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2020年8月16日日曜日

中国の小麦買付量が1000万トン減、習近平氏は食糧を浪費しないよう呼びかけ―仏メディア―【私の論評】中国が食料危機の可能性を公表しないのは、自らの無謬性を強調のため、危機を人民のせいにするための方便か(゚д゚)!


中国の家庭料理

2020年8月13日、仏RFIの中国語版サイトは、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が国民の食習慣における食糧の浪費に注目すると同時に食糧関係機関の責任者らが頻繁に打ち合わせをし、政府メディアも食糧の安全を重視するよう求め、国民に食糧を節約し、危機意識を持ち続けるよう呼びかけたと報じた。

中国農業科学院の統計によると、2015年の統計では毎年3500トンの食べ物が浪費されているという。

記事によると、中国国営新華社通信は次のように中国の人々に理解を求めた。食糧資源が豊富な国で産業チェーンが断絶する可能性がなくはない。サプライチェーンが断絶すると、恐慌のような購買が発生する。また、昨年末からこれまでの世界各地のバッタの大量発生や山火事、さらに新型コロナウイルス感染拡大により、物流が滞ったり輸出制限を受けたりして、世界の農産物供給の不確実性が増し、食糧市場が不安定になっている。

また、フランス通信社は「中国人は盛大な食文化から節約へと移行し、習近平の呼びかけに応えている」と報じ、北京市や武漢市、西安市など多くの都市の職業飲食協会が提唱し推進している「N-1」の飲食モデルに注目した。「N-1」とは、人数分の食事から一品減らすというもので、これにより品数は多様でありながら、食糧の節約ができ、浪費を防ぐという。同時に、中国の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などは、プラットフォーム上のプログラムでの誇張した「大食い」を禁止すると発表したという。

記事によると、中国政府はこれまで、年間在庫は消費量に対し十分で、食糧供給に問題はないと度々強調してきた。国家食糧・物資備蓄局が今週発表したデータでは、河北省から江蘇省、山東省から河南省の多くの小麦主産地の買付量が前年同期比減となり、全体で938万トン以上減少した。だが、現在の小麦と米の在庫量は国民の1年間の総消費量に相当するという。また、米、小麦、トウモロコシの「中国三大食糧」の中国国内自給率は平均97%以上、2019年の中国の1人当たりの平均食糧占有量は470キロを超え、国際食糧安全基準より1人当たり400キロ多いという。データは、食糧の余裕への「十分な自信」を示したと記事は伝えた。(翻訳・編集/多部)

【私の論評】中国が食料危機の可能性を公表しないのは、自らの無謬性を強調のため、危機を人民のせいにするための方便か(゚д゚)!

中国の食糧事情の現状は、どうなのでしょうか。2020年8月14日、中国メディアの観察者網は、「食べ物を粗末にしないため」体重に応じたメニューを提案する湖南省長沙市内のある飲食店について伝えました。

4日、中国メディアの観察者網は、「食べ物を粗末にしないため」体重に
応じたメニューを提案する湖南省長沙市内のある飲食店について伝えた。

記事によると、この飲食店のシステムは、客が入店前に測定した体重に基づいて店がメニューを推薦し、客が注文するというもの。店は「これは客が適切な量の食事ができるように誘導するもので、浪費を根絶するためだ」としている。この店では客のために余った食事を持ち帰れるよう無料で容器を提供しているといいます。

同店の対応は、習近平(シー・ジンピン)国家主席が最近、「食べ物を粗末にしてはいけない」などとする「重要指示」を出したことと大きく関係しているとみられています。

共産党機関紙・人民日報は12日付と13日付の1面で、習氏が「飲食物の浪費は衝撃的で心が痛む」と語り、食料を無駄にしないための対策を取るように命じたと伝えました。中国都市部の外食産業で1年に出る残飯は1700万~1800万トンと推定され、3000万~5000万人分の1年間の食料に相当するといいます。

