金融政策を適正に定める」ということになるでしょう。

システムの定義を定めるのでも、HAL9000は、宇宙船そのものの制御、冬眠を含む乗組員のための環境制御、その他モノリス探査の制御なども含みより複雑です。定義を定めるためだけでも、A4用紙数枚になりそうです。日銀のシステムよりははるかに複雑になります。定量的なことまで含めると、さらにとんでもなく複雑なものになります。

このようなことを考えると、私は意外と、自動車の完全自動運転より単純ではないかと思います。このようなことを考えると、旧日銀はこのような単純なことすらまともにできなかったということが暴露されてしまったと思います。

これから、まともな金融政策をやりはじめてからのデータをもとにして、日本銀行の金融政策を分析・予測するために、AI(人)を作成すれば意外と短期でできあがることになるかもしれません。

そうして、これが成功したあかつきには、少なくともAIは、中央銀行が行う金融政策に関して、定量的なものはともかく定性的には間違うことはないと思います。デフレのときに金融引締めを行う、インフレのときに金融緩和を行うなどという馬鹿なことはしないでしょう。

そうして、いまでも明らかになっているのですが、2013年以前までの日銀がいかに愚かだったかをより浮き彫りにすると思います。

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2015年12月21日月曜日

【原発最新事情】「われわれは愚かだった」 米有力紙が“反省” 誇張されすぎた被曝リスク―【私の論評】日本のマスコミも、誤ったときには今回のWSJのようにすぐにそれを改めよ(゚д゚)!


「われわれは愚かだった」と被曝リスクについての
報道を反省するウォールストリート・ジャーナルの記事
東京電力福島第1原発事故以降、放射線被曝リスクに対し、過剰に恐れる極端な反応もみられ、混乱と迷走を続けてきた。そうした中、米有力紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が12月3日付で、「原子力のパラダイムシフト」と題して、被曝リスクは誇張され過ぎているとした上で、「われわれはどれほど愚かだったのか」と自戒する記事を掲載した。その理由と背景は何か。被曝リスクについて振れ過ぎた針を戻す試みが、海外から出てきている。(原子力取材班)

WSJの名物記者が執筆

記事を執筆したのは、WSJ編集委員で、コラムニストのホルマン・ジェンキンス氏。同紙のホームページによると、ジェンキンス氏は1992年から同紙に所属、97年には、金融や経済分野で優秀なジャーナリズムをたたえる「ジェラルド・ローブ賞」を獲得している同紙の名物記者だ。現在は週に2回、「ビジネスワールド」という欄を担当し、今回の記事もそこに掲載された。

記事ではまず、パリで開催されていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)を題材に、フランス国民一人当たりの所得が世界20位にもかかわらず、温室効果ガスの排出量はなぜ、世界50位なのかという問いを投げかけている。

答えは、フランスが電力の75%を原発でまかなっているからである。その上で、記事は「『放射線被曝はいつも被曝量に直接比例して危険である』という根拠のないドグマ(独断)に、世界は1950年以来、屈服してきた」と指摘する。

ジェンキンス氏はこのドグマを「秒速1フィートで発射された弾丸で死ぬ確率は、秒速900フィートで発車された弾丸で死ぬ確率の900分の1だと言っているものだ」と皮肉っている。

LNT仮説の欺瞞性

この記事が議論しようとしているのが、「閾値(しきいち)なしの直線仮説」(Linear Non-Threshold=LNT仮説)と呼ばれるものだ。

単純に言ってしまうと、放射線被曝線量と、その影響の間には、直線的な関係が成り立つという考え方である。

ところが、年間100ミリシーベルト以下では、広島や長崎の原爆の被爆者を対象とした膨大なデータをもってしても、発がんリスクの上昇は認められない。つまり、100ミリシーベルト以下の低線量では、どれだけ被曝しようと、直線的関係は成り立たないということだ。

国際的に権威がある国際放射線防護委員会(ICRP)もLNT仮説を支持していないが、福島の事故以後、「被曝すればするほどリスクが高まる」という言説が流布した。

記事では、米国の原子力規制機関のトップが2001年、「チェルノブイリ原発事故(1986年)に起因する白血病の超過発病はなかった」と認めていることにも触れている。

さらに1980年代、台湾で1700戸のアパートが、放射性コバルトに汚染されたリサイクルの鉄を使って建設されたが、2006年の調査で、住人のがんの罹患率が大変低いことが分かった。その研究者は「米国のリスク評価が修正されれば、原発の稼働で多くの金が節約できるし、原発の拡大が促進される」と主張している。

原子力のパラダイムシフトが起きている

これを受け、ジェンキンス氏は「放射線に対する過度な恐れが、原発の安全や廃棄物の貯蔵、原発の許可費用にとって大きな問題となっている。しかし変化は起きている。パラダイムシフトが起きつつある」とみている。

米国の原子力規制委員会は、安全基準を改定することに関して意見募集を開始。変更を求めた申請者の大学教授が「LNT仮説には根拠がない」と指摘したという。

さらに、オックスフォード大学のウェード:アリソン名誉教授(物理学)、マサチューセッツ大学マースト校のエドワード・カラブレーゼ氏(毒物学)の名前を挙げて、「この2人は何十年も前からLNT仮説と闘い続けてきた」と称賛。学術誌の10月号の論文では、「1950年代のマンハッタン計画に関わった放射線遺伝学者が、自分たちの研究分野の地位を高めるために、わざとLNT仮説が採用されるように促した」という経緯を暴露した。今では、何百もの論文がLNT仮説に反対する証拠を提出しているという。

大統領は屈服する?

