野党合同ヒアリングで関係各省庁の職員から聞き取り を行う野党議員(奥列)=8日午後、国会内 |
民進党と希望の党が合流した新党「国民民主党」が誕生したが、離党者も数多く出て、衆院で野党第1党になれなかった。今後、立憲民主党との違いを打ち出すことができるのだろうか。
日本維新の会を除く野党6党は、大型連休の間、本職であるべき国会審議を拒否し、連休明けを含めなんと18連休だった。その間、辞任要求をしていた麻生太郎財務相が国会に出ているのに、目の前のクビを取るための質問を国会でしなかった。
一方で、国会外で「野党合同ヒアリング」と称して、国会答弁もできない下っ端官僚をつるし上げていた。これは、ある意味でパワハラだ。答弁能力のない下っ端官僚が同じ答弁を繰り返すたびに、一部野党の議員に怒鳴り上げられ、さすがに気の毒だった。
動画はブログ管理人挿入
そして「連休」明けの7日、野党の18連休の最後の日に、国民民主党の結党大会が開かれた。
民進党は53人、希望の党は54人だったので、本来なら合流した国民民主党は107人になって衆参両院ともに野党第1党になるはずだった。しかし、実際に参加したのは衆院議員39人、参院議員23人の計62人。約4割が新党に参加しなかったことからも、その期待度がうかがえる。新党は今の状態より良くなるために参加するのが通例だが、機を見るに敏な国会議員も見限っているのだ。
希望の党からの参加者は、現実的な安全保障や憲法改正への賛成など、旧民主党時代の曖昧な安全保障・憲法改正論議から大きく舵を切っていた人も少なくなかった。国民民主党ではそうした大きな国の方向性は議論しないらしいので、再び旧民主党時代に戻ったかのようだ。
国民民主党は旧民主党の中ではやや右の中道路線だが、立憲民主党は旧民主党の左派である。国民民主党は、旧民主党のように大きな問題の議論を避けるが、立憲民主党は左派路線そのものを隠そうとしない。
この意味で、コアな左派は立憲民主党のほうに魅力を感じるだろう。国民民主党は、リアルな安全保障や憲法改正の主張をすると、自民党との差別ができなくなってしまうジレンマがある。
この点から、立憲民主党の方から合流を申し入れることはなさそうなので、国民民主党が立憲民主党と合流して、旧民主党が復活するようなことは当面ないだろう。両党は広い意味での左派政党を目指しているが、旧民主党が分裂してできた経緯から、合流することはなく、両党が合わせて過半数を取ったときには連立政権を組むのだろう。保守系の自民党と公明党のように、政党は違うが連立パートナーになるという腹づもりのようだ。
しかし、問題は、本コラムで何回も繰り返しているように、両党ともに、雇用を増やすマクロ経済政策や金融政策について勉強不足であることだ。とても左派政党を名乗る資格はない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】多数派の意見や考えを無視しては、政治もマスコミも成り立たない(゚д゚)!