習氏は2013年から食べ残しをしないように求めています。習氏が改めて指示を出したのは、食料問題が切迫する可能性があると判断しているからです。習氏は「食料の安全確保について常に危機意識を持たないといけない。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大はわれわれに警鐘を鳴らしている」と述べました。

中国では今年、長江流域を中心に大雨による水害が起きています。食料の輸入先である米国との関係が極めて悪化していることも不安材料です。習氏は米国との対立が深まる中、「自力更生」「持久戦」を訴えてきました。今回の「食べ残し禁止」の呼び掛けも長期的な覚悟を国民に求めたものといえます。

中国の水害を伝えるテレビの画面

習氏の指示を受け、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は、飲食の浪費を抑制するための法整備について検討を開始。国営中央テレビは、ネット上で人気となっている「大食い」を誇る動画を「食べ物を無駄にする極端な事例」と批判し、食料の節約を訴えました。

米ラジオ放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、7月に四川省成都市農業農村局が近日、成都市全市における果樹園や樹林園が水稲栽培に変更する状況を調査報告するように公文書を出しました。同公文書には、水稲栽培を促すために政府は田んぼに切り替えた農民には6.667アール(約666.7平方メートル)ごとに3千人民元(約4万6千円)もらえる保証すると書かれています。

現地の農民によると、当局がこれだけの補償を出してまで、水稲栽培に切り替わるように要求したのは中国の食糧貯蔵が厳しいことが垣間見えるそうです。

四川省だけでなく、湖北省孝感(こうかん)市の地方当局も田んぼ政策を促しているそうだ。田んぼ6.667アール(約666.7平方メートル)開墾ごとに150元(約2千円)の手当てを出すという。

また、6月からイナゴの大群が農業地区である広西チワン族自治区桂林市を襲いかかり、関連映像からは密集したイナゴによる農作物の被害状況が確認できます。ウエイボーでは全市が被害に遭ったといいます。

ここ2か月、中国各地は洪水やバッタ、ペストなど様々な災害に見舞われ、下半期の食糧危機の可能性が懸念されています。中共国家統計局も、今年の夏の穀物生産量は今年の洪水同様、過去最高を記録し、豊作であると発表しました。

中国メディアも種々様々な報道をしています。いずれも最終的に判で押したかのように、様々な統計値を出した上で、最後には「食糧危機は起きない」と報道しています。

ところが、7月15日付で米国農務省(USDA)は、7月14日に米国企業がトウモロコシ176万2000トンを中国へ輸出する契約に調印したと発表しました。 

これはトウモロコシの契約規模としては過去4番目に大きく、1日の取引量としては1994年以来最高の規模でした。これより4日前の7月10日には中国向けにトウモロコシ136万5000トンの輸出契約が締結されていました。

これら2つの契約は今年中に商品の納入を完了することが予定されています。 

今年1月に米中両国は貿易協議の第1段階として、「中国が米国産品の輸入を2年で2000億ドル(約21兆円)増やすのに対し、米国は中国製品にかけた追加関税を段階的に下げること」で合意しました。 

6月30日に香港で『香港国家安全維持法』が施行されたことにより米中関係は今まで以上に悪化しているというのに、中国が依然として米国産農産物を買い付けているのは第1段階の目標達成というよりも、中国国内の食糧危機を見越した「背に腹は代えられない」事情があると考えるのが筋でしょう。

中国当局は最近、米国だけからというわけではなく、大豆やトウモロコシの輸入そのものを増やしています。中国税関当局が26日に公表した統計では、6月にブラジルから大豆1051万トンを輸入しました。5月と比べて18.6%増で、前年同月比では91%増となりました。

また、米農務省(USDA)が毎週公開する統計によれば、7月9~16日までの1週間で、中国向けのトウモロコシ輸出量(196.7万トン)は、週間統計として過去最高となりました。中国は同週、米国から169.6万トンの大豆を購入した。2019年3月以来の高水準となりました。