続いて、石炭火力と原子力について比較している。

石炭は21世紀初めに世界の主力なエネルギー源となった。しかし、安全面や効率の点でどうだったかについて疑問を投げかけた。

記事は「今なら中国もインドも石炭を選ばず、先進国で開発された安価で安全で、クリーンな原発を選ぶだろう」とした上で、「われわれは何と愚かだったのだろう」と嘆く。

石炭は原子力よりも危険であり、米国肺協会によると、石炭火力発電所から排出される粒子状物質や重金属、放射性物質で年間1万3200人が死亡していると試算しているという。

ジェンキンス氏は最後に、温室効果ガス削減に前向きなオバマ政権とリベラルなニューヨーク・タイムズ紙をチクリとやった。

「オバマ大統領は気候変動問題で有益な態度を示しているが、もしニューヨーク・タイムズが『(原発の増設は)環境保護主義者への背信だ』と社説で非難すれば、大統領は屈服してしまうだろう」

【私の論評】日本のマスコミも、誤ったときには今回のWSJのようにすぐにそれを改めよ(゚д゚)!

さて、上の記事の趣旨は、「放射線被曝は被曝量に比例して危険」は嘘ということです。上の記事を簡単にまとめてしまうと、以下のようなものです。
・低線量ではどれだけ被曝しようと無害 
・石炭は原子力よりも危険
・原発恐怖症はNYTのせい?
これらの三点を無視して、WSJは被曝リスクは誇張され過ぎているとして、反省しているわけです。

以上の三点は、日本の多くの科学者もエビデンスをあげて、前から指摘しているところで、特にこれについ勉強しなくても、サイトを調べてみれば、すぐに見つけることができる内容です。

さて、原発に関しての私の考えは、以前からこのブログで何度か表明してきました。再度、掲載します。

まともな代替エネルギーがみつかれば、それに移行すべきですが、現在までまともなものはまだみつかっていません。それは、原子力も同じことです、現在のような核分裂によるエネルギーではなく、核融合によるものであれば、はるかに安全ですが、残念ながら、実用化には至っていまん。

その他、風力・火力・風力なども、まだまだ本格的に実用化には至っていません。一方、現在日本では、東日本大震災よりも後は、ほとんどすべての原発が稼働中止となっています。

しかしながら、稼働していない原発でも、核燃料は保存されているわけで、これを保存するだけでも、危険であることには変わりありません。このまま稼働を中止しても、核燃料保存のためのコストはかかります。

であれば、事故をおこした福島原発1号機のような、日本製ではない、アメリカ製の古い危険な原発は別にして、東日本震災でもびくともしなかったような、比較的新しい原発は稼働すべきです。

これが、私の立場です。

そうして、この立場に至ったわけは、自分なりにサイトなどで調査をし、分析をした上で、このような結論に至りました。

調査・分析の過程で、"放射線被曝は被曝量に比例して危険というわけではない"ということも、当然のことながら理解した上での、結論です。

このブログでは、以前福島の高校生らが福島県における、被ばく量は「国内外で差はない」ことを組織的、体系的な計測を行い、それをレポートにまとめ、その内容が英学術誌に論文として掲載される運びになったことを掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。

被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文―【私の論評】発言するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
 

 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、まずは測定結果についは下に画像で掲載します。


この画像を御覧いただくとお分かりになるように、確かに福島県内と、日本国内の福島県外、日本以外と比較しても、福島県内が特に被曝量が高いなどということはありません。

これは、素晴らしい高校生の研究です。高校生に限らず一般の人でも、福島の放射線量に関しては、おそらく高いだろうくらいのことで、様々な論評をしてしまいがちですが、この高校生たちは、散発的に測定するだけというのではなく、時間をかけて組織的、体系的に測定をして、レポートにまとめています。

私たちは、このような態度を忘れてはならないと思います。とにかく、何かモノを語る場合には、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき話をしなければなりません。

ましてや、新聞などのマスコミは絶対にそれを怠ってはなりません。なぜなら、マスコミの影響力は、私達個人よりも、はるかに影響力が大きいからです。

それから、個人でも、マスコミでも、人間の行うことには間違いがつきものです。だから、間違いをする事自体は否定はしません。ただし、間違いに気づいたときの後の行動が重要です。

間違ったときに、すぐにそれを改めるということが重要です。

朝日新聞の「慰安婦報道」のように、誤りを認めるのに、何十年もかけるとか、認めるだけでWSJのように反省しないということには問題があります。以下に朝日新聞と慰安婦問題に関して図のまとめを掲載します。


以下に朝日新聞の慰安婦問題を簡単に掲載しておきます。
    ・慰安婦にするため女性を暴力で強制したと、著書や集会で証言した男性がいた。
    ・80年代から90年代初めに記事で男性を取り上げ証言は虚偽という指摘がされる。
    ・男性は吉田清治氏。著書で山口県労務報国会下関支部の動員部長をしていたと語った。
    ・朝日新聞は吉田氏について確認できるだけで16回記事にしている。
    ・90年代初め、他の新聞社も吉田氏を記事で取り上げていた。
    ・92年4月30日、産経新聞や週刊誌も創作疑惑を報じ始めた。
    ・吉田氏は虚偽疑惑について問われると「体験をそのまま書いた」と答えた。
    ・む済州島での取材で裏付けは得られず。「真偽は確認できない」と表記した。
    その後、朝日新聞は吉田氏を記事に取り上げていない。
そういう意味では、今回のブログ冒頭のWSJが、被爆リスクについて誇張したことを認めて反省したことは、潔の良い、素晴らしい行動だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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