最近さらに、雇用情勢が改善されています。それは統計数字だけではなく様々な現場にも反映されています。たとえば、最近日本郵便が法人向けの郵便物の集荷サービスを6月末に廃止する方針を固めました。
人手不足の日本郵政は法人の郵便物の集荷を廃止する |
宅配便「ゆうパック」の取扱量増加で人手不足が常態化する中、無料で実施してきた法人の郵便物の集荷を継続するのは困難と判断したのです。同社は既に年明けから、集荷を利用してきた法人顧客にサービス廃止の通知を出していますが、顧客から不満も出そうです。
昨年はヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスは4月、健全な労働環境を守ることを理由に27年ぶりの運賃値上げの方針を発表しました。
昨年はクロネコヤマトの運賃が値上げに |
2年続けて、物流に関連する大手企業が運賃をあげたり、サービスを停止したりする状況に追い込まれています。これは、明らかに2013年度から継続してきた金融緩和による雇用増による人手不足によるものです。
このような状況になっても、高橋洋一氏がブログ冒頭の記事で掲載しているように、立憲民主党も国民民主党も、雇用を増やすマクロ政策や金融政策について理解していないようです。特に金融政策に関する理解は最悪のようです。
経済理論など理解しなくても、もう現在の人手不足の状況は理解できるはずです。そうして、この人手不足は金融緩和策による雇用の改善であることも理解できるはずです。
さらに、もっと目利きなら、難しい経済理論など理解していなくても、クロネコヤマトや日本郵便がここしばらく現場の人の採用を多めに行ってきたことにより何が起こったのかも、肌で感じることができるはずです。
クロネコヤマトも、日本郵便でも、まずは現場の人間を増やすのは当然のことです。管理職や、役員を増やすよりも、まずは現場のパート・アルバイトなどを増やすはずです。そうなると、何がおこるのか、会社単位でも平均賃金は下がります。
国レベルで全産業でこれがおこれば、当然実質賃金は下がります。実質賃金は平均値でみるからです。しかし、野党は実質賃金が下がったことを「実質賃金ガー」といって安倍政権を批判するばかりでした。
金融緩和策による雇用の改善は、労働者の雇用を改善するということで、世界中の左派政党や、労働組合などが賛成している政策です。野党は、良く女性の議員や閣僚数などを日本と比較するということなどで、良く海外のことを調べるのですが、金融政策についてはなぜか全く比較もせず、調査もしていないようです。
この世界中の左派政党や、労働組合が賛成している金融緩和策を安倍総理は2012年の政権交代選挙で公約として選挙に勝利し、2013年4月から日銀は大規模な量的金融緩和に踏切りました。それから5年間、途中で8%増税がありましたが、継続して量的緩和を行ってきた結果が今日の雇用情勢の過去にないほどの改善と、人手不足です。
彼らは、元々経済がよくわかっておらず、「 政権や権力と戦うのが自分たちの使命」と思いこんでおり、とにかく「安倍には反対」という姿勢に凝り固まり、安倍総理の実施する金融緩和にまで反対してしまったというのが真相だと思います。
そうして、国民経済を良くするために、左派的な手法でも過去に十分にその効果が確認されている金融緩和策を導入する保守派の安倍総理と、安倍総理が実行している政策であるから反対という左派政党のどちらが国民にとって良いかといえば、無論安倍総理のほうが良いに決まっています。
国民のことを考える政治家と、自分たちの都合しか考えない政治家のどちらが国民に支持されるのかといえば、当然のことながら国民のことを考える政治家です。しかし、そのことに国民民主党も立憲民主党も含めた日本の野党は、何度選挙で惨敗しても理解できないようです。
そうして、選挙で惨敗し続け、少数派の支持しか受けていない野党に肩入れするマスコミもこのことを理解できないようです。
実際、主要全国紙の朝刊販売数は都市を経るごとの減少しています。この減少は無論インターネットの普及という面もありますが、新聞の報道姿勢が国民の多数派の意見や考えを無視しているということも多いに影響していると思います。
朝朝日新聞は不動産事業で儲けているから、部数が減っても問題ないとよくいわれます。しかし、過去5年の朝日新聞社の財務諸表を徹底分析すると驚くべきことがわかっています。
年5%の部数減で、朝日は倒産の危機に陥るというのです。去年のデータでは40万部減、すでに5%以上部数を減らしています。「朝日廃刊」はもう荒唐無稽の話ではありません。
国民民主党や立憲民主党を含む野党は、自ら多数国民を無視して、少数派になる道を選び続ける一方、新聞などのマスコミも少数派である野党にばかり肩入れしています。
少数派であることや、少数派にばかり肩入れすることに固執すれば、やがて自らも少数派になり滅んでいくのは自明の理だと思います。
無論少数派の意見や考えを無視しろと言っているわけではありません。彼らの意見も尊重すべきです。しかし、多数派の意見や考えを無視しては、政治もマスコミも成り立たないのは自明の理です。野党や、マスコミはこれをどう見ているのでしょうか。
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