8月10日に公表された中国の7月の食糧価格は、12カ月連続で2桁上昇となっています。8月に入るとさらに国内の穀物価格が上昇しています。

中国国内が未曾有の大災害に見舞われる中、習近平国家主席は7月22日、天変地異とは無関係の食糧の主要生産地である東北部の吉林省を視察し、「吉林省は食糧安全保障政策を最優先課題にすべきだ。戦争の際、東北部は非常に重要だ」と異例の発言を行いました。

こうした大災害の時にこそ、民衆の苦しみを少しでも和らげ、労わろうとするのが、本来の徳ある為政者の姿のように思いますが、習主席は「災害対策本部」のような組織もろくに立ち上げず、最前線へ出向いた中央政府の責任者は一人もいないとも言われています。

吉林省のとうもろこし畑を視察する集金兵

胡春華副首相は7月27日、国内の食糧生産に関する会議で、各省の幹部に対して「食糧の生産量を増加すべきである。けっして減らしてはならない。国の食糧安全保障にいかなる手違いも許されない」と厳命しました。

中国では近い将来、レストランで好きな料理を多めに注文すると「監視員」に止められたり、食べ残しを残して出ようとすれば拘束されてしまう、というよう信じられないような話が現実となってくるでしょう。食料危機への対処として、情報を開示して国民の協力を呼びかけるのでなく、習近平が人民の「食べる自由」まで奪おうとしているのでないでしょうか。。

これは、初期段階で武漢ウイルスの感染を隠していたことを彷彿とさせます。本当は、今後食料問題がこれから深刻になっていく可能性があるのに、それを公表して人民の協力を求めるのではなく、中共や自らのの無謬性を強調したいがために、そのようなことはせずに食糧不足やそれにともなう食料の高騰が起こった場合には、それを人民のせいにし、自らの責任を逃れるための方便とするのではないでしょうか。

それを実行すれば、中共はマスク外交で諸外国から信頼を失ったように、今度は国内で人民の憤怒のマグマを直接受けることになってしまいます。これに関して、さすがに米国や、日本のせいにすることはできません。

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2017年3月18日土曜日

北朝鮮有事が日本に突きつける8つのリスク【評論家・江崎道朗】―【私の論評】 森友学園問題で時間を浪費するな!いまそこにある危機に備えよ(゚д゚)!

北朝鮮有事が日本に突きつける8つのリスク【評論家・江崎道朗】

【江崎道朗のネットブリーフィング 第7回】

江崎道朗氏
トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

 北朝鮮有事は他人事ではない

 半年ぶりに沖縄に行って那覇市内のホテルでテレビをつけたら、中国共産党政府の国営放送CCTVの番組が放映されていた。

 番組では、3月7日から10日にかけて東シナ海で実施された日米共同訓練と、横田基地に配備された在日米軍の新型輸送機C130Jがテーマで、その内容は日本のテレビとは比較にならないほど詳しく専門的であった。

 日本のテレビが森友問題や豊洲問題ばかりを報じているのに、中国共産党は詳しい軍事分析をして国民に伝えているのだ。安全保障に関しては、国民の知る権利を保障しているのは、中国共産党のほうだろう。

軍事的危機が迫っているというのに日本では森友学園問題ばかり・・・
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 危機感を覚えながら3月13日、帰京してテレビをつけたら、NHKの午後7時のニュースのトップは森友学園問題。しかも『クローズアップ現代』も森友学園特集だった。国会でもひたすら森友問題で、一民間学校の件だけを延々と議論するのはやはり異常だ。
 そんな日本のマスコミと国会に異議を唱えた(?)のが、北朝鮮だ。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が3月6日、弾道ミサイル4発を発射し、うち3発を日本の排他的経済水域(EEZ)内に打ち込んできたのだ。安倍首相とトランプ米大統領は7日朝、電話首脳会談を行い、対応を協議した。

 ジャーナリストの山口敬之氏は3月8日付『夕刊フジ』公式サイトにおいて、北朝鮮がアメリカ本土を攻撃できる核弾道ミサイルを開発しつつあることを念頭に、トランプ政権が北朝鮮に対して「限定空爆」を含む、金正恩氏を排除する「斬首作戦」を検討していると指摘している。

 しかも山口氏によれば、こうしたトランプ政権の意向に対応して安倍政権は「軍事」「難民」「経済」の3つの準備をしているという。

 第1が「軍事」で、《米軍の第1次攻撃の後に予想される朝鮮半島の動乱状態に、日米韓が一体として対応することを目指して準備が進められている》とのこと。

 日米韓三か国が連携して北朝鮮動乱にあたると言われてもピンと来ないが、北朝鮮空爆が韓国と日本に大きな影響があることを考えれば、その具体策を日米韓三か国で協議するのは当然だろう。

 その場合、まず想定されるのが、北朝鮮から大量の難民が日本に押し寄せてくるケースだ。山口氏はこう指摘している。

《北朝鮮が動乱状態に入れば、地中海のシリア難民のように、日本海を渡って大量の難民が漂着する可能性がある。さらに、韓国や他国経由で、船舶や民間機で難民・移民が押し寄せることも想定される》

 この問題については、3月9日の参議院内閣委員会で和田政宗議員が質問していて、警察庁警備局長は避難民が押し寄せてきた場合、「身柄の確保、上陸の手続き、避難所収容、避難所の警備等」を検討していると答弁している。

 日本としては、日本海沿岸に対する警備体制を強化するとともに、難民たちを一時的に受け入れるためには難民収容所もつくらないといけないが、それをどこにつくるのか。しかも難民たちが武装している可能性、難民たちのなかに武装工作員が紛れ込んで日本に入ってくる可能性もあるので、その対応をする海上保安庁や警察も現在の人員や装備だけで対応できるのか、という課題がある。

 経済的にも大きな影響が出てくる。山口氏はこう指摘している。

《日本政府が懸念しているのは、北朝鮮情勢の混乱をきっかけに韓国経済が最悪の事態に陥るパターンだ。現在、政府内では、韓国経済が受けるインパクトを、北朝鮮情勢の展開パターンに応じて数種類のシミュレーションをしているという》

 このように北朝鮮「斬首作戦」に対応して安倍政権は「軍事」「難民」「経済」の3点で対応策を協議している。さすが安倍政権と言いたいところだが、この3点だけでは不十分だ。

 最低でも、あと5つの対策が必要だ。

 在韓邦人の避難、ミサイル攻撃

 第1に、在韓邦人約4万人をいかにして避難させるのか、という課題だ。とくに韓国に支社を持つ日本企業は、事態を深刻に受け止め、直ちに対策を講じておくべきだろう。

 第2に、北朝鮮による日本に対するミサイル攻撃だ。北朝鮮は在日米軍が攻撃目標だと明言していて、日本の市街地がミサイル攻撃をされる可能性があるが、その際どうしたらいいのか。

 平成16年、そのための法律「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」が成立している。

 ミサイル攻撃といった武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための、国・地方公共団体等の責務、避難・救援・武力攻撃災害への対処等の措置が規定されている。

 この法律に基づいて地方自治体は次のような項目について準備することが定められている。

一 住民に対する避難の指示、避難住民の誘導に関する措置、都道府県の区域を越える住民の避難に関する措置その他の住民の避難に関する措置

二 救援の実施、安否情報の収集及び提供その他の避難住民等の救援に関する措置

三 武力攻撃災害の防除及び軽減、緊急通報の発令、退避の指示、警戒区域の設定、保健衛生の確保、被災情報の収集その他の武力攻撃災害への対処に関する措置

四 生活関連物資等の価格の安定等のための措置その他の国民生活の安定に関する措置

五 武力攻撃災害の復旧に関する措置


 問題は、こうした法律があることを国民の大半が知らないし、地方議員でさえも知らない可能性が高いことだ。日本政府としては地方自治体に対してこの法律に基づく準備をするよう注意喚起すべきではないか。

北朝鮮のテロ、中国の「尖閣」占領も


 第3に、北朝鮮はすでに日本国内に多数のテロリストを送り込んでいて、いざとなれば発電所や交通機関などを攻撃する可能性が高い。

 天然痘ウイルスをまき散らすといった生物・化学兵器を使用する恐れもある。天然痘ウイルスの感染力は非常に強いことで知られていて、感染者からの飛沫や体液が口、鼻、咽頭粘膜に入ることで感染する。北朝鮮は、天然痘感染者を山手線に乗せて一気に関東全体に広める生物兵器テロを計画しているという話もあり、こうした危機を前提に、ワクチンの準備も含め地方自治体、医療機関が予め対処方針を立てておく必要があるだろう。

 第4に、韓国側の動きがある。北朝鮮有事となれば、韓国内にいる北朝鮮テロリストが蜂起し、韓国も大混乱に陥る可能性がある。その場合、韓国は態勢立て直しのために、朝鮮半島の外に軍事拠点を構築する必要がある。

 いまのところ済州島を軍事拠点として想定しているようだが、いざとなれば在日韓国人保護を名目に日本の福岡または山口に韓国軍が来る可能性もあるし、実際に韓国政府関係者からそのような話を聞いたことがある。

 第二次世界大戦のときも、ドイツに全土を占領されたフランスは、イギリスに臨時政府をつくった。戦争となれば外国に臨時政府や臨時軍事拠点をつくることがあるが、そうした動きを韓国がしてきたとき、日本政府としてはどうするのか、検討しておく必要がある。

 第5に、日米韓三か国が朝鮮半島有事対応に追われている隙をついて中国が例えば尖閣諸島に海上民兵――米軍はLittle green menと呼ぶ――を送り込んでくる可能性がある。日本としては、朝鮮半島からの避難民対応で海上保安庁の巡視船を日本海に配備しなければならず、尖閣諸島周辺はがら空きになる。もちろん自衛隊も朝鮮半島対応に追われている。

 その隙を衝こうと中国なら考えているはずだ。正規軍を送れば国際社会から非難されるが、漁民を装った「民兵」が荒天を避けるために尖閣諸島に避難し、そのまま居座るケースが考えられる。

 最後にこの朝鮮半島有事に際して、北朝鮮に拉致・監禁されている拉致被害者の救出をどうするのか、という課題がある。

 安倍政権はアメリカとこの問題について検討していると主張している。が、特定失踪者問題調査会も指摘しているように、具体的にどのようにして拉致されている被害者を発見し、本当にその人たちが拉致被害者であるかどうかを特定(DNA鑑定などによる特定が必要)し、その人たちをどのようにして日本に連れてくるのか、という具体的な方策まで検討しているのか。

 数年前、朝鮮半島有事に関する軍事シミュレーションを担当するアメリカの民間軍事会社の担当者と会った際は、日本政府と拉致被害者救出についての具体的な協議を行っている様子はなかった。

 朝鮮半島有事に際して、政府も地方自治体も検討しなければならない課題が山積している。「北朝鮮は大変そうだ」では済まないのだ。
【江崎道朗】1962年、東京都生まれ。評論家。九州大学文学部哲学科を卒業後、月刊誌編集長、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、外交・安全保障の政策提案に取り組む。著書に『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社)、『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』(青林堂)、『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』(展転社)など
【私の論評】 森友学園問題で時間を浪費するな!いまそこにある危機に備えよ(゚д゚)!

このブログでは、去年に引き続き今年も米軍による金正恩斬首作戦の実行の可能性を何度か指摘してきました。その典型的な記事のリンクを以下に掲載します。
米韓演習中に北ついに挑発!軍事的な対抗措置も 中国も交え一触即発の緊張感―【私の論評】現実味を帯びてきた金正恩斬首作戦(゚д゚)!
今月1日に始まった米韓合同演習「フォールイーグル」
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下にこの記事の結論部分を掲載します。
最近、北朝鮮では正恩氏による粛清の数が増えています。トランプ氏も『常軌を逸している』と判断していることでしょう。米軍が、正恩氏の近くに協力者を確保し、地下の秘密部屋の位置や、逃亡経路も把握したとの情報もあります。軍事演習中に挑発行為に出れば、一気にゴーサインが出てもおかしくない状況です。 
昨年も今回と同じような米韓合同演習が実施されており、そのときにも金正恩斬首の噂もあったのですが、昨年はまだオバマ政権であったので、おそらく実行されないだろうと思っていましたが、今年はどうなるかは本当ににわかりません。 
金正恩の正確な位置が確認されたり、その他の様々な条件が揃えば、今年は実行する可能性が大です。 
米空母「カール・ビンソン」といえば2011年5月、国際テロ組織「アルカーイダ」の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者の遺体を、アラビア海で水葬したことで知られます。正恩氏の葬儀も、同艦で行うことになるかもしれません。
この記事には掲載していませんが、米軍は昨年から韓国に金正恩斬首部隊を配備していました。そうして、その斬首部隊も含めて、3月には軍事訓練を行っていました。

金正男氏殺害以前からこの状況でした。しかし、現在では北朝鮮による正男氏殺害の関与はほぼ間違いないと考えて良い状況になっています。ますます、金正恩斬首の可能性は高まっています。

 世界に衝撃を与えた、マレーシアでの正男氏暗殺事件(2月13日)を受け、日本をはじめ世界各国のメディアが「怒り心頭に発したドナルド・トランプ米政権が正恩氏排除に動き出した」「中国もこれを黙認する方向だ」などという観測記事を配信している。

 ところが、日米両政府の中枢や、中国、韓国からの情報を精査すると、正恩氏を排除して別の指導体制に移行させる動きは昨年夏以降すでに本格化していたことが分かってきた。

 そして、この動きをキャッチした正恩氏側が、有力後継候補である正男氏を暗殺したとする見方が強まっている。

米軍は、北朝鮮の体制転覆を目指す「作戦計画5015」を2015年に策定しています。これは、米軍の特殊部隊が正恩氏を急襲・排除すると同時に、北朝鮮の核・軍事施設など約700カ所を精密誘導(ピンポイント)爆撃で破壊するものです。

以下に、米韓連合軍による作戦計画の概要のチャートを掲載します。


米軍としては、ここまでしなくても、正恩氏の居場所を特定し、誘導ミサイルで爆死させるのが最も手っ取り早いのですが、これでは遺体の確認が難しいです。

しかし、金正恩暗殺で最重視されるのは、正恩氏の死亡を明確に記録して、北朝鮮国内と国際社会に「正恩体制が完全に終わった」ことを伝えることです。そのため、遺体の確保、それも金正恩であると確認できる程度の損傷の激しくない遺体の確保が必須です。

おそらく、実際に実行されるのは、もっとコンパクトで、国際テロ組織「アルカーイダ」の最高指導者、オサマ・ビンラーディン殺害時と同様、あくまで、ネービー・シールズなどの米軍特殊部隊が正恩氏の居場所に突入して、息の根を止める作戦が実行されることでしょう。

オサマ・ビンラディンの米軍による殺害を伝える朝日新聞
ピンポイント空爆も、北朝鮮国内数カ所に点在する朝鮮人民軍の指揮命令系統に絞った「限定空爆」にして、正恩氏の断末魔の反撃を断固阻止するというものになるでしょう。しかし、その後が問題です。

もし、金正恩斬首に成功したにしたとして、それで北朝鮮に何らかの変化がおき、体制崩壊ということにでもなれば、ブログ冒頭の記事で江崎道朗氏が描いた最悪のシナリオは避けられるかもしれません。

しかし、正恩斬首の後でもなお、北朝鮮が体制を維持し、すぐに後継者を決めるなどして、徹底抗戦の構えを見せた場合には、江崎氏の描いた最悪のシナリオが実現するかもしれません。

そうして、現在北朝鮮が実戦配備している弾道ミサイルの多くは、TEL車両(移動起立発射台)から発射できるため、すべての軍事施設を無力化するにはやはり、北朝鮮の体制転覆を目指する「作戦計画5015」と同程度の約700カ所にミサイルを撃ち込む必要がありそうです。これでは、相応の準備が必要で、軍事行動の大規模化・長期化も避けられないことになります。

弾道ミサイルを積載した北朝鮮のTLT車両
軍事に関しては、中途半端な希望観測をもとに戦略・戦術を立案するべきではなく、やはり最悪の事態を想定すべきです。米軍も最悪のシナリオを想定した上で斬首作戦を実行することでしょう。日本としても、最悪のシナリオを想定しておくべきです。

しかし実行すべきときは、実行すべきです。かつて、オバマ氏の弱気を見抜いた北朝鮮は、失敗を恐れずに核実験を繰り返し、念願の核保有国になりました。プラハ演説でノーベル平和賞を受賞したオバマ氏は「平和的解決」のイデオロギーに縛られ、北朝鮮や南シナ海の問題で不作為の罪を犯しました。優しすぎる理想主義者に米大統領の任務は重すぎたのです。

しかし、トランプ大統領はオバマ氏の二の舞いを舞うことはないでしょう。正恩の居場所を正確な居場所を突き止め、他の諸条件ともあわせて、実行可能であると判断した場合には、斬首作戦を実行する可能性が高いです。

金正恩斬首作戦が実行されたとしたら、最悪ブログ冒頭の記事で、江崎氏が指摘した8つのリスクが現実のものに対する可能性が高いです。このリスクへの対策を検討すべき国会では、学校法人「森友学園」(大阪市)をめぐる問題で、野党が安倍晋三首相や稲田朋美防衛相を責め立てています。

こういう状況の中で、日本維新の会の足立康史議員が森友学園の問題についてしっかりと本質を捉えた素晴らしい説教をしました。

「北朝鮮がミサイルを撃って大変、安保情勢が厳しい中で総理や防衛大臣の足を引っ張るのは、北朝鮮や中国と通じていると疑われても仕方がない。僕はこういう国会活動は控えたほうがいいと思いますね」


蓮舫代表率いる民進党や、共産党の関係者によく聞き入れるべき内容です。かねてより森友学園の疑惑は次から次へと焦点が変わり、結局決定的な証拠がでないまま、アベノ製ダーズがいちゃもんをつけるだけになっています。

安倍総理が「認可や国有地の払い下げにかかわっていたら辞任する」とまで発言したのに、蓮舫代表はいつの間にか「募金していたなら辞めると言っていた」と発言をすり替えていました。

参考:蓮舫「安倍総理は森友学園への寄付が事実なら辞めると言っていた!」 ※言ってません

もはや重要な議題を見失って、ここぞとばかりに安倍総理を潰そうとしているだけです。そもそも森友学園の問題など、国政からすればほとんど無意味と言っても良いくらいなものにもかかわらず、大騒ぎをして、国会で本来すべき議論をせずに、ただただ無駄時間を費やさせる結果になっています。

「政局こそ、わが命」と張り切る馬鹿議員や馬鹿政党や、それに便乗して低劣な印象操作を繰り返す愚鈍白痴メディアに日本の有権者はもう騙されません。

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